【最果てのパラディン】ブラッドの強さと過去とは？不死者（アンデッド）になった理由は？

最果てのパラディンにて主人公ウィルの育ての親として登場したのがブラッドです。今回はそんなブラッドについてまとめて紹介していきます。

ブラッドが活躍する最果てのパラディンは2015年柳野かなたさんが小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載を開始した異世界ファンタジー作品です。いわゆるなろう系と言われる作品で主人公は前世の記憶を持っていますがおぼろげにしか持っておらず赤ん坊の状態から始まった事で実質的に王道なファンタジー作品に近いテイストを持った作品です。

高い人気を集めた最果てのパラディンは2016年にはオーバーラップ文庫から書籍化が行われたのを皮切りに、2017年には漫画化が行われ、2021年にはアニメ化も行われるなどメディアミックス展開も行われた作品になっています。2017年には作者の柳野かなたさんの体調不良で更新こそ止まっていますが、その後もメディアミックス展開は続いています。

引きこもりで無為な人生を過ごした主人公はそのまま亡くなり、その記憶を保持したまま異世界に転生する事になります。その記憶から今度こそ悔いのない人生を送る事を決めた主人公はウィリアム、愛称をウィルと名付けた3人の不死者（アンデッド）に育てられる事になります。そんな育ての親の1人として登場するのが今回紹介するブラッドです。

ブラッドは主人公ウィルの育ての親の1人で、眼窩に青い鬼火を宿しざっくばらんに伸びた赤い髪が特徴的な大柄の骸骨（スケルトン）です。炎と技術の神ブレイズを信仰し、大柄だった生前をそのままに大柄な体格をしており、生前には「戦鬼（ウォーオウガ）」の二つ名で知られていました。詳しい年齢は不明ながらも少なくとも不死者（アンデッド）になってから200年は生きています。

普段は快活で気取りない性格をしており、その振る舞いはざっくばらんとしていますが、気配りの出来る常識人でもあり、ウィルにとっては精神面もフォローしてくれる存在でもあります。ウィルの師匠としては非常にスパルタで自身との稽古の他、危険な魔物が徘徊する場所に放り込んで帰ってくるように言うなどといった実践的な訓練を行うなどしています。

ちなみにブラッドの勇姿は吟遊詩人によって語り継がれており、英雄の1人として知られる存在になっています。吟遊詩人の間では戦鬼という2つ名以外にも「雄獅子」「星剣」「傭兵剣士」「戦の申し子」などという通り名が付けられています。

ブラッドの強さの根幹にあるのは「鍛え抜かれた筋肉による暴力があれば、大抵の事は解決する」です。生前も鍛えられた膂力によって相手を倒すパワーファイターで、不死者（アンデッド）になってからも基本的にはその考え方も変わっていません。ただ不死者（アンデッド）になった事で成長する事が無くなくなっています。

ちなみにその脳筋な思考はウィルにも引き継がれる程に大きな影響を与えていますが力任せだけというわけではなく、武器の扱いや技巧までを全て習熟した上で筋肉をメインにしているだけとなっています。マリーと組んで戦う際には、敢えて身体で相手の攻撃を受けた上で相手を捕まえるような無茶苦茶な戦法も使用していました。現在でもそれらの技は健在ですが、不死者（アンデッド）になった事で生前よりは強さは落ちていると考えられています。

余談ですがウィルに初めてこの教えを説いた時にはブラッドは既にアンデッドであり筋肉らしい筋肉を持ち合わせていない事から「それって凄い自虐だよね」とツッコミを入れられています。

ブラッドは不死者（アンデッド）になってからも複数の武器を所持しており、主に使用するのは大ぶりな両手剣ですが、その中でも強力な剣でありウィルに託した剣がオーバーイーターです。最果てのパラディンに登場している名のある武器の中でも最強クラスの武器で、生命力のある相手を斬ると使用者の生命力がその分回復する「敵を切り続ける限り不死身でいられる」というチート武器です。

ただその能力故にブラッドはオーバーイーターは使用者を怠惰にする魔剣であるという考えの元、ブラッドは基本的にはこのオーバーイーターを使用する事はありませんでした。ウィルもその考えを支持しており、ブラッドから引き継いだ後もメインの武器にはしておらず旅立つ時にはブラッドからの修行で行った廃墟の都で手に入れたペイルムーンという名前の槍をメインに使っていました。

200年前、それまで平和だった大陸に突如、王級、将軍級と言われる強さを持った悪魔達が湧き出てきました。圧倒的な強さを持つ悪魔達に襲われる人々にさらに追い打ちをかけるように襲った人々を生贄に悪魔達が神の儀式を行います。これに応えるように悪魔の神達が活性化し、さらに各地は混乱する事になります。

そんな中で現れたのが上王（ハイキング）と呼ばれる悪魔です。上王（ハイキング）は自分の流した血からは兵士級、削がれた肉からは隊長級の悪魔を無限に生み出すという能力を持った悪魔でさらには斬撃以外の攻撃を受け付けないという強さを持った化け物でした。しかも上王（ハイキング）はその後ブラッドに奪われる事になるオーバーイーターまで所持していました。

上王（ハイキング）はその能力とカリスマ性で瞬く間に大陸を侵略し勢力を拡大していきますがそこで上王（ハイキング）討伐の声を上げたのが生前のガスでした。ガスは自身の魔術で上王（ハイキング）の居場所を特定し、少数の部隊で直接上王（ハイキング）を倒してしまおうというものでした。これに参加する事になったのが過去に戦鬼（ウォーオウガ）と呼ばれていたブラッドです。

ちなみにブラッドはこの頃、ガスやマリーと組んで怪物対峙などで名を上げていました。後にウィルは知る事になりますが、3人で組んでワイバーンを狩った話は今もその街の伝説として残る程です。

作戦通り上王（ハイキング）の元に辿り着いたブラッド達。ブラッドの役割は唯一上王（ハイキング）にダメージを与えられる斬撃での攻撃と、上王（ハイキング）の持つオーバーイーターの奪取でした。ブラッドはオーバーイーターの奪取に成功しますが、オーバーイーターを奪って尚圧倒的な強さを誇る上王（ハイキング）に完全に打ち倒す事は出来ないと悟ります。

ちなみに剣術に優れるブラッドですが、上王（ハイキング）は単純な剣術でもブラッドを上回る強さを誇っていました。勝てない事を悟ったガスとマリーは上王（ハイキング）を封印する方向に以降し、これに成功します。ただあくまでも封印なので悪魔達が解放に来る可能性もある状態でした。

そんな状況で現れたのが不死神スタグネイトの木霊でした。スタグネイトは3人に対し取引を持ちかけます。その取引とは不死者（アンデッド）になってスタグネイトの陣営に参加すれば、デーモン達を打ち払ってやるというもの、さらには不死者（アンデッド）の身体で封印を好きなだけ守ればいいとしてきたのです。

状況的にブラッド達3人はこの取引を飲むしかありませんでした。こうしてスタグネイトと契約したブラッドはスケルトンになってしまいました。

ブラッドが人間として死亡したのは上記で紹介したようにスタグネイトと契約した為です。上王（ハイキング）との戦いでもダメージは負いながらも負ける事はなかったブラッドですが、上王（ハイキング）の封印を守る為に不死者（アンデッド）になる道を選んでいます。不死者（アンデッド）となった事で成長は止まっており、人間としてはこの時点で死亡しています。

スタグネイトと契約して不死者となったブラッドですが、この契約には終了条件がありました。それは「ブラッド達が上王（ハイキング）に対しての執着を失った時」でした。スタグネイトはその後、完全に自身の支配下に入るという話でした。実際ウィルを育て始めた事でブラッド達の上王（ハイキング）に対しての執着を失っており、いつ契約終了が履行されてもおかしくありませんでした。

そしてウィルが成人を迎えた日にその契約終了を迎えてしまいます。ただウィルがスタグネイトの木霊を倒した事でスタグネイトの支配下に入る事はなくなり、輪廻に還る事になります。これを持ってブラッドは不死者（アンデッド）としても死を迎える事になります。

アニメ最果てのパラディンにてブラッドの声優を担当したのが小西克幸さんです。1996年にデビューし最初期はゲームをメインに、その後アニメ「勇者王ガオガイガー」でアニメのレギュラーを務め、以降はアニメなどにも出演するようになります。熱血系や三枚目、兄貴系のキャラクターを演じる機会が多い一方で、クールで寡黙なイケメンを演じるなど幅広い役回りをする事が出来る声優です。

小西克幸さんがこれまでに演じたキャラクターとしては、「アカメが斬る」のブラート役、アルスラーン戦記のシャプール役、「頭文字D」の皆川英雄役、「鬼滅の刃」の宇髄天元役、「ゴールデンカムイ」の鯉登少尉役、「D.Gray-man」のコムイ・リー役、「デュラララ」の田中トム役、「とある科学の超電磁砲」の黒妻綿流役、「東京喰種」の亜門鋼太朗役、「ドラゴンボール改」のギニュー役などを演じています。

小西克幸さんが近年演じたキャラクターとしては「バクテン!!」の高瀬亨役、「迷宮ブラックカンパニー」の二ノ宮キンジ役、「オリエント」の鐘巻自斎役、「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」のギンジ役、「メガトン級ムサシ」のサーザント・エボル役、「ワールドトリガー」の生駒達人役、「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」のヴリトラ役などがあります。

ここからは既に最果てのパラディンを視聴した人のブラッドに関しての感想を紹介していきます。ブラッドは明らかになっている過去からも優れた剣士であった事が感じ取れるのに実際にはかなり脳筋なのが良いという声が多くなっています。

その教えがウィルにも色濃く残っているのが良いという声も多いです。ブラッド自身は最果てのパラディン作中で見れば比較的序盤に退場するにも関わらずその後もウィルを通じて登場している感じがするという声も多くなっています。もちろんブラッドだけじゃなくマリーやガスの影響もあるものの、特に戦闘においてはウィルも脳筋な所があり、それがまた良いという声も多くなっています。

最果てのパラディンにおけるブラッドはその過去や生前よりもウィルの父親としての側面が強く、ウィルが成人して旅に出てからその過去の一端が登場するという形式になっており、結果的にその描き方がウィルにもさらに影響を与えているのが良いという声も多いです。ただ一方でスピンオフ作品なのでブラッド達の過去や生前の冒険などが見てみたいという声も見られる程になっています。

最果てのパラディンのブラッドは主人公ウィルの育ての親で父親的側面を持ったキャラクターです。生前には「戦鬼（ウォーオウガ）」と呼ばれる程の豪傑であり、実際にワイバーンを倒した過去などは今も伝説として残る程になっています。最果てのパラディン作中では不死者となった思いを叶えた事で成仏しており、登場期間は非常に短いものの、主人公ウィルに大きな影響を与えたキャラクターです。

ブラッド本人が退場してからも過去や生前のエピソードが登場するなど最果てのパラディン世界に与えた影響が多い事が分かるキャラクターなのでまだ最果てのパラディンを視聴していない人はブラッドの強さや過去、生前の活躍などにも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？