【無職転生】ヒルダはエリスの母！ルーデウスを嫌う理由と死亡した原因は？

無職転生にてエリスの母親として登場したのがヒルダです。今回はそんなヒルダについてまとめて紹介していきます。

ヒルダが登場する無職転生は2012年から2015年の間、小説投稿サイト「小説家になろう」で理不尽な孫の手先生によって連載された異世界転生ファンタジーです。今でこそ「なろう系」とも呼ばれる異世界転生作品ですが、2012年当時にはまだそのような言葉はなく、無職転生がなろう系作品の先駆者的な存在と言われる作品になっています。

そんなネット小説だった無職転生は2014年からはMFブックスレーベルにて書籍化、コミックフラッパーにて漫画化が行われるなどメディアミックスが開始され、本編はもちろん、スピンオフ作品なども展開、2021年には分割2クールでアニメ化も行われた程の人気作品です。

現代の日本に暮らしていた34歳無職の主人公、高校時代のいじめをきっかけに20年引きこもり生活をしていた彼は両親の死をきっかけに兄弟から見放される形で家を追い出された主人公はトラックに轢かれそうになっていた高校生を助けようとして事故死。しかし気がつくと赤ん坊になっており、自身が異世界に転生した事に気づきます。こうして主人公は前世の記憶を持ったまま「ルーデウス」として2回目の人生を歩む事になるのでした。

ヒルダ・ボレアス・グレイラットはアスラ王国内で強い権力を持つグレイラット家の一員として登場したキャラクターです。エリスの母親にしてフィリップの妻でもあり、初登場の時点で20代前半の年齢でした。赤い髪と豊満な胸が特徴的なキャラクターですが、夫のフィリップと違い登場機会はそこまで多くはありませんでした。

過去の経験から情緒不安定な所がありますが、フィリップらからも仕方ないと諦められている所があります。

夫のフィリップ・ボレアス・グレイラットは無職転生のルーデウス少年期前半の舞台であるフィットア領内にある城塞都市ロアの町長をしている貴族です。ルーデウスの父パウロとは従兄弟の関係にあります。線が細く軽薄な印象があるキャラクターですが、人当たりの良い性格でサウロスや情緒不安定なヒルダを諌める事が出来る数少ない存在です。

しかし過去にはボレアス・グレイラット家の跡目争いにて6つ上の兄ジェイムズに破れた過去があり、ルーデウスを擁立してジェイムズの失脚を狙う腹黒い一面も持ち合わせています。パウロに下級騎士の称号と仕事を与えた過去もあり、評価は低いものの付き合いは良好で、その関係でルーデウスが送り込まれる事になるのでした。

そんなヒルダとエリスの子供として生まれたのが無職転生のヒロインの1人でもあるエリス・ボレアス・グレイラットです。貴族令嬢ではありますが、祖父サウロスの甘さも相まって「狂犬」と称されるほど凶暴な性格に育ってしまいました。過去には貴族学校を暴力事件を繰り返して辞め、また家庭教師も病院送りにしていた程で、仕事を求めていたルーデウスが家庭教師をする事になるのでした。

父であるフィリップにも貴族として生きる事を諦められており、将来は冒険者にでもするしかないと、ギレーヌに剣術を、ルーデウスに魔法と読み書き算術を教えるようにとされていました。基本的には人に習う事を嫌っていますが、納得の行く説明をされると素直に従うなど素直な一面も持ち合わせています。様々な経験を経てルーデウスに好意を抱き、ルーデウスに唯一勝てる剣術で共に戦えるように励む事になるのでした。

ボレアス家にエリスの家庭教師としてやってきたルーデウスは雇い主でもありエリスの父であるフィリップからも幼いながらも優秀として気に入られ、メイド達からも頼りにされるなど少しずつですが信用を得ていきます。そんな中、ルーデウスに対して最初から怪訝な態度を取っていたのがヒルダでした。ルーデウスは胸に見惚れるシーンこそありましたが丁寧に挨拶するのに対し、露骨に嫌な顔をして舌打ちする程でした。

何もしていないのにも関わらずルーデウスがこれほどまでにヒルダに嫌われていた理由はボレアス家の風習が関係していました。ボレアス家には不要な跡目争いを避ける為、権力争いに破れた家の男子は養子として引き取られるという悪しき風習が今でも残っていたのです。フィリップがジェイムズとの跡目争いに破れた事で2人の息子を養子に取られてしまったという過去があったのです。

父であるフィリップはボレアス家の風習として諦めている様子ですが、ボレアス家に後から加わり、自身がお腹を痛めて産んだ2人の息子を取られたヒルダは情緒不安定になる程のショックを受け今尚引きずっているのです。そんな状況で息子達と大して年齢の変わらないよその子であるルーデウスがボレアス家の屋敷の中を我が物顔で歩いている事、それがヒルダがルーデウスを嫌っている理由でした。

ヒルダはルーデウスの舌打ちのように思った事を態度や言葉に出すタイプなのでこの思いを夫フィリップにもぶつけています。それを聞かされたフィリップはさり気なくルーデウスにその話を伝えヒルダを嫌わないで欲しいと話しておくなどフォローしていました。

ヒルダの思いとは裏腹にエリスに家庭教師として受け入れられたルーデウスは長くボレアス家で過ごす内に10歳の誕生日を迎えます。ルーデウス達が暮らすアスラ王国では誕生日を毎年祝う風習がない代わりに5歳、10歳、15歳と区切りの良い歳に盛大にお祝いする風習があります。エリスの誕生日は盛大に祝われましたが、ルーデウスは立場上大きなお祝いは出来ないという状況にありました。

そんな中ルーデウスの状況をよく思わなかったエリスによって身内だけながらもルーデウスの誕生日パーティーが開かれる事になります。サプライズがあるというエリスに対し、パウロ達の登場を期待したルーデウスですが、エリスはパウロ達も呼んだものの来られないと答えます。この時パウロ達の村の周囲に魔物が増えており、騎士であるパウロが離れる事は出来なかったのです。

落胆しながらも「仕方ない」と受け入れるルーデウスに対しこれまでの態度から一変した対応を見せたのが他ならぬヒルダでした。ルーデウスを抱きしめ「あなたはもうウチの子よぉおおお」とルーデウスを受け入れるばかりか、「エリスと結婚しなさい」と言い出す始末です。翌日にはフィットア領転移事件が発生するのでヒルダとルーデウスは最後の最後で和解出来たといえます。

ちなみに和解の最終的な決め手になったのは上記の誕生日パーティーですが、それ以前からヒルダはルーデウスを少しずつ認めていた事も明らかになっています。それまでどのエリスの家庭教師も長く続かなかったのに対しルーデウスはエリスに真摯に向き合い、エリスがちゃんと成長している姿を確認していた為です。これらの思いに誕生日パーティーが重なった結果の行動だったと言えます。

誕生日パーティーの後に起きたフィットア領転移事件。この事件でヒルダは夫のフィリップと共に中央大陸内でアスラ王国の東にある紛争地域に転移してしまいます。紛争地域は小国が入り乱れる地域でヒルダとフィリップはスパイであると疑われてしまうのです。転移前自宅におり自分達がアスラ王国の貴族であると証明出来なかった事もあり、ヒルダ達はスパイとして捕らえられてしまう事になるのでした。

この情報は同じく紛争地域に転移していたギレーヌによって持ち帰られる事になりますが、ギレーヌがフィリップとヒルダを見つけた時には既に拷問を受けて死亡した後でした。ギレーヌが状態を詳しく語らない程に酷い状態であったようで、その後ギレーヌによって紛争地域で埋葬される事になりました。ちなみにギレーヌは埋葬の後、アスラ王国に帰還する前に2人を死亡させた者達に大して報復も行っています。

漫画版ではこのシーンも1コマだけかかれており、その時は既に死亡して時間が経過しているのかハエがたかっているような状態で描かれています。また更に時間が経過した後になりますが、後にルーデウスとエリスがこの紛争地域を訪れ遺体を回収、フィットア領転移事件の責任を取らされ処刑されたエリスの祖父サウロスと同じ墓に埋葬し直しています。

アニメ無職転生にてヒルダの声優を担当していたのが声優の柚木涼香さんです。元々は女優・グラビアアイドルとして芸能界デビューを果たした声優さんですが、1997年に本格的に声優に転向する事になります。アドリブが得意な声優さんとしても知られ、幅広い声質で女性キャラクターはもちろん男性キャラを演じる、また男女両役を務めた経験もあるほどの声優さんになっています。

柚木涼香さんがこれまでに演じたキャラクターとしては「かぎなど」の遠野美凪役、「かみさまみならい ヒミツのここたま」のキラリス役、「トリニティセブン」の不動アキオ役、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の平塚静役、「キルラキル」の鬼龍院皐月役、「快盗天使ツインエンジェル〜キュンキュン☆ときめきパラダイス!!〜」のナイン・ヴァイオレット役などを担当しています。

ここからは既に無職転生を視聴した人のヒルダに関しての感想を紹介していきます。ヒルダがルーデウスに対して露骨に怪訝な態度を見せる理由に関しては原作でもアニメでもそれなりの間伏せられていた為、ルーデウスがどうしてそのような態度を取られるのか分からなかったという声が多くなっていました。初対面でのルーデウスの視線が理由にしてもいくらなんでも嫌い過ぎではという声もあり困惑したという声も多くなっています。

ただそれらの態度も最後の落差を生む意味で良かったという声も多いです。またルーデウスを受け入れてからのエリスに対してのバックアップが良かったという声もあり、ヒルダの性格が良く出ていたという声も多くなっています。それだけにフィットア領転移事件で死亡してしまうという最後はあっさりすぎたという感想も見られます。もっとルーデウスにデレデレになったヒルダを見たかったという声も多くなっています。

アニメ無職転生でヒルダの声優を担当した柚木涼香さんに関しては、安定感があって安心して見れたという声が多くなっています。ママキャラを演じる機会も多いだけにイメージにぴったりだったとする感想や、ツンツンしている所からのデレた感じをママキャラのままに出来るのは演技力の高さを感じるという感想も見られます。

無職転生のヒルダはエリスの母親として登場したキャラクターです。息子2人を取られた過去から情緒不安定でルーデウスに八つ当たりをしているような状態でしたが最後にはルーデウスを自身の息子にしたがる程の愛情の深さを見せています。登場期間は決して長くはなく最後は紛争地域で死亡するという作品的に誰かがその立場になる必要があったとはいえ悲しき結末を迎えたキャラクターにもなっています。

直接的にルーデウスに関わった機会こそ多くはないものの、エリスを通しての関わりも多く、エリスに大きく影響を与えているキャラクターでもあるので、まだ無職転生を視聴していない人はヒルダの行動にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？