【探偵はもう、死んでいる。】ヘルの正体は？夏凪渚との関係やパートナーの意味とは？

ヘルの正体や夏凪渚との関係、パートナーの意味などをネタバレしていく前に、『探偵はもう、死んでいる。』の作品情報をまとめていきます。物語のあらすじや概要なども紹介しますので、『探偵はもう、死んでいる。』についてあまり詳しくないという方でも楽しめる内容です。また、今回のメインであるヘルのプロフィールについてもここでまとめていきます。

『探偵はもう、死んでいる。』は二語十(にごじゅう)によるライトノベル作品で、イラストはうみぼうずが担当しています。2019年に『KADOKAWA』から刊行されており、『MF文庫Jライトノベル新人賞』で最優秀賞を受賞するほどの評価を得ました。2022年2月現在シリーズ発行部数が85万部を突破するほどの人気作品となっており、原作は6巻までが発売されています。

現代から4年前、中学3年生の主人公・君塚君彦は自身の巻き込まれ体質のせいで今日も事件に巻き込まれていました。ハイジャック事件に巻き込まれた君彦は名探偵と名乗る少女・シエスタに助手として任命され、それから一緒に3年間世界中を旅しながら敵の組織と戦っていきます。そして現代、シエスタは敵の手によって殺されており、彼女の死によって君彦は1年間無気力な生活を送っていました。

シエスタとの3年間によって知識と頭脳を鍛えられて、名探偵として有名になっていた君彦の元に夏凪渚という少女が現れました。夏凪は数年前に心臓の移植手術を受けており、それ以来自分でもわからない会いたい人物を探し続けているというのです。夏凪の会いたい人を探す事にした君彦は、夏凪に移植された心臓がシエスタのものだという事に気が付きます。夏凪はシエスタの意思を次いで探偵となり、君彦は再び助手となるのでした。

ヘルとは宇宙から飛来した植物の種であるシードによる組織『SPES(スペース)』の最高幹部です。黒髪のショートヘアーに赤い瞳を持ち、常に軍服を着ていて、武器はサーベルを使います。君彦とシエスタが旅をしていた3年間の間に姿を現し、サーベルを使った凄まじい戦闘力によって強敵として君臨していました。君彦との会話の中で、君彦をパートナーにするという事と、聖典に沿って行動しているという事が分かります。

ここからは、『探偵はもう、死んでいる。』のヘルの正体や夏凪渚との関係をネタバレしていきます。『スペース』の最高幹部であるヘルですが、普通の女子高生として生活している夏凪とはいったいどのような関係にあるのでしょうか?またヘルは、君彦とシエスタが旅の途中で出会った少女・アリシアとも深い関係にあるという事で、ここで一挙ネタバレします。

ヘルの正体は、夏凪渚のもう1つの人格です。夏凪渚が主人格となっており、ヘルは後から生み出された裏の人格という事になります。夏凪が君彦と出会った現代ではヘルの人格は抑えられており、夏凪の人格が常に表に出ている状態です。幼少の時から心臓が悪く、さらに両親のいない夏凪は施設で育ちました。しかし、この施設は悪の組織『スペース』によって作られたもので、夏凪は他の子供達と共に実験体として扱われていました。

この施設にはシエスタもいた事もあり、夏凪とシエスタは友達だったようです。『スペース』の創設者でありボスであるシードは、世界中から子供を集め、自分の器となる人間を探していたようです。

夏凪渚は、過去に施設で生活していました。そこにはシエスタやアリシアもおり、すぐに仲良くなった3人はいつも一緒に遊んでいたようです。しかし、類まれな頭脳を持つシエスタは、自分のいる施設が孤児院として十分なお金を貰っているにも関わらず、さらに実験によって資金を稼いでいる事に疑問を持ち始めます。そしてシエスタは、ここが子供達を実験の材料にしている実験場だという事に気が付きました。

そこで、夏凪とシエスタ、アリシアの3人は、施設に対して反逆を企て、ここにいる子供達全員を助け出す作戦を練りました。そして、作戦成功かと思われたその時に、アリシアが自分はシード側である事を告白し、彼女の裏切りが発覚します。しかし、実はアリシアは自分1人がが犠牲になって夏凪やシエスタ、そして施設の子供達を助けようとしていたのです。

しかし、アリシアはシードの種を取り込むと、種が身体に適合せずに死んでしまいました。その後、シエスタは施設を脱走しますが、夏凪はその後も捕らわれ続ける事になってしまいます。そして夏凪は、痛くて辛い実験に耐えきれなくなり、もう1つの人格であるヘルを生み出しました。その後は、夏凪の記憶はシードによって消され、ヘルの人格が表に現れるようになり、『スペース』の幹部となっていきます。

施設に残ったヘルは、シードの為に尽くすようになります。自分の身体を何度でも実験材料として差し出し、シードにとって有益で無いと判断した子供達は次々と排除していきました。そしてヘルは、シードに気に入られて特別な存在となっていき、幹部にまで上り詰めました。ヘルがここまでシードの為に尽くした理由は、シードの愛がほしかったからだと、後にシエスタによって語られています。

主人格である夏凪渚とは違い、突如生まれたヘルは親というものが存在せず、愛に飢えていた状態でした。あいまいな存在である自分を認めてくれる存在がほしかったヘルは、シードに対して親のような愛を求めるようになっていきます。ヘルにとってそれがすべてとなり、愛の為に自分の全てを捧げるようになった結果、驚異的な戦闘能力と、頭脳を得る事となりました。

『切り裂きジャック』の事件を模した事件を起こし続け、人間の心臓を奪い続けていたヘルですが、実はこれらの行動はすべて主人格である夏凪渚を守るための行動だった事が明らかになります。『探偵はもう、死んでいる。』の原作3巻にて、夏凪は合わせ鏡を使って自分の中にあるヘルと初めて会話をしますが、この時にずっと自分の事を守ってくれていたヘルに対して感謝の言葉を述べました。

ヘルが『スペース』の一員になった本当の目的は、シードによって夏凪を殺させないようにするためだったからです。現代から6年前に、夏凪はシエスタやアリシアと共に反逆を起こした事によって殺されそうになりますが、ヘルがシードに忠誠を誓い、『スペース』に入る事によってこれを阻止していました。ヘルはシードに認められるほどの活躍をした事で、夏凪の命を守り続けました。

アリシアは、君塚君彦とシエスタが『切り裂きジャック事件』を追っていた時に出会った記憶喪失の少女ですが、正体は夏凪渚です。本当のアリシアは6年前に施設でシードの種を取り込んだ事で死んでしまいましたが、この時のアリシアは、ヘルがケルベロスの種を手に入れた事で得た変身能力を使って夏凪の姿を変化させたものになります。しかし、夏凪はアリシアの姿になろうとしたわけではなく、無意識に過去の友達の姿になりました。

この時のアリシアは夏凪としての記憶を失っており、足を怪我したシエスタの代わりに探偵代理となって君彦と共に事件を追う事になります。しかし、シエスタはアリシアこそが事件の犯人の正体であると見抜き、君彦と意見の食い違いで意見がぶつかる事になりました。アリシアは君彦との楽しかった日々を語ると消えていきましたが、シエスタは彼女の『学校に行きたい』という願いを聞き入れ、物語は大きく動き出します。

ヘルは常に聖典を持っており、全て聖典に書いてある通りに行動していると発言しています。この聖典については、『探偵はもう、死んでいる。』の4巻にて、調律者の1人の『巫女』であるミア・ウィットロックの口から語られました。聖典とは、ミアを含む過去の巫女達がまとめてきた第一級秘匿物で、未来に起こる出来事が記されています。

そして何らかの方法によって聖典はシードの手に渡ってしまいます。聖典を手に入れたシードは、『スペース』の構成員たちに聖典に沿って指示を出し、地球侵略を進めていました。

12人いる調律者の1人に『怪盗』が存在していますが、この怪盗は唯一の裏切り者であるとされおり、シエスタも『あの男だけは信頼できない』と発言していました。巫女であるミアによると、怪盗は聖典を盗み出し、シードに売り払ったという事です。シードは調律者の1人である怪盗と繋がっており、聖典を盗ませた事が後に明らかになります。

ヘルによって君彦が拘束され、2人が初対面を交わした際に、ヘルは君彦に『いずれキミは僕のパートナーになる』と述べていました。ヘルはこの後も何度かパートナーになるという言葉を何度か発言しています。なぜヘルが君彦にパートナーになるといったのかというと、聖典に書いてあったからです。ヘルは聖典によって、自分の主人格である夏凪渚が君彦のパートナーになる未来を知っていたという事になります。

シエスタの死後、日本に戻った君彦は夏凪の助手となりますが、これはヘルからすると、君彦が自分のパートナーになった事と同じになります。聖典に書いてある事は間違いなく起こるという実例の1つでもあります。

『探偵はもう、死んでいる。』の5巻にて、シードとの最終決戦が行われます。この時に、夏凪渚の身体を借りたヘルも君彦の味方側として参戦します。ヘルはシードの命令と聖典だけを頼りに行動してきましたが、この時は夏凪の為に戦う事となります。そしてヘルは最終的にはシードと共に封印される事となりました。

ヘルの赤い目には、人を操る能力があります。ヘルの赤い目の能力を受けると、相手は動きを封じられたり、自害したりするなど、マインドコントロールにも近い能力となっています。この赤い目の能力を受けると、ヘルの言うとおりにしなくてはならないという強迫観念にとらわれてしまうようです。

『探偵はもう、死んでいる。』の4巻にて、ヘルの能力の正体は言霊であるという事が彼女自身の口から語られています。人造人間であるヘルは、シードの種を体内に取り込んでいますが、この事で得た能力であるとされています。

アニメ版『探偵はもう、死んでいる。』で、ヘルの声を担当した声優は花守ゆみりです。神奈川県出身で1997年9月29日生まれの2022年2月現在24歳で、身長157センチ、血液型O型、事務所は『m&i』に所属しています。中学3年生の時に『第2回ぽにきゃん声たまオーディション』を受け、審査員奨励賞を受賞した事が声優デビューのきっかけとなりました。

『探偵はもう、死んでいる。』のヘルを演じた花守ゆみりは、アニメ『ゆるキャン△』の主人公の1人・各務原(かがみはら)なでしこの声も担当しています。各務原なでしこは、無邪気で活発な可愛い女の子で、まったり過ごすキャンプに憧れた事で野外活動サークルに入部しました。入部後はハードなキャンプスケジュールをこなしていますが、過去に身体を鍛えていた事もあるので、難なくこなせています。

『探偵はもう、死んでいる。』の2巻にて、事件の犯人がアリシアの裏人格であるヘルだった事が分かりますが、この事に驚くファンの感想があります。このようにファンを驚かせてくれるところが『探偵はもう、死んでいる。』の大きな魅力です。

『探偵はもう、死んでいる。』のヘルが好きだがグッズが無いというファンの感想があります。『探偵はもう、死んでいる。』のメインキャラであるシエスタや夏凪渚のグッズは数種類販売されていますが、ヘルのグッズは発売されていない為、悲しむファンも少なくありません。

『探偵はもう、死んでいる。』のシエスタは非常に可愛い見た目をしており、人気キャラとなっていますが、ヘルにももっと目を向けてほしいというファンの感想があります。ヘルも黒髪ショートヘアーが似合う可愛い少女で、ボクっ子であるというところも魅力の1つとなってます。シードと共に封印されてしまったヘルですが、これから『探偵はもう、死んでいる。』の物語に再登場してほしいという意見は非常に多いです。

『探偵はもう、死んでいる。』のヘルの正体や夏凪渚との関係、パートナーの意味などをまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?敵キャラとして登場しながら、実は自分の主人格である夏凪を守るために行動していた事が分かりました。可愛いルックスの人気キャラなので、また『探偵はもう、死んでいる。』の物語に関わってくれる事をファンは期待しています。