【すずめの戸締まり】ミミズの正体を解説!鈴芽に見える理由や元ネタも考察

「すずめの戸締まり」に登場するミミズの正体や、地震が起きる経緯を解説します。また、ミミズと関わりの深い要石や閉じ師についても詳しく解説!特別な人にしか見えないミミズが、鈴芽には見える理由も説明します。また、ミミズの元ネタや後ろ戸から出てくるとどうなるのか、金色の糸の正体なども考察しているため、気になる人はチェックしてください。すずめの戸締まりのミミズに関する感想や評価も載せています。

【すずめの戸締まり】ミミズの正体を解説!鈴芽に見える理由や元ネタも考察のイメージ

目次

  1. すずめの戸締まりとは?
  2. すずめの戸締まりのミミズの正体を解説
  3. すずめの戸締まりのミミズが鈴芽に見える理由
  4. すずめの戸締まりのミミズの元ネタやメッセージ
  5. すずめの戸締まりのミミズに関する感想や評価
  6. すずめの戸締まりのミミズまとめ

すずめの戸締まりとは?

「すずめの戸締まり」は、災いをもたらす扉「後ろ戸」を閉じる旅を通して、主人公の少女が成長していく物語です。本作に欠かせないミミズのキャラクターは、日本に災害をもたらす存在として登場します。見た目もおぞましく、いかにも何か悪いことが起こりそうな印象です。本記事では、地震と深く関わりのあるミミズの正体や元ネタ、要石の役目などを徹底考察していきます。

すずめの戸締まりの概要

「すずめの戸締まり」は、世界的ヒットした映画「君の名は。」「天気の子」に続く、新海誠監督によるアニメーション作品です。平穏に暮らしていた女子高生がある青年と出会ったことで、災いをもたらす扉の存在を知り、戸締まりの旅に出る物語になります。2022年11月より全国で公開されており、瞬く間に大ヒットしました。メディアミックスも行われており、2022年8月に小説版が角川文庫より出版されています。

すずめの戸締まりのあらすじ

主人公の岩戸鈴芽は、宮崎の静かな町で叔母と暮らしている17歳の少女です。幼い自分が草原を彷徨い歩いていると、亡き母と思われる人物が現れる夢を、鈴芽は繰り返し見ていました。ある日、「閉じ師」として旅をしている草太という青年と出会います。鈴芽は初対面とは思えない彼のことが気になり、あとを追いかけていきました。すると、思いもよらない出来事に遭遇し、草太と共に戸締まりの旅へ出ることになります。

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

すずめの戸締まりのミミズの正体を解説

考察①ミミズの正体は地震?

すずめの戸締まりのミミズが、後ろ戸を通って凄まじい勢いで噴き出てくる姿は、非常に不気味でした。ぐねぐねとうねる赤黒い奔流が、まさにミミズのようです。このミミズの正体は、何なのでしょうか?実は地震の元となる意思のないエネルギーが、ミミズの正体だったのです。

後ろ戸を閉める「閉じ師」の草太は、ミミズの正体のことを「歪が溜まれば吹き出し、土地を揺るがす」と説明していました。これは地震のことを指していると考察できます。本来、地震とは地下で動くプレート同士の歪みが蓄積し、限界に達した際に起こる現象です。しかし、すずめの戸締まりの映画においては、プレートの歪みが地震の原因ではなく、ミミズが引き起こすものと設定されています。

考察②ミミズは常世に存在する

すずめの戸締まりの世界観では、「常世」と「現世」が存在します。本作の常世(とこよ)とは、簡単にいうと「死後の世界」のことです。ミミズの棲家でもあり、すべての時間が同時に流れている場所となります。一方、現世(うつしよ)は、この世のことで、生きている者が住む世界を指します。

災いの奔流の正体であるミミズは、目的や意思もなく常世でうごめいているのです。ミミズの表体に触れると、ぐちゃりと気味の悪い手触りで、そのまま崩れてしまいます。また、吐き気をもよおすような、生臭さや焦げ臭さを感じるのが特徴です。あくまでも考察の1つですが、震災後の悲惨な状況で漂ってきた臭いを、ミミズの臭いに例えたという説もありました。

考察③ミミズが後ろ戸から出ると現世で災害が起こる

現世の裏側である常世に通じる不思議な扉が、「後ろ戸」です。人気のない廃墟のような場所で、後ろ戸の扉が開いしまうことが度々あります。そのようなときに、ミミズが常世から後ろ戸を通って、現世に勢いよく吹き出てくることがあるのです。

ミミズは現世に来ると、その土地一帯の地気を巨大な力で吸い上げて膨張します。そして、膨大なエネルギーで大地に倒れ込み、巨大な地震を引き起こすのです。そして、不気味なミミズの姿は、閉じ師をはじめ特別な人間にしか、はっきりと見えません。他にも、カラスなどの一定の動物にも見えるようで、普通の人間にはミミズの存在さえ気づくことはできないのです。

考察④人の魂の数だけ常世は存在する?

後ろ戸の向こう側にある常世の正体は、死者が赴く世界となります。宗像草太の祖父である羊朗の説明によれば、常世は見る者によって姿を変えるそうです。つまり、人の魂の数だけ常世は存在するといえるでしょう。鈴芽が見た常世は、ぎらぎらと輝いた星がまぶしい空と、草原が広がっている世界でした。おそらく、鈴芽の魂の在り方、象徴的なものを表していると考察できます。

考察⑤後ろ戸を見つけて閉めるのが閉じ師

すずめの戸締まりの草太は、閉じ師の役割を担い日本中を旅していました。ちょうど宮崎を訪れていたときに、登校中の鈴芽と出会います。閉じ師の仕事とは、常世からミミズが来て地震が起きないように、開いている後ろ戸を閉めて鍵をかけることです。草太は宮崎県にある要石の封印、後ろ戸が開いていないかを、確認しにやって来たのでしょう。

物語の序盤に、鈴芽が好奇心から開けてしまった扉を、草太が閉めようとしたのも災いを防ぐためでした。また、後ろ戸からミミズが出現するのを防ぐのは、閉じ師だけにしかできない仕事です。言いかえると、閉じ師が負っている使命なのでしょう。

考察⑥ミミズが吸い込んでいる金色の糸の正体

ミミズが膨らむ際に吸いこんでいる金色の糸の正体は、その土地一帯の地気です。地気とは大地の精気のことで、地面から立ちのぼる気のことをいいます。また、動植物の生育を助ける生気でもあるのです。

ミミズは土地の余っているエネルギーを、膨張するほどたっぷり吸い取ります。そして、ミミズの体は先端から枝分かれをし、一輪の花のような姿になるのです。地気を吸いつくしたミミズはずっしりと重くなり、そのまま倒れ込み地面に激しく衝突します。それが原因で、地震を引き起こすことになります。

考察⑦ミミズを封印しているのは要石

閉じ師が開いた後ろ戸を閉じて鍵をかけることで、ミミズが現世にやって来ることを防げます。しかし、滅多にない大きな災害に関しては、後ろ戸を閉めるだけでは抑制できません。そのような場合に必要とされているのが、神を宿した要石です。すずめの戸締まりの物語においては、西は宮崎県、東は東京都で2つの要石が存在します。ミミズの頭と尾に要石を刺すことで、現世に現れることを妨げているのです。

また、要石は時代と共に、設置場所を変えるといわれています。「人の認識が変わると、土地の形も災害の形も変わる。それに伴い要石を必要とする場所も変わる」と考えられているためです。ちなみに、「土地の形も変わる」というのは、現世ではなく常世の土地のことを指していると考察します。

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すずめの戸締まりのミミズが鈴芽に見える理由

ミミズの姿を見ることができるのは一部の人だけ

すずめの戸締まりのミミズが見えるのは、限られた一部の人だけです。登場人物の中では、閉じ師の家系である草太と祖母の羊朗がミミズを見ることができます。そして、なぜか閉じ師でない鈴芽にも、ミミズが見えるのです。叔母の環や芹澤、千果には、ミミズが全く見えません。

ミミズが鈴芽に見える理由

では、なぜ閉じ師でない鈴芽には、ミミズが見えるのでしょうか?鈴芽は幼い頃、地震による津波で母親をなくしています。当時、彼女が母親を探し彷徨い歩いていると、偶然に後ろ戸を見つけ通ってしまったのです。このことから、おそらく後ろ戸を通った人にも、ミミズが見えるのではないかと考察します。閉じ師にミミズが見えるのは、受け継がれた能力ではなく、後ろ戸を通ったことで得た可能性もあります。

草太の祖父が「常世は見る者によって姿を変える」と語っていました。そして、ミミズの姿は、見る人が最もおぞましいと感じているものです。そのことから、鈴芽に見えていたミミズは、震災と津波によって生じた火災の煙だったかもしれません。鈴芽がミミズと戦うことは、自身のトラウマを克服することだとも考察できます。

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すずめの戸締まりのミミズの元ネタやメッセージ

ミミズの元ネタ

すずめの戸締まりのミミズの正体は、常世を棲家にする邪悪な存在で、地震や災害をもたらす災いなものです。本作の物語で元凶とされているミミズの元ネタはあるのでしょうか?

ミミズの元ネタには諸説あります。元ネタの1つは、鹿島神宮の鯰(なまず)説です。実際に鹿島神宮には、本作でも重要ポイントとなっている要石が、祀られているのです。また、鹿島神宮にある鯰の浮世絵は、鯰の頭に要石を押し付けている様子が描かれています。

これは、本作のミミズが要石に押し付けられている構図と同じです。すずめの戸締まりの小説版では、竜の頭と尻尾に大きな剣(要石)が刺さっている書物が登場しています。鹿島神宮には鯰の頭の要石、香取神宮では鯰の尻尾の要石を鎮めているという点も、元ネタと考察されている理由です。もしかすると、新海誠監督は鯰や要石の伝説を元ネタにして、物語のインスピレーションを得たのかもしれません。

ミミズに込められたメッセージ

鹿島神宮の鯰が元ネタの可能性が高いミミズには、本作でどのようなメッセージが込められているのか考察します。元ネタと主人公の鈴音の背景を踏まえると、ミミズと戦うことには2つのメッセージを見出すことが可能です。1つ目は祝詞の通り「捨てられた土地のエネルギー(魂)を鎮め、土地の神々にお返しする」というメッセージです。

2つ目は鈴芽自身が「受け入れられなかった過去やトラウマと向き合う」というメッセージだと考察できます。すずめの戸締まりのミミズは、見た目がおぞましく危険な存在として描かれていました。このことからも、新海誠監督は過去のこととして流さずに向き合うことの大切さを、「ミミズ」というキャラクターを通して描いたのかもしれません。

「新海誠本」では、東日本大震災の記憶が風化することへの危機感を、監督が語っていました。本作映画のキャストの中にも、震災の記憶がほぼない人もいたようです。そのような状況も踏まえて、「そこに触れるのが遅くなってはいけいない、今のうちにこの映画を作らなければならない」と、監督は思いました。

多くの人が緊急地震速報やミミズなどの描写に、トラウマを思い出し胸を痛めたかもしれません。それでも、新海誠監督は1人でも多くの人に、過去を乗り越えてほしいと願いを込めて、本作を制作したと考察します。

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すずめの戸締まりのミミズに関する感想や評価

すずめの戸締まりのミミズのシーンは、非常に怖かったという感想が多く上がっていました。また、ミミズのシーンのときに流れる音楽が絶妙に合っていて、リアルに恐怖を感じた人もいるようです。東京のミミズ出現の絶望感はすごかったという声もあります。本作でのミミズの存在は、視聴者に強烈なインパクトを与えていることがわかります。

すずめの戸締まりのミミズの見た目が、非常に好きだという感想もありました。禍々しいものではなく、どことなく美しく見えて、それが返って怖さや不気味さを感じさせるという声も上がっています。また、ミミズの赤黒いブリンブリンとした感じが良いというファンもいました。

鈴芽は幼い頃に行方不明になった母親を探して、常世に迷い込みました。しかし、後ろ戸を通ったということは、臨死体験をしているのではないかという考察があります。後ろ戸を通れるのは一生に一度とされているため、普通の人は寿命を全うしたときでしょう。鈴芽にミミズが見えたのは、このことが原因だと捉えるファンもいました。

思い出すと辛くなるような過去の思い出、その場所にいた人の思念を、ミミズを通して描いていると考察する人もいました。そして、「扉の鍵をかけて、行ってくる」ということは、過去を受け入れて未来へ進むというメタファーだったのかもしれないという声もあります。そのようなことの積み重ねが命を繋ぐことだと、本作から感じとった人もいるようです。

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すずめの戸締まりのミミズまとめ

すずめの戸締まりのミミズの正体は、地震の元となる意思のないエネルギー体です。本作においては、ミミズが後ろ戸から出現すると、地震が起きると設定されていました。そして、閉じ師の草太は災いが起きるのを防ぐために、日本中にある後ろ戸を閉める旅に出ていたのです。

また、ミミズの元ネタは諸説ありますが、鹿島神宮の鰻の可能性が高く、そこには要石も祀られています。抽象的な存在のミミズに関しては、さまざまな考察が上がっていました。ただ、鈴芽が辛い過去から目を背けず向き合い、前を向いて生きられるようになったことは間違いありません。ミミズの存在の意味を深読みしながら、本作を鑑賞してみるのも良いでしょう。

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