メイドインアビスシリーズを見る順番は？アニメや劇場版のあらすじ・時系列を解説

メイドインアビスは、2012年から竹書房が運営するウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて、連載されている作品になっています。絵本のような繊細で可愛らしい絵柄に反して、ハードでリアルな展開から他の作品にはない人気を得る作品です。ファンタジー系の作品ではありますが、いわゆるなろう系のような展開は一切なく、昔ながらのファンタジー作品と言われることもあります。

人気と共に評価も高い作品で、2023年には第52回日本漫画賞協会賞まんが王国とっとり賞を、受賞するなどしています。メディアミックスも積極的に行われており、2017年にアニメ化されたのを皮切りに、劇場版映画化やゲーム化なども順番に行われています。

メイドインアビスの作者はつくしあきひと先生です。東京デザイン専門学校イラストレーション科を卒業した後、ゲーム会社であるコナミでの実績を経て2010年にフリーのイラストレーターとなりました。イラストレーターとしては、『Elebits』『幻想水滸伝Ⅲ』『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』などにキャラクターデザインとして携わっています。

漫画を書くようになったのはフリーになってからで、同人誌を経て、初めて連載した作品がメイドインアビスとなっています。

元々メイドインアビスは2017年に放送されたアニメ『メイドインアビス』が、初めてのメディアミックス作品になっています。その後、新作劇場版映画の公開に向けて、劇場版総集編映画として、アニメの内容を劇場版映画にまとめた形で『前編 旅立ちの夜明け』『後編 放浪する黄昏』が2019年に順番に公開されることになります。

その後2020年に新作の劇場版映画として『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』が公開されることになります。この新作劇場版映画の後、2022年にアニメ2期として『アニメメイドインアビス 烈日の黄金郷』が放送される形になりました。また余談ですが、2023年にはアニメ2期の続編となるアニメの制作が決定したことが発表されています。

メイドインアビスシリーズのメディアミックス作品ですが、基本的には公開された順番に見ていくのがおすすめです。ただし、あらすじだけを追いかけたいのであれば、アニメ1期『メイドインアビス』と劇場版総集編映画『旅立ちの夜明け』『放送する黄昏』の順番でどちらかを見るだけでも内容を把握することは可能になっています。逆に新作映画である『深き魂の聡明』は、アニメ1期と2期を繋ぐエピソードのため、必ず見る必要があります。

アニメ1期と劇場版総集編映画は、原作漫画でいうと3巻までの内容になっており、どちらもどの順番で見ても基本的な内容は変わりません。しかし、劇場版総集編映画はあくまでも総集編なので、アニメと比べてカットされたシーンもあるのです。その反面、順番的には後に作られた劇場版総集編映画にて追加されたシーンもあるため、順番は問わないまでも、どちらも見ることをおすすめする声も多くなっています。

人類最後の秘境と呼ばれる、巨大な縦穴『アビス』。このアビスの縁に作られた街の、孤児院で暮らすヒロインのリコは、偉大な探窟家であった母のようになることを夢見る少女でした。ある日、探窟に出たリコは、謎の生物に襲われ、さらに誰かに救われることになります。放たれた熱線の跡を辿った先で、リコは人間そっくりのロボットと出会うことになります。彼との出会いがリコを大冒険へと誘うことになります。

劇場版総集編映画である旅達の夜明けは、アニメ1期の7話前半までを再構成した内容になっています。リコは出会ったロボットの少年にレグと名付け、アビスへと冒険に出かけることになります。ネタバレしておくと、リコ達の冒険が順番に描かれ、深層三層を突破したところまでが描かれています。

劇場版総集編映画『放送する黄昏』では、アニメ7話の後半からの展開になっています。あらすじ的には、リコとレグが、ナナチと出会う所から展開されます。リコとレグが協力して四層に到達。しかし、四層に降り立ってすぐ遭遇した敵の攻撃によって、リコは毒に侵されることになってしまいます。そんな2人の前に現れたのが、2人の戦いを興味本位で見守っていたナナチでした。

新作劇場版映画深き魂の聡明は、アニメ1期の直接的続編となるあらすじが展開されます。ナナチを新たな仲間に加え、リコ達は、深層五層まで到達することになります。彼女達は、六層に至る唯一の手段を持つ、ボンドルドの元を尋ねることになります。そんな彼女たちが出会うことになるのが、プルシュカを名乗る少女でした。あらすじの順番的にも、アニメ、劇場版総集編から続く正当続編になっています。

2023年6月現在、公開された順番が最後に当たるアニメメイドインアビス2期である烈日の黄金郷では、深層六層に突入したところからあらすじが展開されます。深層六層にある還らずの都に辿り着いたリコ達。そこで彼女達をまっていたのは、独自の価値観をもって暮らしている『成れ果て』達でした。そんな成れ果て達の村で、リコ達の前に謎の存在であるファプタが現れることになるのです。

メイドインアビスシリーズの主人公でありヒロインと言えるのが、リコです。探窟家の両親を持ち、強い好奇心を持つ少女で、アビス深層にいる母の元を目指す形で冒険に繰り出すことになります。探究心と強靭なメンタルの持ち主であり、行動指針となることも多くなっています。アビスに眠る遺物や原生生物に関しての幅広い知識を持っており、同時にアドリブで切り抜ける対応力・応用力にも優れています。

その反面、身体能力は基本的には高くなく、直接的な戦闘ではサポートに回ることが多くなっています。その性格は有機と好奇心に溢れていますが、その反面、冒険に対して囚われていると言ってもいいほど執着している面も見せているのです。冒険を続けるのに必要であれば、自身の身体の一部を犠牲にするような決断もすることが出来ます。

メイドインアビスシリーズのもう1人の主人公と言えるのがレグです。元々記憶を失っており、レグと名付けたのはリコになっています。その見た目は、基本的には人と変わりませんが、ロボットであり、上昇負荷を受けないという特性も持っています。パッと見では、ロボットと分からない程に精巧であり、食欲もあり、涙を流すようなことも出来ます。

レグに搭載された数々の機能は、『奈落の至宝』と表現されるほどに高度で、現代では解明出来ない機能をいくつも有しています。体格は子供同然ですが、身体能力は非常に高く、直接的な戦闘を担うことが多いです。その性格は、メンタルは非常に弱く、ビビリで泣き虫な性格をしています。そのようなレグですが、自らの秘密を知るべく、リコと共に、アビスの深層を目指すことになるのです。

順番的には、最後に仲間に加わったのがナナチです。幼い見た目の半獣人で、リコとレグが深層4層で出会った成れ果てです。アビスに暮らしているだけあって、その知識面は、リコよりもさらに深くなっています。元々は、極北の地セレニで生まれた浮浪児でしたが、ボンドルドに連れられる形でアビスに行くことになりました。そこで実験台にされ、人格を保ったまま成れ果てになったという過去を持っています。

その見た目の可愛さから、登場してからあっという間にファンの人気を掴み、マスコットキャラクター的な立ち位置で愛されることになりました。

リコ達が、アビスに潜る中で初めて出会った白笛がオーゼンです。通称『不動卿』とも言われ、深層二層にある『監視基地（シーカーキャンプ）』にて防人を行っています。また、リコの母親であるライザの師匠でもあり、リコの出生についての秘密を知る生き証人でもありました。独特の髪型が特徴的な見た目をしていますが、その髪型は、上昇負荷による頭部の変形を隠すためになっています。

時系列的にも、アビス深層にて、リコ達が先の深層で生き残るべく、訓練してくれた師匠的な立場にもなっています。

監視基地（シーカーキャンプ）にて、見張り役を担当しているのがマルルクです。オーゼンの弟子であり、オーゼンに助けられて以来、ずっとシーカーキャンプで暮らしています。実は日光に弱い体質をしており、地上では暮らすことが出来ないとされています。その性格は真面目で礼儀正しく、シーカーキャンプ滞在中のリコとレグの世話なども行ってくれました。

ちなみに年齢は、リコと同年代ですが、既に蒼笛になっています。本来は、規定により15歳未満は蒼笛になることは出来ませんが、白笛であるオーゼンの愛弟子ということで特例的に蒼笛になっているのです。劇場版映画『メイドインアビス 深き魂の黎明』では、ショートアニメ『マルルクちゃんの日常』が、描かれるなどしています。

リコと同じく孤児院で暮らしている少年がナットです。リコとは良く口喧嘩を繰り広げるなどしていますが、実はリコに好意を寄せているキャラクターになっています。女の子でありながら、活発で、危なっかしい行動も平然としているリコに口煩くなっている傾向もあるのです。元々オースの街の南区にある貧しい岸壁街の出身であり、自らも孤児院を作ることを目標にしています。

リコに想いを寄せるあまり、危険なことはやめてほしいとも考えており、リコがレグと共に、アビスの底を目指すと決めた際には、最期まで反対を続けながらも、最後には協力して送り出しました。

ここからは既にメイドインアビスを視聴した人の、感想をネタバレありでまとめて紹介していきます。メイドインアビスはアニメと映画のあらすじが連動する形になっており、見る順番が分からないとする声が非常に多くなっています。特に、アニメ1期と2期の間には、1つ映画が挟まるため、物語の時系列は合っているものの、間が空いてしまっている印象を受けるとする声が多くなっているのです。

実際には、あらすじを時系列に追いかけるのであれば、アニメ1期の後に劇場版映画『メイドインアビス 深き魂の黎明』を1つ挟んでアニメ2期である『メイドインアビス 烈日の黄金郷』を見るという順番になります。公開の順番的に、間に総集編映画を挟んだ形が、リアルタイムに見る人にとっては、期間も空いていたので復習になって良かったものの、後から追いかける人にとっては、見る順番が分かりにくくなる結果になっています。

結果的に、メイドインアビスは見る順番を間違えたという声が、続出することにも繋がっています。ただし、メイドインアビスは、アニメ自体の評価が高いこともあり、順番に関しては笑って許せるとする声も多くなっているのです。またアニメを公開された順番で見た場合、間は空いているものの、時系列的には順番通りであることも許される要因になっています。

ただし、それぞれの作品が、サブタイトルがつくだけで、順番が分かるようになっていない点に関しては、順番が分かるように改善した方がいいといする声も見られます。特に、メイドインアビスの場合、あらすじの順番的にも劇場版映画を挟む構成であり、順番的には飛ばせないことから、アニメ1期の後は、順番的に劇場版映画であるメイドインアビス深き魂の黎明を、見ることが分かる導線にしてほしいという声もあるのです。

ちなみに、原作漫画からアニメ化になる際、あらすじを時系列が分かりやすくなるように再構成もしており、こちらは非常に評価される形になっています。原作漫画は、年間数回の不定期連載という形式であることも相まって、1話である程度物語が分かることを優先して時系列を入れ替える傾向にあります。アニメでは、この時系列をしっかりと整理しているので分かりやすいと言われる結果になっています。

元々メイドインアビスは時系列の順番の入れ替え以外にも、かなり評価の高いアニメになっています。各種シーンでの演出や、サウンド周りも、リアルな作風をとことん追求したことにより、評価が高くなっているのです。それだけに、見る順番が分かりやすいければ、さらに完璧だったとする声も見られる程になっています。

メイドインアビスを見る順番は、アニメ1期から始まり、劇場版映画メイドインアビス深き魂の黎明、アニメ2期メイドインアビス烈日の黄金郷と見るのが最短になっています。特に劇場版映画であるメイドインアビス深き魂の黎明をどの順番で見ればいいのか分からないとする声が多いです。基本的には公開した順番が時系列の順番になっているので、公開した順番に見ていくのがおすすめになっています。

順番を間違えたとしても、ある程度それぞれの作品で、区切りの良い形になっているのがメイドインアビスの特徴にもなっています。アニメ3期の制作も決定するほど人気のある作品なので、まだメイドインアビスを視聴していない人は、ぜひ公開された順番をチェックしながら視聴してみましょう。