すずめの戸締まりは魔女の宅急便のオマージュ?共通点やジブリ感がある理由は?

新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」は、スタジオジブリ映画「魔女の宅急便」のオマージュであることが知られています。新海誠本人が、「魔女の宅急便の影響を受けた」という趣旨の発言をして話題になりました。この記事では、すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点について考察します。魔女の宅急便のOPで起用された名曲「ルージュの伝言」を取り上げた理由や、両作品に登場する猫など、共通点を多角的に取り上げていきます。

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目次

  1. すずめの戸締まりとは?
  2. すずめの戸締まりは魔女の宅急便やジブリのオマージュ?
  3. すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点を考察
  4. すずめの戸締まりの謎を考察
  5. すずめの戸締まりに関する感想や評価
  6. すずめの戸締まりは魔女の宅急便のオマージュといわれる理由まとめ

すずめの戸締まりとは?

「すずめの戸締まり」とは、新海誠監督の最新作である長編アニメ映画です。同作品はファンの間で、スタジオジブリ作品「魔女の宅急便と共通点が多い」という意見が見られました。新海誠監督自身も、魔女の宅急便のオマージュであることを認めています。この記事では、すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点について特集していきます。名曲「ルージュの伝言」が使われた経緯などを紹介するため、観る時の参考にしてください。

すずめの戸締まりの概要

すずめの戸締まりは、2022年11月11日に封切られた長編アニメ映画です。原作と監督、脚本を新海誠が務めて、大きな反響を呼びました。新海誠監督作品としては、「君の名は。」と「天気の子」に次いで興行収入100億円を突破しています。興行収入が3作連続100億円突破した監督は、他に宮崎駿しかおらず、大記録を達成しました。すずめの戸締まりは、2023年2月現在も公開中であり、世界各国での上映も予定されています。

すずめの戸締まりの音楽担当は、RADWIMPSです。また、作曲家の陣内一馬も参加しており、中億を集めました。同作品の主題歌は2曲で、「すずめ feat.十明」と「カナタハルカ」です。他にも、昭和の名曲が挿入歌として使われています。特に話題になったのが、ルージュの伝言でした。荒井由実の名曲であるルージュの伝言は、スタジオジブリ映画魔女の宅急便のOP曲として知られており、曲のオマージュと推察されています。

すずめの戸締まりのあらすじ

すずめの戸締まりは、宮崎県の静かな町から物語が始まりました。主人公の岩戸鈴芽は、地元の高校に通う17歳の少女です。岩戸鈴芽は、ある日奇妙な夢を見ました。それは、幼い少女が一人で、廃墟の立ち並んでいる草原を歩いているというものです。少女は、母親を探しているのですが見つからず、諦めの気持ちもありただ佇んでいました。すると、母親ではない女性が少女の元へやって来ます。そこで、岩戸鈴芽は、夢から覚めました。

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

すずめの戸締まりは魔女の宅急便やジブリのオマージュ?

すずめの戸締まりは、新海誠監督が、魔女の宅急便をはじめとするスタジオジブリ作品のオマージュであることを公言した作品です。特に、魔女の宅急便の影響が強く、「同作品単体のオマージュではないか」という指摘も多く見られました。劇中で、J-POPの名曲であるルージュの伝言が流れたことも、オマージュと受けとめられました。この章では、すずめの戸締まりが魔女の宅急便のオマージュである点について、考察していきます。

魔女の宅急便とは?

魔女の宅急便とは、スタジオジブリ制作の長編アニメ映画で、1989年に全国公開されました。脚本と監督を宮崎駿が務めましたが、原作に角野栄子著の同名児童文学を起用したことで大きな話題となっています。観客動員数264万人、配給収入21.5億円の大ヒットを記録して、スタジオジブリ躍進の原動力になりました。2023年2月現在、ブルーレイとDVDが発売中です。また、約2年に1度の割合で、日本テレビ系で放映もされています。

魔女の宅急便では、それまでのスタジオジブリ作品には見られなかったいくつかの要素が見受けられました。ヤマト運輸や日本テレビなどの、複数スポンサーがついたことで話題になったのです。特にヤマト運輸は、劇中に登場する黒猫のジジと、同社が登録商標にしている「宅急便」の相乗効果で、企業の大幅なイメージアップに繋がったとされています。

さらに、魔女の宅急便では、それまでのジブリ作品がオリジナルの主題歌を採用してきたことに対して、既存の楽曲を使用したことが反響を呼びました。荒井由実の曲が2曲採用され、OPにルージュの伝言、EDに「やさしさに包まれたなら」が流れたのです。「ルージュの伝言とやさしさに包まれたならが、物語の魅力を増幅させている」という高評価は、公開当時から見られましたが、現在の視点で見ても同様とされています。

すずめの戸締まりは魔女の宅急便の影響を受けている?

新海誠監督は、すずめの戸締まりについて、「魔女も出てこないし、デリバリーもしない、話の構造も違う」という趣旨の発言をしていました。しかしながら、すずめの戸締まりが魔女の宅急便のオマージュであることを認める発言もしています。そのことについては、「物語の主題や核の部分ではなく、細かい所でオマージュを表現している」と分析するファンも多く、両作品の共通点や似ている点については、後の項で考察します。

すずめの戸締まりでルージュの伝言の曲が流れた理由

すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点で、多くのファンが気づいた点がルージュの伝言が両作品で流れているところです。ルージュの伝言は荒井由実(松任谷由実)の5枚目のシングルとして、1975年2月20日にリリースされました。1950年代のアメリカンポップスを思わせる軽快なロックナンバーで、山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子のコーラス参加が話題になったのです。反面、チャートアクションはオリコン最高位45位でした。

ルージュの伝言は、魔女の宅急便ではOPに起用されました。主人公のキキが魔女の修行のために旅立つシーンに流されており、大きな効果を上げています。一方、すずめの戸締まりにおけるルージュの伝言は、劇中の挿入歌で、芹澤朋也が岩戸鈴芽、環とドライブに出た時のBGMとして流れました。懐かしさを感じたファンが多いとのことです。「2023年の若者が昭和の曲ばかり聴いていることに違和感がある」という指摘もあります。

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すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点を考察

考察 イメージ画像

新海誠監督が、自身の作品すずめの戸締まりが、魔女の宅急便をはじめとするスタジオジブリ作品へのオマージュがあることを公言したことは先述しました。また、オマージュは、「物語の核の部分ではなく、あちこちに散りばめられているので、観終わった後にそう感じる」という趣旨の発言もしています。この章では、すずめの戸締まりと魔女の宅急便の共通点について、5項目に分けて考察しながら紹介していきます。

共通点①地形や風景

すずめの戸締まりと魔女の宅急便の風景を比較すると、「似ている」という感想が多く見受けられるとのことです。すずめの戸締まりは、日本を舞台にしており、魔女の宅急便の街並みについてはスウェーデンのヴィスビューを参考にしているとされました。よって、よく見ると違うのですが、「海に面した街並みや、キャラクターが坂を下る様子に共通点がある」という指摘が多く、「オマージュの一つ」であるといわれているのです。

共通点②若い女性が成長するロードムービー

すずめの戸締まりと魔女の宅急便は、ストーリーは全く似ていません。それでも、両作品が似てるといわれる理由の一つに、「10代の女性が成長するロードムービー風の作品だから」という意見が、多く挙げられています。特に魔女の宅急便にその側面が強く、キキは魔女以外の人間たちと触れ合ったことで大きな成長を見せています。すずめの戸締まりの岩戸鈴芽についても同様で、彼女は多くの経験を通して成長していきました。

共通点③新たな旅立ち

すずめの戸締まりの主人公である岩戸鈴芽も、魔女の宅急便の主人公キキも、物語の最初と最後では、大きな変化が見られました。その変化こそ成長であり、二人とも成長した結果、精神的にも肉体的にもそれまでいた場所にとどまるということをしません。物語が終わる頃には、岩戸鈴芽とキキは、新たな旅立ちをしています。そして、二人はまた別の楽しい経験や困難を経て、より成長していくであろうことが示唆されました。

共通点④たくさんの出会い

数多いスタジオジブリ映画の中で、「魔女の宅急便ほどたくさんの人々との出会いを描いた作品はない」といわれています。特にキキを導く存在になったウルスラや、彼女の世話を焼いたおソノ、ボーイフレンド的存在であるトンボらとの出会いは、重要だったと位置付けられており、同作品を読み解く上で欠かせないキャラクターです。

一方、すずめの戸締まりの岩戸鈴芽も、宗像草太(トンボ的立ち位置)や、二ノ宮ルミ(おソノ的立ち位置)、海部千果(ウルスラ的立ち位置)らとの出会いを通して、彼らから大きな影響を受けて、人間的に成長していきました。人々との出会いの大切さは、すずめの戸締まりでもしっかりと描かれており、同作品が魔女の宅急便のオマージュとされる理由の中でも、最もファンが指摘する部分とされているのです。

共通点⑤猫が登場する

すずめの戸締まりと魔女の宅急便との共通点として、ファンの間で「わかりやすい」と評されているのが、両作品に猫が登場していることです。魔女の宅急便に出てきたジジは、キキと同じく13歳の黒猫でオスです。危機の相棒として、いつも彼女の側にいます。

すずめの戸締まりに登場した猫は、ダイジンという名前の白猫でした。その正体は猫ではなく、神獣です。岩戸鈴芽が、廃墟の後ろ戸にあった要石を抜いたことで正体を現し、閉じ師である宗像草太を岩戸鈴芽が大事にしていた椅子の姿に変えてしまいました。ダイジンの生前は、奈良県に住んでいた子供の閉じ師だったとされており、岩戸鈴芽と宗像草太と重要な関りを見せていきます。

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すずめの戸締まりの謎を考察

虫眼鏡とクエスチョンマーク イメージ画像

2023年2月現在、大ヒット上映中のアニメ映画すずめの戸締まりは、ジブリ作品のオマージュという側面のみならず、多くの謎と伏線を有している物語でした。この章では、すずめの戸締まりの謎について、3項目に分けて考察していきます。

考察①すずめが訪れる場所の意味

  • 東京都:関東大震災
  • 兵庫県神戸市:阪神淡路大震災
  • 宮城県気仙沼市:東日本大震災
  • 愛媛県:西日本豪雨

すずめの戸締まりの主人公である岩戸鈴芽は、物語の中でダイジンの導きで日本各地を回って後ろ戸を閉じていきました。実は訪れた場所には、過去に大きな災害が起きていたという共通点があります。このように、すずめの戸締まりでは、現実に起こった災害が描かれていて、各方面で話題と注目を集めました。

考察②現実の震災が描かれた理由

それでは、すずめの戸締まりにおいて、なぜ現実の災害が描かれたのでしょうか?新海誠監督は、インタビューなどを通して、「日本を舞台にして物語を描く時に、災害を避けて通ることはできないと思った」や、「今このようなことを描いておかないと、若い世代の観客と共有できなくなってしまう」という内容の発言をしました。この考えに共感する人も多いですが、「特に東日本大震災を描くことは、まだ早い」という意見もあります。

考察③天気の子との関係

熱心な新海誠作品のファンの中には、「すずめの戸締まりは『天気の子』の続編ではないか」と推察する人もいます。この件について、新海誠監督は、「直接的な繋がりはないし、すずめの戸締まりは天気の子と世界観も異なっている新しい物語」と説明していました。「同じ監督が作った作品であるが故の共通点がある」という評価も見られ、新海誠監督作品を奥行きのあるものにしているとのことです。

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すずめの戸締まりに関する感想や評価

この章では、長編アニメ映画すずめの戸締まりに関するTwitterでのつぶやきを、いくつか取り上げていきます。すずめの戸締まりは、インターネット上でどのような感想や評価を受けているのでしょうか?

こちらは、すずめの戸締まりの熱心なファンだと思われる方のツイートです。何回か映画館に足を運んでいるとのことで、観るたびに随所に散りばめられたモチーフの存在に気づいて面白いという感想をつぶやいています。

こちらは、公開後まもなくすずめの戸締まりを観た方のツイートです。新海誠監督が同作品を魔女の宅急便のリスペクトだと言っていたことに驚いたけれども、実際にその通りの作品だったとつぶやいています。

こちらは、すずめの戸締まりの大ファンだと思われる方のツイートです。同作品で地味に好きなシーンとして、芹澤朋也がルージュの伝言を歌っている横を、クロネコヤマトの車が通り過ぎていく場面を挙げていました。

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すずめの戸締まりは魔女の宅急便のオマージュといわれる理由まとめ

まとめ イメージ画像

この記事では、すずめの戸締まりと魔女の宅急便について比較しながら、オマージュと共通点を中心に考察してきました。現在もなお、大ヒットを記録し続けているすずめの戸締まりを未見の方は、是非一度映画館で見てください。

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