【もののけ姫】ヒイ様はエミシ一族の長老！黒幕疑惑やアシタカを追い出した理由は？

もののけ姫に登場するヒイ様とは、アシタカの故郷であるエミシ一族の長老です。タタリ神から呪いを受けたアシタカは、ヒイ様によって一族から追放され、西国へ旅に出ることになりました。この記事では、アシタカを一族から追放した長老のヒイ様が黒幕だと言われている理由について紹介します。また、ヒイ様とアシタカの関係や、サンとの共通点を紹介します。

他にも、ヒイ様のセリフや、アニメでヒイ様を演じた声優を紹介します。もののけ姫の序盤にしか登場しないのにも関わらず、占いのシーンやセリフが印象的だと言われる長老のヒイ様が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

エミシ一族の長老であり占いをするヒイ様について紹介する前に、もののけ姫の作品情報を紹介します。もののけ姫は、宮崎駿監督の中世日本観や自然観などが色濃く反映された長編アニメ映画です。エミシ一族の長老であるヒイ様の描写を筆頭に、作中に登場するハンセン病患者やタタラ場の描写などは、多くのファンによって考察されています。そのような、奥深いと評価の高いもののけ姫が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

もののけ姫とは、宮崎駿さんが監督を務め1997年に公開された長編アニメーション映画です。2023年8月時点で、スタジオジブリの歴代興行収入の第3位にランクインしている大ヒット作品となっています。第21回日本アカデミー賞最優秀作品賞を筆頭に数々の賞を受賞し、国内外問わず高く評価されています。歌手の米良美一さんが歌った主題歌の「もののけ姫」のCDは40万枚以上売り上げ、当時の人気ぶりを示しました。

舞台は、自然と人間の対立が深刻化していく激動の室町時代です。東北のエミシ一族の村に住む青年・アシタカは、村を襲ったタタリ神を殺したことで腕に呪いを受けます。いずれ死に至ると宣告されたその呪いを解く手がかりを掴むため、アシタカは西国へと出発します。旅の途中、山犬に育てられた少女・サンと出会います。アシタカは森やもののけを守ろうとするサン、より良く生きようとする人間たちの争いに巻き込まれていきます。

もののけ姫に登場するヒイ様とは、アシタカの故郷であるエミシ一族の村で、占いなどを行う巫女です。年齢は外見からは60~70歳ごろだと推測されます。これは、乳幼児が高い確率で死亡するために平均寿命が16歳だったと室町時代においては、かなりの長寿であると言えます。ヒイ様は、もののけ姫の作中で占いを披露しています。

ヒイ様の占いは、中心に赤い三角のマークが描かれた布の上に、木の葉や鹿の角、石などを転がしてその並びを見るものです。これは弥生時代に行われていた、鹿の骨を焼きその割れ具合を見る占い「鹿卜（ろくぼく）」をモデルにしていると推測されます。また、アシタカの相棒であるヤックルは、鹿に似た「アカシシ」という架空の動物です。このようにヒイ様のエミシ一族は、鹿と縁の深い生活を送っていることが示されています。

占いをする巫女のヒイ様は、アシタカの出身であるエミシ一族の村の中で、長老の座についています。これは近代以前の日本においては、珍しいことではありませんでした。古くは倭国の女王であった卑弥呼を初め、神を体に憑依させて信託を伝えることで、巫女は政治的に重要な役割を果たしていました。もののけ姫の作中においても、腕にタタリ神の呪いを受けたアシタカの処遇を決めるため、村人はヒイ様の意見を聞きにいきます。

それでは、ヒイ様がエミシ一族の村の長老であることや、占いについて紹介したところで、次にヒイ様が黒幕だと言われている理由を紹介します。

もののけ姫に登場するヒイ様は、一部のファンの間では黒幕なのではないかと囁かれています。ここではヒイ様が黒幕と言われる理由を紹介します。また、ヒイ様がアシタカを西に向かわせた理由についても、2つの説を紹介します。ヒイ様黒幕説に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

ヒイ様が黒幕だと言われている理由は、実質的にアシタカを村から追放したためです。腕にタタリ神の呪いを受けたアシタカは、ヒイ様の元へいって占いを受けました。その結果ヒイ様は、アシタカの呪いがいつか死に至ることや、呪いを解く手がかりが西の国にある可能性を告げます。それを聞いたアシタカは村を出発し、西の方へ旅に出ることとなりました。

このシーンは一見、アシタカの命を救うための助言をした印象を与えますが、実質的には永久追放でした。村を出る前、アシタカは髷（マゲ）を切り落とします。この意味を、作者である宮崎駿監督は、もののけ姫のパンフレットで上のように語っています。つまり、旅路の果てにアシタカが仮に呪いを解けたとしても、もう2度と戻ることはないとお互いに理解した旅立ちでした。このため、ヒイ様は黒幕なのではないかと言われています。

それでは、ヒイ様が黒幕だと言われている理由を紹介したところで、次にヒイ様がアシタカを西へ向かわせた理由を考察します。上で紹介したように、ヒイ様は実質的にアシタカを村から追放しました。しかし、アシタカがタタリ神を討ったのは、村や女たちを守るためにやむを得ず下した判断でした。さらに、アシタカはエミシ一族の次の長になることが決まっていました。それにも関わらず、ヒイ様がアシタカを追放した理由を考察します。

ヒイ様がアシタカを追放した理由の1つ目として挙げられるのは、アシタカがタタリ神になることを恐れたという説です。もののけ姫の作中では、タタリ神になった者に接触したりその怒りを買ったりすると、タタリ神になってしまうという描写がされています。例えば、巨大な猪神である乙事主（おっことぬし）がタタリ神に変身しようとしている時のことです。

暴走する乙事主を止めようとしたサンは取り込まれ、気づくと身体中にタタリ神の触手のようなものが生えていました。そして、タタリ神の恨みを買ったアシタカも、右腕にアザのような呪いを受けました。腕のアザは並外れた力をアシタカに与える代わりに、命を蝕んでいきます。また、アシタカのアザは力を発動する際、タタリ神の体をまとっているものに似た黒い触手のようなものを浮かび上がらせます。

これは、アシタカがタタリ神化していることを示唆している可能性があります。つまり、ヒイ様は村を守るために、いずれタタリ神に変貌するアシタカを追放せざるを得なかったと推測されます。

ヒイ様がアシタカを追放した理由の2つ目として挙げられるのは、朝廷への復讐のためという説です。アシタカやその村の一族は、蝦夷（エミシ）をモデルにしています。アシタカの村の民が語っていたように、エミシはかつて朝廷との争いに敗れ、生き残りは山奥に隠れ住むようになりました。アシタカたちはその末裔です。そして、ヒイ様がアシタカに西に行くように示した後、村人の1人が下のようなセリフを言います。

このセリフは解釈によっては、かつての怨敵を倒すためにアシタカを送り込むという意味にも取れます。実際にアシタカは旅の途中で、朝廷からシシ神討伐の任を受けたジコ坊に出会い、その目論見を挫いています。そのため、一部のファンの間ではヒイ様が敵討ちのために、いずれタタリ神に変貌するアシタカを西へ向かわせたのではないかと言われています。

ただ、ここでは「だが我が一族の血もまた衰えた」とも言っています。かつてエミシを打ち負かした怨敵すらも力を失うほど、時代は移り変わっています。そのような時代の流れの中で、次期長すらも失い、滅んでいくエミシの運命を受け入れようとするセリフである可能性もあります。それでは、ヒイ様黒幕説やアシタカを追放した理由を考察したところで、次にアシタカとの関係やセリフを紹介します。

もののけ姫に登場する、ヒイ様とアシタカの関係や、サンとの共通点、セリフを紹介します。ヒイ様はもののけ姫の冒頭にのみ登場するキャラクターですが、占いのシーンやセリフなどが印象に残ると言われています。そのようなヒイ様についてもっと知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

ヒイ様は、アシタカの親、もしくは祖母ではないかと言われています。その理由は、アシタカが次の長になる予定だったためです。現在のエミシ一族の長は、巫女であるヒイ様です。アシタカは、もののけ姫の作中では巫女の素質を示しておらず、長に選ばれたのはその理由ではないと推測されます。この場合、次に可能性があるのがアシタカがヒイ様の子供、もしくは孫であることです。

ヒイ様は外見からは60~70代であると推察されるため、アシタカは孫である可能性が高いです。アシタカが孫であった場合、ヒイ様は村を守るために血縁の家族を切り捨てるという、重い決断を下さざるを得なかったことになります。

ヒイ様はサンの母親であるという説があります。サンは赤子の時に山に捨てられ、山犬のモロに育てられました。そのようなサンの母親がヒイ様であると言われている理由は、サンとヒイ様が身につけている装飾品が似ているためです。サンは白くて丸い耳飾りと、尖った白い骨を繋いだような首飾りを付けています。そして、ヒイ様も白くて丸い耳飾りに、尖った黒い骨を繋いだような首飾りを付けています。

デザイン的にサンとヒイ様の耳飾りと首飾りは、かなり似通っています。そのため、サンとヒイ様の間には血縁関係があるのではないかと言われてきました。しかし、ヒイ様はエミシの村の長であることから、村を離れて子供を遠く離れた西の国の山中に置いてくる可能性はあまりありません。ヒイ様本人ではなく、エミシの村を離れたヒイ様の娘などが存在すれば、可能性は残ります。

もののけ姫に登場する、ヒイ様の印象的なセリフを紹介します。これは、タタリ神の呪いを受けたアシタカにヒイ様が放った名言です。呪いはいずれアシタカを殺すものでしたが、ただ何もせずにその時を待つだけではなく、行動する道があることを示しています。こうしてアシタカは、西の国へと旅立つことになります。長い時間を生きたヒイ様だからこそ言える、含蓄の深い名セリフです。

もののけ姫でヒイ様の声優にキャスティングされたのは、女優・歌手の森光子さんです。森光子さんは、女優として初めて国民栄誉賞を受賞するなど華々しい活躍をしました。もののけ姫は、吹き替えを除いては森光子さんにとって唯一のアニメ出演作となりました。ここでは、ヒイ様を演じた森光子さんのプロフィールや、女優としての主な出演作品を紹介します。もののけ姫でヒイ様が気になった方は、ぜひチェックしてみてください。

• 名前：森光子（もりみつこ）
• 生年月日：1920年5月9日
• 出身地：京都府
• 血液型：B型
• 趣味：麻雀
• 好きな食べ物：牛肉
• 受賞歴：紫綬褒章、文化勲章、第24回日本アカデミー賞主演女優賞優秀賞、国民栄誉賞など

• 舞台「放浪記」林芙美子役
• 舞台「おもろい女」ミス・ワカナ役
• 映画「大根と人参」秋山君子役
• 映画「氷点」藤尾辰子役
• 映画「悪名一代」お澄役
• 映画「乱れ雲」四戸勝子役
• 映画「川の流れのように」春日咲子役
• 映画「誰のために愛するか」宮井君代役
• テレビドラマ「時間ですよシリーズ」松野まつ役

これは、ヒイ様の名言に感動したという感想のツイートです。死の呪いを受けたアシタカに対し、ヒイ様は西の方へ旅立つ道を指し示します。この言葉を受け、アシタカはただ何もしないで死を待つよりも、何が起きているかを知り自分の運命と向き合うことを選びます。このツイートが述べているように、このヒイ様の名言に深く感銘を受けたという感想が他にも多くみられました。

これは、ヒイ様の度胸の座り具合を指摘した感想のツイートです。エミシの村を襲ったタタリ神はアシタカによって殺され、その遺体の中からは石火矢の弾が見つかりました。タタリ神に変貌していた猪の体は腐り落ちており、その遺体を探った可能性があるヒイ様の肝の座り具合に驚かれています。ヒイ様は村を治める長老であり、滅多なことには動じない精神の持ち主であると推測されます。

これは、ヒイ様がアシタカを追放したことが悲しいという感想のツイートです。アシタカは腕に呪いのアザを受けており、いずれタタリ神になるとヒイ様が考えていたという説があります。アシタカは次の長でしたが、ヒイ様は村を守るためにアシタカを追放せざるを得なかったのではないかと言われています。このツイートのように、村を守ったのに追放されなければならないアシタカの心中を推し量り、悲しむ感想が多く見られました。

もののけ姫に登場するヒイ様は、巫女として占いをするエミシ一族の長老です。ヒイ様はタタリ神から呪いを受けたアシタカを実質的に追放したため、黒幕ではないかと言われていました。ヒイ様がアシタカを追放した理由として、タタリ神になるアシタカから村を守るためと、西に行かせて朝廷を討つためという2つの説があります。このまとめでヒイ様に興味を持った方は、もののけ姫を観てみてはいかがでしょうか？