不滅のあなたへは泣ける漫画？グーグーの最期など感動・涙腺崩壊シーンまとめ

• 作者：大今良時
• 出版社：講談社
• 掲載誌：週刊少年マガジン
• レーベル：講談社コミックス
• 発刊期間：2016年11月9日～連載中（2022年9月現在）
• 巻数：17巻（2022年9月現在）
• アニメ放送期間：2021年4月12日～2021年8月30
• アニメ話数：全20話
• アニメ主題歌：宇多田ヒカル「PINK BLOOD」（OP）、浜渦正志「Mediator」（ED）

『不滅のあなたへ』は週刊少年マガジンで連載中のファンタジー少年漫画を原作とする作品で、2021年4月からはアニメシリーズも制作されています。『不滅のあなたへ』のアニメ第1シリーズは2021年4月～8月まで放映され、2022年秋には第2シリーズも放送予定となっています。

『不滅のあなたへ』の原作漫画が連載されている週刊少年マガジンの出版社である講談社が企画する講談社漫画賞の第43回では少年部門賞を獲得し、今後期待の漫画作品としても注目されています。『不滅のあなたへ』の原作漫画は『聲の形』の作者でもある大今良時先生が手掛けられています。

ある時、観察者によって地上へ投げ込まれた"球"。始めは物の姿を写しとり変化するだけの物でしたが、意思やオオカミ、人間など様々な物に変化していくうちに球には意思が宿り、他の生き物たちと共に生きるまでになります。いつしか"フシ"という名前を授かった彼は、村から村へと渡り歩き、そこで出会った多くの人々の記憶に残っていくことになります。

『不滅のあなたへ』が泣ける・悲しい漫画だと言われている理由1つ目は「主人公のフシが不死身」だということです。『不滅のあなたへ』の主人公・フシは一番初めは手のひらに収まる程度のただの球体でした。"観察者"と呼ばれる者がその球を地上に放ったところから物語は始まります。その球は物の姿に変化出来る能力があり、始めは石や動物、そして時が経つにつれ人間へと姿を変えて行きます。

人間になった球はマーチと呼ばれる少女と出会い、"フシ"という名前を貰いました。フシはその頃から徐々に人間らしい心を宿し始め、様々な人々と出会い、別れを経験していきます。その過程でフシは多くの人々に助けられ、愛され、人間として生きて行くことになりますが、自分と共に過ごした人々は様々な理由で死を迎えることになります。しかし、フシは人間では無いためその名の通り"不死"の存在。

自分に優しくしてくれた人々はフシよりも先にこの世を旅立ち、フシはその姿を眺めることしかできません。そんな出会いと別れが何度も何度も繰り返されることで、フシもいつしか人々が自分を残していなくなっていってしまうことで"悲しい"という感情を持ち始めます。不死身だからこそ終わることのない悲しい思いを繰り返さなければいけないフシ。そんなフシの姿を見た多くの漫画・アニメファンは「泣ける」と評価しています。

『不滅のあなたへ』が泣ける・悲しい漫画だと言われている理由2つ目は「仲間たちが死んでいく」というストーリー。『不滅のあなたへ』は、主人公のフシが行く当てもなく旅を続けますが、その間には様々な人間との出会いと別れが描かれています。その中には悲しい別れのシーンも登場し、漫画やアニメを見た人たちの感動と涙を誘います。

その死因には老衰といったいつか来ることが約束されている死もありますが、戦いや事故での理不尽な死も多く含まれています。まだ人間として心を持ってから間もないフシには、身近な人物たちのそういった突然の死は大きな衝撃となります。その時、フシの近くには彼を支えてくれる人はいません。生まれて間もない子供同然のフシが親しい人との別れを1人で耐え忍ぶ姿は、多くの漫画ファンの心に刺さり「泣ける」と評価されています。

『不滅のあなたへ』が泣ける・悲しい漫画だと言われている理由3つ目は「各章で繰り広げられる感動的なドラマ」です。『不滅のあなたへ』はフシが各地を旅する物語となっており、フシの行く先々ではその場所ごとで様々な人間模様が描かれます。時には優しい人々に人間としての立ち振る舞いを教えてもらったり、また時には友情が芽生えたり。

フシは始め人間の心が理解できない"人間のような生き物"として描かれていますが、人々と交流を重ねていくことで、少しずつ人間らしさを手に入れていきます。そんなフシの成長を手助けしてくれる人々の出会いと別れ、またフシの成長が「泣ける」「感動する」と評判となっています。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン1つ目は「1話の別れのシーン」です。『不滅のあなたへ』の第1話は1匹のオオカミと少年の生活を描いた物語となっており、このオオカミが人間になる前のフシです。少年は雪に囲まれた場所でオオカミと生活しており、食べ物に困った仲間たちは少年と老人を置いて食べ物を探しに出て行ってしまいました。少年は仲間たちが帰ってくることを信じて5年間そこで暮らし続けていました。

しかし、いくら待っても帰って来ない仲間たち。老人たちも皆死を迎え、1人になった少年は今の家を出て旅をすることを決めます。その旅には少年の飼っているオオカミに成り代わったフシも同行しますが、少年は旅に出てから数日で仲間たちがそこで朽ち果てたのであろう集落を発見してしまいます。

旅の途中で怪我をし希望も失った少年は、自分の家に戻ることにします。しかし、家に帰った後も少年の傷は塞がらないどころか、その傷が化膿し高熱まで出てしまいます。少年は自分の最後を悟り、「僕のことを忘れないで」とジョアンに言い残しそのまま息を引き取るのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン2つ目は「マーチの死亡シーン」です。『不滅のあなたへ』で初めてフシに名前を付けてくれたマーチ。マーチはニナンナ編に登場するキャラクターで、早く大人になりたいと夢見る女の子。世話焼きで何かとフシのことを気に掛け、フシにとって自分の姿の元となった少年と同じくらい信頼をおける人物でした。

しかし、家族同様の存在のパロナを庇うため、矢の前に飛び出て重傷を負ってしまいます。いつも「大人になりたい」と言っていたマーチですが、自分の夢よりもパロナの命を優先して身を投げ捨てたその姿に、「泣ける」「悲しい」という作品ファンの声が多くあがりました。マーチは最後、家族がいないひとりぼっちのパロナに「マーチの代わりにママになってね」と自分の夢を託して息を引き取ります。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン3つ目は「グーグーの死亡シーン」です。グーグーはタクナハ編でフシと共に暮らした少年。グーグーは丸太の下敷きになる事故に遭い、顔に酷い傷を負ったためいつも仮面で顔を隠しています。その事故はいつも街で見かけていた想いを寄せている少女を助けるために負ったものでした。しかし、グーグーはそのことを少女に話さず、いつも少女を見守っていました。

ある時、ふとしたきっかけでグーグーはその少女と仲良くなります。フシも交えてよく遊ぶ仲になった3人。少女の誕生日パーティーに呼ばれたグーグーとフシは少女の屋敷へ訪れますが、そこで化け物の襲撃にあってしまいます。グーグーとフシは化け物と戦いますが、グーグーは敵の一撃をくらいそうになります。

グーグーの危機を察知した少女がグーグーを突き飛ばしたことで攻撃は当たらなかったものの、その後化け物が暴れたことで建物の瓦礫の下敷きになってしまったグーグーと少女。少女をかばい、落ちてきた瓦礫を背中で受け止め続けたグーグーはそのまま力尽きてしまうのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン4つ目は「ウーパとミァとウーロイが楽園へ向かうシーン」です。彼らは罪人とその家族を隔離する為の島・ジャナンダ島でフシが出会った友人たち。始めはよそ者として警戒されていたフシですが、自分と同じくらいの見た目をした彼らとフシが心を打ち解けるのに時間はかかりませんでした。

お互いの夢を語り合うほどの仲となったフシと仲間たちですが、そこへグーグーの命を奪うこととなった化け物・ノッカーが現れます。ノッカーによって身体を支配されてしまったウーパはミァを槍で刺し、ミァはその傷で死亡。ウーロイもまたノッカーに身体を奪われ死亡してしまいます。

その後ノッカーとの戦いも終結し、ウーパとミァ、ウーロイの3人の遺体は火葬されます。3人の死はフシを含めた仲間たちに大きな傷を残しましたが、ウーパ、ミァ、ウーロイの3人はいつものように仲良く手を取り合って、楽園に向かって歩いていくのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン5つ目は「ピオランとの別れ」です。ニナンナ編からずっとフシと共に行動していた老婆・ピオラン。フシと共に多くの人々との出会いと別れを経験し、フシを見守り続けてきたピオランですが、彼女との別れの時はジワジワと近づいて来ていました。ジャナンダ島で一度別れたピオランですが、旅の道中でフシは再び彼女に再会することができました。

しかしピオランは90歳近い老婆。その命の灯火は消えかけようとしていたのでした。共に旅を続ける中でピオランは次第に自分のしたことを思い出せなくなり、癇癪を起こすことが増えていきます。そんな彼女の変化に始めは疲れた表情を見せていたフシですが、次第に楽しい事を見つけようとするかのように笑顔を見せるようになっていきました。

そしてある日、ピオランは昔のような口ぶりで「ワシはアンタに会えて幸せじゃったよ」とフシに告げます。突然のピオランの態度の変化にフシは驚きますが、ピオランに仕事を頼まれるとすぐにその場を離れていきます。そしてピオランはベッドに横になり、フシがいない間に「今度はフシの役に立つものに生まれ変わらせてくれ」と観察者に頼み、息を引き取るのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン6つ目は「トナリの死亡シーン」です。フシはジャナンダ島であった仲間の1人・トナリと再会します。しかし彼女は自分の正体を明かさずフシと行動を共にしました。そんな彼女の正体にフシが気づいたのはトナリが死亡した後。ヒサメとノッカーとの戦いによって深手を負ったトナリは、フシのために犠牲となり最後は笑顔で人生の幕を閉じることができたのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン7つ目は「アルメの最後の言葉」です。王都レンリル編に登場した王女・アルメもまたノッカーの犠牲となった人物の1人。王女であるアルメはノッカーに寄生され城から飛び降りようとします。

そこへ兄であるメサールが駆けつけるも、アルメはノッカーに寄生され前までのように自分の意思で動くことができません。メサールはアルメの自殺を止めようとしますが、アルメは「また一緒にゲームしましょうね、兄さん」と言い残し飛び降りてしまうのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン8つ目は「フシと仲間たちの再開」です。これまで多くの出会いと悲しい別れを経験してきたフシ。多くの友人たちを失ったフシですが、ある時フシは自分に死者を復活させることができる能力が備わっていることに気がつきます。そしてフシはマーチやグーグー、トナリたちを蘇生し再び彼らと再会することができたのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン9つ目は「永い眠りにつくフシ」です。自分の能力を使って、これまでに死亡してきた友人たちを復活させることができたフシ。しかしその直後、今度はフシが永い眠りにつくことになります。フシが椅子に座って眠っている間、マーチはずっとその傍を離れずに寄り添うのでした。

『不滅のあなたへ』の感動・涙腺崩壊シーン10個目は「フシの本音について」です。これまでも幾度となく大切な人たちの死を見届けてきたフシ。しかしフシは生き物のその理に慣れることはなく、むしろ皆がいなければ生きている意味が無いという思いを強めていきます。そしてフシはとうとう「皆俺を置いて死なないで」と心に秘めてきた気持ちを口に出すのでした。

こちらでは『不滅のあなたへ』を読んだ人に「辛い」「悲しい」と言われる理由を2つご紹介します。まず1つ目は「"命"を深く考えさせられる」ということ。『不滅のあなたへ』の物語の中で、フシは始め喜怒哀楽さえも持っていませんでした。しかし、人々と触れあい多くの死を見届けることで、生きるということの尊さや死の悲しみを学んでいきます。

その姿は人間そのもので、これまでにそういった親しい人との別れや出会いを経験をしてきたことのある人は、フシのそんな姿を自分の経験と重ねた人も少なくはないでしょうか？そんな命の尊さや人との出会いを絶妙に描いているところが『不滅のあなたへ』の魅力であり「辛い」「泣ける」と言われる理由の1つとなっているようです。

『不滅のあなたへ』が「辛い」「悲しい」と言われる理由2つ目は「フシを守ろうとする仲間たちの姿」です。『不滅のあなたへ』では多くの人物がフシと関わりを持ちます。その中には家族を知らないフシにとって親や兄弟とも言えるような人物もいます。

フシはそんな仲間たちを愛し、仲間たちもフシを家族のように愛してくれます。それ故に仲間たちはノッカーや刺客に追われているフシを守ろうと必死に身を盾にします。しかしフシは名前の通り"不死"の身。いくら傷つけど死ぬことはありません。

むしろ仲間たちの方が1度きりの命で死亡したら蘇ることは叶いません。それが分かっていても、彼らはフシが傷つくことをただ見ていることができず、フシのために身体を投げ打ってしまいます。そんな矛盾しつつも相手を思いやる姿が多くの人の涙を誘うのではないでしょうか？

『聲の形』の作者・大今良時先生の連載作品『不滅のあなたへ』。アニメ映画にもなった感動作『聲の形』と同じように、『不滅のあなたへ』も涙腺崩壊必至と話題になっています。おすすめアニメを紹介する際には、泣ける涙腺崩壊アニメとして名前を出せる作品の1つなのではないでしょうか？

こちらのかたの感想では『不滅のあなたへ』について「深い作品」と評価されています。『不滅のあなたへ』では各章で仲間たちが何人も命を落としていきます。そんなストーリーが悲しいという声も多くあがっていますが、命の大切さや隣にいてくれることの奇蹟も実感できる物語となっています。

こちらのツイートでは「不滅のあなたへ見ながら制作はだめ」というコメントが見られました。『不滅のあなたへ』のアニメでは、漫画と同様に感動シーンが随所に盛り込まれています。何かをしながら見てしまうとつい手を止めて見入ってしまう可能性があるので要注意のようです。

以上、『不滅のあなたへ』が泣けると言われている理由を一覧でご紹介してきました。『不滅のあなたへ』は各章で登場人物が変わり、その度に主人公・フシの大切なキャラたちが死亡するため「泣ける」「悲しい」と言われることが多くなっています。しかし、ただ悲しいだけではなく、命の大切さやフシの心の成長も描かれており、感動も感じられる涙腺崩壊作品として人気となっているようです。