【呪術廻戦】羂索（けんじゃく）と宿儺の関係を考察！復活させようとする目的は？　

人気漫画「呪術廻戦」に、全ての出来事の黒幕として登場するのが、この記事で特集する羂索（けんじゃく）です。これから、時代を超えて暗躍し続ける羂索と、呪いの王こと宿儺との関係や宿儺を復活させようとした理由などを考察していきますが、その前に呪術廻戦の作品情報をお届けしましょう。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

呪術廻戦は、日本の漫画家・芥見下々によるダークファンタジー・バトル漫画で、集英社の週刊少年ジャンプにて2018年14号から連載が始まりました。一時中断があったものの、その後再開され現在も連載中です。同じ作者による漫画「東京都立呪術高等専門学校」の1年後の世界を描いています。ちなみに、「東京都立呪術高等専門学校」は、2017年に「ジャンプGIGA」にて連載された後、「呪術廻戦0巻」として刊行されました。

呪術廻戦の単行本は、集英社の『ジャンプ・コミックス』より22巻まで刊行され、2022年8月時点での累計発行部数は7000万部を超えています。この作品は、発売直後に在庫切れになるなどの人気ぶりで、即座に重版が決定されています。また、ノベライズやテレビアニメ、劇場版アニメなど様々なメディア展開が行われ、その人気はますます高まりを見せています。

祖父に育てられた高校1年生の虎杖悠仁は、ある日学校で特級呪物「宿儺の指」を拾います。祖父の死後、同級生の伏黒恵が現れ「人が死なないうちに宿儺の指を譲れ」と要求しますが、指はすでに先輩の手に渡り封印も剝がされていました。虎杖は最善策と信じ指を呑み込んで宿儺の器になりますが、呪術師より死刑宣告が下されます。窮地に陥った虎杖に、最強の呪術師・五条悟は、「全ての指を集めてから死ぬ」と提案します。

ここからは、メインテーマであるワンピースの羂索（けんじゃく）の話題に入っていきます。宿儺との関係や宿儺を復活させようとした理由などを考察する前に、羂索のプロフィールを紹介します。

「呪術廻戦」の16巻第136話や17巻第145話によると、羂索は、少なくとも1000年以上前から生き続ける、正体不明の呪詛師です。「最悪の呪詛師」という異名を持つ彼は、人間の身体を乗っ取って生きながらえてきました。現在は夏油傑（げとう・すぐる）の身体を乗っ取っており、真人（まひと）たちから「夏油」という名前で呼ばれています。

羂索は、過去に六眼の術師に2度も敗れており、その後は六眼の術師打倒を諦め、とりあえず自分に危害が及ばない道を探ります。そして迎えた3度目の挑戦で、獄門疆（ごくもんきょう）を使い六眼の術師・五条悟を封印して無力化することに成功しました。彼は時代を超えて人間の可能性を追求し、人類進化の強制に向けた条件整備をしていきました。

続いて、羂索（けんじゃく）と深い関係があるとされる宿儺（すくな）のプロフィールを紹介します。宿儺は、フルネームを両面宿儺といい、「呪いの王」と称される特級呪物の1人です。そして、呪術廻戦では主人公・虎杖悠仁に受肉する形で登場します。

宿儺が虎杖の肉体を支配するようになると、全身に文様が現れ爪は黒く鋭く伸びていきます。また、手や顔には口が現れ、会話することもできるようになります。さらに、虎杖自身が作り出した生得領域では、女性が着る袖の広い白い和服を着ていました。

腕が4本、顔が2つあることから宿儺は仮想の鬼神と言われていますが、彼の正体は今から1000年以上も前に実在していた人間です。呪術全盛の時代に、呪術師たちが総力を挙げて両面宿儺に挑みますが、太刀打ちできず敗北したと伝えられています。その後、彼の20本の指は屍蝋と化し、特級呪物として後世に伝えられます。当時の呪術師たちはそれを封印しますが、後にバラバラになって行方知れずとなってしまいました。

宿儺は非常に残忍な性格をしており、女子供を皆殺しにすることに生きがいを感じています。また、自分が「強者」と認めた相手には興味を示しますが、逆に「弱者」とみなした相手には容赦なく攻撃を加えます。虎杖にはあまり興味を持っていないようですが、英集少年院での出来事からは伏黒に対して強い関心を抱きます。また、虎杖を言葉遊びでからかったり、自分で宿儺の指を食べたりするなど、狡猾な一面を見せています。

次に、宿儺の術式や領域展開を解説します。宿儺の術式は、目に見えない斬撃を放つ能力であり、その斬撃には「解」と「捌(はち）」という2種類が存在します。

「解」はごく一般的な目に見えない斬撃ですが、「捌」は呪力の強度に応じて対象を一撃で倒す斬撃です。状況によって異なりますが、基本的には「捌」の方が高い威力を発揮します。また、宿儺が「開（フーガ）」と発言すると、炎の術式が発動します。この術式から放たれる炎の弓矢には、最強の式神・魔虚羅や特級呪霊・漏瑚を一撃のもとに擦り潰すほどの強さがあります。

また、領域展開「伏魔御厨子」を発動すると、術式が必中に格上げされます。領域が存在する間は、呪力を帯びたものは「捌」を、また無生物は「斬」という斬撃を無限に受け続けます。宿儺の領域が他と異なるのは、結界を閉じることなく、逃走可能な状態で生得領域を具現化できる点です。しかも、相手に及ぶ術式の必中範囲は、半径約200メートルにもなります。

羂索（けんじゃく）と宿儺（すくな）の関係を考える際に、以下の事実に注目する必要があります。まず、呪術廻戦の17巻143話で明かされた、宿儺の器として登場する虎杖悠仁の母親が羂索によって乗っ取られていたことです。また、11巻93話では、羂索が「宿儺は私にとって、獄門彊が失敗した場合の代替案に過ぎない」と発言したことも注目ポイントでしょう。

さらに、羂索は宿儺と関連がある呪術師・裏梅と結託していたことが示唆されています。そのほかに、宿儺の器である虎杖悠仁が結界に入る前から、死滅回游の泳者として扱われていた理由について、悠仁は「宿儺も羂索と契約して呪物になった呪術師の一人だったのではないか」と仮説を立てました。これらの事実を踏まえて、羂索と宿儺の関係を考察していくことが重要となります。

渋谷事変の際、宿儺は裏梅に対して「自由になるのもそう遠い話ではない」とか「ゆめ準備を怠るな　またな裏梅」と発言しました。呪術廻戦公式ファンブックによれば、裏梅は1000年前から宿儺とつながりがあったとのことです。

また、宿儺は人を食べるのですが、裏梅は人を調理する才能に恵まれていました。宿儺はそんな裏梅を大変気に入り、彼女が自分の隣に立つことを許していました。宿儺の隣に立つことを許された裏梅は、後に羂索と手を組んでいることが明らかになります。こうしたことから、羂索と宿儺が少なくとも敵対関係にはなかったことだけは確かでしょう。

かつて虎杖悠仁は、宿儺が羂索（けんじゃく）と契約して呪物になった術師の1人である可能性があると推測していました。この推測も羂索と宿儺が敵対関係でなかったことを示しています。もし羂索と宿儺が敵対的な関係であった場合、宿儺が羂索と契約を交わすことはなかったでしょう。ただし、虎杖悠仁の推測が誤っている可能性もあり、呪術廻戦18巻第158話では伏黒恵がその疑いを抱いていました。

前項のように、羂索と宿儺は敵対関係にはなかったのでしょうが、逆に仲間だったということにも疑問が残ります。呪術廻戦11巻第93話によれば、宿儺は羂索にとって、獄門彊による五条悟封印の代案にすぎなかったともいわれています。

また、7巻第53話では、羂索が宿儺を「爆弾」として扱っていたことが描かれています。羂索と宿儺が1000年前から何らかの関係を持っていたとしても、宿儺が羂索の仲間であったわけではないようです。

ここからは、羂索が宿儺を復活させようとした理由など、漫画「呪術廻戦」の羂索の目的に関する考察を進めていきます。

「呪術廻戦」の第16巻136話での羂索（けんじゃく）の発言から、彼が人間の可能性を追求していることが明らかになります。羂索は、明治時代に加茂憲倫という人物として非人道的な実験を行い、呪胎九相図を完成させました。また、虎杖悠仁を「宿儺の器」として意図的に生み出すなど、彼の目的は常に人間の可能性の追求にあったといえるでしょう。

しかし、羂索は「私が生み出すものは、私自身の可能性の域を超えることはない」と言い、また「私が創造すべきは私の支配から離れた混沌だった」とも述べていました。そして、呪霊操術で捕らえた特級呪霊・真人の無為転変を発動させました。

羂索は、マーキングされた非術師に遠隔操作で無為転変を施し、脳を術師の形に変形させ、さらには対象者を死滅回游へと強制参加させます。死滅回游とは、呪力を使って殺し合うゲームです。天元は、死滅回游が日本人の進化を強制させるためのトレーニングであると説明しています。

羂索（けんじゃく）の目的は、人間の可能性を最大限に追求し、日本全土における人類進化を強制することです。過去に2度の六眼の術師への敗北を経験した後、羂索は現代において3度目の挑戦を行います。伏黒甚爾が星漿体を殺害したことにより、羂索はついに天元・星漿体・六眼の因果関係を破壊することに成功しました。

そして、羂索を取り巻く状況は変わり、次の3つの条件が揃うことになります。条件の1つ目は、六眼の術師である五条悟を獄門疆に封印すること、2つ目は夏油傑の呪霊操術の術式を破壊すること、そして最後の3つ目は、星漿体を殺害することによって天元の進化を妨げることです。

伏黒甚爾によって星漿体が殺されたため、天元は独自の進化を遂げ、星漿体以外のものと同化できるようになりました。この進化により、天元は人類よりも呪霊に近い存在となり、夏油傑が発動する呪霊操術の対象になっています。夏油の身体を乗っ取った羂索は、次に天元を狙います。彼の目的は、人類の可能性を追求し、人類進化を強制することです。このことは間違いない事実でしょう。

それでは、羂索が宿儺を復活させようとしたのにはどのような目的があったのでしょうか？1000年前、呪術が全盛期だった頃に、羂索（けんじゃく）と宿儺には何らかの繋がりがあったと考えられます。しかし、それが敵対関係だったのか、協力関係だったのかはまだはっきりとは分かっていません。その後、宿儺は呪術師たちによって打ち倒され、20本の指が特級呪物として現代に復活しています。

羂索は、脳を入れ替える術式を駆使して多数の人間の体を渡り歩き、現代まで生き延びています。羂索は、その間に加茂憲倫の体を使って九相図を作ったり、虎杖の母親の体を乗っ取って「宿儺の器」として虎杖悠仁を作り出すなどしています。そうした行動から、羂索は宿儺を復活させたいと考えているようですが、その目的は何なのでしょうか？

宿儺復活の目的は、羂索のこれまでの行動の目的に関係していると考えられます。つまり、羂索の目的は人間の可能性の追求です。死滅回游が開始された時の羂索の復活についての考えはわかっていませんが、羂索が人間の可能性追求を目的としているのであれば、宿儺復活も人間の可能性追求に関係があるのかもしれません。つまり、羂索は宿儺を復活させることで、人間の可能性について何らかの答えを見出そうとしていたのでしょう。

羂索は、3つの術式を持っています。肉体を渡る術式、呪霊操術、そして重力の術式です。肉体を渡る術式を使うと、支配した相手の術式も使用可能となります。夏油の呪霊操術を使うことができたのもそのためです。術式の強さについては、乗り換える相手によって異なります。乗り換えた相手の強さ次第と言えるでしょう。現在は夏油の力を借りていますが、夏油自身が元々強かったため、羂索自身の実力も相当なものと考えられます。

百鬼夜行当時、乙骨が夏油に勝利しましたが、それは京都と新宿に夏油の戦力が分散していたためです。羂索は、もし分散がなければ特級術師クラスの実力者の夏油が勝っていたと考えていたようです。また、呪術廻戦206話には、九十九が胎蔵遍野に叩きつけられる場面がありますが、これはおそらく「重力の術式」が必中になっているためだと考えられます。

呪術廻戦の145話で明らかになったのは、メロンパンの正体が羂索（けんじゃく）であるということです。天元は羂索を「あの子」と呼んでいます。彼の目的は日本全土で人類の進化を促進することで、すべての人々を術師にすることでした。

羂索は、結界術の使い手としては天元に次ぐ実力者ですが、プロフィールでも触れたように2度にわたって六眼の術師に敗北しています。そのため、六眼の術師抹殺ではなく封印に方針を転換し、獄門彊を探し始めました。ところが、11年前に禪院甚爾が星漿体を殺害した際、呪霊操術の使い手である夏油も現れ、獄門彊以外の条件が揃ってしまいました。そして、ついに獄門彊も手に入れ、計画を実行することに成功したのです。

羂索（けんじゃく）の名前は、仏教用語の「羂索」に由来していると考えられます。羂索と聞いて、不空絹索観音像を思い浮かべる方も多いでしょう。仏教において羂索は、悪を吊るし上げたり、煩悩から抜け出せない人々を救い出すための投げ縄のようなものです。つまり、衆生を救うためのものであり、穿った見方をすれば羂索自身が人類進化の強制を目的としているという考察もできます。

羂索の本当の素顔は未だに解明されていません。彼は体を入れ替えることができるため、真の姿を知るには千年も遡る必要があるのです。いつか呪術廻戦の本編で1000年前の出来事が語られる際に、羂索の本当の素顔が明らかにされることがあるかもしれません。一説には、彼は普通の術師であり、ごく普通の人間の顔をしているといわれています。

羂索（けんじゃく）は、前述の術式を使って複数の人間の身体を乗り換えています。呪術廻戦作中では、彼が少なくとも3人の体を乗っ取ったことが示されました。

最初に乗っ取ったのは、明治時代に史上最悪の術師とされた加茂憲倫（かも・のりとし）です。彼は、呪霊の子を孕む人間の女性と呪霊の父親の間に生まれ、非人道的な人体実験によって、呪胎九相図を作り出しました。呪胎九相図を作成した目的は不明ですが、宿儺の器として使うことを意図していた可能性があります。

次に羂索（けんじゃく）が体を乗っ取ったのは、虎杖悠仁の母親であると考えられます。彼女は、額の傷が目立たないように施された女性で、虎杖の父・仁との間に子供を産んでいました。見た目から彼女の正体は羂索と考えられ、「宿儺の器」としての虎杖悠仁という人物を意図的に生み出したと考えられます。ただし、彼女が主人公・虎杖悠仁の父・仁と結婚していた女性、香織であるかどうかは分かっていません。

最後に紹介する羂索（けんじゃく）による乗っ取り犠牲者は、「最悪の呪詛師」として知られる特級呪詛師の夏油傑です。現在、羂索はこの夏油傑の身体を支配しており、呪霊を自在に操る術式「呪霊操術」の対象として天元に白羽の矢を立てました。このように、羂索は目的達成のために必要な手段を選ばない、狡猾さを持っているといえます。

ここまで呪術廻戦の羂索（けんじゃく）と宿儺特集をお届けしてきましたが、最後に羂索と宿儺に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、羂索や宿儺、そして五条悟の関係を示すシーンに関するツイートからです。緊迫した場面なのに、笑いがこみあげてくるそうです。

続いて紹介するのは、羂索と宿儺の関係を男女関係になぞらえたツイートからです。羂索が女性役で、宿儺は羂索からの愛情を感じているという説まであるそうです。

最後に紹介するのは、羂索や宿儺に対する五条悟の立ち位置に関するツイートからです。普段は五条の軽口をウザいと感じている投稿者ですが、羂索や宿儺を煽っているところは胸がすくそうです。

ここまで「呪術廻戦の羂索と宿儺の関係を考察！」と題して、羂索と宿儺との関係や宿儺を復活させようとした羂索の目的などを考察してきました。

宿儺と近しい関係にあった裏梅が羂索とも手を組み、彼女を介して知り合った2人は少なくとも敵対関係ではなかったようです。それは、宿儺が羂索と契約したことで呪物になれた術師であるとの虎杖悠仁の推論でも裏付けられています。ただし、作中では、羂索にとって宿儺は獄門彊による五条悟封印の代案にすぎないという記述があることから、2人は仲間だったというわけでもありません。

また、呪術師たちによって打ち倒された宿儺ですが、羂索により彼の20本の指は特級呪物として現代に復活します。羂索が宿儺を復活させようとしたのは、人類の可能性を追求し人類進化を強制するという羂索の目的が関係していると考えられています。