【ようこそ実力至上主義の教室へ】体育祭をネタバレ解説！競技・ルールや裏切り者は？

衣笠彰梧による「ようこそ実力至上主義の教室へ」は、KADOKAWAのMF文庫Jより刊行されているライトノベルで、イラスト担当はトモセシュンサクです。「よう実」という略称で親しまれているこの作品は、最初のシリーズが1年生編で、全14巻（本編11巻と短編集3巻を含む）が刊行されています。2020年1月からはタイトルが「ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編」となり、9巻（本編8巻と短編集1巻を含む）が刊行されています。

ようこそ実力至上主義の教室への漫画化作品が月刊コミックアライブで連載中で、作画は一ノゆゆです。コミックは2022年2月時点で12巻が発売中です。2017年に1年生編の第1期アニメがAT-X他で第1期（原作の1巻から3巻）が放送され、第2期（原作4巻から7.5巻）は2022年7月から9月まで放送されました。第3期は2023年に予定されており、この第3期放送によって原作の1年生編がすべてアニメ化されることになります。

ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）は、完全な実力至上主義の名門校である高度育成高等学校が舞台の学園群像劇です。ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）は、2023年版「このライトノベルがすごい!」の文庫版の1位を獲得しています。また、2022年の10月にはシリーズ累計750万部を超える発行部数を記録し、ヒット作品となっています。

ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）のあらすじをみていくと、高度育成高等学校に入学した綾小路清隆は、Dクラスに配属されます。完全な実力至上主義のこの高校では、能力上位から順にA～Dクラスに振り分けられ、Aクラスの生徒はどのような進路も叶えることができます。劣等生が多いDクラスの綾小路はやる気のない生徒ですが、学校内の問題や事件に気づき、解決するために動き始めます。

体育祭編は、ようこそ実力至上主義の教室への1年生編の、文庫版第5巻で描かれました。漫画版では第11巻で描かれています。テレビアニメ版では、2022年7月から9月まで放送された第2期の5話から6話にかけて描かれました。ようこそ実力至上主義の教室への1年生編の体育祭は2学期に行われており、全学年が参加して各競技で点数を競い合います。それでは、ここから、主人公の綾小路が1年生時の体育祭について紹介します。

ここからは、ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）の1年生編で描かれた体育祭のルール、点数配分やペナルティ、体育祭の競技種目を紹介していきます。

高度育成高等学校の2学期に行われた体育祭のルールは、1年生から3年生までを赤と白の二つの組に分けて競わせるという方式です。AクラスとDクラスが赤組、BクラスとCクラスが白組となり、各競技で点数を競うことになります。競技には、個人競技（全員参加）と団体競技、推薦による個人競技があります。

点数の配分のルールについて見ていくと、個人競技の場合は、1位は15点、2位は12点、3位は10点、4位は8点です。下位の得点については5位は7点、6位は6点というように、5位から下は1点ずつ少なくなっていきます。団体競技の場合は、勝った組に500点が与えられます。推薦による個人競技は、1位は50点、2位は30点、3位は15点、4位は10点、5位以下は2点ずつ少なくなっていきます。リレー競技はその3倍の点数になります。

体育祭のルールには別枠報酬というものもあります。別枠報酬の内容は、プライベートポイント（PPt）か、または、次の中間試験の加点のどちらかが与えられます。個人競技の場合、1位には5000PPt、または次の中間試験で3点の加算、2位には3000PPt、または中間試験で2点の加算、3位には1000PPt、または中間試験で1点の加算となります。

最下位の場合は1000PPtの減点となり、払えないときは中間試験で1点の減点となります。さらに、全競技で最高得点となった生徒は10万PPtが与えられ、各学年ごとの最高得点者にも10万PPtが与えられます。

全競技が終了した時点で、総合点が悪かった生徒個人に対して厳しいペナルティが設けられています。ペナルティのルールについてみていくと、最下位から数えて10位までに入った生徒に課せられます。ペナルティの内容は各学年ごとに決められています。1年生は次の中間試験で10点の減点になるというルールになっています。

また、各クラスの総合点が1位のクラスには50CPt（クラスポイント）が与えられ、2位のクラスは加点も減点もありません。しかし、3位のクラスは50CPtマイナス、4位のクラスは100CPtマイナスとなります。ルールに違反する行為をした者にも厳しいペナルティが課されます。違反者は失格となり、最も悪質とみなされれば退場の措置をとられることもあります。さらに、獲得した点数も没収される可能性もあります。

全員参加の種目は、100ｍ走、200ｍ走、障害物走、ハードル走、二人三脚です。また、男子のみで行われる棒倒し、女子のみの玉入れ、男女別で行われる綱引き、騎馬戦があります。推薦参加による競技は、四方綱引き、借り物競争、男女混合で行われる二人三脚、全学年合同の1200ｍリレーがあります。推薦参加者による競技に代役を立てることはできますが、その場合、10万PPtを失うルールになっています。

ここからは、ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）の1年生編の体育祭の裏切り者についてネタバレで考察していきます。全学年のクラスが順位を競い合う体育祭で、主人公の綾小路清隆が所属するDクラスに裏切り者がいたことが判明しています。ここでは、誰がDクラスの裏切り者で、その目的、裏切り者による影響と綾小路が裏切りについて知っていた可能性について、ネタバレで考察していきましょう。

Dクラスで裏切り行為をしていた者は櫛田桔梗（くしだききょう）でした。櫛田桔梗は1年Dクラスの生徒で、面倒見の良さと見た目のかわいさから、男女問わずクラスの人気を集める存在です。しかし、それは表向きの顔で、実は櫛田桔梗には裏の顔があるといわれています。櫛田がクラスに対する裏切り行為をするのは、体育祭で2回目です。1回目は船上試験でした。

4巻で描かれた船上試験で櫛田はCクラスのリーダーである龍園翔に、Cクラスに有益な情報を流していました。体育祭での裏切りは、Dクラスの各競技のメンバー表をCクラスの龍園に渡したことです。

櫛田桔梗からDクラスのメンバー表を受け取った龍園は、Dクラスを叩き潰すための作戦を考えます。龍園はDクラスの生徒に勝てそうな生徒を、各競技ごとに振り分けることから始めました。そのため、Dクラスの生徒たちはどの競技でも苦戦を強いられることになりました。スポーツが得意で、Dクラスのリーダーとなった須藤健が出場した棒倒しでは、龍園は須藤に対して反則ぎりぎりの行為を仕掛けます。

追い詰められた須藤は冷静でいられなくなり、ついに戦線離脱して寮に戻ってしまいました。また、龍園は堀北鈴音が出場する競技のすべてに陸上部の木下美野里を当てていきます。龍園から指令を受けた木下は障害物競走で、堀北鈴音にケガをさせられたことにするために、わざと接触して転倒します。その結果、木下だけでなく堀北もケガをしてしまいました。

それでも、堀北は二人三脚と騎馬戦に出場しますが、ケガの影響もあって結果は最下位になってしまいます。このように、ケガを負いながらも必死に競技に出場した堀北は心身共に大きなダメージを受けてしまいます。さらに堀北は、障害物走で木下と接触した責任として、100万ポイントを差し出して土下座をすることで和解するか、または、この問題を徹底的に審議することに同意するかのどちらかの選択を迫られました。

Cクラスの龍園が堀北を執拗に追い詰める理由は、堀北の背後に潜む何者かを明らかにしたかったからです。龍園が率いるCクラスは無人島で行われた特別試験の際、堀北に翻弄され、最下位となってしまいました。この試験でDクラスは1位をとっており、龍園は堀北の背後で何者かが動いた可能性があると確信しました。

今回の体育祭でも龍園は、堀北の背後で何者かが動くことを警戒していました。龍園は、その人物は自分の優れた能力を隠しており、簡単には正体を掴ませないだろうと考え、それが綾小路ではないかと推測します。龍園が執拗に堀北をマークしていたのは、堀北の背後にいる者をあぶり出すためでした。

櫛田桔梗がDクラスの裏切り者になった目的は、堀北鈴音を退学させることです。なぜ、櫛田は堀北を退学させたいのでしょうか？その理由をみていきます。櫛田は高度育成高等学校に入学したときから堀北を快く思っていませんでした。その理由は、堀北と同じ中学だった櫛田は、堀北が自分の中学時代の事件のことを知っていると思っているからです。

櫛田の中学時代を振り返ってみると、櫛田は皆に注目されたい、褒められたいという欲求を常に抱えていました。そのような想いを抱えながらも櫛田は整った顔立ちと優秀な成績で自身の欲求を満たすことで、充実した中学生活を送っていました。しかし、いつもかも皆の注目を集め続けることはできず、櫛田よりも高い学力を持つ生徒には、どれほど努力しても敵いません。

そこで櫛田は、クラスメイトたちに積極的に話しかけて、悩みなどを聞く相談相手になってあげることで、人気を保とうとします。しかし、櫛田は誰とでも仲良くすることにストレスを感じるようになります。櫛田はストレスを解消するために、匿名のブログにクラスメイトに対する悪口や不満などを書くようになりました。ところが、ある日、このブログの存在がクラスメイトに見つかり、拡散されてしまいました。

クラスメイトたちの櫛田に対する信頼は崩れ去ります。この状況に激怒し、混乱した櫛田はこれまでに知ったクラスメイトの秘密を公表してしまいます。このことによってクラス内は混乱し、収拾がつかなくなり、クラスは崩壊していきました。同じ中学だった堀北もこの出来事を何となく知っていましたが、櫛田が首謀者であることまでは知りませんでした。

しかし、櫛田は堀北がすべてを知っていると思っています。堀北が同じ高校に入学したことで、当時のことを暴露されという恐怖に駆られます。このように、櫛田がDクラスの裏切り者になったのは、自分の過去を知る堀北鈴音を退学させるという目的のためでした。

体育祭で、綾小路は櫛田桔梗がDクラスを裏切ることを予想していました。綾小路の予想通りに、櫛田はDクラスのメンバー表をCクラスの龍園に渡しており、そのために、堀北は徹底的にマークされ、あげくにケガまで負ってしまいました。なぜ、綾小路は櫛田の裏切りを予想しておきながら、未然に防ごうとしなかったのでしょうか？その理由は、堀北は優秀な生徒であるにも関わらず、皆と協力して物事を実現することができません。

綾小路は、堀北に仲間の大切さや仲間と一緒に物事を成し遂げる喜びに気づいて欲しいと思っていました。櫛田は船上試験でDクラスを裏切っており、体育祭でも裏切り者になる可能性がありました。そこで、綾小路は、櫛田の裏切りによって追い詰められた堀北が、仲間と協力してやり遂げることを学んで欲しいと考えたのでした。このように、綾小路が櫛田の裏切りを黙っていたのは、堀北の成長を促すためでした。

ここまで、ようこそ実力至上主義の教室への1年生編の体育祭でDクラスの裏切り者だった櫛田桔梗の目的と、影響などをネタバレで紹介してきました。櫛田桔梗が裏切った結果、堀北鈴音や須藤健をはじめとするDクラスの生徒たちは苦戦を強いられました。ここからは、体育祭の結果と学年別の最優秀選手をネタバレで紹介します。

1年生編の体育祭はAクラスとDクラスが赤組、BクラスとCクラスが白組に分かれて競い合い、結果は赤組が勝利しました。1年生のクラス順位は、1位はBクラス、2位はCクラス、3位はAクラス、そして、4位はDクラスという結果です。最下位になった綾小路のDクラスは、100CPt（クラスポイント）減点という結果になりました。

体育祭の最優秀選手は、1年生はBクラスの柴田颯です。サッカー部で高い身体能力を備えている柴田は、女子生徒に人気の生徒です。体育祭での柴田の結果は、出場した競技はすべて1位か2位という成績でした。

ここからは、ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）の1年生編の体育祭で行われたリレー対決について紹介します。リレーに出場した綾小路は堀北鈴音の兄で、3年Aクラスの堀北学と一騎打ちをすることになりました。日頃、やる気のない姿を見せる綾小路と、Aクラスで生徒会長も務める堀北学との一騎打ちの様子と結果を、ネタバレで紹介します。

体育祭の最終競技は推薦参加の1200ｍリレーです。このリレーでDクラスのアンカーを任された綾小路と、堀北鈴音の兄で3年Aクラスの堀北学が対決することになりました。綾小路が本気を出したとされるリレー競技を、ネタバレでみていきます。Dクラスの第1走者の須藤が1位でバトンをつなぎましたが、第5走者である櫛田が7位に下がってしまいます。そして、アンカーの綾小路の出番になりました。

実は綾小路は、事前に同じアンカーの堀北学に直接対決を打診し、堀北学はその対決に応じる約束をしていました。こうして、綾小路と堀北学の一騎打ちが始まりました。二人は瞬く間に前を走る生徒たちを抜き去っていきます。堀北学の走力は誰もが知るところですが、何事もやる気のない姿を見せている綾小路の目の覚めるようなスピードに、前を走っていた生徒が驚いて転倒してしまいます。

転倒した走者に走路を阻まれてしまった綾小路は一気にスピードを落としてしまい、堀北学が勝者となりました。抑えていた能力を発揮して見事な走りを見せつけた綾小路でしたが、思わぬアクシデントによって敗北する結果となりました。

綾小路は堀北学との一騎打ちで、日頃は隠している能力を発揮して皆を驚かせました。その中で、綾小路のクラスメイトの池寛治と山内春樹は、リレーの後、綾小路と疎遠になっていきました。池と山内は須藤と合わせて「Dクラスの3バカ」と呼ぶ生徒がいるほど、学力も身体能力も平均に届かない生徒です。二人とも上位を目指そうという野心などもなく、ただ彼女でも作って高校生活を楽しく過ごせればいいと思っています。

池と山内は、綾小路のことも自分たちと同じようなタイプの生徒だと思い、彼の部屋をよく訪れていました。しかし、体育祭で綾小路の能力をまざまざと見せられた二人は、綾小路から離れていくようになりました。池と山内が離れていった後、綾小路は佐倉愛里、三宅明人、長谷部波瑠加、幸村輝彦と交流するようになります。

ようこそ実力至上主義の教室への1年生編の体育祭はリレー競技で、綾小路と堀北学の真剣勝負を見ることができました。しかし、全体的には堀北鈴音を退学させたい櫛田桔梗の裏切りにより、堀北が負傷してしまうなど、Dクラスにとっても苦しい体育祭になりました。この体育祭で、大好きな櫛田桔梗の裏の顔にゾクゾクしたという感想です。ただ、櫛田桔梗は龍薗に腰巾着のように従っており、そのことに心が痛むということです。

ようこそ実力至上主義の教室への1年生編の体育祭での櫛田桔梗の裏切りについての感想です。櫛田桔梗は、普段はかわいいキャラです。しかし、体育祭では裏切りを平然と行い、綾小路に裏切りを知られてしまっても堂々と取引するところなどが面白かったということです。また、綾小路の落ち着いた態度が面白いという感想です。

ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）1年生編の体育祭が描かれたのは原作小説の5巻です。普段、能力を抑えている綾小路が、リレー対決で真剣に走る姿を見せました。リレー競技での綾小路と堀北学の対決は、何度みても鳥肌が立つという感想です。

ここまで、ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）の 1年生編の体育祭について、ルールや競技の種類、点数配分、結果と、裏切り者の正体や目的などをネタバレで紹介しました。Dクラスの裏切り者は櫛田桔梗で、その目的は堀北鈴音を退学させることでした。櫛田桔梗は船上試験でも裏切っており、普段見せているかわいいキャラとは正反対の裏の顔がありました。

綾小路は堀北学とのリレー対決で、真剣に走る姿を見せ、誰もがその走力に驚いたということでした。体育祭の結果は、赤組（AクラスとDクラス）が勝利しましたが、綾小路の1年Dクラスは学年で最下位という結果になってしまいました。ここまで、ようこそ実力至上主義の教室へ（よう実）の 1年生編の体育祭の裏切り者についてのまとめでした。