【ブラッククローバー】紫苑の鯱はどんな騎士団？新団長カイゼルなどメンバーは？

この記事では、『ブラッククローバー』に登場する魔法騎士団「紫苑の鯱」にスポットを当て、団長カイゼルらメンバーの紹介や彼らの活躍、そして元団長ゲルドルの裏切りなどを解説していきますが、まずはその前に『ブラッククローバー』の作品情報をお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

『ブラッククローバー』は、田畠裕基による魔法ファンタジー漫画で、2014年単発の読み切り作品として「少年ジャンプNEXT!!」誌に初登場します。その後、多くのファンの期待に応え、週刊少年ジャンプ2015年12号から連載がスタートしました。単行本は35巻まで刊行され、2022年1月時点での累計発行部数は1700万部を突破しています。

高い人気に支えられ、ジョニー音田による外伝小説や、小林拙太によるスピンオフ作品「ブラッククローバーSDアスタくん魔法帝への道」など、『ブラッククローバー』の関連書籍が数多くリリースされました。さらには、ゲームソフト「ブラッククローバーカルテットナイツ」のコミック化も行われています。

幼い頃教会前に捨てられていた孤児の少年アスタは、同じ日に教会に遺棄されたユノと共に、魔導士の最高位・魔法帝を目指し魔法の修行に励む日々を送っていました。しかし、ユノが急速に魔法の力を高めていく中、アスタは全く魔法を扱えません。魔法の才能がないことに気付いたアスタは、魔法帝になる夢を一旦は諦めてしまいます。しかし、ある出来事をきっかけに、アスタは再び夢に向かって挑戦することを誓います。

「紫苑の鯱」とは、クローバー王国内に存在する魔法騎士団の1つです。この団体は、9つの騎士団の中でも特にモラルが低いとされ、『ブラッククローバー』の物語が進むにつれてその悪辣な実態が明らかにされていきます。

紫苑の鯱の特徴として挙げられるのは、身分の高い者ほど魔力が大きく、身分差別が蔓延していることです。他の魔法騎士団でも身分差別は存在しますが、紫苑の鯱は特に酷く、権力を背景に横暴な行動を取る者が多くいます。過去には、任務中に下級の団員を偶然の事故と偽って殺害した者もおりました。

紫苑の鯱のシンボルは鯱（シャチ）で、シンボルカラーは紫色です。エンブレムに描かれた鯱は、実際の生物である哺乳類シャチ属の海洋生物ではなく、想像上の生物で、魚の体と虎のような頭が特徴です。

紫苑の鯱メンバーは紫色のローブを羽織っており、両肩から金色で縁取られた三角形の布が垂れ下がっています。左胸にはエンブレムが取り付けられています。また、団長のローブは豪華な造りで、首元にファーが飾られています。

クローバー王国では、魔法騎士団の業績を表す指標として「星」という制度が採用されています。騎士団員が功績を上げるごとに星が授与され、時には1つの任務で複数の星を獲得することもあります。

各騎士団は星の獲得数を競い合っており、かつて紫苑の鯱は70個近い星を持ち、9つの騎士団中で4位に位置していました。しかし、翌年になると、団長ゲルドルの裏切りが発覚し、星の数はわずか51個まで減少、順位も8位に後退しました。

ここからは、紫苑の鯱の団長やメンバーを一覧で紹介します。最初は団長のゲルドル・ポイゾットです。ゲルドルは、黒い仮面を身につけた巨漢で、「ンフフフフ」という笑い声が特徴です。魔導士であると同時に豪商としても知られていますが、不正行為・裏切り行為の噂も絶えません。

白夜の魔眼による王都襲撃事件を契機に、裏切り行為、国宝魔導具の盗難、団員への暴行などの不正が明るみに出ました。そして、ゲルドルは団長を解任され牢獄に投獄されましたが、白夜の魔眼のエルフたちの転生魔法によって脱走することに成功します。しかしその後、黒の暴牛団長ヤミに捕まり、復興作業に従事させられました。

カイゼルは、ゲルドルの後任の団長で、高い人格と卓越した能力を持つ優れた人物です。紫苑の鯱の凋落傾向を素直に受け入れるカイゼルは、その誠実な性格が評価されています。また、カイゼルは「渦魔法」の達人であり、巨大な渦を形成し相手の魔法を消し去る能力を持っています。その防御力の高さからカイゼルは「王国最強の盾」と称されています。

ザクスは、紫苑の鯱の副団長で、「麗氷の聖者」として尊敬され、国境地帯で活動しています。紫苑の鯱の立て直しを図ったとされますが、裏では若い女性を誘拐したり、反抗者に対しては暴力を振るうといった悪さをしていたようです。

ジギトは、常にビクビクした様子の魔法騎士で、実直な性格をしており、騎士団の評価回復のため恵外界のパトロールに余念がありません。しかし、転生魔法によって人間を嫌うエルフの魂に肉体を支配され、人々を襲ってしまいます。「毒草」という魔法属性を持ち、触れた相手の皮膚を焼け爛らせる毒草を作り出すことができます。

ここからは、紫苑の鯱の元メンバーの紹介に移ります。レブチは一等下級魔法騎士としての経歴を持ち、その後盗賊として新たな生活を歩むことになりました。紫苑の鯱に所属していましたが、後輩のゲルドルの策略で騎士団を辞めざるを得なくなりました。

その後、魔法封印牢に収監されますが、転生魔法の混乱に乗じて脱走します。しかし、ゲルドルと共にヤミに捕まり、復興作業に従事させられました。「鎖魔法」の使い手で、相手の魔力を封じる力を持っています。

ザラは、ゾラの父親であり、後に黒の暴牛団に加入しました。出自こそ下民でしたが、魔法騎士団入団を諦めず、努力を惜しまなかった人物です。しかし、貴族の同僚からの偏見や差別にさらされ、任務中の事故を装って殺されてしまいます。ザラの魔法属性は「罠」で、魔力不足をカバーするために独自の罠魔法を編み出しました。この戦術は息子ゾラに受け継がれました。

ラデスは白夜の魔眼に所属する、左眼に眼帯をつけた長髪の魔導士です。以前は紫苑の鯱メンバーでしたが、彼の魔法が禁忌とされたことから団を追放されてしまいます。この事からクローバー王国に強い憎しみを抱きますが、白夜の魔眼のリーダー、パトリに利用されたことを知ると、パトリにも敵意を抱くようになりました。魔法属性は「屍霊」で、死体に魔力を宿し操ることを得意にしています。

下民のザラは、魔法騎士団入団への夢を追い求め、試験に何度落ちても決して諦めず、ついに下民出身者としては初めて、紫苑の鯱に加わることができました。ところが、下民のザラの入団を快く思わなかった他のメンバーにより、事故に見せかけて殺害されてしまいます。

ザラの死は、息子のゾラや後の魔法帝・ユリウスに大きな影響を与えました。特にユリウスは彼を「真の魔法騎士」と呼び、その死が魔法騎士の階級制度や団員を正当に評価する星のシステムを考案する契機となったと述べています。

レブチは「鎖魔法」という、相手の魔力量に無関係に魔力を封じることができる特異な魔法を扱う名高い魔法騎士でした。しかし、危険な任務を嫌い向上心に欠ける人物でもあります。そのため、後輩たち、特にゲルドルたちは彼に強い不満を抱き、それが裏切りへとつながっていったのです。

やがて、ある任務を行っているとき、ゲルドルの裏切りにより顔に深刻な傷を負ってしまいます。さらに、ゲルドルの裏切りなのに任務の失敗を上層部から責められ、騎士団を追われることとなりました。その後、レブチは堕落し、盗賊の生活に身を投じることとなりました。ゲルドルの裏切りで一生を棒に振ってしまいました。

ラデスは平民でありながら、驚異的な魔力を持ち、トップの成績で魔法騎士団に入団します。しかし、死者の体を操る屍霊魔法が禁忌の魔法とされ、騎士団から追放されてしまいました。平民という理由で誰からも助けを受けられなかったと思い込んだラデスは、クローバー王国に強い怨みを抱きます。

しかし、後に紅蓮の獅子王の団長フエゴレオンから、「驚異的な才能や強大な力も、正しい心の持ち主でなければ意味がない！そのような力は誰からも認められない！」と諭されました。

王都が白夜の魔眼の襲撃に見舞われます。魔法騎士団はフエゴレオンが意識不明の重傷を負うなど、多大な損害を被りますが、同時に白夜の魔眼のメンバーを捕虜にするという成果も上げました。尋問の結果、魔法騎士団内に裏切り者がいることが明らかになります。その裏切り者とは、紫苑の鯱団の団長、ゲルドルでした。

ゲルドルは、他の団長たちの前で裏切り者であることが暴露されます。逃走を試みますが、アスタによって透過魔法が解除され、捕縛されました。そして、他人の記憶を覗き見る「記憶交信魔法」により彼の数々の悪行が明るみに出ました。紫苑の鯱団の評判は地に落ちることとなりました。

クローバー王国では、白夜の魔眼の拠点に対抗するため、王撰騎士団（ロイヤルナイツ）を結成します。その選抜試験を受けるため、国境地帯に駐留していた副団長のザクスが王都に戻ってきました。しかし、お願い事をしに来た老婆に暴行したところをゾラに見られて、彼の襲撃に遭います。

ゾラは父親の死によって、公権力を振りかざす魔法騎士に憎しみを抱き、悪徳魔法騎士を追い詰めて退治する活動をしていました。ザクスはゾラを公務執行妨害の罪で逮捕しようとしますが、罠魔法によって逆に撃退された上、ローブを奪われてしまいました。ザクスのローブを手に入れたゾラは、彼の名前で王撰騎士団選抜試験を受験することになりました。

王撰騎士団は、白夜の魔眼の拠点への襲撃を計画通りに実行しました。しかし、白夜の魔眼の頭主のパトリが転生魔法を発動した瞬間、事態は急変します。エルフの憎しみに満ちた魂が人間の魔導士たちに取り憑き、暴動を起こさせたのです。

紫苑の鯱でも、新たに団長に就任したカイゼルと、恵外界でパトロール任務についていたジギトが転生魔法の影響を受けて人間を襲い始めました。さらに、カイゼルらによる混乱の中で牢獄が崩れ、ゲルドルとレブチが脱走します。2人は過去の因縁を捨てて協力し、エルフを打倒すると宝物を求めて「影の王宮」というあの世とこの世を結ぶ場所に侵入しました。

ジギトは、黒の暴牛の助けにより転生魔法の影響から抜け出し、本来の自分に戻りました。一方、カイゼルは影の王宮でフエゴレオンと交戦し、敗北を喫します。その後、人間とエルフの対立に悪魔ザグレドが絡んでいたことが明らかになり、人間とエルフは和解しました。

アスタやパトリなどの力でザグレドを打倒した後、人間に憑りついていたエルフの魂は天に帰りました。また、裏切り者のゲルドルとレブチは、ザグレドの魔法から逃れる際、ヤミに発見されそのまま捕らえられました。2人は荒廃した王都の復興作業に従事することになりました。

白夜の魔眼との闘いが終わった後、クローバー王国では悪魔の存在が深刻な社会問題となります。同時に、スペード王国が悪魔に支配されているという情報も明るみに出ました。

スペード王国は、悪魔の力をさらに自由に活用できるようにしようと、黒の暴牛団長ヤミと金色の夜明け団長ウィリアム・ヴァンジャンスを誘拐しました。これに対抗するため、黒の暴牛副団長ナハト・モルゲンの指導の下、精鋭部隊によるスペード王国への潜入作戦が立案されました。

精鋭部隊がスペード王国へ向かう同じ頃、クローバー王国にはスペード王国から魔神が派遣されました。この魔神は『ブラッククローバー』の世界において古くから伝説として語り継がれてきた怪物でした。

カイゼルはこの魔神に立ち向かい、渦魔法「螺旋結界（エリアヘリックス）」を発動しました。カイゼルの魔法には一時的な足止め効果しかありませんでしたが、幸運にもアスタが駆けつけ、五つ葉の魔導書に宿る悪魔と協力して魔神を討伐することができました。

ここからは、アニメ『ブラッククローバー』で紫苑の鯱メンバーの声を演じた声優を紹介します。最初は団長のゲルドル役の声優・杉田智和（すぎた・ともかず）です。現在は、株式会社AGRS代表取締役を務め、声優として活動する一方、作家としての顔を持っています。

経歴を簡単に紹介しますと、高校3年生の時、ラジオドラマ版『魔装機神サイバスター』のシンジ・キリハラ役で声優デビューを飾ります。翌1999年に『魔装機神サイバスター』でアニメ作品の初レギュラーを獲得、2002年に放送された『ちょびっツ』の本須和秀樹役でテレビアニメ初主演を果たしました。

声優。杉田智和の受賞歴としては、2009年に第3回声優アワードで助演男優賞を受賞したほか、2013年には『Newtype×マチ★アソビ アニメアワード2013』にて男性声優賞を受賞しています。

代表作と演じたキャラ

• 銀魂（坂田銀時）
• 涼宮ハルヒの憂鬱（キョン）
• ジョジョの奇妙な冒険（ジョセフ・ジョースター）
• METAL GEAR SOLID PEACE WALKER（カズヒラ・ミラー）
• ウルトラシリーズ（ウルトラマンギンガ）
• ヲタクに恋は難しい（樺倉太郎）

アニメ『ブラッククローバー』でザクス・リューグナーとジギト・タリ役を演じたのは、声優の露崎亘（つゆざき・わたる）です。露崎は、8月3日生まれ・福島県南会津郡出身の男性声優で、現在はケンユウオフィス準所属タレントとして活動しています。

代表作と演じたキャラ

• ダイヤのA actII（小野弘ほか）
• どろろ（次平太）
• 憂国のモリアーティ（カークランド）
• 忍たま乱太郎（野村雄三ほか）
• 転生王女と天才令嬢の魔法革命（シャルトルーズ伯爵）

最後に紹介するのは、カイゼル・グランボルカ役の声優・松田健一郎（まつだ・けんいちろう）です。松田は、1978年1月22日生まれ・埼玉県出身の男性声優で、現在はアーツビジョンに所属し活動しています。

次に、松田健一郎の経歴を簡単に紹介します。20歳前後で法律系の専門学校に入学し、公務員の道を志しましたが、さまざまな困難に直面し、苦しい時期を経験しました。そんな時、心の支えとなったのがアニメでした。

やがて、声優への夢を抱くようになり、その夢を実現すべく日本ナレーション演技研究所に入所しました。基礎科から本科、そして研修科へと進みましたが、3年目に声優オーディションで失敗します。しかし、声優の道を諦めきれず、次の年にはアーツビジョンの入所試験に挑戦し、見事合格しました。

代表作と演じたキャラ

• クロックワーク・プラネット（ヴァイネイ・ハルター）
• RErideD－刻越えのデリダ－（ジャキス・イヴェン）
• ヴィンランド・サガ（トールズ、ナレーション）
• 禍つヴァールハイト -ZUERST-（アルノルト）
• 機動戦士ガンダム THE ORIGIN（オルテガ）
• SPY×FAMILY（ボンド・フォージャー）

ここまで『ブラッククローバー』の紫苑の鯱特集をお届けしてきましたが、最後に紫苑の鯱に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

セッケは、魔法騎士団試験時で実力アピールのためアスタと対戦しますが、返り討ちに遭って、結局中の下に位置する「翠緑の蟷螂」に骨を拾われます。しかし、アスタとの一戦での失態がなければ紫苑の鯱に入団していたかもしれません。紫苑の鯱に入れば密輸や汚職に利用されていたかもしれないので、それを考えれば運がいいと言えるのかも知れません

他の騎士団に比べて特に紫苑の鯱のモラルが低いのは。魔法騎士団の入団試験の仕組みに問題があると言います。「団長が入団させたい団員を選ぶ」ので、団長が腐っている紫苑の鯱には腐っているメンバーしか集まらないのだそうです。
 

最後に紹介するのは、魔神の強さを訴えるツイートからです。その根拠として、カイゼル団長率いる紫苑の鯱が全身全霊で戦っても勢いを抑えるだけしかできなかったことを挙げていました。

ここまで「【ブラッククローバー】の紫苑の鯱はどんな騎士団？」と題して、新団長カイゼルなどメンバーの紹介や彼らの活躍、そして元団長のゲルドルの裏切りなどについてネタバレ解説してきました。　

下民出身で、努力の結果「紫苑の鯱」への入団を果たしたザラが謀殺されてしまいます。これが、魔法帝・ユリウスに大きな衝撃を与え、後の魔法騎士団改革の契機となりました。その後、王都を襲い失敗した白夜の魔眼のメンバーの自供により、紫苑の鯱団のゲルドル団長の裏切り行為が発覚します。ゲルドルは逃走を試みますが、アスタの活躍で捕縛され、紫苑の鯱の評判は地に落ちてしまいました。

その後、王撰騎士団による白夜の魔眼の拠点への襲撃に対し、頭主パトリは転生魔法を発動しエルフの魂を魔導士たちに取り憑かせ暴動を起こさせます。紫苑の鯱でもカイゼル団長たちが人間を襲い始めたり、牢獄が崩壊しゲルドルらが脱走するなどの影響が出ましたが、最後はアスタやパトリの活躍で元のさやに納まりました。

白夜の魔眼との闘いの後には、スペード王国の魔神との戦いが待ち受けていました。黒の暴牛団長ヤミをめぐる駆け引きの末、スペード王国は魔神を送り込んできます。それに立ち向かったカイゼル団長は、渦魔法を発動して時間稼ぎをし、最後は駆け付けたアスタと悪魔の協力により魔神を討伐しました。