【時をかける少女】千昭が見たかった絵の意味とは?魔女おばさんのセリフを考察

時をかける少女に登場する重要アイテムの絵画。こちらの記事では、千昭が未来からタイムリープする理由となったこの絵の意味・名前などをご紹介します。千昭が生まれた時代と真琴たちの時代の関係性や、真琴と千昭のその後についても考察をご紹介。時をかける少女に登場するこの絵画についての情報や、視聴者の感想などをまとめているので、時をかける少女ファンの人や絵についての情報を見直したいという人はこちらの記事をチェックしてみてください。

【時をかける少女】千昭が見たかった絵の意味とは?魔女おばさんのセリフを考察のイメージ

目次

  1. 時をかける少女とは?
  2. 時をかける少女の絵の意味は?魔女おばさんのセリフから考察
  3. 時をかける少女の絵を千昭が見に来た理由は?未来と関係がある?
  4. 時をかける少女の真琴と千昭はその後未来で再会できた?
  5. 時をかける少女の絵に関する感想や評価
  6. 時をかける少女の絵の意味まとめ

時をかける少女とは?

時をかける少女の概要

こちらの記事でご紹介する作品『時をかける少女』は2006年に公開された細田守(ほそだまもる)監督のアニメ映画作品です。アニメーションはマッドハウスが製作しており、『第30回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞』や『第39回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門最優秀長編作品賞』など日本国内だけではなく海外からも栄えある章を受賞しています。

時をかける少女は夏を舞台とした物語ということで知られていることもあり、夏になると地上波放送で放映されることも多い作品。キャッチコピーは「待ってられない未来がある」です。時をかける少女のキャラクターの声を当てたのは、仲里依紗(なかりいさ)さんや石田卓也(いしだたくや)さんといった主に実写作品を演じている俳優で、専業の声優を使用していないのも特徴です。

この2006年に公開されたアニメ映画・時をかける少女には原作があり、小説家や劇作家として活躍している筒井康隆(つついやすたか)さんが1963年に発表したSF小説『時をかける少女』を元にしているアニメ作品です。

今回ご紹介する『時をかける少女』は原作小説と同じタイトルですが、内容は別のものとなっており、筒井康隆さんの原作小説・時をかける少女の20年後の物語が描かれています。アニメ映画・時をかける少女には原作小説の主人公・芳山和子(よしやまかずこ)が主人公・紺野真琴の祖母として登場しており、原作ファンも楽しめる一作となっています。

時をかける少女のあらすじ

高校2年生の少女・紺野真琴(こんのまこと)は友人関係にある津田功介(つだこうすけ)、間宮千昭(まみやちあき)と普通の学生生活を送っていました。ある日、理科準備室で不審な人影を目撃した真琴はその後を追います。そしてその人物に声をかけようとした際に真琴は転倒。地面に落ちていた種のようなものを肘で割ってしまいます。その日から真琴は同じ時間を何度もタイムリープできる力を手に入れるのでした。

『時をかける少女4DX』公式サイト

時をかける少女の絵の意味は?魔女おばさんのセリフから考察

時をかける少女に登場するキーアイテムの絵画。『白梅二椿菊図』と名前が付けられたこの絵は、千昭が真琴たちの時代にタイムリープする理由を作った、物語に大きく関係してくる絵です。この絵は真琴の叔母関係にある原作小説『時をかける少女』の主人公・芳山和子(魔女おばさん)が勤める美術館に展示してある絵。

千昭が初めてこの絵を見に美術館を訪れた際には、魔女おばさんが絵の修復にあたっていたため見ることができませんでした。こちらの項目ではそんな『白梅二椿菊図』が描かれた時代背景やテーマを、魔女おばさんのセリフから考察していきます。

考察①絵の名前は「白梅二椿菊図」

千昭が現代にタイムリープする理由となった『白梅二椿菊図』。魔女おばさんの修復作業が終わり、展示スペースに飾られたシーンでは絵の隣に名前が表記されており、『白梅二椿菊図』という名前であることが判明します。しかし、この絵の名前の読み方については時をかける少女の物語の中では登場していないため、正式な読み方は発表されていません。

ネットの考察では、江戸時代の絵師・尾形光琳(おがたこうりん)の『紅白梅図屏風』を"こうはくばいずびょうぶ"と読んだり、同じく江戸時代の絵師・呉春(ごしゅん)の『白梅図屏風』を"はくばいずびょうぶ"と読むことから、「白梅」の部分は"はくばい"と読み、「二」はカタカナ読み、「椿」を訓読みで"つばき"、「菊」を音読みで"きく"と読む"はくばいにつばききくず"という読み方ではないかと考察されています。

考察②大戦争や飢饉の時代に描かれた絵?

『白梅二椿菊図』という名前を持つこの絵。時をかける少女の物語の中ではこの絵について「大戦争や飢饉の時代に描かれた、何百年も昔の絵」と言われていました。そんな厳しい時代の最中、なぜこんな人の心を惹きつける絵をかけたのかと疑問が溢れました。

この絵を見るために未来からやってきた千昭は「川が地面を流れているのをはじめて知る」「空がこんなに広いことを知る」と口にしていたことから、千昭が生まれた時代もこの絵が生まれた時代と同じように人々が生活に苦しみ荒廃した世界だったのではないかと考察できるのではないでしょうか?

考察③生命の誕生がテーマになっている?

時をかける少女のメインキャラクターである千昭との関係が深い『白梅二椿菊図』。この絵には人を惹きつける魅力があり、そのテーマとなっているのは「生命の誕生」ではないかと考えられます。この絵の中心には女性のような顔が描かれており、四つの丸い玉のようなものを抱えています。

女性がこのような構図で抱えているものといえば子供であるイメージが強いため、この丸いものも子供をイメージしていると考えることができるのではないでしょうか?苦しい時代にあっても、子供を愛する慈しみの心や、子の成長の尊さは失われていなかったという思いを描いたものではないかとも受け取ることができます。

また、この女性が抱えている丸い玉は、青い色合いから地球のようにも見えます。大戦争や飢饉の時代に描かれたことを踏まえて考えると、「青い地球を守りたい」「平和な世の中であってほしい」という意味が込められているとも考えられます。

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時をかける少女の絵を千昭が見に来た理由は?未来と関係がある?

時をかける少女の千昭が真琴達の時代にタイムリープしてきた理由に大きく関係する『白梅二椿菊図』という名前の絵。なぜ千昭はこの絵を見にタイムリープしてきたのでしょうか?こちらの項目ではこの『白梅二椿菊図』という名前の絵と千昭の時代にどんな関係があるのかを考察していきます。

考察①元々未来に存在していた絵だった?

時をかける少女の映画の中で千昭はこの絵を「もう残っていない絵」だと表現していました。しかし、自分の時代に残っていない、見たこともない絵をなぜタイムリープまでして見に来ようと思ったのでしょうか?1つの予想として、元々は千昭の生きていた時代にあったけれど、"ある日からなくなってしまった"という仮説が立てられます。

その予想に一役買うのが、魔女おばさんが主人公として活躍した原作小説『時をかける少女』です。原作小説・時をかける少女の中では、魔女おばさんの同級生として深町一夫という少年が登場します。この少年は真琴たちの時代よりもずっと先の未来、2660年からやってきたという設定がある人物。

千昭と同じく未来からやってきたこの深町少年が、タイムリープして来た際に『白梅二椿菊図』の絵も一緒に持ってきたのではないかという予想がこの説です。この仮説を使用すれば、この絵が千昭の時代に元々あり、千昭が存在を知っていったことにも納得がいくのではないでしょうか?そして深町少年が過去に持って行ったことにより、千昭は「もう残っていない絵」と表現したのではないかと考えられます。

考察②苦しい時代でどのようにして乗り越えたのか知りたかった?

過去にタイムリープしてまで千昭が見たがっていた『白梅二椿菊図』という名前の絵。なぜ千昭はそうまでしてこの絵を探し続けたのでしょうか?それは千昭の時代と同じような状況にあった時代に描かれた絵だということが関係しているのではないかと思われます。真琴たちの時代に来て「川が地面を流れているのをはじめて知る」「空がこんなに広いことを知る」と、現代では当たり前のことを珍しそうに語った千昭。

時をかける少女のラストで千昭は真琴から隠れながら現代での思い出を語ります。楽しかったと言いながらもその表情は暗く、自分の時代に帰ることを嬉しく思っているようには見えない態度でした。そういったことから、千昭が生まれた時代は真琴たちの生きている時代よりも過酷な状況だったのではないかと予想できます。

それは『白梅二椿菊図』と名前を付けられた絵が描かれた時代と同じような環境だったのではないかと考えられます。しかし悲惨な環境だったにもかかわらず、見る人に優しさや希望を与えられる絵を描いた人物がいる。それなら千昭もその絵を見て、作品の制作者の感じたことや気付いたことを元に、自分の生まれた時代の過酷な環境を乗り越える術を学ぼうと思ったのかもしれません。

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時をかける少女の真琴と千昭はその後未来で再会できた?

考察①千昭の最後のセリフの意味

タイムリープの能力で同じ日々を何度もやり直していた真琴。しかしタイムリープができる回数は決まっており、真琴は最後の1回まで使いきってしまいます。その直後、故障している自転車に乗った功介とその後輩・果穂が真琴の横を通っていきます。ブレーキが効かない自転車は坂道を加速しながら坂道を下っていき、そのまま電車と衝突。その時間軸の功介と果穂は死亡してしまうのでした。その後、真琴は毎日泣いて過ごしていました。

そんな彼女を見た千昭は、功介たちの死を無かった事にするため、自分のタイムリープの能力を使います。そして自分が未来から来た存在だと真琴に告げ、千昭はそのまま姿をくらましてしまうのでした。そんな別れ方に納得できなかった真琴は、千昭がタイムリープしたことにより自分のタイムリープの回数が戻っていることに気付き、再度過去に戻ります。

そして千昭に自分がタイムリープしていることや千昭が未来から来たことを知っていると告げます。そして秘密を知られてしまった千昭は未来に帰ることになります。真琴との最後の時間、千昭は夕方の見える土手で真琴に「未来で待ってる」と告げ姿を消しました。

もうタイムリープの力も残っていないうえに、未来にタイムリープする方法も持っていない真琴にこの言葉を送ったということは、「未来で待ってる」という言葉の意味は"真琴が未来に来るのを待っている"という意味ではなく、"別のものを待っている"という意味の可能性が高いと考えられます。

それでは千昭が待っているものとはいったい何なのか?それは千昭がずっと見たがっていた『白梅二椿菊図』である可能性が高いのではないでしょうか?友人として信頼関係を積み上げてきた真琴と千昭。千昭は白梅二椿菊図を自分の目で見たいという夢を、親友である真琴がつなげてくれると信じ、未来へ帰っていったのだと受け取ることができます。

考察②真琴と千昭は未来で再会する?

真琴に「未来で待ってる」と告げて姿を消した千昭ですが、上記で考察したように、"実際に真琴を待っている"という意味ではないと考えられます。「川が地面を流れているのをはじめて知る」「空がこんなに広いことを知る」という千昭の言葉から、未来とはいっても10年や数十年という近い未来の話ではなく、地球が徐々に蝕まれ今とは全く別の世界になるほど長い年月の先に千昭は生きていると考えられます。

そのため真琴がいくら長生きしても千昭が生まれた時代まで生きることは不可能でしょう。なら、千昭のように未来から来た人物が真琴を未来に連れ帰るということはできないでしょうか?その方法についても可能性は低いと考えられます。もし過去の人間を未来に連れて行けるとすれば、千昭が再び戻ってきて真琴を未来に連れ帰ることもできるはずです。

しかし、その方法をとらないということは、過去の時代の人間を未来に連れて行くこと自体が禁止されていると考えるのが妥当でしょう。小説版時をかける少女の主人公である魔女おばさんも、親しい仲であった深町少年とその後会うことはありませんでした。それを考えると、真琴も魔女おばさんと同じくその後千昭に会うことはできない可能性が高いです。

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時をかける少女の絵に関する感想や評価

千昭は未来で『白梅二椿菊図』を見る事ができる?

時をかける少女のラストシーンで「未来で待ってる」と真琴に囁いた千昭。この「未来で待ってる」というセリフは"自分の生まれた時代まで絵を残してほしい"という意味が込められた言葉ではないかと受け取れます。この千昭の言葉に、真琴は「すぐ行く。走っていく」と応えています。

大切な人の願いを叶えるため、真琴は千昭がいる数百年後まで絵を残せるよう様々な手を尽くすことでしょう。しかし残念ながら、その後実際に千昭の元まで絵が届いたのかは作品中には書かれていないので、結末が気になった人は時をかける少女のファンアートなどで楽しんでみてください。

「未来で待ってる」は"絵を届ける"という意味?

時をかける少女の中でも人気の「未来で待ってる」のシーン。このセリフは千昭と真琴の恋愛関係もあり、" 真琴が未来に来てくれるのを待っている" という意味でも捉えられますが、物語の流れや設定から考えると"絵を未来に残す"という見方が有力です。昔は前者の意味で解釈していたけれど、時が経ってもう一度見直すと後者の意味だと分かって、切なくもさらに味わい深いセリフになったという感想が見られています。

絵が飾られているシーンの雰囲気が素敵だという感想も

時をかける少女に登場する『白梅二椿菊図』と名前が付けられた絵が登場するシーン。美術館に展示されたその絵を真琴と魔女おばさんがガラス越しに眺めているシーンがあります。派手な色使いではなくともどっしりとした存在感を放つ白梅二椿菊図の絵や、美術館の静かで厳格ある雰囲気がシリアスな空気感を演出しています。

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時をかける少女の絵の意味まとめ

以上、時をかける少女に登場する絵『白梅二椿菊図』についてご紹介してきました。千昭が未来からタイムリープしてまで見たいと思っていた絵画。真琴の叔母関係にあたる"魔女おばさん"こと芳山和子が絵の修復にあたっていましたが、結局千昭はその絵を見ることなく未来に帰っていく結末となりました。

千昭の生まれた時代と似た環境にあった時代に創られたという関係を持つ白梅二椿菊図。千昭にとってその絵は"癒し"や"希望"の意味があったのではないかと考えられます。この絵が作品の中に出てきた時になんとなく見ていたという人は、今一度この絵の名前の意味を考察したり絵をじっくり眺めて味わってみてはいかがでしょうか?

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