【推しの子】謎の少女の正体は神様？転生したアイ説や魂のない子の意味を考察

『推しの子』には、謎の少女と呼ばれるキャラが登場します。作中で「謎の少女」と呼ばれているわけではなく、名前や正体も不明のキャラです。人によっては、「謎の子供」や「謎の幼女」などと呼ばれることもあります。その呼び名通り何もかもが謎の少女で、推しの子の作中で核心に迫るようなセリフをいくつも残しています。

この少女についてまだ詳しいことは明かされておらず、少女が何者かと読者の間でも話題になっています。本記事では、推しの子に出てくる謎の少女の正体や、「魂のない子」などの意味深なセリフの意味について考察していきます。まずは、推しの子の作品情報とともに、謎の少女の簡単なプロフィールをチェックしておきましょう。

推しの子は、主人公が推しのアイドルの子供に生まれ変わるというファンタジー漫画です。しかし、転生という設定以外は現実的な作品で、芸能界の裏側などがリアルに描かれています。また、推しの子はサスペンス要素も含んでおり、さまざまな面から楽しむことができます。推しの子が掲載されている雑誌は、月刊ヤングジャンプです。

2020年21号から掲載が始まり、現在でも連載中です。webコミック配信サイトの少年ジャンプ＋でも、1週遅れで配信されています。推しの子の原作者は赤坂アカさんで、作画担当は横槍メンゴさんです。個性的な作家がタッグを組んだ推しの子は、独自の世界観が大きな人気を集めています。

推しの子は「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 2021」で3位に入賞した他、「次にくるマンガ大賞 2021」のコミックス部門では1位を受賞しています。2022年に行われた「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」の総合部門では、5位に入賞しています。多くのファンの期待に応えるように、2023年からはアニメの放送が始まりました。

推しの子のアニメは1話が90分の拡大スペシャルで放送され、大きな話題となりました。アニメの放送に先立って、映画館ではアニメの1話が『【推しの子】Mother and Children』というタイトルで上映されました。推しの子のアニメはアニメ本編だけでなく、OPやED主題歌、劇中歌などの楽曲も人気です。

アイドルのアイは極秘で出産するため、宮崎県にある病院を訪れました。アイの担当医となった雨宮吾郎は、アイの出産当日に怪しげな男と遭遇します。その男に殺されてしまった吾郎は、アイの子供として生まれ変わりました。アクアとして新しい人生を歩き出した吾郎でしたが、今度はアイが同じ男に殺されてしまいます。アクアは自殺した実行犯の他に黒幕がいると考え、アイの復讐をすることを心に決めるのでした。

推しの子の読者の間で「謎の少女」と呼ばれている子供は、これまで作中に3回登場しました。いつも脈絡なく登場し、「神様はきっと優しい」「魂のない子」といった意味深なセリフを残して消えます。まさに「謎の少女」と呼ぶにふさわしいキャラで、この子供の正体は今のところわかっていません。

謎の少女は小学生くらいの見た目で、いつも黒いワンピースを来ています。姿を現すときは、必ず大量のカラスとともに登場するのが特徴です。謎の少女が作中で接触した人物は、現時点ではルビーとアクアの2人だけです。

推しの子の謎の少女は、その正体について多くの考察が見られます。中でも多い考察が、謎の少女の正体は神様だというものです。確かに「魂のない子」といったセリフからは、神様のような人知を超えた存在が思い浮かびます。では、推しの子の謎の少女の正体は、本当に神様なのでしょうか？ここでは、謎の少女の正体は神様であるのか、これまでの推しの子の内容から考察していきます。

推しの子で謎の少女が初めて姿を現した場所は、宮崎県の高千穂という地域です。高千穂は雨宮吾郎と天童寺さりなが死んだ場所であり、アイが転生した2人を出産した場所でもあります。高千穂は古くから神話の町として知られていて、「天鈿女命（アメノウズメノミコト）」という芸能の神様が祀られています。

天鈿女命は、天照大神（アマテラスオオミカミ）が天岩戸に隠れてしまったとき、踊りで場を盛り上げて天照大神の関心を惹きました。歌や舞の始祖神ともいわれている天鈿女命は、歌って踊れるアイドルであるアイに、まさにぴったりの神様です。このことからも、謎の少女は天鈿女命と何か関係があるのではないかと考察できます。

また、謎の少女がいつもカラスを従えていることも、少女の正体が神様であるといわれる理由のひとつです。実は日本神話の世界には、「八咫烏（ヤタガラス）」という天照大神の遣いが登場します。そのため、カラスを常に引き連れている謎の少女は、天照大神の化身ではないかといわれることもあるのです。推しの子の冒頭では子供の頃のルビーが天照大神を演じるシーンがあり、これも伏線のひとつだという説もあります。

謎の少女が初めて登場したとき、唐突に「神様はきっと優しいよね」と呟いていました。このセリフだけを聞くと、謎の少女の正体は神様ではないといえます。自分が神様であれば、「神様はきっと優しいよね」といった言い方はしないでしょう。謎の少女は神様そのものではなく、神様の子供や子孫など、神様のことをよく知っている存在である可能性が高いです。

推しの子に登場する謎の少女は、作中でルビーとアクアの前に姿を現して会話をしています。そして、ルビーやアクア、アイのことなど、本人たちが知らない事実もすべて知っています。特に雨宮吾郎が死んだときの状況には詳しく、吾郎が当時知らなかったもう1人の不審者の存在も把握していました。

吾郎がアイのストーカーに殺されたのは15年も前の話で、この少女が普通の人間であればまだこの世に生まれてもいないはずです。このことから、謎の少女は見た目通りの年齢ではなく、長い時を過ごしている存在であることがわかります。謎の少女が神様かどうかははっきりとはわかりませんが、普通の人間でないことは確かでしょう。

推しの子は天童寺さりなと雨宮吾郎が転生するという、ファンタジー要素を含んだ物語です。そのため、謎の少女の正体も、アイが転生した子供ではないかといわれることがあります。ここでは、謎の少女の正体がアイかどうかを考察してまとめます。

もしも謎の少女がアイが転生した子供であるとすれば、アイは確実に死亡していなければなりません。推しの子の読者の間では、「アイはまだ生きていて誰かに匿われているのでないか」という説も浮上しています。アイが本当に生きているとすれば、そもそも転生説はなくなります。

しかし、アイの生存説は、すでに制作サイド側からも否定されています。そのため、アイは確実に死亡していると考えて良さそうです。アイが完全に死亡しているのであれば、謎の少女がアイである可能性もゼロではないといえます。

推しの子のアイが完全に死亡していることはわかりましたが、本当に謎の少女の正体はアイの転生した姿なのでしょうか？実は、アイの転生説は、この謎の少女本人の口からすでに否定されています。謎の少女はアクアの前に現れたとき、「星野アイの魂は星と海に還っていった」と言っています。

アクアは頭の片隅のどこかで、アイも転生して幸せに生きていると考えていました。謎の少女はアクアのささやかな希望を打ち砕くように、「アイの魂はもう二度と再形成されることはない」と言い切りました。ただ、謎の少女が事実を言っているかわからないため、謎の少女の正体がアイである可能性が完全に消えたわけではありません。

推しの子の謎の少女は、登場するたびに意味深なセリフを残していきます。その中に、「魂のない子」というセリフがありました。転生物語である推しの子にとって、「魂のない子」はかなり重要なワードであると推察されます。ここでは、「魂のない子」というセリフがどういった意味か、考察してまとめます。

まずは、「真の意味で母を得られなかった2人」という言葉の意味ついて考察します。この言葉は、謎の少女が初登場時に発したセリフの一部です。この、「真の意味で母を得られなかった2人」とは、誰のことでしょうか？「2人」とひとくくりにしていることからも、双子として生まれたアクアとルビーを指している可能性が高いと推察できます。2人の前世である天童寺さりなと雨宮吾郎には、実際には母親が存在していました。

しかし、天童寺さりなの母親はさりなの見舞いにも来ず、雨宮吾郎の母親は吾郎を産んだときに亡くなっています。2人とも母親がいなかったわけではありませんが、本当の意味での母親を得ることはできませんでした。アイも子供の頃は施設に預けられていて、「真の意味で母を得られなかった」うちの1人に入ります。

しかし、謎の少女のセリフが、神様が「真の意味で母を得られなかった2人」に新たな母親を用意してあげたという意味であれば、自分が母親となったアイは除外されます。謎の少女がこのセリフを言う前のシーンでは、さりなと吾郎の母親に関する詳しい描写もありました。わざわざ2人の回想シーンを挟んでいることからも、「真の意味で母を得られなかった2人」はさりなと吾郎であると考えて間違いないでしょう。

では、「魂のない子を産んだ母親」とは誰のことを指しているのでしょうか？これはおそらく、双子を出産したアイのことでしょう。ただ、アイは出産直前まで何の問題もなかったことから、子供はアイのお腹にいる間はしっかりと生きていたはずです。

謎の少女の言う「魂のない子」の本当の意味は不明ですが、アイの子供は生きてはいても魂がない状態だったと考察することもできます。また、出産のタイミングで子供が亡くなり、魂がなくなった子供の体に天童寺さりなと雨宮吾郎の魂が入ったという可能性もあります。どちらにしても、「魂のない子を産んだ母親」は、アイのことだと考えて間違いないでしょう

推しの子のアイは、16歳というまだ未熟な体で双子を妊娠しました。体つきも小さかったため、主治医の天宮吾郎は帝王切開の可能性も視野に入れていました。しかし、アイは「自然分娩でいける」と断言し、帝王切開はせずに子供を産んでいます。そのため、アイの出産は、かなりリスクが伴うものであったと推察できます。天童寺さりなと雨宮吾郎が転生していなければ、アイは子供を死産した可能性が高いでしょう。

推しの子の謎の少女のセリフに、「もしかしたらそれ以上の意味があるかも」というものがあります。神様は母親を得られなかった2人の魂を、魂のない子を産んだ母親に導いてあげた、と少女は言っています。これだけを聞くと、神様は非常に慈悲深い存在だということができるでしょう。しかし、このセリフの後に、謎の少女は「それ以上の意味があるかも」と続けました。

この「それ以上の意味」が何を指すのかは現時点では不明ですが、神様は何かしらの企みがあって2人の魂を転生させたことになります。謎の少女はアクアと会ったときに、「その身に魂が運ばれた意味をもう少し考えるべき」と言っています。このセリフから、謎の少女は2人が転生した「それ以上の意味」に気づいているといえるでしょう。

推しの子の謎の少女は頻繁に出てくるキャラではないため、その存在を忘れてしまった人もいるでしょう。謎の少女が推しの子に初めて登場したのは、原作の8巻です。だいぶ物語が進んだ後のシーンになるため、アニメしか観ていない人は謎の少女の存在自体を知らないはずです。ここでは、謎の少女が登場する話数や登場シーンの内容などを説明しているため、謎の少女について詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。

推しの子の8巻の75話は、謎の少女が初めて登場した回です。75話ではB小町のMV撮影についてきたアクアと黒川あかねが、高千穂の町を歩き回る様子が描かれています。アクアは自分の死体を探し回り、最後に前世の自分が住んでいた家へと向かいました。そこで、雨宮吾郎の母親が子供を産んだときに死んだことと、吾郎が懺悔の念から産科医になったことを語ります。

その後、アクアは天童寺さりなが亡くなったときのことを回想しました。さりなは亡くなる瞬間まで両親が面会に来ず、結局は吾郎が1人でさりなを看取りました。その回想シーンの後、「神様はきっと優しいよね」のセリフとともに、謎の少女が登場します。8巻の75話は、謎の少女の意味深なセリフで幕を閉じました。謎の少女の登場により、推しの子がファンタジー世界であることを思い出した読者も多いようです。

続いて謎の少女が登場したのは、推しの子8巻の79話でした。前回の初登場から、それほど間を開けずに再登場しました。79話のひとつ前の話では、ルビーが雨宮吾郎の白骨遺体を見つけるという衝撃のシーンが描かれました。初恋の相手の遺体を発見してしまったルビーは、表情をなくして1人で高千穂の町をさまよい歩きます。そのルビーの前に姿を現したのが、謎の少女でした。

少女はルビーが吾郎の遺体から抜き取ったアイのキーホルダーを見て、「いけないんだ」と無邪気な子供を装って話しかけてきました。ルビーは少女を相手にせず去ろうとしましたが、「お姉ちゃんが知りたいことを知ってるよ」という少女の言葉に足を止めました。謎の少女は吾郎が失踪したのがアイの出産当日だったことや、その日に不審者が2人うろついていたことなどをルビーに教えます。

ルビーは謎の少女によって、不審者のうちの1人がアイを殺したストーカーであることを知ります。しかし、犯人の片割れについては、謎の少女は詳しいことを教えてくれませんでした。アイと吾郎を殺した犯人が同じだと知ったルビーは、まだ生きているもう1人の犯人を見つけ出して殺すことを決意するのでした。

推しの子の謎の少女は、ルビーの前に現れてからしばらくは姿を現しませんでした。謎の少女が作中に久しぶりに登場したのは、まだ単行本未収録の118話でのことです。118話でアクアの前に現れた謎の少女は、「きっとお母さんは世界のどこかで見守ってくれてるよ」と白々しいセリフを口にします。アクアは「消えろ疫病神」と言って、謎の少女との会話を拒否していました。

謎の少女にもまったく驚いていない様子から、アクアは謎の少女と以前から面識があったと推測できます。謎の少女の正体についてはいまだに不明ですが、アクアとは何かしらの関係を持っていることがわかったシーンでした。その後、謎の少女はアイが完全にこの世から消えたことをアクアに告げ、言いたいことだけ言って姿を消しました。

推しの子の謎の少女は、初登場時もそれ以外のときも、何の前触れもなくいきなり現れました。急に現れて謎めいたセリフを言う少女には、混乱してしまった読者も多いようです。特にアクアの前に現れたときは前回までの話とまったくつながっていなかったため、1話飛ばしたかと思った人もいるくらいでした。

推しの子は天童寺さりなと雨宮吾郎の転生から話が始まるため、謎の少女も誰かが転生した姿だと考える人が多かったです。こちらのコメントを上げた人は、「ルビーとアクアの脳内幻想では」とも考えているようです。ただ、謎の少女が1人でいるシーンもあったため、脳内幻想の可能性は低いでしょう。人によっていろいろな考察がありますが、「普通の子供ではない」という意見は一致しているようです。

推しの子の謎の少女に関しては、「アイの生まれ変わりであってほしい」という感想が多く見られました。アイが転生していると期待している人は多く、118話でアイの転生を否定されたことにショックを受けるファンが大勢いました。しかし、これがすべてアイの嘘で、アイはやはり謎の少女に転生していると考えている人もいるようです。

推しの子の謎の少女は、カミキヒカルの子供かアイを殺した犯人の転生者という、斬新な考察をしている人もいました。謎の少女がカミキヒカルに似てるという感想を抱く人は多く、謎の少女とカミキヒカルに何か関係があると考えている人は多いようです。

推しの子の謎の少女に対するコメントは正体を考察するものが多いですが、中には単純に「謎の少女がいい」という感想もありました。推しの子には大勢のかわいい女性キャラが出てきますが、謎の少女はそれらのキャラに負けないくらいのかわいい少女です。そのため、謎の少女を推しキャラとして選ぶ人や、謎の少女のビジュアルに魅力を感じる人もいました。

推しの子の謎の少女の正体や、「魂のない子」などの意味深なセリフの意味についてまとめました。推しの子の謎の少女に関しては多くの考察がありますが、その正体は現時点で明らかになっていません。この先物語が進むにつれて、謎の少女が何者かもはっきりしてくるはずです。謎の少女はそれほど出番が多くありませんが、次に登場する機会を楽しみに待ちましょう。