2021年09月04日公開
2021年09月04日更新
【ミステリと言う勿れ】焼肉屋(看板娘)のエピソードをネタバレ!数字会話の意味は?
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋(看板娘)のエピソードをネタバレで紹介します。「ミステリと言う勿れ」は「7SEEDS」などで知られる田村由美さんの漫画で、2022年1月よりテレビドラマ化が決まっているミステリー作品です。今回は、そんな「ミステリと言う勿れ」のなかでも人気がある焼肉屋(看板娘)のエピソードをネタバレ込みで紹介します。焼肉屋(看板娘)との数字会話にはどんな意味があるのでしょうか?そして、謎が多い美女のライカについてのネタバレも紹介します。
目次
ミステリと言う勿れとは?
ミステリと言う勿れの概要
「ミステリと言う勿れ」は「7SEEDS」「猫mix幻奇譚とらじ」といった作品で知られる田村由美さんが作者の漫画作品で、「別冊少女コミック」2017年1月号に読み切り作品として掲載されました。その後、「月刊フラワーズ」2018年1月号から連載開始した「ミステリと言う勿れ」は2021年7月に9巻が発行されています。また、「ミステリと言う勿れ」は2021年7月時点で累計発行部数は900万部を突破しました。
そんな「ミステリと言う勿れ」は雑誌「ダ・ヴィンチ」2018年8月号でプラチナ本として紹介されたほか、2019年に「このマンガがすごい! 2019 オンナ編2位」「マンガ大賞2019 2位」を獲得しています。そして、2022年1月から菅田将暉さん主演でドラマ放送されることが決定しました。
ミステリと言う勿れのあらすじ
大学生の久能整は高校時代の同窓生である寒河江が殺害事件について警察署で事情聴取を受けます。殺人事件の疑いをかけられた久能整は、歯に衣着せぬ物言いで犯行を否定しました。それでも疑いが晴れず、任意で警察で次長聴取を受ける日々をすごします。そんななかで、刑事たちとの会話から事件の真相へと近づいていきます。
ミステリと言う勿れの焼肉屋(看板娘)のエピソードをネタバレ
ミステリと言う勿れの焼肉屋の話は何話?
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋(看板娘)のエピソードが収録されているのは、6巻18話(episode9)です。基本的に「ミステリと言う勿れ」のエピソードは複数話にまたがる長編です。しかし、焼肉屋(看板娘)は短編で6巻に収録されている「デートならぬ遠出(トーデ)」の1話完結の物語です。
このエピソードは、主人公の久能整とライカのデートが描かれます。久能整とデートをする謎の美女ライカについては、のちの項でネタバレ込みで詳しく紹介します。
ミステリと言う勿れの焼肉屋の内容をネタバレ
ここからは「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋(看板娘)の内容をネタバレ紹介します。久能整はライカと一緒に行った初詣の帰りに、目に止まった焼肉屋に入ろうとライカに誘われました。その焼肉屋には若い女の店員こと看板娘と、父親らしき店員がいました。父親はライカたちに店じまいを伝えようとしましたが、看板娘は「せっかくのお客さんだから」と2人を店内に招き入れます。
2人にお冷とおしぼりをだす看板娘ですが、なぜかその手は震えていました。そして、この店内にある不穏な雰囲気に気づいたライカは、自省録を使用した数字の会話でそのことを久能整に伝えました。ちなみに、自省録とは第16代ローマ皇帝のマルクス・アウレリウス・アントニヌスが政治家としての日々や悩みについて書き留めた備忘録です。
この自省録を使った数字の暗号のネタバレについては、このあとの項で紹介します。2人の数字を使った会話を聞いた焼肉屋の看板娘は、同じく数字を使って自らの危機を2人に伝えようとします。実は、父親らしき人物は父親ではなく、指名手配中の強盗犯でした。看板娘は焼肉屋のメニューの頭文字や硬貨をつかって、2人に必死に現状の危機を伝えました。
ちなみに、そのときの強盗は家族のふりを続けてこの場をやり過ごそうとします。久能整とライカは焼肉を食べ終わったあと、とくにアクションを起こすことなく焼肉屋から立ち去ってしまいます。必死の暗号が伝わらなかったことに愕然とする焼肉屋の看板娘、しかしすぐに久能整たちはボールペンを忘れたという理由で店に戻ってきます。
2人が焼肉屋に戻ってきた理由はもちろんただの忘れ物だけではありません。久能整は忘れ物を受け取って帰ろうとするときに、「なぜドラマでは、追いかけている犯人に遠くから声をかけるんでしょうね」と意味深な問いかけをします。強盗はその言葉が意味することを理解できないでいると、そこへ警察官たちが踏み込んできて逮捕しました。これは、2人が焼肉屋から出たタイミングで通報した結果です。
久能整とライカがマルクス・アウレリウス・アントニヌスの自省録を使った数字での会話、それが暗号だと気づいた焼肉屋の看板娘。そして、メニューを使って暗号で伝えようとした機転がすごいという感想が数多くあります。1話で完結する物語なので、気軽にチェックしてみてください。
ミステリと言う勿れの焼肉屋のエピソードの謎や意味を考察
考察①数字の会話・暗号の意味
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋のエピソードの謎や意味を考察します。この項でも焼肉屋(看板娘)のネタバレがあるので注意してください。まずは、2人の数字での会話や意味についてです。焼肉屋(看板娘)のエピソードネタバレの項で紹介した通り、2人の会話はマルクス・アウレリウス・アントニヌスの自省録を使ったものです。それでは、自省録を使ってどのような暗号をつくったのかを考察します。
最初に登場した「116‐2‐19・20・8」という数字、これは「ページ数-行-文字カウント」というシステムになっています。つまり「116ページ2行目19・20・8文字」ということです。自省録の該当ページをチェックすると「み・た・か」、すなわち「見たか」という意味になります。続いて登場する「100‐9‐29~31」は「100ページ9行目29から31文字」です。
これは「ひどく」となります。このシステムの暗号を最後まで解読すると「見たか、ひどく緊張している。父のふりをしている、強盗」になりました。ちなみに、とっさにこんな会話ができた理由はライカがマルクス・アウレリウス・アントニヌスの自省録を毎日読んでいたというエピソードがあるためです。この暗号の会話のおかげで、久能整は現状の危険性を把握できました。
そして、2人の数字での暗号を聞いていた焼肉屋の看板娘。彼女は助けを求めるために、自分も暗号で2人に現状を伝えようとします。それが続いて紹介する5円・10円の意味です。
考察②女の子が出した5円・10円の意味
それでは、焼肉屋の看板娘が5円・10円の硬貨で伝えようとしたことをネタバレ考察していきます。はじめての焼肉屋だった久能整は、焼肉屋のシステムに慣れていなくてメニューの「カルビ・タン・ハラミ」といった意味や注文システムがわからずに戸惑っていました。そんな久能整に対して看板娘が「小銭を落としていませんか?」と問いかけます。そのとき彼女の手には5円・10円の硬貨がありました。
それに対して2人は「落としていない」と答えます。すると看板娘は「ゴーヤトーフです、フヤフヤじゃないけど」と不思議なことを言いつつ、サービスで普通の豆腐を出しました。このときライカは意味深な表情をしていますが、久能整はまだ初めての焼肉屋のパニックが収まっていません。そこで久能整はこのままでは注文できないということで、看板娘におすすめメニューを訪ねました。
おすすめメニューを聞かれた看板娘は「タン塩・酢モツ・ケジャン・テールスープ」という、焼肉屋の素人にはあまりおすすめしないケジャンやメニューにない酢モツといった独特な提案をしました。これに対して父親を装っている強盗は「やっぱりカルビ、ハラミ、ロースだろ」と口を出します。ここでやっとなにかに気づいた久能整、看板娘の暗号を読み解きます。
彼女が出した5円・10円の硬貨、これは「ご」「とお」という読みになる続けて読むと「ごとお」。「ごとお→ごうとう」ということで、店内に強盗がいることを伝えようとしました。そして、サービスの豆腐についてネタバレ考察します。「フヤフヤじゃない」は「フヤない」という意味になります。「ゴーヤードーフ」から「フ」「ヤ」をなくすと「ゴートー」、つまり「強盗」。硬貨の暗号と同じ内容です。
最後におすすめメニューのネタバレ解説です。違和感を抱くおすすめメニューの「タン塩・酢モツ・ケジャン・テールスープ」。これは、それぞれのメニューの頭文字を読めば解読できます。つまり「タスケテ」「助けて」という意味です。看板娘は硬貨・豆腐・メニューの暗号をつかって、強盗から助けてほしいと2人に伝えようとしていました。その結果、2人は通報して強盗が逮捕されるという結果になります。
ちなみに、ライカがこの焼肉屋に行こうと言ったことには理由がありました。それは、普段は開いていない時間の焼肉屋が開いていて不審に思ったからとのことです。ライカや看板娘の機転のおかげで事件が解決したエピソードといえます。
ミステリと言う勿れのライカの正体
考察①放火犯に頼んだ過去がある?
ここからはライカの正体についてネタバレ考察していきます。ちなみに、ライカが初登場したのは「ミステリと言う勿れ」4巻episode7「暖かいのか温かいのか」です。このときに2人は数字の暗号で会話をして、ライカが入院していることや妹がいること、そして自省録を丸暗記していることなどをライカは久能整に伝えました。そんなライカには放火犯に頼んだ過去があるようです。
これは「ミステリと言う勿れ」5巻に登場、子供を虐待している親を放火で焼き殺している井原香音人と下呂陸人が登場するエピソードです。ライカは過去に幼少期に虐待を受けていた経験があり、その虐待から妹の千夜子を守るために放火を依頼したというものです。ライカは香音人に暗号で「感謝する、君の火に助けられ、苦悩は過ぎ去り、私は喜びに満ちている」と伝えました。
考察②桜が咲く頃にはこの世にいない?
続いて紹介するのは、ライカが桜が咲く頃にはこの世にいないと久能整に伝えたということです。これは、2人がはじめて会ったときに数字の暗号で会話したときに登場したものです。冬で花が咲いていない桜の木の下でライカは「この桜が咲くころには、私はこの世にいないけどな」と伝えました。このことから、桜が咲く4か月程度先にはすでに余命が尽きることを覚悟していることがわかります。
しかし、これはライカの肉体が死ぬのではないかもしれないという考察があります。それは、余命が短いわりに元気に活動していたり、この記事で紹介した焼肉屋に行くシーンが描かれているためです。ここで死ぬのは、妹の千夜子を守るために生み出した2つ目の人格、つまりいま暗号で話している脳内の「ライカ」が死ぬことではないかという説です。
考察③リストカットのような傷
続いて考察するのは、ライカの腕にあるリストカットのような傷跡についてです。焼肉屋に行ったときに、はじめて久能整はライカの傷跡に気が付きました。このときライカは「私が自分でやったわけではない」という意味深なことを言います。そして、この言葉が本当だったことについては次の項で紹介します。
考察④解離性同一性障害だった
いつものようにライカを見舞いに病院へとやってきた久能整、そこで車いすで押されている女性を見かけます。看護師は彼女に「寒くない?千夜子さん」と言葉をかけました。千夜子という言葉で振り返る久能整、そこにはライカにそっくりな女性が車いすに乗っていました。そして、久能整は「ちやこさんのお姉さんのライカさんと知り合い…」と話しかけますが、看護師に「この子に姉はいません」と切り捨てられます。
何が起きているか理解できない久能整、その後ライカと話したときに「双子だったの?」と問いかけます。それに対してライカは「違う」と否定しました。ここでライカが話した真実は、ライカが解離性同一性障害だと告白します。解離性同一性障害はかつては多重人格と呼ばれたものです。ライカの正体は千夜子で、虐待を受けるなか自己防衛として複数の人格を受けました。
ライカは父親から性的な虐待を受けていたときに生まれた人格、その名前の由来は父親が唯一大切にしていたカメラの「ライカ」です。この名前になった理由は、どこかで父親に大切にされたカメラのようになりたいと思っていたからかもしれないとライカは分析します。また、かつてはライカ以外にも多数の人格がいたそうですが、両親の死亡や治療の結果人格が統合されていきます。
そして、ライカも春には統合されて消えてしまうという診断がでています。つまり、春まで生きていないというのはこのライカの人格。そして、リストカットした跡はライカではなく千夜子のものでした。
ミステリと言う勿れの焼肉に関する感想や評価
ミステリと言う勿れ#本棚晒す
— 紫@強くなりたいHSP (@murasaki_am) May 30, 2021
ネットの広告にまんまと釣られて、大人買いした漫画w
焼肉屋さんの話が好きです。 pic.twitter.com/pSuCttQnyw
「ミステリと言う勿れ」にはさまざまなエピソードが描かれていますが、そのなかでも焼肉屋のエピソードがもっとも好きという方がいます。
ミステリと言う勿れ7巻、今回もめっちゃ面白かった✨ 田村由美さんはほんと引き出しが多すぎる…!また1巻から読み直したい。ライカさんと焼肉した話が好き。 pic.twitter.com/w5VID7Xula
— つろがね@シルヴァーハンド (@alexandle_DD) September 12, 2020
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋エピソードが好きな方は、同時にライカが好きという方がいます。
ミステリと言う勿れを読み返してて思うのは、焼肉屋の娘さんの機転力と頭の回転の速さとその実行力は個人的には脱帽レベル。
— タカヒロ (@TaKaSaKa331) October 13, 2020
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋のエピソード、看板娘の機転と頭の回転がすごすぎるといった感想がたくさんありました。
ミステリと言う勿れの焼肉まとめ
「ミステリと言う勿れ」の焼肉屋のエピソードやライカのネタバレまとめについて紹介しました。1話完結ですが、見どころがたくさんあるとして人気のエピソードです。また、ライカも魅力的なキャラクターとして人気があります。まだこのエピソードを読んでいない方はチェックしてみてください。