2021年08月27日公開
2021年08月27日更新
【サマーウォーズ】花札「こいこい」のシーンがおかしい?ゲームのルールや意味を解説
「つながりこそが、ボクらの武器。」をキャッチコピーにしたアニメ映画『サマーウォーズ』。本作は世界との繋がりや家族との繋がりをテーマにした作品らしく、世界中の人々が花札「こいこい」のゲームで夏希を「こい!」「こい!」と応援しているシーンが印象的です。しかしネット上では、『サマーウォーズ』の花札「こいこい」がおかしいと言われることがあるようです。そこで当記事では花札「こいこい」のおかしい理由やゲームのルール、意味を解説していきます。
目次
サマーウォーズとは?
サマーウォーズの概要
『サマーウォーズ』とは、『時をかける少女』を手掛けたことで知られる細田守監督のアニメ映画です。また、細田監督の過去作『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』との類似点が散見されています。本作は脚本の奥寺佐渡子やキャラクターデザインの貞本義行などのスタッフが制作し、2009年8月1日公開から4カ月で観客動員数が123万人を越える大ヒット作となりました。
サマーウォーズのあらすじ
ここでは『サマーウォーズ』のあらすじを簡単にまとめていきます。本作は世界中の人々がパソコンや携帯電話、テレビなどから自分のアバターを操作し、ショッピングや行政手続き、eスポーツなどさまざまなサービスが利用できる、インターネット上の仮想世界OZ(オズ)が存在する世界です。
物語はそんな仮想世界の保守点検のバイトをしていた高校2年生の健二が、憧れの先輩である夏希からバイトに誘われたことを機に始まります。そのバイトとは、一緒に夏希の実家に行くことでした。その後夏希の実家を訪れたはいいものの、健二の携帯電話に送られてきた謎のメールを開いたことで大事件に巻き込まれることとなります。
サマーウォーズの花札「こいこい」のシーンがおかしいといわれる理由
ネット上では『サマーウォーズ』の花札「こいこい」のシーンがおかしいという声が挙がっているようです。花札「こいこい」で勝負しているシーンはいくつか存在していますが、その中でもおかしいと言われているのが夏希とラブマシーンとの勝負です。そこでここからは、ラブマシーンとの勝負でみられたおかしいと言われる要素や理由を解説していきます。
理由①夏希の役はありえない確率になっている?
出典: https://qetic.jp
花札「こいこい」のシーンがおかしいと言われる理由の1つに「夏希の役が揃う確率」があります。おかしいと言われる夏希の役は以下の通りです。
- 「柳に小野道風」を除く光札3枚(三光)で「こいこい」
- 「牡丹に蝶」「紅葉に鹿」「荻に猪」の3枚(猪鹿蝶)で「こいこい」
- 松、梅、桜の短冊の3枚(赤短)で「こいこい」
- 「柳に小野道風」を含む光札4枚(雨四光)で「こいこい」
- 光札5枚(五光)で上がり
作中では夏希がこのような流れで上がっているのですが、そもそも一つのゲームでこれほど点数の高い札が出揃うのはあり得ません。実際に花札をやってみると猪鹿蝶を揃えるだけでも大変で、これらの役を出す確率というのはざっくり言うと0.01%あるかないかくらいだそうです。
ただ、『サマーウォーズ』の夏希とラブマシーンとの対戦をよく見てみると50回戦もやっているようなので、対戦ごとに高得点の上がり札が出ていることも考えられます。そのため同じ回で高得点の役が連発しているのではなく、回ごとに出揃う高得点の役を出しているとも考えられるでしょう。
理由②世界中の人々が花札を知っている?
続いて花札「こいこい」のシーンがおかしいと言われる理由の1つに「世界中の人々が花札の存在を知っている」というのがあります。『サマーウォーズ』が世界との繋がりをテーマにしているように、作中では世界中の人々が自分のアバターを夏希に預けて「こい!」と応援するシーンが印象的です。
しかし、そもそも花札は日本の歴史あるゲームであり、現代の日本人でも花札のルールを知らない人が多いです。また、花札を日常で遊ぶ機会もないかもしれません。そんな中、なぜ世界中の人々(外国人)が存在を知っているのか、またルールを理解できるのか?という疑問が生じます。
ただこのおかしい点については、そもそも『サマーウォーズ』の世界は仮想空間OZとなっており、世界中の人々がアバターを操作する際に隔たり無く繋がれる工夫がされているため、夏希がラブマシーンと戦っている時にルールを言語変換して解説していることも考えられます。
理由③ラブマシーンが負け続ける
続いて花札「こいこい」のシーンがおかしいと言われる理由の1つに「ラブマシーンが負け続ける」というのがあります。夏希が花札で戦うラブマシーンは知識欲を持ったAIで、1体だけで何百何何千人分の膨大な知識を吸収・保有しているはずです。そんなラブマシーンが戦略ゲームである花札で負け続けるのは確かにおかしいと言えるでしょう。
実際にラブマシーンが勝ったのは49回戦でした。コンピューター相手に人間の頭脳だけで勝てるのはあり得る話ですが、50回戦もやって負け続けているのは流石にあり得ないのではないでしょうか?
いくら夏希が幼少期からおばあちゃんに「こいこい」のテクニックを仕込まれているからといっても、手札を引くという作業には勝敗の分岐点となる「運」の要素も関係しています。ラブマシーンが素人とは言えど、運が関係しているゲームであり、知識を吸収していくAIであることから負け続けるのはやはり不自然です。
サマーウォーズの花札「こいこい」のルールや意味を解説
ここまで『サマーウォーズ』の花札「こいこい」がおかしいと言われる理由を、「夏希の手札が揃う確率」や「世界中の人々が花札を知っている」、「ラブマシーンが負け続ける」といった要素を元に考察してきました。では、ここからは花札「こいこい」のルールや意味を解説していくので、なぜ花札「こいこい」がおかしいと言われるのかを具体的に理解していきましょう。
「こいこい」のルールやゲームの流れ
ネタバレ①親と子を決める
「こいこい」のゲームの流れは、初めに「親」と「子」を決めるところから始まります。親と子とは、どちらが先に手札を引き始めるのか?その順番を決める作業です。そして決め方は裏返しで山にした手札(全48枚)から2人が一枚ずつ引き、その手札の月数が小さい方が親になるといった流れになります。仮に2人共同じ月を引いた場合は、得点が高い手札を引いた人が親になります。
ネタバレ②親は手札を配る
次に、親に決まった人が子に手札を配ることとなります。配り方は裏向きで子に8枚、表向きで場に8枚、裏向きで自分に8枚です。そして残った手札は山札として裏向きで置いておきます。
ネタバレ③ゲームを開始する
花札は「親を決める」「親が手札を配る」の手順を踏むことで準備が整います。こうして花札「こいこい」ゲームを開始することとなりますが、ゲームの基本は「場と同じ月の札が自分の手札にあれば手札を出し、場の札と共に手札に加える(取った札は相手に見えるように)」というものです。そして場の札と共に手札に加えたら場に札を補充しなければならないため、山札から一枚を場に置きます。
しかしもし山札からめくった札が、場と同じ月の札であればそれも獲得することができます。このゲームの基本を「親」と「子」が交代でおこなうのですが、次々と自分の手札と場の札を合わせて獲得していくのには「役(組み合わせ)を作る」という目的が関係しています。
花札「こいこい」のルールにはさまざまな役が設定されており、ゲームではその役を揃えさせないように役作りを妨害しながら自分の役を作っていかなければなりません。そして役を作った方が「勝利」となります。
「こいこい」の意味を考察
「こいこい」のゲームの流れについて解説しましたが、そもそも「こいこい」の意味とは何なのでしょうか?「こいこい」の意味にはルールと決めセリフが関係していると考えられているようです。ここからは、「こいこい」の意味をルールとしての意味と決めセリフとしての意味に分けて考察していきます。
考察①ルールとしての意味
「こいこい」は役を作った後に勝負をかけます。勝負をかける際に「勝負」か「こいこい」を宣言するのですが、それぞれの意味は異なっています。「勝負」が現状の役であがりを意味するもので、「こいこい」がさらなる得点加算を狙って次の順番まで待機するという意味がありました。
このルールが駆け引きの要素を生み出しており、自分が強い役を狙えそうな場合や別の役を組み合わせて得点が加算できそうだと見込んで「こいこい」と宣言した際は、相手と自分が取った札や残りの山札などを見ながら計算していきます。そのため、「こいこい」と宣言するのは非常にリスキーな選択をするのを意味します。ゲームの流れとルール設定がゲームでのお面白い点で、「こいこい」と宣言するのかどうかの分岐点が勝敗を大きく分けます。
考察②決めセリフとしての意味
「こいこい」にはゲームのルール以外に「世界の人と繋がるためのキーワード」としての意味があると考えられます。まず『サマーウォーズ』のキャッチコピーは「つながりこそが、ボクらの武器。」です。
そして作中では、インターネット上の仮想世界OZを世界中の人々が利用しており、その人々がラブマシーンと勝負する夏希のことをスマホやパソコンを経由して「こい!」「こい!」と応援していました。世界との繋がりや家族との繋がりをテーマにした『サマーウォーズ』は、そのテーマを意識させるための決めセリフ、キーワードとして「こいこい」を設定したと考えられます。
サマーウォーズの花札の役と点数・月一覧
出典: https://note.com
『サマーウォーズ』の花札「こいこい」のルールやゲームの流れは、まず役を作った後に「勝負」か「こいこい」と宣言するというルールが設定され、次に「親と子」を決めた後に親が手札を配ってゲームを開始するといったゲームの流れになっていました。ここでは花札「こいこい」の役と点数・月を一覧で紹介していくので、先に紹介したルールとゲームの流れを踏まえた上でご覧ください。
花札の役と点数一覧
- 花札の役・五光:点数10点
- 花札の役・四光:点数8点
- 花札の役・三光:点数5点
- 花札の役・花見で一杯:点数5点
- 花札の役・月見で一杯:点数5点
- 花札の役・猪鹿蝶:点数5点
- 花札の役・赤短:点数5点
- 花札の役・青短:点数5点
- 花札の役・タネ:点数1点
- 花札の役・タン:点数1点
- 花札の役・カス:点数1点
- 花札の役・赤短と青短の重複:点数10点
花札の月一覧
- 花札の1月:松
- 花札の2月:梅
- 花札の3月:桜
- 花札の4月:藤
- 花札の5月:菖蒲
- 花札の6月:牡丹
- 花札の7月:荻
- 花札の8月:ススキ
- 花札の9月:紅葉
- 花札の10月:菊
- 花札の11月:柳
- 花札の12月:桐
サマーウォーズのこいこいに関する感想や評価
サマーウォーズの花札おかしい
— くりじゅん (@kurijun0518) July 3, 2015
雨四光とかそんな簡単にできないわ笑笑
こちらでは『サマーウォーズ』に登場する花札「こいこい」に関する感想や評価があがっています。感想では「サマーウォーズの花札おかしい」と言われており、他の感想ではじゃんけんで100連勝するくらいの勝率だと言われていました。また雨四光は簡単にできるものでないとも言われているので、花札「こいこい」のルールを知っている方は雨四光がどのくらいの頻度で揃うのかを確認してみるのも良いでしょう。
花札は毎日やってる(ゑ
— けふ。@グリム (@10_kefu_09) August 25, 2021
親に付き合わされてやってたけどサマーウォーズ見てから楽しくなった
こちらでも『サマーウォーズ』に登場する花札「こいこい」に関する感想や評価があがっています。どうやらこの方は『サマーウォーズ』を見てから花札が楽しくなったようです。感想では「親に付き合わせれてやってた」とのことから、日常で花札をやってる方もいることが分かります。当記事で花札に興味を持った方はぜひやってみてください。
サマーウィーズの暗号動画見て思い出したが、花札シーンもルール知ってるとかなりアレ
— 篝町狐懐 (@akamu_ver23) July 19, 2021
こちらでは『サマーウォーズ』に登場する花札「こいこい」のルール知ってるとかなりアレと言われています。ルールを知ってる上で「かなりアレ」と言われていることから、おかしいという意味を示しているのでしょう。ただ、他の感想では花札でアカウントが増える時に号泣したという声もあがっているので、花札で勝つのを前提にしなければ視聴者の心を動かすことはできなかったと言えるでしょう。
サマーウォーズのこいこいまとめ
『サマーウォーズ』に登場する花札「こいこい」のシーンがおかしい?ということで、花札「こいこい」のゲームのルールや意味を解説してきましたがいかがでしたか?『サマーウォーズ』の花札「こいこい」がおかしいと言われるのには「「夏希の手札が揃う確率」や「世界中の人々が花札を知っている」、「ラブマシーンが負け続ける」といった理由がありました。
また当記事では、花札「こいこい」のルールや意味、花札の役と点数・月を一覧化しています。『サマーウォーズ』の花札「こいこい」に興味を持たれた方は花札「こいこい」のルールや意味、花札の役と点数・月一覧を参考にしつつ、『サマーウォーズ』に登場したおかしいと言われるシーンをご覧になってみてください。