【鬼滅の刃】堕姫の蚯蚓帯の能力とは？柄・模様やアニメの声優キャストも紹介

「鬼滅の刃」に登場する鬼たちは元々人間で、無惨や無惨によって鬼となった者たちにより鬼に変化してしまい、人知を超える能力・血鬼術と老いることのない永遠の命を得ることとなります。人間を主食とする鬼は、首を斬られることと陽の光により朽ちてしまうので、陽の光を避けながら人間社会に溶け込み生き続けていたようです。

「遊郭編」に登場する堕姫（だき）は、遊女の最高位と言われる花魁を隠れ蓑にして人間を捕食しているようです。ほとんどの人間は鬼の存在を熟知していなかったことから、前触れもなく忽然と消えた者たちは、神隠しにあったのだと納得するしかなかったのかもしれません。

吾峠呼世晴さん原作の漫画「鬼滅の刃」（全23巻）は、アニメ化になる前から高い評価を得ており、徐々にファンが増えていったようです。アニメとなった「鬼滅の刃」は原作のイメージを損なうことなく、ハイグレードなクオリティで人気が全国区となったようです。

劇場版「無限列車編」は記録と記憶に残る大ヒットとなり、ファンがキリンの首のように長くして待った待望の「遊郭編」が、2021年冬から地上波放送とネット配信がスタートとなったようです。

「鬼滅の刃」の舞台となる大正時代は、西洋文明により急激な変貌を遂げた明治時代を経て近代化が加速しつつあります。鬼に家族を殺された炭次郎は、鬼に変化しようとする妹・禰󠄀豆子に必死に語りかけます。その甲斐あってか禰󠄀豆子は、鬼になってしまったものの人間の心を持ち続けるようになります。炭次郎は家族の敵討ちと禰󠄀豆子を人間に戻すべく、人知を超えた能力を備える鬼との戦いに立ち向かっていくことになります。

炭次郎たちが「遊郭編」で死闘を繰り広げる鬼の堕姫は、凶暴さと妖艶さを身に纏い花魁として100年近く吉原に潜み、不細工を激しく嫌悪し美しい人間を好んで捕食していたようです。堕姫の行動を怪しんでいる者もいたようですが、遊女の最高位と言われる花魁であることと、気性が著しく激しいことから見逃され続けていたようです。

堕姫は100年近く吉原を根城にしていることから、上手く正体を隠しながら時代に適応していき、その都度「○○○姫」という名の花魁になりすまし続けていたようです。「遊郭編」での堕姫は、蕨姫花魁（わらびひめおいらん）と呼ばれ、戦闘のコスチュームはアバンギャルドな和風模様のランジェリーとなっています。

鬼に変化する前の人間だった頃の堕姫は梅という名前で、遊郭の最下層となる羅生門河岸で誕生したようです。極貧生活であった堕姫こと梅は、髪や目の色が人と異なっていたことも相まって、幼少期から母親に疎まれ続けたあげく、あわや殺されそうになったところを兄の妓夫太郎が助けたようです。貧しくとも親の愛情を受けて育った炭次郎とは違い、親の愛情を知らないまま梅は妓夫太郎と共に必死で生きてきたようです。

梅はあまりにも不幸過ぎる境遇だったものの、人目を引く美少女だったこともあり、成長した後は遊女として生きていくことになります。外見は美しくても処世術に長けていなかった梅は、妓夫太郎を罵った客に逆上し失明させてしまいます。報復措置として生きたまま焼かれる残酷な運命にさらされた梅は、上弦の鬼である童磨により妓夫太郎と共に兄妹揃って鬼に変化したようです。鬼により兄弟は、負のスパイラルから救われたようです。

「無限列車編」に登場した魘夢が、不気味としか言いようのない目玉と口がある異形な左手を分離し、単独で動かしながら夢に関する血鬼術で捕食する人間を翻弄するように、鬼はバリエーション豊かな武器や血鬼術で炭次郎たち鬼殺隊の前に立ちはだかります。

伊之助は蚯蚓帯（みみずおび）と呼ぶ堕姫の分裂体となる帯の色は、ピンク系で基本の模様は顕微鏡で見た細胞を彷彿させ所々に花模様ががあしらわれているようです。花魁の帯の模様と比較すると、地味な模様といえるかもしれません。血走った大きな目と小さい厚めの唇は模様ではなく機能しており、気持ち悪いとしか言いようがありませんが、見慣れてくるとキモ可愛い感じを抱くかもしれません。

100年近く生きてきた堕姫は、数えきれないの人間たちを蚯蚓帯に取り込み捕食していたようです。「遊郭編」で蚯蚓帯に取り込まれていたのは、遊女を装い吉原に潜入していた宇随の三人の嫁の中の須磨とまきを、宇随の指示で吉原に潜入するために女装した善逸こと善子、堕姫と正反対の聖母様のような鯉夏花魁です。善逸は炭次郎たちにより蚯蚓帯から助けられ、堕姫との戦いに参戦しています。

強烈なインパクトがあるキモ可愛い堕姫の蚯蚓帯はファンの間で、画家で絵本作家のヒグチユウコさんデザインによる「アリス・イン・ワンダーランド」とコラボしたスマホケースにあしらわれたキャラクターや、Eテレの「みいつけた！」に登場するバーバラというキャラクターに似ていると話題になっているようです。

ヒグチユウコさんによりデザインされたキャラクターと、「みいつけた！」のバーバラはそれぞれ薔薇の花のようですが、大きすぎる目に小さい厚めの唇という点が蚯蚓帯と共通しているようです。

堕姫の分裂体となる蚯蚓帯は、堕姫に替わって人間を帯の中に取り込んでいたようです。取り込まれた人間は、帯の模様のように見えるかもしれません。蚯蚓帯に取り込まれた人間は帯の中で睡眠状態にあり、立ち入り不可能な地下深くで、堕姫は蚯蚓帯に保管した人間を食べたいときに食していたようです。堕姫は人間をすぐに食さなかったことから、堕姫を倒した後、蚯蚓帯に取り込まれていたままの人間は助かったようです。

炭次郎たちとの戦いで堕姫は帯と一体化となり、高速で飛び出す帯を重ね交差させながら敵に切り刻んでいく血鬼術・八重帯切りを得意としているようです。さらに鬼の弱点となる首を帯状し、斬りづらくすることもできるようです。戦闘能力MAX状態の炭次郎には圧倒的だった堕姫は、同じ鬼である禰󠄀豆子や宇随との戦いでは血鬼術は思うように発揮できず、宇随からは上弦の鬼としての血鬼術レベルを疑われてしまいます。

血鬼術とは、一定の能力のある鬼や上弦の鬼が発揮するようです。堕姫は上弦の鬼なのに血鬼術レベルがイマイチだと宇随が感じているのは、一個人の意見ではなく無惨も堕姫の血鬼術レベルは上弦の鬼に達していないと判断していたようです。堕姫が上弦の鬼と言われるのは、共に鬼となった兄である妓夫太郎の存在があったからだと考えられます。

鬼を倒す手段として、陽の光を浴びせるか首を斬ることが「鬼滅の刃」のお約束事項となっています。炭次郎たちは堕姫の首を斬ることに成功するのですが、なぜか今まで倒してきた鬼のように朽ちなかったのです。

今までの展開とはまるで異なり、朽ちることのない首のない堕姫の身体から新たな鬼となる妓夫太郎が現れます。妓夫太郎は妹の堕姫の身体に潜み、堕姫を守り支配していたことから堕姫の首はすぐに再生することとなります。

ハリウッド映画のエイリアンを彷彿させるような姿の妓夫太郎は、底なしの残忍さを漂わせ外見と中身がイケメンでハイスペックな戦闘能力のある宇随に襲いかかります。妓夫太郎こそが上弦の鬼で、未熟な堕姫に能力を分け与えていたようです。

堕姫と妓夫太郎は二人で一つであることから、二人の首を同時に斬らなければ倒せないようです。炭次郎たちは二手に分かれて戦いながら、二人同時に首を斬るチャンスが伺わなければならないという、今までとは異なる戦いを強いられることになります。

堕姫の蚯蚓帯役を演じている声優・伊藤静さんが、声優を志すきっかけになったのはアルバイトの同僚からアニメ声優が、アニメだけに囚われない幅広いジャンルで活躍しているのを知ったからだったようです。東京アナウンス・声優アカデミー在籍となった伊藤静さんは、校内オーディションで「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻センベエ役で知られる声優・内海賢二さんが設立した賢プロダクションの目に留まることとなります。

賢プロダクション付属の声優養成所スクールデュオ3期生となり、幸先の良いスタートを切った伊藤静さんは、2003年に声優デビューとなり、同期の声優である生天目仁美さんと声優ユニット「生天目仁美と伊藤静」を結成したようです。伊藤静さんは、アニメファンにはお馴染みの実力派声優が数多く所属している賢プロダクションに留まっただけのこともあり、2016年に第10回声優アワードで助演女優賞を受賞したようです。

高校時代にゲームショップでアルバイトをしていた伊藤静さんは、かねてからゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」への出演を熱望していたようです。2003年のデビュー以降、声優として着実にキャリアを積み重ねていったことで努力が実を結び、「スーパーロボット大戦シリーズ」となる「スーパーロボット大戦NEO」、「第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇」の出演を叶えたようです。

「D.Gray-man」のリナリー・リー、「ハヤテのごとく!」の桂ヒナギク、「咲-Saki-」の竹井久、「バスカッシュ!」のセラ・D・ミランダ、「アマガミ」の森島はるか、「べるぜバブ」のヒルダ、「ハイスクールD×D」の姫島朱乃など人気テレビアニメで引っ張りだこの伊藤静さんは、国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」で、しんのすけのマドンナとなる大原ななこ役を初代声優である紗ゆりさんの死去により引き継いだようです。

堕姫役を演じている声優・沢城みゆきさんは、国民的アニメ「ルパン三世」の峰不二子役でご存知の方も多いいことでしょう。声優デビューは声優養成所経由ではなく、中学生の頃「デ・ジ・キャラット」（1999年）の新人声優オーディションで、演技経験のないままプチ・キャラットのアニメ声優としてデビューしたようです。沢城みゆきさんの弟・沢城 千春さんも、姉と同じく声優として活躍しているようです。

沢城みゆきさんは小学校の頃に学芸会で魔女役を演じたことで演技に目覚め、「るろうに剣心」で声優に興味を抱き始めたようです。演技経験のないままデビューした沢城みゆきさんは演技に真摯に取り組み、声優アワードでは2009年助演女優賞（第3回）、2010年主演女優賞（第4回）、2011年海外ファン賞（第5回）と３年連続受賞後、さらに4年後の2015年（第9回）に助演女優賞を受賞し人気実力のある声優と認知されたようです。

沢城みゆきさんは「ルパン三世」の3代目・峰不二子役以外にも、「ゲゲゲの鬼太郎」で５代目・鬼太郎役に抜擢され、先輩声優が演じてきた伝説的キャラクターを見事に演じているようです。その他に「化物語」神原駿河、「ソードアート・オンラインII」シノンなどのアニメ声優以外に、ナレーションとして「報道ステーション」「櫻井・有吉 THE夜会」で活躍しており、沢城みゆきさんを知らなくても声の認知度は高いかもしれません。

留学経験なしの大学で英語力を身につけた沢城みゆきさんは、ゲーム「ストリートファイターズIV」でイギリス人キャラクターのキャミィの声を英語で演じていたようです。英語吹替え版製作では、沢城みゆきさんが演じたキャミィの英語ボイスが参考になったようです。しかし、沢城みゆきさんのハイレベルな英語力に、現場の音響監督が英語版のキャミィ担当声優が演技をしていると勘違いしてしまったようです。

炭治郎と禰豆子、堕姫と妓夫太郎のそれぞれの兄妹は、不幸な境遇でも互いを思いやり決して揺るぐことのない固い絆で結ばれていることは間違いないでしょう。しかし、堕姫と妓夫太郎の人間だった頃のエピソードには、救いを見出すことができません。炭治郎と禰豆子のように、僅かでも生きるチャンスがあればと願わずにはいられません。

怖いものなしの堕姫も、唯一の家族である兄・妓夫太郎の前で見せる言動は素直すぎて心揺さぶられた方も多かったに違いありません。アニメでは沢城みゆきさんによる声優アワード受賞級の演技力により、原作未見の方さえも理屈抜きに惹きつけることができることでしょう。

花魁として堕姫のような気の強さを魅力的だと感じる客もいるかもしれませんが、経営者やスタッフは相当気を使うことでしょう。貧しい農家から吉原に身売りされた少女が、超絶ブラック労働環境下で花魁になるには周りを蹴散らす気の強さも必要なのかもしれません。

花魁を引き立てる必須アイテムである帯は、物語の見せ場となるバトルシーンで効果的に表現されているようです。「遊郭編」の要となる堕姫と妓夫太郎兄妹の関係性は、鬼になっても人間だった頃と変わりなく強固であったことから、妓夫太郎が上弦の鬼である証となる血鬼術の能力で、中身はわがままで小さな子供のような堕姫を必死に守っていたようです。