【血界戦線】タイクーンブラザーズの強さと能力は？正体や死亡シーンもネタバレ　

血界戦線は内藤泰弘による日本の漫画作品です。2008年に集英社のジャンプスクエア6月号にて読み切り版が登場した後、翌年2月号から4月号まで短期連載されます。その後、読み切り掲載・再連載を経て、2015年ジャンプSQ.CROWN・SUMMER号にて第2シーズン「血界戦線 Back 2 Back」の連載が開始されます。第2シーズンはジャンプSQ.RISEに移籍した上で2022年SPRING号まで続きます。

現在は、「ジャンプSQ.RISE」にて2022年AUTUMN号より第3シーズン「血界戦線 Beat 3 Peat」が連載中です。血界戦線のコミックスは、2021年7月時点でシリーズ通算600万部を超える発行部数を誇ります。また、メディア展開としてはテレビアニメが制作されています。第1期は2015年4月から6月まで、そして第2期は2017年10月から12月にかけてMBS・TOKYO MX・BS11にて放送されました。

ある日、突然アメリカ最大の都市ニューヨークを深い霧が包み込み、外界と隔絶してしまいます。やがて、そこは異界と人界の交わる地として再生され、ヘルサレムズ・ロットと呼ばれる地球上で最も剣呑な緊張地帯が出現します。世界がカオスに飲み込まれる危機に直面する中、人界の均衡を保つため「秘密結社ライブラ」が結成されます。ここに、人智を超えた存在とライブラ構成員たちとの苛烈な戦闘の物語が幕を開けました。

タイクーンブラザーズは、漫画「血界戦線」の第2部の最終章「災蟲競売篇」で初めて姿を現した「高位の血界の眷属」です。ここからは、この記事のメインテーマである、このタイクーンブラザーズの話題に入っていきます。

タイクーンブラザーズは、ブラザーズ（兄弟）というだけあって常に2人で行動しています。互いをイングウェイおよびマクシミリアンと呼び合うタイクーンブラザーズは、何と互いの心臓を入れ替えているということです。2人はズールディーズオークションの支配人デナルドバートラーに会場での警護を任されるのですが、このオークションでは世界崩壊幇助器具の1つ「カロプス人蟲」が出品されることになっていました。

見た目は普通の人間の青年といったタイクーンブラザーズですが、並外れた戦闘力を有し、長老級の眷属として広く認知されています。その実力は、斗流血法創始者の裸獣汁外衛賤厳をして「初めて会う次元の存在」と言わしめたほどです。ただし、オークション会場では仕事として警護を請け負っており、目的にそぐわない戦闘は行わないという姿勢を貫いていました。

タイクーンブラザーズ2人組の名前は前述のとおりですが、イングウエイは赤いスーツに黒髪、マクシミリアンは黒いスーツに茶髪と一目でそれとわかる格好をしています。

見た目は異なるタイクーンブラザーズの2人ですが、性格はよく似ているようです。オークション会場で護衛を任された時にも護衛としての任務に徹しており、自分たちの強力な能力をひけらかすことはしません。無用な戦闘や殺生は行わない理性的でクールな性格をしています。ただし、自分たちの仕事の障害となる敵に対しては容赦ない攻撃を加え確実に仕留めます。

ブラザーズ（兄弟）と名乗っているタイクーンブラザーズですが、結論から言いますと2人の間には血縁関係はないようです。最後までどちらが兄なのか弟なのか明かさないまま死亡していますし、詳しくは後述しますが兄弟でないことは彼らの正体や過去に関係していると考えられます。

前述のように、血界戦線の中でも最強とされる裸獣汁外衛賤厳をも唸らせたタイクーンブラザーズは、一体どのような強さと能力を持っているのでしょうか？

裸獣汁外衛賤厳だけでなく、ライブラのリーダー・クラウス・V・ラインヘルツクラウスも「最強」や「最恐」といった賛辞を送っています。タイクーンブラザーズが戦闘で倒してきた強敵たちは、挙げだしたらキリがないくらい大勢います。

例えば、高速の蹴り技「エスメラルダ式血凍道」の使い手であるスティーブンの攻撃を跳ね返したり、世界崩壊幇助器具「終天圧縮時計」から発生した無敵のキュリアスの部下・ディムにも傷を負わせています。さらには、たびたび取り上げてきた最強キャラ・裸獣汁外衛賤厳をも、彼自身の能力「刃身の獣」を使って倒してしまいました。このように、タイクーンブラザーズはライブラでも倒せない強さを持っています。

前述のように難敵を次々になぎ倒してきたタイクーンブラザーズですが、彼らの真の強さを象徴するのが次にあげる「永遠を生きる能力」です。

永遠を生きる能力とは、仮に何度倒されたとしても瞬時に肉体を復元させ復活できる能力のことをいいます。復元といっても単に元の状態に戻るだけではなく、敵の能力や技を吸収し習得することで進化を遂げるのです。能力の習得には制限はなく、数限りない敵の能力を取り込むことができます。これこそ最強の能力といえるのではないでしょうか？

次に、タイクーンブラザーズが使っている専用武器について解説します。2人の使用する武器はそれぞれ大きく異なっています。まず赤いスーツが特徴のイングウェイですが、彼は血液から作り出した「針状の暗器」を使います。これは、手に持って攻防一体の剣のように使うほか、敵に撃ち込むと無数の針に枝分かれして、死の苦しみを与えながら相手の肉体を破壊する恐ろしい武器になります。

一方、マクシミリアンが使う専用武器は、「単分子で結合させた斬殺ワイヤー」です。この武器は、目に見えないワイヤーを張り巡らせた上で、敵の体をバラバラになるまで切り裂いてしまいます。

オークション会場での戦闘で、キュリアスの部下であるディムは、このワイヤーに気付かずに接近したことで顔を深く抉られてしまいました。幸いこの時はキュリアスがワイヤーの存在に気付いたため顔の傷だけで済みましたが、キュリアスがいなければディムの頭は切り裂かれていたと考えられます。

タイクーンブラザーズを倒す方法は存在するのでしょうか？何度致命傷を負ってもすぐに肉体を復元できる「永遠を生きる能力」を持っているタイクーンブラザーズは、不死身であるように考える方も多いことでしょう。しかし、血界戦線の作中で、タイクーンブラザーズは自らの弱点を明かしています。

マクシミリアンは、オークション会場でのキュリアスの弟子・ディムとの一戦を振り返り、次のように語っています。ディムの「四次元殺法体」で全身を切り刻まれるのですが、その直前に頭の一部をお腹に移動させたことで助かっています。つまり、タイクーンブラザーズの唯一の弱点は頭部なのです。

一方、マクシミリアンの相方のイングウェイは、クラウスとの最終決戦で「我々を倒すなら2人同時にだ」と語っています。タイクーンブラザーズの弱点が頭部であることは判明しましたが、その頭部を自由に移動させることができる上に、2人同時に倒さなければなりません。事実上の無敵といってもよいのではないでしょうか？

タイクーンブラザーズが登場した血界戦線の災蟲競売篇では、彼らの事を単に「高位の血界の眷属」と紹介しており、彼らの正体についての具体的な言及はありませんでした。ただし、その中でタイクーンブラザーズの正体を示唆する描写が見受けられました。その断片をつなぎ合わせて、タイクーンブラザーズの正体や過去について考察してみましょう。

タイクーンブラザーズの正体を探る手掛かりと考えられるのは、リチャード・インセイン・フーが「カロプス人蟲」に入れられた子供たちが3人足りないと指摘したシーンです。タイクーンブラザーズが警護を請け負ったズールディーズオークションで、ヴェネランダが次元刀によりカロプス人蟲を切断します。厄種となった子供たちは一斉に外に飛び出しますが、100人いたはずなのに97人しかいないというのです。

早速タイクーンブラザーズは、厄種となった子供たちの追跡にかかります。彼らが取り戻そうと躍起になったのは、レオナルドたちが偶然捕まえて病院へ連れて行った1人だけでした。残りの2人については、手つかずのままです。そこで、ある推論が浮上してきます。それは、残りの2人はタイクーンブラザーズではないかというものです。つまり、タイクーンブラザーズの正体は、カロプス人蟲に入れられた子供だった可能性があるのです。

レオ（レオナルドの愛称）が、神々の義眼を使って厄種となった子供たちの過去を探っていたときのことです。遥か昔、貧困国に暮らす子供たちが眷属に喰われて壺に閉じ込められる様子が浮かび上がりました。その子供たちの中には、タイクーンブラザーズもいたようです。彼らは、壺の中で厄種に変えられた後に、何らかの事件に巻き込まれ現代へとループしたのではないでしょうか？

レオが捕まえた子供は、ある特異な能力を持っていました。その子供は、レオやクラウスが攻撃を受けると自分が身代わりとなって2人を擁護します。ところが、その子供は体に受けた損傷をすぐさま回復させ、元の状態に再生するのです。この再生能力は、まるでタイクーンブラザーズの「永遠を生きる能力」そのものなのです。

厄種となった子供たちに、この再生能力が備わっていると仮定しましょう。タイクーンブラザーズの「永遠を生きる能力」もまた厄種となった時に獲得され、長い年月を経て現在の強さにまでなっていったと考えられます。カロプス人蟲からの厄種脱出シーンとレオの捕まえた子供の特性から、タイクーンブラザーズの正体を考察してみました。

ライブラのリーダー・クラウスが封印していたブレングリード流血闘術を使っても倒すことのできなかったタイクーンブラザーズですが、最後は死亡してしまいます。どのような理由で死亡という最期を迎えたのでしょうか？

タイクーンブラザーズの死亡には、彼らの「永遠を生きる能力」が絡んでいます。前述のように何度倒されても復活できる強力な能力ですが、倒されたときに受けた必殺技を吸収・習得できるのが特長です。

タイクーンブラザーズは、この能力を使って外法の力「刃身の獣」を獲得します。この技は、使い手の威力を飛躍的に向上させるのと同時に、使い手の体に強烈な負荷をかけてしまいます。そのため裸獣汁外衛賤厳は、3分間限定という条件を付けて刃身の獣を弟子のザップとツェッドに解放しています。

ところが、タイクーンブラザーズは、この外法の力「刃身の獣」の危険性を一顧だにせず、時間制限なしで使い続けてしまいました。強靭なタイクーンブラザーズの肉体も堪ったものではありません。タイクーンブラザーズの体は、見る見る風船のように膨らみ最後には破裂してしまったのです。つまり、タイクーンブラザーズは他者の攻撃で死亡したのではなく、2人とも自らの行動が原因でいわば自滅という形で死亡してしまいました。

ここまで漫画「血界戦線」に登場するタイクーンブラザーズ特集をお届けしてきましたが、最後にタイクーンブラザーズに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、タイクーンブラザーズの性格に関するツイートからです。理性的でクールなタイクーンブラザーズの性格を「格が高い」と表現していました。

続いて紹介するのは、タイクーンブラザーズの強さに関するツイートからです。向かうところ敵なしのタイクーンブラザーズの強さは、漫画「グラップラー刃牙」の花山薫の言葉が素直に呑み込めるほどなのだそうです。

最後に紹介するのは、タイクーンブラザーズの仕事ぶりを評価するツイートからです。無駄な殺生はせずスマートに仕事をこなすところなどプロの仕事師として好感が持てるそうです。

ここまで、漫画「血界戦線」に登場するタイクーンブラザーズにスポットを当て、彼らの強さや能力を考察した上でその正体や最後の死亡シーンについてもネタバレで解説してきました。

タイクーンブラザーズが血界戦線に初めて姿を現したのは災蟲競売篇でのことになりますが、その後第二部(B2B)ではラスボス的な位置を占めるまでになります。最後は、己の能力を過信して限界を超えて「刃身の獣」を使ったことで自滅し死亡してしまいましたが、彼らの天下無双の戦いは多くの血界戦線ファンに強烈な印象を与えたといわれています。