【ルパン三世 THE FIRST】ブレッソンダイアリーとは何？元ネタやモデルは？

1960年代後半に青年漫画雑誌「漫画アクション」に連載されていたモンキー・パンチ原作の漫画「ルパン三世」は、テレビアニメのヒットにより人気爆発し21世紀の現在に至ってもその人気に衰えはないようです。時代の世相を上手く取り入れ進化し続ける「ルパン三世」は、2019年12月にシリーズ初のフル3DCG劇場用アニメ「ルパン三世 THE FIRST」が公開され後、海外でも公開されたようです。

第二次世界大戦が終了した十数年後のフランス。ルパンは博物館に展示されているブレッソンダイアリーを盗み出すことに成功しますが、警備員のレティシアの介入によって失敗してしまった挙句、不二子に奪われてしまいます。銭形に逮捕されたルパンは次元と五右衛門に助けられた後、訳ありのレティシアと共にブレッソンダイアリーに隠されたお宝を追うことになります。

精巧な装飾のケースに厳重保管されているブレッソンダイアリーとは、考古学者ブレッソンの研究が詳細に書き記され、内容を知るには２つの鍵が必要となります。ケースに鍵を差し込み60秒以内にパスワードを入力しないと爆発する仕掛けとなっており、それを作ったのはブレッソンとパートナー関係にあったルパン一世だったようです。だからこそルパンとレティシアは、それぞれ鍵を持っていたのでしょう。

第二次世界大戦時、ナチスが戦争に勝利するために狙っていたブレッソンダイアリーには、様々な古代言語で書かれており、エクリプス遺跡内のトラップ突破方法や人智を超えた力を備えているエクリプスを封じる手段などが詳細に記されていたようです。ルパン一世は孫ルパン三世にブレッソンダイアリーを盗ませるために、「ブレッソンダイアリーは、ルパン一世が盗みに失敗した唯一の宝」というデマ情報を流したと推測されます。

ナチスがブレッソンダイアリーを狙っていると悟ったブレッソンは、ブレッソンダイアリーを娘夫婦に託したようです。ブレッソンダイアリーはナチスの手を逃れ、第二次世界大戦は終焉を迎えたようです。

博物館で管理されていたブレッソンダイアリーは、終戦から十数年の時を経て1960年代にフランスで開催されるブレッソン回顧展で展示されることとなったようです。ブレッソンダイアリーはルパンVSナチスの残党による争奪戦の末、用済みと判断したランベールによって燃やされるというネタバレになっているようです。

「ルパン三世 THE FIRST」ではナチスを元ネタにしていることから、ドイツで産出される高価な宝石としてアウイン・フォスフォフィライト・サニディンをブレッソンダイアリーのモデルとして考察していきます。

アウインはドイツ西部のアイフェル地方で採掘され、単体の鉱物として産出量が少ないことから希少価値が非常に高いようです。深いコバルトブルーのアウインは、カットによって美しさが一層際立つ宝石に変貌するようです。アウインは同重量のダイヤモンドより高額でサファイアより美しいことから、アイフェルのサファイアと称されているようです。

やや緑色のかかる薄緑色の石フォスフォフィライトは、ボリビアでの採掘が主流のようですがドイツでも採掘されています。他の鉱物とは色味が違うのが特徴と言われるフォスフォフィライトは、産出量と産出地がとても少なく入手が困難で、硬度がとても低いことからカットが難しく希少価値の高い宝石のようです。

カット前のサニディンは無色のような薄黄色ですが、アウインと同じアイフェル地方で採掘されているサニディンは、ややピンク色がかかったペールブランの美しい透明石のようです。サニディンは、カットにより輝きが増し綺麗な宝石に変貌するようです。

「ルパン三世 THE FIRST」のヒロインであるレティシアは、ブレッソンダイアリーを書き残した考古学者ブレッソンの孫娘です。第二次世界大戦中、ナチスの脅威を感じたブレッソンはブレッソンダイアリーを娘夫婦に、ブレッソンダイアリーの鍵を隠したブローチを赤ん坊だった孫レティシアに託します。ブレッソンダイアリーはナチスの手に渡らなかったものの、レティシアは両親と祖父を失い孤児となります。

ブローチを密かに持ち続けていたレティシアは、行方不明となっているブレッソンダイアリーの研究に心血を注いでる研究者ランベールに引き取られます。亡き祖父と同じく考古学を志しているレティシアは、ランベールから大学受験を許可を得るためブレッソンダイアリー捜索に仕方なく協力します。そんな矢先、自分と同じ型のブローチを持っているルパンと出会い、レティシアは自身の出生の秘密を知ることとなります。

元ナチスのゲラルドはヒトラーの生存を盲目的に信じ、ブレッソンダイアリーに記されているエクリプスをヒトラーに贈るのを目的とし、ブレッソンダイアリーを捜索している組織の研究者ランベールの指示役のようです。ランベールは第二次世界大戦中、ブレッソンダイアリーを押収する際に赤ん坊のレティシアと会っており、後に孤児となったレティシアを引き取ったようです。

ランベールは考古学を志すレティシアに難色を示すものの、大学受験を餌にレティシアを利用したようです。ランベールとレティシアの間には家族の情が無かったように見られますが、ブレッソンダイアリーの解読し強大な力を手に入れようとしたランベールは、ナチス再興を夢見るゲラルドからレティシアを庇い死亡したようです。レティシアを利用し続けたランベールの心の内には、レティシアに対する家族の情があったようです。

エクリプス争奪戦を繰り広げるルパンとゲラルド一味は、辿り着いたエクリプス遺跡でブレッソンダイアリーを頼りに複雑で巧妙なトラップをかわしながら目的の場所へ進んでいきます。宝石や芸術品の類ではないエクリプスとは、地球上で作られた兵器ではないようです。エクリプスは飛行機などを使って持ち運び可能であり、操作するには2つの円盤のようなものを使うようです。

組織からヒトラーが生存している一報を受けたゲラルドは、とうとうヒトラーとの再会を果たします。ゲラルドは早速、人智を超えた兵器エクリプスの操作方法を嬉々として説明します。実はヒトラーはルパンの変装で、ゲラルドはヒトラーが既に亡くなっていると知ってしまいます。

ルパンはエクリプスを操作し、内部でマイクロブラックホールが発生させていまいます。あらゆるものを飲み込もうとするマイクロブラックホールを前に、ルパンとゲラルドは命がけの格闘となりますが、ルパンは間一髪脱しゲラルドはマイクロブラックホールに吸い込まれ最期を迎えます。

「ルパン三世 THE FIRST」の宣伝ポスターなどで、ルパンがかぶっているシルクハットは祖父ルパン一世のもののようです。ルパンはエクリプス遺跡のトラップにあった祖父のシルクハットを発見したことで、祖父が果たせなかった夢を受け継ぐかのようにお宝奪取にトライし成功し、「ルパン三世 THE FIRST」の宣伝ポスターの決めポーズをとります。

ブレッソンダイアリーを装飾している歯車の元ネタは、「ルパン三世 カリオストロの城」のクライマックスでルパンが巨大な歯車を使った派手なアクションから連想する方もいるかもしれません。

1960年代を舞台にしている「ルパン三世 THE FIRST」の舞台が現代だったら、ブレッソンダイアリーはUSBメモリーに厳重保存され、ルパンがハッキングして中身を解読するネタバレになっているかもしれません。

ブレッソンダイアリーに書き記されていたエクリプスとは、未知なるテクノロジーを備えていたネタバレになっていたようです。「ルパン三世 THE FIRST」の終盤の舞台となる南米には、宇宙の神秘に関わり深いマヤ遺跡があり、それを元ネタとするとエクリプスは地球外のものであるかもしれません。ブレッソンダイアリーの元ネタは、「ルパン三世 THE FIRST」の時代背景を踏まえドイツ産の宝石でモデルとして考察してみました。