【宝石の国】シンシャは最後死亡した？フォスに砕かれたその後をネタバレ

この記事では、漫画「宝石の国」に登場するキャラ、シンシャを特集します。学校にみんな集まって生活する宝石たちの中にあって、シンシャだけは1人離れて暮らしています。なぜなのでしょうか？

これから、宝石の国のシンシャの最後やその後、そして金剛先生など他の宝石キャラについて考察していきますが、その前にまずは宝石の国の作品情報をお届けします。最初に宝石の国の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

「宝石の国」は、日本の漫画家・市川春子による初の連載漫画です。講談社の「月刊アフタヌーン」にて2012年12月号から連載が始まり、2021年3月号から2022年7月号までの休載期間を経て現在も連載中の作品となっています。

2013年には講談社アフタヌーンKCにて単行本が刊行され、同年の「このマンガがすごい！2014年」の男性部門で第10位にランクインしました。また、2017年10月時点での累計発行部数は140万部を突破しています。さらに、2017年5月にはテレビアニメ制作が発表され、同年10月から12月までAT-X、TOKYOMXほかにて放送されました。

共同生活を送る宝石たち28人は、各自の役割を果たした上で襲い来る月人との戦いに備えていました。主人公フォスは、身体が弱く才能もなかったことから、どんな役割も与えられていません。そんな彼女に、宝石たちのリーダー・金剛先生から博物誌を編む役割が与えられます。喜び勇んで精を出すフォスでしたが、やがて地味な仕事に嫌気がさしてきます。そんな時、独りで夜回りをする孤独な宝石・シンシャに出会うのです。

ここからは、メインテーマである宝石の国のシンシャ（辰砂）に関する話題に移ります。シンシャは、ダイヤモンドと同じ誕生年の宝石であり、硬度は2で、赤い色をしています。彼女は、体内から銀色の有毒液を無限に分泌します。それにより非常に高い戦闘能力を有しています。

他の宝石とは異なり、シンシャは体の表面に有毒液を滲み出させ、それによって光を取り込みながら一晩中活動することが可能です。しかし、この有毒液は周囲の大気、土壌、水、草などを汚染してしまうばかりか、他の宝石が触れると光の透過性が失われてしまいます。

やがて孤独に耐えきれなくなったシンシャは、自分の存在価値を月人に見出そうと考えますが、結局月人の出没する昼間に外出することはできませんでした。さらに、独りでいる寂しさのためか、彼女の性格は素直さを欠きひねくれてしまいました。他人に感情を表すこともなく、とても冷淡な印象を与えます。

フォスから博物誌作成の手伝いを頼まれたことで、シンシャはフォスとの交流を持つようになりました。彼女は自分の存在が迷惑であることに心を痛めており、「もしかしたら月でなら自分の価値を見出してもらえるのかもしれない」とか「月人に拐われるのを待っている」と言ってフォスに思いを打ち明けました。まだ完全にフォスに心を開いてはいませんが、今までに他人には抱かなかった感情をフォスには感じているようです。

シンシャは特殊な能力を持っており、それは体から毒液が滲み出してくるというものです。直接毒液を攻撃に利用したり、分身を作り出して1人で多くの敵と戦うことができます。この能力によって目覚ましい戦闘力を発揮しますが、反面重大な問題も抱えることになりました。

その問題とは、自分の毒液を完全に制御できなくなるということです。さらに、他の宝石が彼女の毒液に触れると、その部分が損傷し、削り取らなければなりません。つまり、意図せずして仲間たちに害を及ぼしてしまう可能性があるのです。

学校でシンシャの隣の部屋にいたベニトアイトは、「シンシャが他人に迷惑をかけないようにしていることはわかっているけど、正直言って、隣にいるだけで不安定な気持ちになる」と言っていました。やがてシンシャは、宝石のグループから自ら離れることを決意します。

仲間から離れて暮らすことを決意したシンシャは、最後には死亡してしまうのでしょうか？ここからは、シンシャの最後やその後についてネタバレで考察していきます。

フォスは、地上に戻った後、宝石たちを仲間から引き離し、その後再び月に戻ると、月人エクメアに伝えます。フォスが地上に帰還した最大の目的はシンシャでした。シンシャは以前、フォスに対して「地上では評価されない私の価値を月でなら見出してもらえるかもしれない、誘拐されるのを待っている」と述べていました。

そんなシンシャに対し、フォスは「夜回りの仕事よりもやりがいがあり、能力を発揮できる仕事を見つけてあげる」と力強く応じていました。しかし、結局、フォスがシンシャを月に連れていくことはありませんでした。

宝石たちは、基本的に月人という仲間をさらう存在を嫌っています。月へ行くことを誘う相手を誤ると、たとえフォスのような仲間であっても月人に捕まって死亡してしまう可能性が高いのです。そのため、月へ行きたいと願っていたシンシャは、月へ誘う者にとって絶好のターゲットであったと言えます。死亡するという恐怖はあっても、新しい仕事がもらえるというおまけが付いてきます。

しかし、ネタバレしますとフォスがシンシャを月へ連れて行かなかった理由は、シンシャが拒否したからです。仲間を裏切ることになっては先生が気の毒という同情からのものでした。また、毒の体質改善の可能性について話しても、シンシャが首を縦に振ることはありませんでした。フォスは金剛先生を動揺させるというエクメアとの協定基づいて行動しており、それ以上シンシャを説得することはできませんでした。

ネタバレしますと、結果的にフォスは月に留まり、シンシャは地上に残ることになりました。フォスは月に戻ったその後も落ち着かず、月にいた宝石たちを誘って金剛破壊のため地上へと向かいます。

地上で待ち受ける宝石たちは、月から来たフォスをはじめパパラチア、イエローダイヤモンドたち百戦錬磨の強者相手に苦戦を強いられます。その時、シンシャは窮地に陥ったボルツを助けるのですが、月チームの宝石たちは虚を突かれる形となり、戦いを諦め月へと逃げ帰りました。金剛先生をはじめ宝石たちは、シンシャの勇気ある行動に謝意を示し、彼女を真の仲間として受け入れることにしました。

シンシャは宝石たちと行動を共にすることになります。宝石たちには、シンシャの毒液制御が万全ではないこと、しかし仕事中などでは問題なく行動できることが明かされました。初めて仲間として認められたシンシャですが、ある種の戸惑いを隠せませんでした。

やがて季節は移り変わり、冬眠に入る時期が近づいてきました。シンシャは、再び独りで暮らしていた洞窟へ戻ろうとします。毒液のコントロールが効かなくなった場合のことを考え、冬眠中の宝石たちに危害を及ぼすことのないようにしようと決めたのです。

しかし、ネタバレになりますが、宝石たちは彼女の行動を阻止し毒液が外に漏れないようなパジャマを作ってくれました。宝石たちが手間暇かけて、シンシャとの連帯を優先してくれたことに、シンシャは素直にら感動を覚えました。シンシャにはもはや夜間の巡回任務は必要ありません。それよりも、もっと楽しい仕事を見つけたのです。

フォスは月へ逃げ帰り、その後、数々の艱難辛苦を経て再び地上へと戻ってきました。彼女の目的は、すべての宝石を粉々にするという復讐です。月人が去り、戦いを忘れた宝石たちは、フォスに成す術なく倒されていきます。

最後に彼女に立ち向かったのは、誰あろうシンシャでした。「本当の仲間なんて存在しない」とフォスが言うと、シンシャは「そうかもしれないな」と答えました。「みっともなく哀れだよ」とフォスが言うと、シンシャは「わかってるさ」と言いました。2人はお互いに絶望と仲間によって救われた経験を持っていました。

シンシャとフォスの戦いが幕を開けます。シンシャは水銀を使って戦闘に臨み、一方のフォスは合金を噴射して応戦します。通常であれば宝石たちは水銀に触れることを避けるでしょうが、今回のフォスはその考えを捨て、果敢に立ち向かいます。

激しい戦いが繰り広げられましたが、水銀に対して耐性を持つフォスに対し脆さが表に出てしまったシンシャは最後には敗れ死亡します。最後に「ありがとう、約束を」と言うと、シンシャは砕け散り死亡しました。シンシャにとって、フォスは最後まで自分との約束を守ってくれた、かけがえのない仲間だったのでしょう。

最後に、シンシャのその後について解説します。シンシャは最後に死亡し、その後月人となって毒を出す能力を失います。最後に死亡しその後の月人へと変化したシンシャですが、アメシストサーティスリーがユークレースに「個体差がなくなる」と語っていたように、シンシャの変化も同様の結果をたどりました。

シンシャの月での生活が始まりました。彼女は花を育てたりすることに喜びを見出します。かつて触れると枯れてしまった花に、今は触れることができるのです。シンシャは、これこそ本当の幸福だと感じました。「フォスと一緒でないと困るのか」と尋ねられると、シンシャは「そうではないから困る」と答えています。最終的に、シンシャは他の月人たちと同じように、神となったフォスによって無に帰されていったのです。

フォスとシンシャは物語の序盤、第2話で早くも出会っています。フォスは博物誌編集の任務を受け、知らないことを知る人を求めてシンシャに会いに行きました。その頃、シンシャは他の宝石たちとは別々に生活しており、フォスは彼女を見るなり「いるだけで迷惑」と一刀両断にしています。

シンシャに会いに向かう途中、フォスは月人に襲われます。絶体絶命のピンチに陥った時、そこにシンシャが駆けつけました。シンシャは毒液を使って月人を撃退しました。こうして難を切り抜けましたが、シンシャが足を滑らせ崖から転落してしまいました。フォスはシンシャを救おうと手を差し伸べましたが、シンシャの体重に耐え切れず、腕が折れてしまいました。

シンシャは断崖から転落しましたが、ほとんど無傷でした。衝撃を緩和するために毒をクッションとして利用したのかもしれません。シンシャが驚いたのは、フォスが危険を顧みず助けようとしてくれたことです。シンシャの毒に触れると、宝石は輝きを失い削る必要が生じます。シンシャは仲間に害を与えたり、仲間から恐れられることを避け、孤独な生活を送っていました。そんな彼女にとって、フォスは微かな光を放つ存在となりました。

シンシャは物語の序盤からフォスを助けたり、時折気にかけたりしています。ある時、フォスは謎の大きなカタツムリのような生物に襲われ、結果的に小さなカタツムリに変身してしまいます。

フォスに手を焼いていた他の宝石たちは、彼女がカタツムリになっていた方が都合がよいと考えます。しかし、ダイヤモンドだけはフォスを元の姿に戻す方法を考えていました。やがて夜になると、シンシャがやってきます。不思議な輝きが現れると言うのです。実は、ダイヤモンドとシンシャは同じ年生まれの間柄だったのです。

ダイヤモンドとシンシャは一見親しい関係を築いていました。ところが、シンシャはおせっかいな性格のダイヤモンドが嫌いでした。ある時、行き詰まったダイヤモンドがシンシャにフォスのことを尋ねると、シンシャは「本当にそんなことがあると思うの？」と疑問を呈します。そして「水の底で永遠に殻の傷をふさいで、薄いミント色の模様でいればよい」と述べ、ダイヤモンドは納得します。

その後、ダイヤモンドは仲間に頼んで、大きなカタツムリの残りから薄いミント色の断片を集めます。すると、フォスは無事に元の姿に戻りました。カタツムリと思われていましたが、実は知性を備えたアドミラビリスという生物であり、シンシャは最初からフォスではないことを見抜いていたのです。

ここからは、金剛先生などフォス以外のシンシャとかかわりのあるキャラを紹介します。最初は、宝石たちのリーダー、金剛先生です。金剛先生は、シンシャについて以下のように述べています。

金剛先生は、続けて「シンシャがやっと思いついた仕事を奪うのは忍びないことだが、私自身の迷いから彼女を夜に閉じ込めてしまった」と語り、現在の状況から抜け出す方法を金剛先生なりに模索しているようです。

金剛先生の次は、ダイヤモンドです。ダイヤモンドはシンシャと同じ年に生まれています。2人は幼馴染であり、「宝石の国」作中の描写からお互いの性格をよく知っていることがわかります。ダイヤモンドは、イエローダイヤモンドという同じ種類の宝石を兄のように慕い、ボルツのことを弟のように大切に思っています。そのため、イエローダイヤモンドやボルツと関わり深いシンシャと仲良くしようと思ったのかも知れません。

学校でシンシャのすぐ隣の部屋にいるのがベニト石のベニトアイトです。至って常識的な人であり、また不運体質を抱えています。毒液を制御できないシンシャが隣にいるので落ち着かないと周囲に漏らしています。シンシャに対してあまり好意を抱いていなかったようです。

金剛先生から始めたキャラ紹介ですが、最後は医療担当のルチルです。割れたり砕けたりした宝石たちの修復や、耐塩樹脂などの管理を担当しています。宝石の国の作中では、冬眠前に寝具をシンシャに届ける場面や、冬眠が終わったその後、フォスに対してシンシャのことを話す場面があります。こうしたシーンから、離れていてもシンシャのことを気にかけていることが伺えます。

アニメ「宝石の国」のシンシャ役の声優を紹介します。アニメでシンシャ役を演じたのは、三重県桑名市出身で1988年11月11日生まれの声優・小松未可子（こまつ・みかこ）です。現在はヒラタオフィスに所属し、声優だけでなく歌手や女優としても活動しています。

次に、小松未可子の経歴を簡単に紹介します。2003年に「藤井隆のオールナイトニッポンR」の企画から生まれた「いもうと」というアイドルグループの一員として芸能界デビューします。声優としての活動は、2010年4月アニメ「HEROMAN」の主人公ジョセフ・カーター・ジョーンズ役でスタートしています。

2012年4月には、主演作のアニメ「モーレツ宇宙海賊」のイメージソング「Black Holy」を歌い、歌手デビューを果たしました。また、ラジオ番組「NEXT GENERATION Lady Go!!」では火曜日のパーソナリティを務めるなど幅広く活躍しています。2022年3月5日には、第16回声優アワードで助演女優賞を受賞しました。

次に、アニメ「宝石の国」でシンシャを演じた声優・小松未可子の主な出演作品や演じたキャラを一覧で紹介します。

• HEROMAN（ジョーイ）
• モーレツ宇宙海賊（加藤茉莉香）
• ガンダムビルドファイターズ（イオリ・セイ）
• スター☆トゥインクルプリキュア（香久矢まどか／キュアセレーネ）
• ニセコイ（鶫誠士郎）
• 遊☆戯☆王ZEXAL（観月小鳥）
• 凪のあすから（潮留美海）
• やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。（戸塚彩加）
• サクラクエスト（香月早苗）
• EDENS ZERO（レベッカ・ブルーガーデン）

ここまで宝石の国のシンシャ特集をお届けしてきましたが、最後にシンシャに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、シンシャとフォスを対比したツイートからです。フォスが孤独になっていくのに対し、シンシャは仲間の輪に入りかわいくなっていきます。投稿者はその展開に戸惑っているようです。

シンシャに関する感想で多かったのが、かわいいというものでした。このツイートでは、どろどろした内容の宝石の国にあって、シンシャの可愛さは癒しをもたらすと評価していました。

Twitterでは、物語序盤の孤独で苦しんでいた頃のシンシャが好きだったという感想も散見されました。その後、シンシャは仲間に受け入れられ孤独から抜け出していくのですが、投稿者にとっては魅力が微妙になってしまったようです。

ここまで、「宝石の国のシンシャは最後死亡した？」と題して、シンシャとフォスの出会いや関係、そしてフォスに砕かれたシンシャのその後や、さらには金剛など他の宝石キャラの解説などネタバレでお届けしてきました。

フォスとシンシャは、物語の序盤である第2話で出会っています。金剛先生から博物誌編集の仕事を任されたフォスは、知らないことを知る人を求めてシンシャに会いに行きました。自身の特殊能力で仲間から離れて暮らすシンシャにとって、フォスの存在は希望となります。

その後、月に戻ったフォスは、地上の宝石たちに復讐するため再度地上へやって来ます。次々に宝石たちが倒される中、フォスの前に立ちはだかったのがシンシャでした。激しい戦いが繰り広げられましたが、水銀に耐性を持つフォスに勝利の女神が微笑みます。シンシャは、最後に「ありがとう、約束を」という言葉を残すと、砕け散り死亡してしまいました。