【メイドインアビス】ヴエコ（ヴエロエルコ）とは何者？過去や最後をネタバレ

『メイドインアビス』のヴエコの過去や最後などについてネタバレしていく前に、ヴエコのプロフィールをご紹介です。ヴエコの基本情報が分かる内容となっており、事前に読んでおく事で後述のネタバレがより一層楽しめます。ヴエコが初登場を果たした場所は目の奥という場所ですが、ここではその事についても深く触れていきます。また、『メイドインアビス』の作品情報も紹介していきますので、ぜひご覧になってみて下さい！

『メイドインアビス』とはつくしあきひとによる漫画作品で、ジャンルはダークファンタジーです。『WEBコミックガンマ』にて2012年から年2回ほどのペースで不定期連載されており、2022年7月現在単行本は10巻まで発売されています。2020年時点でシリーズ累計発行部数が333万部を突破するほどの人気作品となり、2017年にはテレビアニメ化も果たしました。2022年内にアクションRPGのゲーム作品も発売予定です。

人類最後の秘境と呼ばれる巨大な大穴・アビスの見習い探窟家である少女・リコは、ある日の探窟にて少年型のロボットに出会います。ロボットはリコによってレグと名前を付けられ、探窟家見習いとしてリコ達と共に孤児院で暮らす事になりました。そんなある日、リコの母親からの手紙がアビスから届きます。『奈落の底で待つ』という言葉を見たリコは、10年前にアビスに潜った母に会うためにレグと共に旅立つのでした。

ヴエコは深界六層にある成れ果て村・イルぶるにある洞窟『目の奥(ドグーブ)』という場所に幽閉されていた女性です。本名はヴエロエルコですが、長い名前である事から『ヴエコ』と呼ぶように本人が発言していました。成れ果て村には人間の姿ではなくなった成れ果て達ばかりが住んでいますが、ヴエコはほとんど人間の姿を保っています。リコと初対面を果たした時は黒い触手によって動けない状態となっていました。

リコは居なくなったレグとナナチを探していましたが、ヴエコは『一人は居場所が分かるかもしれない』と述べ、交換条件でリコに拘束を解いてもらい、その後はリコと一緒に行動する事になっていきます。初登場時は裸だった為、その後は店で服を揃えますが、頭に被った帽子が実は下着だった事が後に明らかになりました。また、ヴエコ自身の発言から過去に成れ果て村を作ったとされている三賢の1人である事が分かっています。

目の奥(ドグーブ)とは成れ果て村の端にある洞窟で、中に入ると成れ果て村の清算を担当している黒い触手にまみれており、床はヌルヌルしているという変わった場所です。たった1人で目の奥にいたヴエコは触手によって身体を拘束されている状態でした。そんな目の奥とは実は成れ果て村を作ったイルミューイの脳のような役割を果たしている場所で、村の人々の信号を常に受けとっています。

ヴエコがナナチのいる場所を特定出来たのもこの事からで、100年以上村の信号を受け取り続けていた事から村の人々がそれなりに平和に暮らしていた事に安心していたようでした。また、黒い触手の正体は生まれる事の出来なかったイルミューイの子供であると考えられ、ヴエコは触手と話したり歌を歌ったりして過ごしていたようです。ヴエコがずっと発見されなかったのは成れ果てが目の奥に近づくと忌避の感情に襲われる事が原因です。

目の奥に幽閉され、成れ果て村にいながらほとんど人間の姿を保っていたヴエコですが、ここからはそんな彼女の過去を考察していきます。ワズキャンやベラフと同じく三賢の1人だったというヴエコの過去にはいったい何があったのでしょうか？また、人間だった過去にお世話係であったというヴエコですが、このお世話とはどういった事をするのかもここで詳しく解説です。

身寄りの無かった過去のヴエコを引き取った男は、彼女曰く『ひどくろくなものではない』という事で、名前はジュロイモーという人物でした。ジュロイモーはヴエコに対して性的虐待を繰り返しており、ことの度に自分の経歴の中での唯一の自慢話をヴエコに聞かせていました。その自慢話とは、漁師であるジュロイモーが難破船に遭遇した時にアビスの遺物『星の羅針盤』を手に入れたという話です。

難破船には1人だけ生き残った男がおり、その男は星の羅針盤の指す方に存在する『黄金郷』の話をジュロイモーにします。ヴエコは辛い中でその黄金郷には興味を抱き、いつか行ってみたいと考えるようになりました。ヴエコにとってジュロイモーは思い出したくもない存在で、その話をする時も『クズ』と呼んで決して名前を呼ぼうとはしません。

ジュロイモーから離れる事に成功したヴエコは星の羅針盤を奪う事にも成功していました。しかし、度重なる虐待によって子供を産む事が出来ない身体となってしまっており、ヴエコはそんな自分を『売り物にもならない醜い身体』と称していました。ヴエコにトラウマを植え付けただけでなく身体までもボロボロにしてしまったジュロイモーはヴエコの言う通り正真正銘の『クズ』と言っていいでしょう。

ヴエコが星の羅針盤を手に入れてジュロイモーの元から離れて時が経った頃、ガンジャ隊に出会います。ガンジャ隊のリーダーであるワズキャンは星の羅針盤に運命を感じ、ヴエコをガンジャ隊に誘います。入隊したヴエコは星の羅針盤を使ってガンジャ隊を黄金郷まで導いていき、いつしかワズキャンやベラフと同格である三賢の1人に選ばれるまでになっていきます。

成れ果て村でもワズキャンとベラフは三賢として村のリーダー格となっており、外されたヴエコの代わりにジュロイモーという成れ果てが三賢の地位についていました。ヴエコの里親であるジュロイモーとは違う存在ですが、同じ名前だった事からヴエコはかなり驚いた様子を見せていました。

ヴエコは黄金郷に向かうガンジャ隊の船でお世話係をしていました。ヴエコはアビスにてガンジャ隊のメンバーの身の回りのお世話をしている描写もあった事から普通のお世話をしていた事も考えられますが、実はこのお世話とは性的なお世話であるとされています。黄金郷に着いたヴエコはイルミューイと仲良くなりますが、初対面の時にイルミューイに『沢山の人と交尾した匂いがする』と言われていました。

ヴエコに性的虐待をしていたのはジュロイモーだけのはずですが、この言葉によって本当のお世話係の意味が分かりました。どうやらヴエコがお世話をしていたのは男性だけではなかったようで、女性のガンジャ隊メンバーであるパッコヤンとも一緒に毛布にくるまっている様子がワンシーン描かれています。このようなお世話も過酷な旅をしているガンジャ隊にとって非常に大事な役割だったようで、ヴエコは三賢の1人にまで上り詰めました。

黄金郷にたどり着いたガンジャ隊は原住民の少女であるイルミューイと出会います。イルミューイを案内役として連れていく事にしたガンジャ隊でしたが、多くのメンバーがいる中でイルミューイはヴエコに懐きます。ヴエコに抱きついたイルミューイは『母さんのにおい』とつぶやいており、ヴエコの中に母親の姿を重ねたのかもしれません。さらにイルミューイは子供が産めない身体であり、ヴエコに近いものを感じた可能性もあります。

それからヴエコとイルミューイは常に一緒に行動するようになり、夜も同じ布団で眠るなど親子のような関係となっていきます。しかし、ガンジャ隊が飲み水として使用していたのが実は『水もどき』である事が分かり、隊のほとんどのメンバーが病気になってしまい、イルミューイも感染してしまいました。その中でヴエコは発症が遅く、自分が病気になるまで夜のお世話ではなく看病などのメンバーのお世話を必死にしていきます。

水もどきに感染して生死の境をさまよっていたイルミューイでしたが、アビスの遺物『欲望の揺籃』を与えられます。欲望の揺籃とは願いを叶える事が出来る遺物で、それによってイルミューイは元気になっていきました。しかし、イルミューイの身体はどんどん崩れ始め、異形の生物となってしまいます。イルミューイは子供を産む事が出来ない身体でしたが、異形の生物となってからは無尽蔵に子供を生み出す存在となってしまいます。

イルミューイの産んだ子供は小動物のような容姿をしており、ワズキャンはあろう事かその子供を食料としてガンジャ隊のメンバーに振る舞い続けていきました。イルミューイの子供を食べ続けたガンジャ隊のメンバーは次々と身体が回復していきます。しかし、ヴエコはイルミューイの事も子供達の事も気の毒でならなくなりました。ベラフも子供を食べてしまった罪悪感から心を壊してしまいます。

そしてワズキャンは2つ目の欲望の揺籃をイルミューイに使います。するとイルミューイは巨大な塔のようになり成れ果て村としての機能を足されました。イルミューイの中に取り込まれた者は成れ果てとなり、成れ果て村でしか生きられない存在となってしまいます。ベラフは自分の罪を罰してほしいという願いでイルミューイの中に入り、成れ果てとなります。それを見たガンジャ隊のメンバーも次々とイルミューイの中に入っていきました。

これにより、イルミューイは成れ果て村の祖となります。ワズキャンもイルミューイの中に入って成れ果てとなり、ガンジャ隊のメンバーはリコ達が来るまで100年以上もの時を成れ果て村で過ごしたのです。

ヴエコのお世話係の意味や過去に何があったのかを解説してきましたが、波乱万丈な人生を歩んでいる事が分かります。ここからはヴエコの最後や死亡したのかという事についてネタバレしていきます。成れ果て村にいる成れ果て達は永遠の時を生きる事になっていますが、果たしてヴエコは最後に本当に死亡したのでしょうか？

ガンジャ達のメンバー達は全員がイルミューイの中に入っていき、成れ果てとなりましたが、ヴエコはイルミューイを利用した挙句に成れ果て村とする事に反発します。そしてヴエコは自分が死亡しようとしますが、ワズキャンによって捕縛されて目の奥に幽閉されてしまいました。それからヴエコは100年以上目の奥の中で触手達を相手に会話をしながら過ごす事になっていきます。

ヴエコは最後に死亡したのかという事についてですが、結論から言うと最後には死亡してしまいます。死亡した原因は成れ果て村が崩壊してしまった事です。イルミューイの最後の子供であるファプタは成れ果て村の人々に深い恨みを抱いており、成れ果て村を滅ぼしたいと願っていました。最後にはその願いが叶い、成れ果て村は崩壊する事になりますが、それによってアビスの呪いの影響を受けるようになってしまいます。

そして階段を上っている時に深界六層の上昇負荷を受けてしまったヴエコは成れ果ての姿となり、最後には身体が崩れ落ちて死亡してしまったのでした。ヴエコは最後死亡する時にイルミューイの最後の子供であるファプタに看取られたので、笑顔になっていました。『メイドインアビス』のキャラの中でも人気であるヴエコが最後に死亡すると知って残念がるファンも多くいましたが、ヴエコにとっては幸せな最後だったとも考えられます。

ヴエコはイルミューイの事を『あたたかい闇』と呼んでいました。負の側面が強いイルミューイは光と呼ぶにはふさわしくない存在となっていますがヴエコにとってはイルミューイはあたたかい存在です。ヴエコもイルミューイにとっても大切な存在だった事からお互いの事をあたたかいと思っている事は間違いありません。闇であってもイルミューイはヴエコにとってかけがえのない存在であった事から『あたたかい闇』と呼んだのです。

最後には死亡してしまう事が分かったヴエコですが、ここからはそんなヴエコとベラフ、そしてワズキャンの関係性を解説していきます。元々ガンジャ隊の三賢の仲間だった3人ですが、それ以上にどんな関係性があるのでしょうか？ヴエコは他のガンジャ隊のメンバーと違って目の奥に幽閉されていた事から、仲間意識を持たれていたのかも疑問なところです。

ベラフはガンジャ隊にいたころ、三賢の1人としてヴエコとワズキャンと深くかかわってきました。成れ果てとなったベラフは巨大な蛇のような姿をしていますが、人間だった頃は綺麗な瞳が特徴の西端な顔つきをした青年でした。性格は誇り高く、尊大な話し方もしますが、人を思いやる気持ちも忘れない人物です。過去に辛い体験をしているヴエコは少し卑屈な面も否めませんでしたが、ベラフはそんな彼女を震わせる言葉を投げかけます。

ベラフはヴエコに対して『君は、君が思う以上に有能で可愛らしい』というセリフを述べ、元気づけていました。ヴエコは過去の体験から自分を汚れていると称して自信を失っている様子を見せていましたが、そんなヴエコにベラフは一番欲しい言葉を投げかけたと言えるでしょう。2人はお互いの事を想いやっている様子を見せていましたが、成れ果て村にて最後には2人とも死亡してしまった事からそれ以上の関係にはなりませんでした。

ワズキャンは三賢の中でもリーダー格であった人物で、成れ果てとなってからは複数の指があるピエロのような姿となっていました。他の成れ果てにもハイタッチで挨拶をするなど軽い言動が目立ちますが、神がかっていると言われるほど直観力に優れており、預言者とまで言われていました。過去に星の羅針盤を持っていたヴエコに何かを感じ取った事で、彼女をガンジャ隊へと誘った張本人です。

しかし、ヴエコはイルミューイが産んだ子供を食べる事にしたワズキャンの方針に逆らっていた事から、それから関係性も悪くなります。さらに、ワズキャンはイルミューイに欲望の揺籃を使って成れ果て村としましたが、これにヴエコが激しく反抗した事で、彼女を最後には目の奥に幽閉してしまいました。

アニメ版『メイドインアビス』でヴエコの声を担当した声優は寺崎裕香です。熊本県出身で1983年8月4日生まれの2022年7月現在38歳で、事務所は『賢プロダクション』に所属しています。元々は子役として活動しており、CMや広告などで活動していました。高校卒業後は上京して、幼児教育をしながら芸能活動を始めます。声優デビューは2006年で、担当キャラはアニメ『僕等いた』のタカちゃんでした。

『メイドインアビス』でヴエコの声を担当した寺崎裕香は、2013年から放送されたアニメ『ドキドキ!プリキュア』に登場するラケルの担当声優として有名です。ラケルは六花のパートナー妖精で、水色の子犬のような姿が特徴となっています。性格はしっかり者ですが、六花からは真面目で思いつめるタイプだと称されています。名前の由来はダイヤのクイーンのモデルとなっている『ラケル』です。

『メイドインアビス』のヴエコの過去シーンが闇深くて重いというファンの感想があります。身寄りの無かったヴエコを引き取ったのはどうしようも無いロクデナシで、ヴエコにとってもトラウマとなってしまいました。さらに、ガンジャ隊に入隊してからはお世話係になっていたので、かなり波乱万丈な人生を送っています。ベラフのあたたかい言葉やイルミューイの存在が無ければ、ヴエコの過去はさらに闇深くなっていた事でしょう。

ヴエコがかわいいというファンの感想があります。ルックスもさることながら、自信無さげな振る舞いもキュンとくるファンが多いようです。また、『メイドインアビス』の原作漫画でも人気のヴエコでしたが、2022年7月から放送開始されたアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』ではメインキャラとなっているヴエコが動く姿にヴエコファンは感動しています。

原作では成れ果て村の目の奥でヴエコが登場してからヴエコの回想シーンが描かれましたが、アニメ版第2期では第1話目からヴエコの回想シーンが流れます。『メイドインアビス』の成れ果て村の話はアニメ化は無理なのではないかとファンの間では囁かれていましたが、ヴエコがジュロイモーに性的虐待を受けているシーンもカット無しで放送しており、多くの視聴者が驚く結果となりました。

かわいい人気キャラのヴエコですが、アニメ版の声も好評です。ツイッター上ではヴエコの声がぴったりだとツイートしている方が多く、担当声優の寺崎裕香にも注目が集まっています。『メイドインアビス』のアニメ版でヴエコの声を聞いた事で、今まで寺崎裕香を知らなかったという方も彼女の過去の出演作品を調べ始めるという事も少なくないようです。間違いなくヴエコは寺崎裕香の代表キャラになるとファンの間で予想されています。

最後には残念ながら死亡してしまうヴエコは最後に笑顔を見せていましたが、この笑顔が悲しすぎるというファンの感想があります。結局最後から最後まで辛い事が多かったヴエコの人生を振り返り、悲しむファンは多くいます。しかし、今回のまとめでも前述しましたが、イルミューイとの深い絆によってヴエコは救われたと言えるでしょう。

『メイドインアビス』に登場するヴエロエルコ(ヴエコ)の過去や最後についてまとめてきましたが、辛い体験をして最後には死亡してしまった事が分かりました。今回のヴエコに関しての記事を読んだ後にもう一度、『メイドインアビス』を1巻から読み返してみるというのはいかがでしょうか？