【すずめの戸締まり】後ろ戸とはどういう扉?出現する場所・ルールや言葉の意味は?

「すずめの戸締まり」に登場する後ろ戸についてまとめています。後ろ戸とはどのような扉なのか、出現する場所やルールなども徹底解説!閉じ師の仕事内容や、後ろ戸の扉を閉めるときに草太が唱える呪文の意味も考察しています。扉からミミズが出てくるとどうなるのか、要石だったダイジンとの関係も説明しているため必見です。すずめの戸締まりの後ろ戸に関する感想や評価も、ネタバレで載せています。

【すずめの戸締まり】後ろ戸とはどういう扉?出現する場所・ルールや言葉の意味は?のイメージ

目次

  1. すずめの戸締まりの後ろ戸とはどういう扉?閉じ師とは?
  2. すずめの戸締まりの後ろ戸が出現する場所やルール
  3. すずめの戸締まりの後ろ戸に鍵をかけるときの呪文の意味
  4. すずめの戸締まりの後ろ戸とミミズやダイジンの関係
  5. すずめの戸締まりの後ろ戸に関する感想や評価
  6. すずめの戸締まりの後ろ戸まとめ

すずめの戸締まりの後ろ戸とはどういう扉?閉じ師とは?

「すずめの戸締まり」に登場する「後ろ戸」は、物語の重要なカギとなる不思議な扉です。本記事では、災いをもたらす後ろ戸や、閉じ師について解説していきます。後ろ戸のルールや扉の向こうはどこへ繋がっているのか、呪文の意味などの情報が満載です。後ろ戸について知っておくと、すずめの戸締まりの物語をさらに楽しめるため、ぜひチェックしてみてください。

すずめの戸締まりの作品情報

すずめの戸締まりの概要

後ろ戸が登場するすずめの戸締まりは、世界的に高く評価されている新海誠監督が描いたアニメ映画です。2022年に劇場公開されており、公開から7日間で興行収入が27億円を突破する記録を残しました。女子高校生がある青年と出会ったことをきっかけに、災いをもたらす後ろ戸を、戸締まりする旅に出る物語です。

本作は地震や天変地異をテーマとして制作されており、緊急地震速報に似せた音も流れます。そのため、視聴する際は注意が必要と公式サイトから伝えられています。

すずめの戸締まりのあらすじ

17歳の少女鈴芽は、登校中に宗像草太という青年と出会いました。彼は災いの元となる扉を封じるために、日本中を旅していると鈴芽は知ります。その後、鈴芽は災いを封じるために必要な要石を、好奇心から抜いてしまうのです。それが原因で、封印されていたミミズが、後ろ戸からくぐり抜けようとします。鈴芽はイスに変身させられた草太と共に、扉を閉める旅へ繰り出し、日本各地の後ろ戸がある場所を訪れました。

後ろ戸とは?

すずめの戸締まりには「後ろ戸」というワードが、頻繁に登場します。後ろ戸とはどのような存在なのでしょうか?本作でいう後ろ戸とは、災いをもたらす扉のことです。かつては人々で賑わっていましたが、今では人気のない放置された廃墟に後ろ戸はあります。後ろ戸は常世と繋がっており、そこから地震を発生させるミミズがくぐり抜けてくるのです。

常世とは永遠に変わることのない神域のことをいい、言い換えると「死の世界」を意味します。また、常世との対義語として「現世(うつしよ)」が存在します。通常は、生きている人間が後ろ戸に入ることはできません。ただ、主人公の鈴芽は、幼い頃に帰ってこない母親を探し求めて彷徨い歩き、いつのまにか後ろ戸をくぐり抜け常世に入り込んだのです。そのため、鈴芽は後ろ戸の向こうにある常世を、見ることができるのでしょう。

閉じ師とは?

すずめの戸締まりの閉じ師とは、災いをもたらす後ろ戸の扉を閉める人のことをいいます。後ろ戸を開けたままにすると、扉からミミズが出てきて、地震を引き起こしてしまうのです。そのような事態にならないように、閉じ師が後ろ戸を閉めて鍵をかけます。

物語の序盤で、何も知らない鈴芽が後ろ戸を開けてしまいました。その扉からミミズが出て来ようとしたため、草太が懸命に閉めます。草太が宮崎を訪れていたのも、後ろ戸が開いていないかを確認をしにきたのでしょう。ただ、後ろ戸は誰にでも見えるわけではないようです。一般人には知覚できません。後ろ戸を閉めるのは、閉じ師にしか果たせない重要な仕事なのです。

閉じ師は草太の一族の家業

鈴芽が神戸で二宮ルミのお店で手伝いをしていた際に、草太は「閉じ師は代々続くうちの家業なんだ」と言っていました。そして、これからも閉じ師の仕事を続ける意思を見せています。このことから、閉じ師は草太の一族の家業であることがわかります。

東京で要石となった草太を、鈴芽はミミズに刺しました。その後、彼女はどうにかして草太を助けたいと思い、彼の祖父の羊朗に良い方法がないか尋ねに行きます。羊朗もまた閉じ師で、草太の師匠でもある人物です。鈴芽は羊朗が入院している病院を訪れると、彼は後ろ戸や要石について語ってくれました。

閉じ師の仕事だけでは生活できない?

普通に暮らしている人々は、後ろ戸や要石、ミミズの存在を知りません。宮崎でミミズが空へと立ち上っていても、東京の空をミミズが覆い隠していても、一般人には全く見えていなかったのです。そのため、閉じ師という職業があることは、世間に認知されていません。ごく一部の人々が使命感を持って、戸締まりの仕事をしているのでしょう。

神戸の二宮ルミのお店で、草太は閉じ師だけでは食っていけないため、教師と両立することを語っていました。給料は多少あるものの、慈善活動に近いことが考察できます。

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

すずめの戸締まりの後ろ戸が出現する場所やルール

後ろ戸が出現する場所

すずめの戸締まりの後ろ戸が出現する場所には、特徴があります。映画の冒頭で、草太は鈴芽に廃墟のある場所を尋ねていました。彼は日本各地の廃墟にある後ろ戸を探して、戸締まりをしていたのでしょう。物語の中では、4ヶ所の廃墟が登場しています。「宮崎の門波リゾート」「愛媛の中学校」「」か宇部の山の上の遊園地」「三陸の津波の被災地」です。いずれも、かつては人々で賑わっており、活気のある場所でした。

また、東京では都心の地下溝のような場所にも、後ろ戸が存在していました。廃墟ではないようですが、人気のない暗い場所です。もしかすると、戦争や疫病、災害などで土地が荒れた場所に、後ろ戸は存在するのかもしれません。

後ろ戸が廃墟に出現する理由

すずめの戸締まりの後ろ戸は、廃墟のような人気のないさびれた場所に出現しています。静かで人気のない場所には、災いが入り込みやすいのでしょう。人が集まり賑わっている場所は活気があり、人間が発するエネルギーで災いを跳ねのけているかもしれません。エネルギーのない弱った場所に、後ろ戸が出現する可能性が高いです。

後ろ戸の言葉の意味

災いをもたらす扉のことを、なぜ「後ろ戸」というのでしょうか?文字だけで見ると、逆に開ける扉のことだと想像する人も多いでしょう。正確にいうと、後ろ戸とは仏堂の背後の扉のことを意味しています。古典能楽における概念であり、神や精霊の世界へとつながる扉のことです。本作の中でも、常世(霊界)に通じる扉として描写されていました。

後ろ戸のルール

すずめの戸締まりの後ろ戸には、2つのルールがあります。鈴芽が草太の祖父の羊朗へ会いに行った際、後ろ戸のルールを教えてくれました。1つ目のルールは、東京の後ろ戸からは、常世へ入れないことです。そして、2つ目のルールは、人間がくぐれる後ろ戸は、生涯で一つだけとなります。

鈴芽は幼い頃に、故郷である岩手県で後ろ戸をくぐり、常世へ入ったことがありました。そのため、彼女は東京の後ろ戸からは入れないのです。無理に入ってしまうとミミズが出没するため、羊朗は彼女を止めました。鈴芽はルールに合った自分の後ろ戸を探すために、岩手県へ帰省することにしました。

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すずめの戸締まりの後ろ戸に鍵をかけるときの呪文の意味

常世へ入れる後ろ戸の扉をくぐれるのは、一生に一つしかないというルールがあります。では、なぜ廃墟で後ろ戸が開くのでしょうか?扉を閉めて鍵をかける際に、草太が唱える呪文の意味を理解すると、その答えが見えてきます。ここでは、草太が唱える呪文の意味について考察していきます。

呪文の意味①かけまくしもかしこき

祝詞の一種である祓詞の最初の言葉です。「かけまくもかしこき(掛けまくも畏き)」とは、声に出して言うのも、また心に思うのもおそれ多いという意味になります。この言葉のあとに、神様や天皇の名前が続くことが多いです。つまり、神様や天皇の名前をいきなり言うことは、失礼に当たると考えられています。そのため、「かけまくもかしこき」と言って、ワンクッションをおくのです。

呪文の意味②日不見の神

「日不見の神」とは日を見ない神のことで、ヒミズというモグラの神様のことを意味します。また、ヒミズは雑食性でミミズやムカデ、穀物、植物の種子などを食べるようです。そのため、ヒミズはミミズの天敵とされています。本作でも、災いを引き起こすミミズを鎮めてくれるように、ヒミズの神様に祝詞を奏上していると考察します。

呪文の意味③遠つ御祖の産土よ

先祖の尊敬語を、「御祖(みやお)」といいます。また、「遠つ」とつなげれば、先祖代々のという意味として捉えられるでしょう。また、「産土(うぶすな)」は、土地神様または人の生まれた土地のことを意味します。本作で草太が唱えた祝詞は、土地の守り神のことです。したがって、「先祖代々に渡る土地の守り神」と解釈できます。

呪文の意味④久しく拝領つかまつったこの山河

「久しく」は長い間のことで、「拝領」は身分の高い人や目上の人から頂くという意味です。草太が唱えた呪文においては、長い間、神様からお借りした山や河と解釈できます。古代より日本では、自然の至ることろに神様が宿っていると言われています。現代でも山や河、巨木などが、ご神体とされていることが多いです。

呪文の意味⑤かしこみかしこみ、謹んで

神様を最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく意味を込めて使う言葉です。日本神道において神様にお願いするときに、心から敬意を持つ気持ちを表します。ちなみに、漢字では「畏み畏み」あるいは「恐み恐み」と表記され、恐れ多くもと意味します。

物語の終盤で、「人の心の重さが、その土地を鎮めている」と草太が語っていました。人がいなくなった廃墟は、人の心や祈りもなくなってしまいます。そのため、土地を鎮めるものがなく、後ろ戸が開くのでしょう。

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すずめの戸締まりの後ろ戸とミミズやダイジンの関係

後ろ戸とミミズの関係

すずめの戸締まりに登場するミミズは、災いの元とされています。後ろ戸を通って、すさまじい勢いで出てくる様子は、非常に不気味でした。ただ、このミミズには目的や意思がなく、エネルギー体のような存在です。後ろ戸が開いていると、常世から現世にやって来ます。そして、土地一帯の地気を巨大な力で吸い上げ、身体を膨張させます。その重さに耐えられなくなると、膨大なエネルギーで地面に倒れ込み、地震が起きてしまうのです。

ミミズが現世に来ることを防ぐのは、開いている後ろ戸を閉めなければなりません。ただ、後ろ戸を閉めるだけでは、抑制できないこともあります。そのようなときに備えて、神を宿した要石が必要となるのです。要石でミミズの頭と尾を刺すことで、後ろ戸をくぐり抜けることを妨げています。

また、ミミズは限られた人にしか見えないようです。ちなみに作中では、閉じ師である草太と祖父の羊朗、鈴芽には、ミミズが見えていました。おそらく、鈴芽は幼い頃に後ろ戸を通っているため、ミミズを見ることができると考察します。

後ろ戸とダイジンの関係

すずめの戸締まりのダイジンは、宮崎県にある後ろ戸の近くに要石として存在していました。ある日、鈴芽に引っこ抜かれたことで、要石の役目から解放されて自由の身となったのです。ダイジンは白猫に変身し、人間の言葉を話したり、草太を椅子に変えるなど不思議な能力を持っています。その後、ダイジンは鈴芽と草太を、後ろ戸のある場所へと導きました。

鈴芽はダイジンが現れるところで、ミミズが発生することに気付きます。鈴芽はてっきりダイジンが後ろ戸を開けて回っていると思っていました。しかし、実際は扉が開いた後ろ戸のある場所をダイジンが案内して、鈴芽に戸締まりをさせたかったのです。ダイジンは、優しい鈴芽のことが大好きで、彼女の家族になりたいと思っていました。大好きな彼女を助けたい、力になりたいという思いで、後ろ戸へ案内したのだと考察します。

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すずめの戸締まりの後ろ戸に関する感想や評価

すずめの戸締まりの最後のクライマックスシーンで、鈴芽が後ろ戸に飛び込んでいくシーンが好きという感想が上がっています。草太を助けるために、命さえも顧みず覚悟を決めて常世に入った姿は、非常に感動的でした。また、鈴芽役を担当した声優の原菜乃華の演技も、素晴らしかったという評価もあります。

後ろ戸を閉めるときに、草太が唱える呪文の中に「産土」という言葉が出てきます。産土とは地球を意味しているのではないかと、考察する声もありました。また、要石だったダイジンの力は、人間の信仰心であるという捉え方をしている人もいます。祝詞から考察すると、ミミズを抑えていたのは、ヒミズの神と産土の神ではないかという意見もありました。

閉じ師である草太の体格がしっかりしているのは、戸締まりをするために相当な力がいるため、鍛えているのだろうという感想がありました。後ろ戸が存在するのは廃墟が多く、場合によっては過酷な環境にあるかもしれないという声も上がっています。

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すずめの戸締まりの後ろ戸まとめ

すずめの戸締まりの後ろ戸とは、常世と現世をつなぐ扉のことです。扉が開いたままでいると、地震や疫病などの厄災が出てくるといわれています。また、人間がくぐれる後ろ戸は生涯に一つというルールもあり、常世は死後の世界を意味している可能性が高いです。すずめの戸締まりの物語には、後ろ戸を通してさまざまなメッセージが込められているため、ぜひ注目してみてください。

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