【メイドインアビス】カートリッジとは何？中身の構造や作り方をネタバレ解説

カートリッジの中身や構造・作り方をネタバレ解説していく前に、『メイドインアビス』の作品概要を紹介していきます。『メイドインアビス』のあらすじも紹介していきますので、作品を知っている方でもそうでない方も事前に読んでおく事で後述のカートリッジについてのまとめがより一層楽しめます。ぜひご覧になってみて下さい！

『メイドインアビス』はつくしあきひとによるダークファンタジー漫画です。竹書房によるウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて2012年から年2回ほど不定期で連載されています。単行本は2022年7月現在10巻まで発売されており、2020年時点で累計発行部数は333万部を突破しているほどの人気作品となっています。アニメ化も果たしており、2017年には1期、2022年7月6日からは第2期が放送開始されました。

人類最後の秘境と呼ばれる大穴・アビス。アビスには超常の遺物が多く眠っていた事から、アビスの探検を生業とする探窟家達は命を懸けて日々アビスに挑んでいました。12歳の少女・リコは孤児院で暮らす探窟家見習いで、いつか母親のような偉大な探窟家になる事を夢見ていました。そんなある日、リコがアビスを探窟していると、ある少年によって命を救われます。リコがその少年に向かっていくと、何と少年はロボットだったのです。

ここからは『メイドインアビス』の上昇負荷や今回のメインであるカートリッジについて解説していきます。アビスの呪いとも呼ばれており、探窟家にとって最大の難敵とも呼ばれている上昇負荷とはいったいどのようなものなのでしょうか？そしてカートリッジとは上昇負荷に大きく関わるもののようです。

上昇負荷とはアビスがもたらす現象で『アビスの呪い』もしくは『呪い』とも呼ばれています。アビスから帰還しようとすると人体に発生する謎の症状で上に登ろうとすると異常が発生します。深部になるほど症状は重いものとなり、一層であれば軽いめまいと吐き気だけで済みますが、二層になると重い頭痛と吐き気、末端の痺れなどが加わります。白笛しか行く事を許されていない六層ともなれば人間性の喪失、もしくは死が待っています。

六層以降の上昇負荷を受けて辛うじて命が助かったとしても身体が変化して異形の姿となり、理性も知性も無い存在である『成れ果て』になってしまう事から、六層以降まで降りると実質地上まで戻る事が不可能となってしまいます。その事から、六層から下に行く事を『絶界行(ラストダイブ)』と呼んでいます。人間だけでなくアビスの生物も上昇負荷を受けますが、レグのようなロボットや道具などには一切異常は起きません。

カートリッジとは探窟家の最高ランクである白笛の1人・ボンドルドによって開発された箱型の装備品です。その効果は上昇負荷を無効化出来るというもので、ボンドルドはこのカートリッジを使って六層以降を行き来しています。ボンドルドは専用の背負子にカートリッジを差し込むかたちで装備し、上昇負荷を回避するとカートリッジが自動で排出される仕組みになっています。

また、複数のカートリッジを装備可能となっており、ボンドルドは『メイドインアビス』の作中で5つのカートリッジを装備していました。研究の成果でアビスの呪いを克服する事に成功したボンドルドの切り札となっています。

『メイドインアビス』のカートリッジとは探窟家にとって最も厄介である上昇負荷を無効化出来るというボンドルドの切り札である事が分かりましたが、ここからはそんなカートリッジの中身の構造や作り方をネタバレ解説していきます。効果だけ見ると素晴らしい大発明であるカートリッジですが、いったいどんな作り方なのでしょうか？

普段は中の見えないカートリッジですが、その中身には生きた子供が解体されて入れられています。一見紳士的な態度で会話をする事から穏やかにも感じられるボンドルドですが、このように残虐な方法でカートリッジの開発に成功していたのでした。ボンドルドは身寄りの無い孤児を中心にしてカートリッジを作り出しており、多くの子供を犠牲にしてきました。

カートリッジの中身にされた子供の中には『メイドインアビス』の作中で溺愛しているように見えたボンドルドの娘・プルシュカも含まれています。ボンドルドを『パパ』と呼んで慕っているプルシュカが突然解体されてしまうシーンも存在しますが、『メイドインアビス』の中でも屈指の残酷なシーンとなっており、多くのファンが見ていられないという感想を述べるほどでした。

カートリッジの中身が子供である事は前述しましたが、その構造は身体の余計な部分をそぎ落とし、『頭の中身』『脊髄の途中』『腸』となっています。人間が生きる上で不必要な部分を最大限までそぎ落としてカートリッジの中身に子供を入れているという事で、カートリッジの中身となっている子供は生きており、なおかつ意識もある状態であるという事です。

カートリッジの構造ゆえに子供1人から1つしか作れないうえに、カートリッジの中身になった子供は数日しか生きられないという事で消費期限も数日しかありません。アビスの探窟の為ならいかなる犠牲もいとわないボンドルドの恐ろしい研究成果です。

カートリッジはアビスの上昇負荷を無効化出来ますが、これは中身に入っている生きた子供が呪いを肩代わりしているからです。この事で作中でのボンドルドは上昇負荷を受けずに何度も上昇しながらレグとの激しい戦闘を行っていました。上昇負荷の肩代わりを完了したカートリッジは自動で排出されます。ボンドルドは作中で5つのカートリッジを装備していた事から、上昇負荷を5回無効化出来るという事になります。

しかし、カートリッジの中身となっている子供は自分とボンドルド2人分の上昇負荷を背負っているという事になります。カートリッジの中身になっている子供は生きていてなおかつ意識もあるので、壮絶な痛みや苦しみを感じているはずです。この事で平気で使い続けられるボンドルドの恐ろしくて冷酷な性格がうかがえます。

『メイドインアビス』に登場するカートリッジの中身や構造、作り方をネタバレしてきましたが、身体の余計な部分をそぎ落とした子供を入れているという恐ろしいものである事が分かりました。ここからは、ボンドルドがカートリッジを作った目的を紹介していきます。上昇負荷を無効化出来るという大発明であるカートリッジですが、どうやら真価は他にあるようです。

アビスの呪いについては探窟家なら誰でも知っているものであり、恐れられています。しかしボンドルドは研究を繰り返しているうちにアビスには呪いの他に『祝福』という効果がある事に気か付きました。祝福とは身体能力の向上や人間を超越した特殊な能力を得られるというものです。ナナチもこの祝福を受けており、動物の身体能力と力場を見れるという特殊な能力を会得しました。

ボンドルドもレグとの戦闘の最中に祝福を受けた事で獣じみた姿となっており、祝福を受けた事に感動している発言をしていました。しかし、作中で祝福を受けたのはナナチとボンドルドのみとなっており、祝福には他にどんな効果があるのかなど具体的な事に関しては明らかになっていません。そんな祝福は受ける為に特殊な状況下にいる必要があります。それは絆のあるもう1人の人間が代わりに2人分の呪いを受けるという事です。

ナナチとミーティはアビスの呪いと祝福をそれぞれ受けた事で、成れ果てという人間とは違う姿となっています。ナナチとミーティは人間だった頃にボンドルドの研究の材料にされてしまいます。ナナチとミーティはともにアビス内で上昇し、ミーティは呪いを受けた事で異形の姿に、ナナチは祝福を受けた事で現在の姿となりましたが、これは2人に深い絆があったからこその成功例です。

ボンドルドは元々知能が高く、祝福を受ける事にも成功したナナチに研究の手伝いをさせ、ナナチも恐怖から不本意ながらも何人もの子供を切り刻んでカートリッジを作り出していたという事でした。ちなみに、ボンドルドの上昇負荷の実験は子供達に六層の呪いを受けさせるというもので、通常は『人間性の喪失・または死亡』という呪いにかかってしまいますが、ミーティはこの時に2人分の呪いを受けた事で不死性を得る事になりました。

祝福を受ける条件として絆が必要という事は前述しましたが、ボンドルドが子供達に優しく接していたのはこの事が理由となっています。ボンドルドは多くの孤児達を集めてカートリッジにしていきましたが、祝福の効果を得るために子供達に優しく接して信頼を獲得してきました。プルシュカもこの犠牲となった子供の1人ですが、ボンドルドは本当の子供のように接し、プルシュカもボンドルドを父親として本当に愛しているようでした。

仲睦まじい2人の姿は本当に親子のように見えますが、ボンドルドの目的はカートリッジを作る事にある為、偽りの愛情という事になります。しかしプルシュカをはじめとした他のカートリッジになった子供達はボンドルドを本当の親と感じて愛しており、カートリッジとなって自分が呪いを代わりに受ける際もボンドルドの幸せを願っているほどです。オーゼンのボンドルドに対する『筋金入りのロクデナシ』というセリフの意味が分かります。

カートリッジの存在によって、『メイドインアビス』が一般受けしている事に疑問を持つファンの感想があります。カートリッジの作り方は子供の身体を切り刻むというもので、中身の構造は生きた子供が入っているという残酷なものである事からこういった感想は非常に多くあります。しかし、『メイドインアビス』は一般受けして大人気作品となっており、カートリッジを作り出したボンドルドも人気キャラとなっているほどです。

アニメ版『メイドインアビス』でカートリッジが登場したのは劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』となります。ボンドルドとの戦いが見どころの作品となっていますが、観ていて『耐えられる気がしない』という視聴者が続出しました。カートリッジの作り方や中身の構造が子供を使ったものだという事が理由ですが、観ていて気分が悪くなったという視聴者もいたほどです。

劇場版『メイドインアビス』の劇中ではプルシュカがカートリッジにされた後にプルシュカの過去のシーンが流れますがこれがズルいというファンの感想があります。過去のシーンでのボンドルドはプルシュカを本当の娘のように可愛がっており、プルシュカもそんなボンドルドの事を父として誰よりも愛するようになった経緯が解説されていました。全てはカートリッジの為だと分かりながら見る偽りの愛のシーンはズルいと言えるでしょう。

『メイドインアビス』の作中で、ボンドルドはカートリッジになった子供達の名前をすべて覚えていました。将来の夢まで覚えており、『お姫様になりたい』というカートリッジとなった少女の夢を発言したうえで『かわいいですね』と述べているシーンもありました。これによってボンドルドが子供達との絆を得る為に本当の愛情を持って接していた事が分かります。これに対して『とんでもない』という感想を持つファンがいました。

『メイドインアビス』のカートリッジの作り方は中身が子供だという構造の為グロいと言えますが、プルシュカの愛慕で涙が出る事からやはり『メイドインアビス』は面白いというファンの感想があります。プルシュカは父であるボンドルドの事を愛して慕っており、自分がカートリッジにされた後でもボンドルドの事を想っていました。自分に対して下劣な手段をとった父に対しても失わないプルシュカの愛慕は涙無しでは語れません。

『メイドインアビス』のカートリッジの1番のエグさは中に入っている子供がまだ生きているところだというファンの感想があります。構造的に中身には切り刻んだ子供を入れるという作り方のカートリッジなので、子供は苦痛を感じながら生き続けなければなりません。呪いを肩代わりするまで苦痛を感じ続けるというエグすぎる構造に対してドン引きしたというファンも少なくありません。

『メイドインアビス』に登場するカートリッジの作り方を解説してきましたが、中身には切り刻まれた子供が入っているという残虐な方法で作られている事が分かりました。あまりに非人道的な作り方である事からある意味ファンの心に印象強く残ったカートリッジはフィギュアも発売されています。