【スーパーカブ】小熊にはなぜ両親がいない？生活費や苗字についても考察

スーパーカブにて主人公を務めたのが小熊です。今回はそんな小熊についてまとめて紹介していきます。

小熊が主人公として活躍するスーパーカブは2016年から2021年にかけて、トネ・コーケン先生が角川スニーカー文庫にて刊行されていたライトノベルです。何の趣味も持たない主人公の女の子「小熊」がホンダ・スーパーカブ50との出会いから世界を広げていく物語で、元々はKADOKAWAが運営する小説投稿サイト「カクヨム」にて投稿された作品になっています。

人気を集めたスーパーカブは2017年に書籍化が行われて以降メディアミックス展開も積極的に行われ、2017年には漫画化が、2021年にはアニメ化が行われるなどしています。

何もない少女、小熊は高校まで2kmの道のりを自転車で通っていました。そんなある日、小熊は同じ学校の生徒が原付に乗っているのを見て原付きが気になります。早速学校帰りに寄ったバイク屋で免許も持たないにも関わらず曰く付きのスーパーカブ50を購入する事になります。このスーパーカブ50との出会いがそれまで小熊が知らなかった未知の経験をさせてくれるのでした。

小熊はスーパーカブの主人公で、山梨県北杜市に住んでいる女子高生です。年齢は初登場時点で16歳ないし17歳で2年生でした。おかっぱ頭が特徴的な見た目ながら、表向きは内向的で礼子以外に自ら口を開く事は少ないながらも、内面ではかなりふてぶてしくたくましい性格をしています。またその行動力はスーパーカブの入手で大きく変わっており、スーパーカブでの経験を経てどんどん行動的になっていたりもします。

両親が登場しない小熊ですが、それもそのはずで、まず父親は小熊が産まれてすぐには既に死亡している事が明らかになっています。理由は事故となっていますが、具体的な状況などについては不明になっており、小熊自身にも父親の記憶は残っていない事が明らかになっています。

父親の事故死後は、両親揃う事はなく母親がシングルマザーとして小熊を育てていましたが、小熊が高校入学するとお役御免とばかりに小熊を捨てて失踪してしまいました。元々小熊の両親は駆け落ち同然に結婚した事もあって親戚とも疎遠であり、祖父母も既に亡くなっていた事から母親の失踪で小熊は女子高生にして天涯孤独の身になってしまったのです。

ちなみに学校ではこの母親の失踪については既に「親に捨てられて一人暮らしをしている」という形で噂が広まってしまっており、小熊に友達らしい友達がいなかった理由の1つになっています。

天涯孤独の身ながらも高校には通えている小熊ですが、スーパーカブに乗るようになってその費用を稼ぐ為にアルバイトを始めるまではアルバイトもしている様子はありませんでした。それは生活費は生活保護を受けて賄い、高校には奨学金制度を利用して通っていた為です。小熊がお金にシビアな一面を持っているのはこの生活費の設定がある為でもあります。

スーパーカブの主人公である小熊ですが、この小熊は「名前」であって苗字はスーパーカブ作中では登場してません。ただ情報だけは一部ですが明らかになっており、苗字は「正しい読み方を迷うような難読苗字である」とされています。その為、周囲から呼ばれる際は苗字で呼ばれる事はなく「小熊さん」「小熊ちゃん」と呼ばれている為にスーパーカブ作中で苗字が登場する事は無くなっています。

ちなみに小熊という名前も女の子にしては珍しい名前ですが、これは作品のメインテーマである「スーパーカブ」のカブが「猛獣の子供」を意味する言葉である事に由来した作品のテーマに合わせた名前になっている為であるとされています。

そんな小熊ですが、原作5巻では対向車に轢かれる形で事故にあって入院したというエピソードがあります。スーパーカブに乗る事をテーマにしているだけに避けては通れないエピソードではありますが、小熊は後遺症を残す事もなくその後は無事に元の生活に戻っています。

アニメ化されているエピソードでは女子高生の小熊ですが、元々スーパーカブは作中で少しずつですが時間の流れがある作品である為、その後都内の大学に進学するエピソードも描かれています。大学の際には当然引っ越しているわけですが、大学のマンション型女子寮がバイク禁止だった為に、敢えて入寮せずに昭和30年代築の古い借家を借りて生活しています。

スーパーカブにおいて小熊とはじめてと言ってもいい友達になるのが礼子です。この時は小熊がスーパーカブ登校をしているのを知った礼子の方から声をかける形でしたが、アニメではその時のやりとりが不思議だったとする視聴者も多くなっています。声を掛けた際に「バイクを見せて」と言った礼子に対し「授業が終わった後なら」と答えた小熊ですが、放課後になると礼子から逃げて帰ってしまおうとするのです。

この行動はアニメでは表現しにくい為にカットされた礼子の設定が関係しています。実は礼子は「何も持っていない」と表現される小熊と対比する形で「小熊が持っていないものを全て持っているキャラクター」なのです。成績は上位でスポーツも優秀、両親は父は市議会議員で母は会社経営者、そんな両親の持つ別荘に自ら望んで一人暮らしをしているという設定があるのです。

その為、礼子は小熊とは違う意味で「孤高の存在」として周囲から一目置かれていました。小熊からすればクラスメイトではありながら別世界の人間という認識であり、「関わりたくない」という理由で礼子から逃げるような行動に出たのでした。

アニメスーパーカブにて小熊の声優を担当したのはマルチタレントとして活躍する夜道雪さんです。スカウトをきっかけに北海道を中心にタレント活動しており、フリーランスを経て声優としてもデビューして活躍するようになります。アニメスーパーカブでの小熊役はオーディションでしたが元々バイク愛好家だった事もあり作品を見てスーパーカブに興味を持った事で自身でもスーパーカブを購入したというエピソードを持っていたりします。

マルチなメディアで活動している夜道雪さんですがこれまでに演じたキャラクターとしてはゲーム「ユバの微」のシュマリ役、アニメ「その時、カノジョは。」のチアキ役、「女神寮の寮母くん」の八月朔日せれね役などがあります。

ここからは既にスーパーカブを視聴した人の小熊に関しての感想をネタバレありでまとめて紹介していきます。アニメで人気を博したスーパーカブですが、アニメではカットされていた事、元々主人公の両親がいるにも関わらず登場しない作品も少なくない事もない事から違和感なく見れた為意識しなかったという前提で、原作を読んで小熊の人生がかなりハードモードな事に驚いたという声が多くなっています。

父の死は仕方のない出来事だったとしても母の失踪には驚いたという声も多く、生活費なども生活保護で賄っているというのがリアルすぎたという声も多くなっています。アニメではそれらをカットした事で分かりにくくなったという声もある一方で、小熊の心理描写などの見せ方などに主眼を置いていたので気にならなかったとする声も見られる結果になっています。

両親がいない事や母親の失踪も驚いたという声が多い小熊ですが、特にアニメファンからは「小熊」が名前か苗字か分からず、周囲の呼ばれ方から苗字だと認識していたという声も多くなっています。細かく見ていくと苗字ではなく名前だと分かる描写も多い一方で、設定だけある苗字が何だったのかが気になるとする声も見られる結果になっています。

スーパーカブの小熊は父は死亡、母は失踪という形で天涯孤独となり生活費を生活保護などで賄いながら学校に通っているというなかなか重い設定を持ったキャラクターです。アニメでは詳しい設定は省かれた為に知らなかったという人も多く原作や漫画を読んで驚いたとする声もある程の設定であり、知った上でアニメを見ると少し見方が変わったとする声も見られる結果になっています。

アニメはそういった重い部分やアニメ的に分かりづらくなる部分をカットしつつも小熊の心理描写などを演出全体で行うなどが評価された作品でもあるのでまだスーパーカブを視聴していないという人は小熊の重めの設定も頭の片隅に起きつつ視聴してみてはいかがでしょうか？