風立ちぬのタイトルの意味を考察!外国語のセリフや古文の文法について解説

『風立ちぬ』のタイトルの意味は多くのファンに注目されていて、外国語のセリフや古文の文法について知ると作品をもっと楽しめるようになります。さらにポール・ヴァレリーの詩などの古文としての文法解説も知っておいて損はありません。今回はジブリ映画『風立ちぬ』のタイトルの意味や「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味、洋題や外国語のセリフの意味、伝えたいことや実在モデルについて、ネット上の感想や評価などを紹介していきましょう。

風立ちぬのタイトルの意味を考察!外国語のセリフや古文の文法について解説のイメージ

目次

  1. 風立ちぬとは?
  2. 風立ちぬのタイトルの意味を考察
  3. 風立ちぬの洋題や外国語のセリフの意味を考察
  4. 風立ちぬが伝えたいこととは?実在モデルがいる?
  5. 風立ちぬに関する感想や評価
  6. 風立ちぬのタイトルの意味まとめ

風立ちぬとは?

『風立ちぬ』は大人に向けたメッセージが込められていると言われているジブリ映画であり、そのタイトルの古文文法なども注目されるなど様々なことが話題になっています。『いざ生きめやも』なども古文の文法が気にされていることもあるので、ここではまずそういった文法などについて見ていく前に、宮崎駿の長編最後の作品として目がヒットを記録したジブリ映画『風立ちぬ』の基本的な情報をまとめていきましょう。

風立ちぬの概要

『風立ちぬ(かぜたちぬ)』は宮崎駿監督作品であり、スタジオジブリが制作した長編アニメーション映画となっています。本作は長編アニメ製作を引退すると宮崎駿が宣言した作品として注目されていたために大きな話題になった作品です。主題歌は荒井由実時代の名曲である「ひこうき雲」で、興行収入は120億円とメガヒットを記録しています。

特に話題になったのは声優キャストであり、瀧本美織や西島秀俊、西村雅彦、風間杜夫、竹下景子、志田未来などそうそうたる顔ぶれが起用されていますが、主人公に起用された庵野秀明が最も注目されたキャストです。『エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』などで知られる庵野秀明は実は宮崎駿のもとでアニメーターをやっていたことがあり、その縁で本作では主演の声優に起用されて世間を驚かせました。

風立ちぬの原作

『風立ちぬ』の原作は宮崎駿が若き日に描いた連載漫画『風立ちぬ』であり、雑誌『モデルグラフィックス』に掲載されていた作品となっています。さらにこれに加えて航空技術者・堀越二郎の半生にテーマに据えて、作家・堀辰雄の自伝的小説『風立ちぬ』の内容を融合させていました。『風立ちぬ』の原作になっているのは複数の作品であり、単一の作品が原作になっているわけではなく複合的に組み合わせて再構築しています。

風立ちぬのあらすじ

飛行機に憧れている少年・堀越二郎は夢の中に現れたカプローニ伯爵の言葉で設計士としての夢を強くします。二郎は東京帝国大学に進学して飛行機の設計学を学んで、設計士としての道を歩み始めます。関東大震災など激動の時代の中で二郎は里見菜穂子という女性と出会って、その人生が大きく変わっていくことになるのでした。

風立ちぬ - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

風立ちぬのタイトルの意味を考察

ここでは『風立ちぬ』のタイトルの意味や「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味や古文の文法的な解釈などを考察していきましょう。『風立ちぬ』のタイトルはもちろん、作中での重要な詩である「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味もファンにはかなり注目されていて映画のテーマ性にも通じるため、ファンであれば知っておいて損はありません。

風立ちぬの古文の意味や文法

「風が立つ」という言葉は無風の状態から風がふき始めるということを表した言葉です。これの語尾に『ぬ』がつくことで、意味が少し変化しています。古文の文法では「ぬ」は完了・強意の助動詞と言われていてすでに起こったことを表します。ということで古文の文法的には「風立ちぬ」は「風が出てきた」という意味になっています。そして、 作中ではこれに続いて『いざ生きめやも』とセリフが続きます。

「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味

「風立ちぬ、いざ生きめやも」は元はフランスの詩人であるポール・ヴァレリーが残したもので、これを堀辰雄が和訳したものです。映画の内容はこの言葉をテーマにしていて、「風立ちぬ、いざ生きめやも」というのは「風がふいた、さぁ生きよう!」という意味に解釈していると考えられています。「風立ちぬ、いざ生きめやも」から映画のタイトルも取られているので、極めて重要なセリフであると考えられています。

ここからは古文の文法的な面からも見ていきましょう。冒頭の「いざ」は思い切って行動を起こすときに使用される言葉です。「さぁ、~しよう」と訳されることが多くなっています。さらに分かりにくい言葉である「生きめ」ですが、これは『生きる』に意思の助動詞「む」の已然形がくっついた形になっています。これで『生きていこう』となります。最後は「やも」という語尾です。


「やも」は反語の助詞であり、『~だ、いや~ない』という古文独特の表現です。反語はあえて逆のことを言うことで、本来の意味を強く強調する役割を果たす重要な文法です。これらのことを総合すると、「いざ生きめやも」という言葉は「さあ生きていかなければならない」という強い肯定の意味になります。この言葉がポスターなどで使用されていた『生きねば』という言葉につながっています。

風立ちぬのタイトルの意味を風が吹くシーンから考察

ここからは『風立ちぬ』のタイトルの意味を風が吹くシーンから考察していきましょう。『風立ちぬ』というタイトルが重要なことは作中で風が吹くシーンが多くあることで分かります。実際に劇中で風が吹くシーンなどを見ていくことで作品とテーマのつながりも分かりやすくなります。重要なシーンで風が吹くことによって『風立ちぬ』のタイトル通り、二郎にとっては転機になる出来事が起こるという描かれ方をしています。

風が吹くシーン①菜穂子との出会い

風立ちぬのタイトルの意味を風が吹くシーン①は『菜穂子との出会い』です。菜穂子との出会いのシーンでは列車が発車するときに風が吹きます。この風によって二郎の帽子が飛んでいき、菜穂子がこの帽子をキャッチしたことで物語が大きく動き出します。菜穂子との出会いという最も重要なシーンでも『風が吹く』ということがストーリーのカギを握っていることになります。

風が吹くシーン②戦闘機のテスト

風立ちぬのタイトルの意味を風が吹くシーン②は『戦闘機のテスト』です。二郎が入社5年目にして初めて戦闘機開発のチーフになった後にも風が吹くシーンがあります。自身が設計した飛行機を試運転して、その性能を見るテスト飛行が行われますが、そのシーンでも風が吹いていて、結果的には失敗してしまいます。この失敗が零戦を作り出す大きな一歩になりますが、このシーンでも風が吹いていました。

風が吹くシーン③避暑地のホテル

風立ちぬのタイトルの意味を風が吹くシーン③は『避暑地のホテル』です。二郎は設計士として挫折を味わってしまい、避暑地のホテルでしばらく静養します、すると強い風が吹いて菜穂子のパラソルが飛んでしまい、そのパラソルを二郎が拾うという奇跡の再会を果たしました。この二人の運命的な再会の際にも強い風が吹いていました。風が吹くことがきっかけで二郎の人生にも大きな転機が訪れる事になります。

風が吹くシーン④夢の中

風立ちぬのタイトルの意味を風が吹くシーン④は『夢の中』です。夢の中でカプローニ伯爵と合って会話をするときにはいつも風が吹いていました。戦争のシーンでも風が吹いていて、二郎にとって転機になるシーンではいつも風が吹いていることが印象的です。カプローニ伯爵とのシーンは作中でもかなり重要なシーンなので、この時に風が吹いていることはファンの間でも注目されています。

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風立ちぬの洋題や外国語のセリフの意味を考察

ここまでは「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味や古文的な文法などを紹介してきましたが、ここでは『風立ちぬ』の洋題や外国語のセリフの意味を考察していきましょう。『風立ちぬ』の洋題や外国語のセリフの意味というのはファンにも注目されていて、海外でこのメッセージ性がどう表現されているかはネット上などでも数多くの注目が集まっています。外国語のセリフの意味は実はかなり重要なことも注目されています。

考察①風立ちぬの洋題

『風立ちぬ』の洋題は「THE WIND RISES」となっていて、直訳すると『風立ちぬ』になっています。「THE WIND」というのは文法的には「つい今しがた吹き抜けていったあの風」という意味になります。「RISES」は現在形になっているので文法的にはファンの間でも意見が分かれていますが、英語では日本語のニュアンスを完全に表現することができないのでこれは仕方ないと言われています。

考察③菜穂子と二郎が話す外国語のセリフの意味

作中で菜穂子と二郎が話す外国語のセリフの意味も注目されています。菜穂子と二郎が話していた言語はフランス語であり、『ヴァレリーの詩句』を話しています。菜穂子は『Le vent se lève(風が吹いた)』と話し、それに応えるように二郎は『il faut tenter de vivre(さぁ、生きようか)』と言っています。これは『風立ちぬ』のテーマ性であり、隠れた名セリフとしてファンには知られています。

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風立ちぬが伝えたいこととは?実在モデルがいる?

ここでは『風立ちぬ』が伝えたいことや実在モデルがいるという事を見ていきましょう。実在の人物がモデルになっているというジブリ映画としては極めて異例の作品なので、モデルの存在は多くのファンに注目されています。さらにメッセージ性が高いことでも知られているので、そのメッセージ性も注目されています。

風立ちぬが伝えたいこと

「風立ちぬ」は堀越二郎の飛行機への憧れや夢、さらには菜穂子との愛などがテーマとして描かれています。しかし、本作の魅力は隠れたメッセージ性にあるというファンも少なくありません。戦争や関東大震災など夢を追いながらも理不尽な困難に立ち向かっていく人間の強さが描かれていて、どんな状況でも生きていかなければいけないというまさに「風立ちぬ いざ生きめやも」という言葉を表しています。

風立ちぬはモデルが実在する?

『風立ちぬ』のキャラクターにはモデルが実在しています。主人公の堀越二郎をはじめ、菜穂子、カプローニ伯爵、本庄、カストルプなどにもモデルとなった人物がいて、名前が変更されていたり、性格が変更されていたりしていますが、明確なモデルが存在していることはジブリ作品としてはかなり珍しいことと言われています。ほとんどが飛行機の設計者であり、宮崎駿の飛行機への愛が分かる作品となっています。

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風立ちぬに関する感想や評価

ここでは『風立ちぬ』に関するネット上の感想や評価などを見ていきましょう。『風立ちぬ』は海外でも評価されている作品であり、ネット上でも英語の題名なども注目されています。作中に登場する詩やセリフなども深いメッセージが隠されていると言われている作品なので、ファンからも様々な考察が挙げられています。そのため『風立ちぬ』に関する感想や評価はネット上でも数多く集まっています。

英題も話題!

英題も話題になっていて、ファンの間でも賛否が分かれていることでも知られています。ネット上には『風立ちぬの英題がThe Wind Risesって』という声や『風立ちぬ,英題だと"Wind Rises"なのか。そりゃそうだ,というくらい直訳なんだろうけど,なんか結構違うような感じもする』という声、『「風立ちぬ」の英題は「The wind rises」だそうです。まんまだな』という声が挙がっています。

『風立ちぬ』は海外でも人気!

異色のジブリ作品として知られている『風立ちぬ』は海外でも人気が高いことでも知られています。ネット上には『評価も高くないけど、海外ではくっそ人気のある風立ちぬ大好き』という声や『風立ちぬ観まーす。海外でも人気あるんやね、やっぱり。』という声、『そういえばかぐや姫と風立ちぬはけっこう海外で人気あるらしい 意外だな』という声が挙がっています。

『風立ちぬ』というタイトルにも絶賛の声!

『風立ちぬ』というタイトルにも絶賛の声が集まっています。ネット上には『「風立ちぬ」いいねぇ。タイトルの通り、風の描写がメインに話が進んでいくところにテーマ性が見られてなかなかツボだったなぁ』という声や『「風立ちぬ」、タイトルといい主題歌といい好きだよ』という声、『“風が立った、生きようと試みなければならない”か。『風立ちぬ』って、すごくいいタイトルだな。』という声が挙がっています。

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風立ちぬのタイトルの意味まとめ

今回はジブリ映画『風立ちぬ』のタイトルの意味や「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味、洋題や外国語のセリフの意味、伝えたいことや実在モデルについて、ネット上の感想や評価などを紹介してきました。『風立ちぬ』というタイトルの意味や「風立ちぬ いざ生きめやも」の意味は作品のテーマにも注目しているので、そういったことにも注目してジブリ映画『風立ちぬ』をお楽しみください。

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