【進撃の巨人】シガンシナ区とはどんな場所？シガンシナ区決戦編もネタバレ解説

『進撃の巨人』は、2009年9月から2021年4月にかけて『別冊少年マガジン』にて連載されていた漫画作品。作者は諫山創です。物語は全139話、単行本全34巻で完結しました。人類の生き残りが巨人と戦う姿を描いたダークファンタジー作品で、その独特で壮大な世界観が話題を呼び、日本国内のみならず国外でも大ヒットしています。

『進撃の巨人』は2013年4月にテレビアニメ化され、第1期が同年9月まで放送されました。アニメはその後も放送され、2022年8月時点で第4期完結編（前編）までが公開されています。完結編（後編）は2023年秋に放送予定となっています。『進撃の巨人』はその人気から様々なメディアミックスが展開されており、映画・ゲーム・スピンオフ小説・スピンオフ漫画などが世に送り出されています。

物語の舞台となるのは、巨人が存在する世界です。突如出現した巨人によって人類は滅亡の危機を迎えました。生き残った人類は巨人から逃れるため、巨大な三重の壁を造り、その内側で生活することで100年の平和を得ます。主人公は、壁の中で暮らす少年エレン・イェーガーです。巨人に母親を殺されたエレンは巨人を駆逐すべく、過酷な戦いに身を投じます。

シガンシナ区とは『進撃の巨人』に登場する地名の1つです。ここではシガンシナ区とはどのような場所なのかを紹介していきます。シガンシナ区が物語の中でどのような役割を果たす場所なのか、詳しくチェックしておきましょう。

『進撃の巨人』の世界には、人類が巨人から逃れ生き残るために建造された3つの巨大な壁があり、壁の中に居住区があります。壁は王都を中心に円形に造られているのですが、完全な円ではありません。円形の壁にはところどころ飛び出た部分があり、飛び出た部分の中にも街があります。シガンシナ区とは、三重に張り巡らされた壁の中で最も外側にある壁「ウォール・マリア」の南側にある街で、飛び出た部分の1つです。

壁がこのような不思議な構造をしているのは、外から壁を壊そうとしている巨人への対策です。完全な円形の壁を作ってそのどこかが巨人に突破された場合、巨人を食い止める術がありません。人類は、いつどこを巨人に突破されるかわからない恐怖に怯えながら生活することになります。巨人によって滅亡の危機に陥った少ない人類が、壁の全てを監視することは不可能です。

そこで必要なのがシガンシナ区のような、円形の壁から飛び出た壁です。巨人は巨大な円形の壁ではなく、まず先にそこから飛び出た小さめの壁に狙いを定めます。そのため、人類は飛び出た壁の部分にのみ監視を置けば良いのです。警備コストは抑えられ、数少ない兵力も集中させられます。万が一巨人が壁を破って侵入してきたとしても、飛び出た壁を放棄すれば、最も重要な円形の壁の内部は守ることが可能です。

問題は、巨人は人間を目掛けてやってくるため、飛び出た壁の中に人が住んでいないといけない、ということです。つまりは巨人をおびき寄せるエサが必要なのです。普通に考えれば、巨人に真っ先に攻撃されるであろう危険な地区に住みたいと思う人はいません。にもかかわらず、シガンシナ区のような場所に人が住んでいるのは、王政府がそのような場所に住む人間を「勇敢な戦士」として祭り上げたためです。

『進撃の巨人』では、巨人は南側からやってくるといわれていました。そのため、最も外側の壁の突出した場所であり、しかも南側に位置するシガンシナ区は人類の最重要防衛区域でした。シガンシナ区の危険度が、他の地区と比べて格段に高かったということがわかります。

シガンシナ区は、物語の主人公であるエレン・イェーガーや彼の親友であるアルミン・アルレルトの出身地です。2人はシガンシナ区で日々を過ごし、壁の外に広がるであろう世界に想いを馳せていました。2人の幼なじみにミカサ・アッカーマンがいます。彼女はイェーガー家に住んでいますが、シガンシナ区出身ではありません。

エレンは幼なじみであるアルミンやミカサとともに、シガンシナ区で平和な日々を送っていました。ある日、その平和が一瞬にして崩れ去ります。突如、超大型巨人が現れて壁に穴を開け、シガンシナ区に大量の巨人がなだれ込んできたのです。

この事件で、エレンは住む場所を追われ、母親を亡くしました。巨人に対して憎悪を募らせたエレンは、兵士になって巨人を駆逐することを決意します。『進撃の巨人』の物語はシガンシナ区から始まりました。

ここからは、シガンシナ区決戦編の内容を、シガンシナ区決戦編の名シーンとともに紹介していきます。シガンシナ区決戦編とは『進撃の巨人』の中でも特に盛り上がったエピソードの1つです。超大型巨人の襲撃により、人類はウォール・マリアを放棄せざるを得ませんでした。

シガンシナ区決戦編では、調査兵団がウォール・マリアを奪還すべくシガンシナ区で戦う姿が描かれています。シガンシナ区決戦編では、ファンの心を揺さぶる名シーンが多く描かれました。シガンシナ区決戦編の名シーンを見て、シガンシナ区決戦編がどのようなものだったのかチェックしていきましょう。

ウォール・マリア奪還作戦の会議が終わったあとのことです。リヴァイ兵長は調査兵団団長のエルヴィン・スミスに、ウォール・マリア奪還作戦から外れるよう進言しました。エルヴィンが片腕を失っていたためです。エルヴィンは優れた指揮官で、彼が生き残ることは人類にとってとても重要でした。リヴァイはそう考えていたのですが、エルヴィンはそれを拒否します。

エルヴィンには、どうしてもシガンシナ区に赴かなくてはならない理由がありました。シガンシナ区にはかつてエレンが暮らしていた家があり、そこにはエレンの父グリシャが残した世界の秘密が隠されています。

エルヴィンは自身の父が唱えていたこの世界に関する仮説が正しいことを証明するため、どうしても地下室にいって自分の目で真実を知る必要がありました。エルヴィンの決意は固く、最終的にリヴァイはエルヴィンを信じて彼の作戦参加を受け入れることになります。

ウォール・マリア奪還作戦が始まる前夜、エレンと彼のライバルであるジャン・キルシュタインが殴り合いの喧嘩を始めました。元々、仲が良いとは言えない2人です。以前から事あるごとにいがみ合い喧嘩をしていたのですが、今回の喧嘩はいつもと違いました。

ジャンは元気のないエレンの調子を戻すためにわざと憎まれ口を叩き、エレンもそれに気づいて応戦したのです。周囲もそれに気づいていたため、誰も2人の喧嘩を止めませんでした。エレンとジャンは喧嘩のやめ時を見失い、結果的にリヴァイ兵長の手によって止められました。

調査兵団の面々は、始まりの場所であるシガンシナ区に到着しました。そこでエルヴィンは、獣の巨人と対峙することになります。獣の巨人が登場したのを合図に、多くの犠牲者を出す壮絶な戦い・シガンシナ区決戦の幕が上がりました。多くの読者が興奮した、戦闘開始を告げる名シーンです。

獣の巨人は調査兵団に向かって石を投げて攻撃してきました。この攻撃により、調査兵団は窮地に追いやられます。エルヴィンはどうすればこの状況を打破できるか考えていましたが、それと同時に夢を叶えるためこのまま地下室に行きたいとも考えていました。

夢を優先して地下室に踏み込めないのは、自身が死なせてきた多くの部下たちに対して負い目があるためです。悩むエルヴィンに、リヴァイは夢を諦めて団長としての責務を全うし、死ぬよう告げました。その代わりにリヴァイは、何がなんでも獣の巨人を仕留める覚悟です。厳しい言葉で背中を押してくれたリヴァイに、エルヴィンは感謝の言葉を伝えました。

獣の巨人の攻撃によって仲間たちが次々と倒れていく中、リヴァイはエルヴィンへの誓いを果たすべく、獣の巨人に向かっていきました。リヴァイは「人類最強」の名に恥じない強さで獣の巨人を切り刻みました。鬼気迫るリヴァイの様子は必見です。

ウォール・マリア奪還作戦で、エルヴィンとアルミンは瀕死状態になりました。巨人化の薬を使えば命を救えますが、2人ともを救うことはできません。リヴァイは元々、エルヴィンを救うつもりでした。しかし最終的にアルミンを救うことを決断します。この決断にいたるまでのシーン、そしてアルミンを助けたあとのリヴァイの様子やセリフに注目です。

キース・シャーディスは訓練兵団の教官で、エレンたち第104期訓練兵団の教育を担当した人物です。物語序盤、キースがエレンの父グリシャを知っているような描写がありました。シガンシナ区決戦編にてキースとグリシャの関係性が明らかになったことで、物語序盤のシーンが2人の関係性を示す伏線であったことがわかっています。

マルコ・ボットは物語序盤、トロスト区奪還戦にて死亡した人物です。彼の死に際を見た者はおらず、彼がなぜ死んだのかは明らかになっていませんでした。その真相が、シガンシナ区決戦編にて明らかになっています。実はマルコはトロスト区奪還戦中にライナーとベルトルトの会話を聞いて巨人の秘密を知ってしまい、2人の仲間であるアニに立体機動装置を外され置き去りにされたのでした。

『進撃の巨人』第55話にて、エルヴィンはあるうわ言を口にしていました。それは彼が幼少期にした、父親への質問に関するものです。そのうわ言の答えが、シガンシナ区にあるイェーガー家の地下室で明らかになりました。

イェーガー家の地下にあるグリシャの地下室の存在は『進撃の巨人』第1話からほのめかされていました。グリシャの地下室には何があるのか、という大きな謎の答えが、シガンシナ区決戦編にて明らかになります。第1話から長い時を経ての、大きな伏線回収でした。

『進撃の巨人』にはリヴァイにスポットを当てた『悔いなき選択』というスピンオフ作品が存在します。この『悔いなき選択』には、本編に登場した長距離索敵陣形が登場します。伏線回収というほどではありませんが、本編とスピンオフには繋がりを感じられる部分がいくつかあるようです。

ここからは、シガンシナ区があるパラディ島の地図や壁について詳しく解説していきます。物語当初は、壁の外の世界がどのようなものか明らかになっていなかった『進撃の巨人』。物語が進み、エレンたちがいたのはパラディ島という島であったことが明らかになります。パラディ島はどのような場所なのか、地図はどのようになっているのか、モデルはあるのかなどを詳しく見ていきましょう。

これまでその町並みから欧州がモデルであると考えられていた『進撃の巨人』。しかし『進撃の巨人』作中に登場した地図によって、それは誤りであることが明らかになりました。『進撃の巨人』に登場するマーレ国とパラディ島が載った地図を逆さにして見てみると、その形が実在の地図に載っているアフリカ大陸とマダガスカル島に当てはまることがわかります。

マーレ国のモデルはアフリカ大陸であり、パラディ島のモデルはマダガスカル島だったのです。地図だけではなく、パラディ島とマダガスカル島の歴史にもいくつかの共通点があると考えられています。

パラディ島は実在の地図で見るとマダガスカル島の場所に位置する島。この島には三重の巨大な壁が存在しています。壁は内側からウォール・シーナ、ウォール・ローゼ、ウォール・マリアと呼ばれています。最も安全なウォール・シーナには王都が置かれ、最も外側にあるウォール・マリアにはエレンたちが暮らしていたシガンシナ区があります。

トロスト区は2つ目の壁であるウォール・ローゼの門に作られた街です。ウォール・マリアのシガンシナ区のように、壁から突出した地区になっています。ウォール・マリアが放棄されたため、巨人との戦いの最前線となりました。

ストヘス区は、最も内側にあるウォール・シーナ東側にある城塞都市です。巨人が出るはずのない安全性の高い街ですが、作中ここで女型の巨人との戦いが巻き起こりました。中央憲兵団と調査兵団の戦いもここで起こっています。

『進撃の巨人』を読むうえで、シガンシナ区の場所がどこなのか、その他の地区がどの場所にあるのかを把握しておくことは重要です。物語をより深く理解するために、地図を確認しながら読んでいる読者も少なくなかったようです。

シガンシナ区決戦編の面白さを評価するファンのコメントです。名シーンの数々が盛り込まれており、迫力のある戦闘シーンを堪能できるシガンシナ区決戦編は、『進撃の巨人』のエピソードの中でも特に人気があります。

シガンシナ区決戦編が一番辛くて一番好きだというファンのコメントです。辛い展開が多い『進撃の巨人』の中でも特に辛い展開が描かれるのがシガンシナ区決戦編です。辛い展開が描かれているからこそキャラの魅力が引き立てられており、そのため辛いけれど好きだという人は多いようです。

ここでは『進撃の巨人』に登場するシガンシナ区についてや、シガンシナ区があるパラディ島の地図についてなどをまとめて紹介してきました。シガンシナ区は『進撃の巨人』という物語が始まった場所であり、シガンシナ区決戦編という重要なストーリーの舞台となった場所です。『進撃の巨人』を見て、シガンシナ区で起こる様々な出来事をチェックしてみましょう。