【すずめの戸締まり】サダイジンの正体・目的は?環に憑りついた理由も考察

すずめの戸締まりは、新海誠監督・脚本による長編アニメーション映画です。九州に暮らす主人公の少女が全国各地に点在する「災いの扉」を閉める旅に出かけます。この記事では、すずめの戸締まりに人間の言葉を話す謎の黒猫として登場するサダイジンを取り上げます。これから、サダイジンの正体や目的を探るとともに、要石やダイジンとの関係、そして環に憑りついた理由などについても考察していきます。

【すずめの戸締まり】サダイジンの正体・目的は?環に憑りついた理由も考察のイメージ

目次

  1. すずめの戸締まりのサダイジンとは?
  2. すずめの戸締まりのサダイジンの正体・目的
  3. すずめの戸締まりのサダイジンが環に憑りついた理由
  4. すずめの戸締まりのサダイジンの声優
  5. すずめの戸締まりのサダイジンに関する感想や評価
  6. すずめの戸締まりのサダイジンまとめ

すずめの戸締まりのサダイジンとは?

すずめの戸締まりの作品情報

アニメ「すずめの戸締まり」の後半で、主人公・岩戸すずめと叔母の環が激しく口論を交わします。この時、環はサダイジンに憑りつかれていたということですが、このサダイジンとは一体どのようなキャラクターなのでしょうか?

この記事ではすずめの戸締まりのサダイジンを特集し、その正体や目的について考察していきますが、その話題に入る前にまずはすずめの戸締まりの基本情報をお届けします。最初にすずめの戸締まりの作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

すずめの戸締まりの概要

概要のイメージ

すずめの戸締まりは、新海誠監督・脚本による長編アニメーション映画です。九州に暮らす主人公の少女が全国各地に点在する「災いの扉」を閉める旅に出かけます。日本では2022年11月11日に公開され、公開後3日間の記録では新海監督作品最高値となる観客動員数133万人、興行収入18億円を上げています。最終的には131.6億円の興行収入を記録し、アニメ作品興行収入の日本国内ランキングで歴代10位となっています。

また、すずめの戸締まりは、アニメ作品をベースに積極的にメディアミックス展開が行われています。KADOKAWAより新海誠監督自ら筆を執った小説すずめの戸締まりが刊行されたほか、甘島伝記による漫画作品すずめの戸締まりが制作され「月刊アフタヌーン」にて2022年12月号より連載が開始されました。

すずめの戸締まりのあらすじ

あらすじのイメージ

高校生の岩戸鈴芽は、ある日宗像草太と名乗る青年と出会います。彼は扉を探して山に向かう途中でした。鈴芽がついていくと目の前に廃墟が現れます。徐に扉を開けると中には草原と空が広がっていました。突然ダイジンという猫が現れ「お前は邪魔」と言って草太を椅子に変えてしまいます。ほどなくして日本各地では「災いの扉」が開き始めました。鈴芽は全国に点在する災いの扉を閉める旅に出ることを決意します。

サダイジンの初登場

ここからは、この記事のメインテーマであるすずめの戸締まりのサダイジンの話題に移っていきます。まず、サダイジンの初登場シーンについて解説します。

常世で要石(かなめいし)になってしまった宗像草太を助けるため、すずめは行動を起こします。草太の祖父で草太の「閉じ師」の師匠でもある羊朗が入院している病院を訪ねます。すずめのは足を聞いた後、羊朗は「人のくぐれる後ろ戸は生涯にひとつだけある」と語り、「その後ろ戸を探すことだ」とすずめにアドバイスします。

すずめが帰った後、病室の窓辺に黒い猫が現れます。その猫こそ、この記事の主役・サダイジンだったのです。サダイジン初登場シーンとなりますが、この時、アニメ映画すずめの戸締まりの物語は、すでに後半に差し掛かろうとしていました。

羊朗は、黒猫の姿をしたサダイジンに「お久しゅうございます。とうとう抜かれてしまいましたな」と恭(うやうや)しくあいさつします。そして、「あの子についていかれますかな?」と尋ねた上で、すずめをよろしく頼みますと言葉を添えました。

サダイジンは東の要石だった

前項で紹介したように、すずめの戸締まりに黒猫として初登場したサダイジンですが、その後、黒猫になる前には要石であったことが判明します。

要石とは、大部分の面積が地中に埋まっている霊石で、災いを封じることができるとされています。時代の変遷に伴い要石の所在地も変化してきましたが、現在は宗像羊朗が刺した東の要石と閉じ師・三田井氏が刺した西の要石が、それぞれ東京と宮崎に埋まっています。

東京にある東の要石はミミズのしっぽを押さえており、一方の西の要石はミミズの頭を押さえ込んでいます。ミミズとは、この世の裏側に通じる「後ろ戸」から現れる、災いをもたらす奔流のことを指します。赤黒い体色とくねくねとした動きが、ミミズに見えることからこう呼ばれるようになりました。詳しくは後述しますが、東京にある東の要石がサダイジンの正体です。

すずめが、東京にある東の要石・ダイジンを引き抜いたことでミミズの尻尾が解き放たれ、その後東京のサダイジンが抜けたことで災いをもたらすミミズは自由に動き回れるようになりました。

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

すずめの戸締まりのサダイジンの正体・目的

サダイジンの正体は元人間?

ここからは、すずめの戸締まりのサダイジンの正体や目的を考察していきます。サダイジンの正体を探るカギは、宗像羊朗が病室ですずめに語った話の中に隠されています。

羊朗の話を要約すると、「甥の草太は、今後長い年月をかけて現世にいる我々には手の届かない存在である要石になっていくが、それは人の身には望み得ぬほど誉れ高いことだ」となります。羊朗の言葉から、すずめの戸締まりのサダイジンの正体は元人間であったことが推察できます。

サダイジンの正体は元閉じ師?

すずめの戸締まりのサダイジンの正体が、元人間ということが判明しました。そして、人間だったころのサダイジンは、羊朗の先輩もしくは血縁関係にある年長の閉じ師と考えられています。

ここで、話題に出たすずめの戸締まりの閉じ師について、簡単に解説しておきましょう。すずめの戸締まりにおける閉じ師とは、災いをもたらす扉である「後ろ戸」を閉めることを任務とする特別な人物のことをいいます。災いを封じ込めるため、後ろ戸を閉める際には祝詞(のりと)を唱えて扉に鍵を掛けます。

話を戻しますと、すずめの戸締まりのサダイジンが羊朗の先輩あるいは年長の血縁者と考える理由は、先に紹介した羊朗の言葉の中にあります。彼はサダイジンに対し、「お久しゅうございます」と敬語を使って語り掛けているのです。敬語を使っていることから羊朗より年長者であると想像できますし、話の内容から羊朗がサダイジンと面識があることもわかります。

さらに、羊朗がすずめに「只人に関われることではないのだよ」と語っていることから、常世に生きる人間は要石になることができないと考えられます。以上のことから、すずめの戸締まりのサダイジンは、羊朗の先輩あるいは年長の血縁者の閉じ師というところに落ち着くのです。

サダイジンが抜けた理由

アニメ映画「すずめの戸締まり」の中ごろで、宗像草太が「抜けたんだ。二つ目の要石が!」と叫ぶシーンがあります。東京・お茶の水駅付近で、大きな地震が発生した時のことです。地面に埋まっていた二つ目の要石が抜けたことで、地面が大きく揺れたというのです。

では、地中深く埋まっていたサダイジンが抜けたのは、どのような理由によるのでしょうか?映画すずめの戸締まりの中では説明されませんでしたが、この間の大きな変化点として、すずめが宮崎県にある西の要石を引き抜いたことがあります。サダイジンが抜けたのは、このことが影響していると考えられます。

すずめが、ミミズの尻尾にあたる西の要石(ダイジン)を引き抜いたことで、尻尾が自由になったミミズは暴れ始めます。その反動でミミズの頭部を押さえつけていた東の要石・サダイジンも、抜けてしまったということになります。

サダイジンの目的は要石に戻させること?

次に、すずめの戸締まりのサダイジンの目的を考察してみましょう。なぜすずめの戸締まりのサダイジンは、すずめの叔母で育ての母でもある岩戸環に憑りついたのでしょうか?実は、サダイジンが環に憑りついた目的は、サダイジンのその後の言動を見れば自ずとわかってきます。

環に憑りついたサダイジンは、その直後に草太の友人・芹澤朋也の運転する車に乗り込みます。そしてダイジンと共にすずめの故郷に向かうのです。しばらくして、車中で朋也がすずめに尋ねた時のことです。

「(サダイジンとダイジンが)すずめにしてほしいことがあるのでは?」との問いに、すずめではなくサダイジンが「そのとおり、ひとのてで もとにもどして」と応じ、暗に目的をほのめかしました。サダイジンの目的は、要石に戻してもらいミミズの頭部を押さえることにあったようです。

すずめの戸締まりのサダイジンが環に憑りついた理由

サダイジンはすずめに怒っていた?

アニメ映画すずめの戸締まりの中盤では、道の駅大谷海岸の駐車場ですずめと叔母の環が言い争いを始めます。この時、サダイジンは環に憑りつき、環にそれまで表に出したことのないような本音を吐き出させます。環は、すずめに「出ていきんさい」と強い口調で言い放ちました。環にこうしたことを言わせたサダイジンは、すずめに怒っていたのでしょうか?

サダイジンはすずめがやってきたことを再認識させたかった?

すずめの戸締まりの主人公・すずめは、宗像草太を救いたいという一心でここまでやってきました。草太のことしか目に入らず、それ以外のこと、例えば日本の安全などは意に介しません。サダイジンは、すずめの軽率な一面を鋭く見抜きます。サダイジンが環に憑りついてすずめに本音をぶつけたのは、すずめに怒っていたのではなくすずめがやってきたことの重大さを再認識させたかったからなのです。

すずめは、ダイジンが環を通じて伝えようとしたことを理解します。そして、この時草太の代わりに自分が要石になろうと決めたのでしょう。

サダイジンは環とすずめの関係を改善させようとした?

アニメ映画すずめの戸締まりの中盤において、「出ていきんさい!」と凄い剣幕ですずめに詰め寄った環は、さらに「私の人生返しんさい!」と続けます。言い過ぎたと感じたのか、やがて環は肩を落とすと涙を流します。

その後、環は自転車の荷台にすずめを乗せて漕ぎ出すのですが、その時の彼女の表情に悲しみは微塵もなく、実に晴れ晴れとしていました。後ろのすずめに向かって駐車場でのことを話すと、すずめは「ごめんね」と謝罪します。

駐車場での口論を経て、2人の関係は変化していきます。本音をぶつけ合って、それまでのわだかまりが吹き飛んだようでした。サダイジンは、環とすずめの関係を改善させるため、あえて本音をぶつけ合わせたのかも知れません。

サダイジンのただの気まぐれだった?

西の要石になったダイジンと東の要石のサダイジンですが、同じ要石でも両者の立ち位置は対照的です。猫の姿で自由奔放なダイジンに対して、環とすずめの関係を取りなすなど、サダイジンは大人の対応をします。

すずめの戸締まりの作中で、宗像草太は「神の本質は気まぐれ」と断言しています。大人びたサダイジンですが、気まぐれな猫の性格は未だ持っているようです。環に憑りついてすずめとの間を取りなしたのも、単なる気まぐれだった可能性もあります。

すずめの戸締まりのサダイジンの声優

サダイジンの声優はダイジンと同じ?

ここからは、アニメ映画「すずめの戸締まり」でサダイジンの声を担当した声優について考察していきます。アニメ映画すずめの戸締まりをエンドロールまで見ていると、あることに気づかされます。すずめの戸締まりのスタッフやキャストの名前が次々にスクロールされていくのですが、サダイジンの声優の名前だけが出てこないのです。映画のパンフレットにも見あたりませんし、公式Twitterなどネット情報にもありません。

しかし、アニメ映画「すずめの戸締まり」を何度か見るうちに、サダイジンの声の調子がダイジンの声によく似ていることに気づきました。サダイジンの声は低く声質は明らかに違うのですが、イントネーションなどは同じなのです。ここで、サダイジンの声優はダイジンと同じなのでは?という仮説が浮上してきました。

ダイジンの声優は山根あん

アニメ映画すずめの戸締まりでダイジンの声を担当しているのは、声優の山根あんです。おそらくエフェクトをかけ声を低くした上で、サダイジンも演じていると考えられます。

山根あんは、2014年7月16日生まれで現在8歳の猫が大好きという少女です。芸能事務所「テアトルアカデミー」に所属し、アニメ「パニパニパイナ!2 シーズン2」ではポリア役を演じています。

山根あんがサダイジンも担当しているとすれば、なぜ二役という表記すらないのか不明です。謎の多いサダイジンですから、担当声優も謎のままにしてミステリアスさを演出しているのかも知れません。

すずめの戸締まりのサダイジンに関する感想や評価

ここまでアニメ「すずめの戸締まり」のサダイジン特集をお届けしてきましたが、最後にすずめの戸締まりのサダイジンに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、猫がかわいそうになる結末が多いことから猫の映画を避けてきたという方のツイートからです。ところが、すずめの戸締まりではサダイジンとダイジンが毛繕いをするラストシーンで心が和んだようです。

続いては、すずめの戸締まりのサダイジンが一押しという方のツイートからです。猫好きな方のようで、猫は神様と呟いていました。

最後に紹介するのは、すずめの戸締まりの小説版にはサダイジンに話しかける羊朗のシーンがなくて残念というツイートです。人それぞれお気に入りのシーンがあるようです。

すずめの戸締まりのサダイジンまとめ

ここまで、アニメ映画すずめの戸締まりに登場するサダイジンを取り上げ、謎に満ちた正体や目的、そして環に憑りついた理由などを考察してきました。

まとめのイメージ

黒猫というかりそめの姿ですずめの前に現れるサダイジンですが、その実態は災いの予兆であるミミズのミミズの頭を押さえつける役割を担う東の要石です。さらに正体を探っていくと、元人間で宗像羊朗の先輩閉じ師、あるいは彼よりも年上の血縁親族であることが判明しました。そして、サダイジンの目的は、本来の要石の姿に戻してもらうことです。

また、環に憑りついた理由は、環に本音を吐き出させすずめとの関係を改善するためと考えられます。ただし、この件については想像の域を出るものではなく、猫特有の気まぐれによるものかも知れません。

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