【鋼の錬金術師】ティム・マルコーとスカーの出会い・関係は？名言や声優も紹介

鋼の錬金術師にて賢者の石の研究者として登場したのがティム・マルコーです。今回はティム・マルコーについてまとめて紹介していきます。

鋼の錬金術師は2001年から2010年までの間、月刊少年ガンガンで荒川弘先生が連載していた錬金術が存在する世界を舞台にしたダーク・ファンタジーです。個性豊かなキャラクター達やダーク・ファンタジーであるにも関わらず比較的明るい画作りなどが高い評価を受けて人気を獲得した作品で、月刊少年ガンガンの看板作品として人気と知名度、評価を得ていた作品です。

連載期間中から完結後も含めて７つもの漫画賞を受賞しているなど業界内での評価も非常に高かった作品で、メディアミックス展開も積極的に行われました。アニメ、ゲーム、実写映画など幅広いメディアで展開された事もあり最終回が掲載された2010年7月号は即時完売、読者からの多数の問い合わせを受けて8月号にも同じ最終回を再度掲載するという伝説を残した作品になっています。

錬金術師の兄弟、エドとアルは流行り病で亡くなってしまった母にもう1度会いたいという思いから禁忌とされる人体錬成に手を出してしまいます。その結果エドは右腕と左足をアルは全身を失ってしまいました。決死の思いでアルの魂を鎧に定着させたエドはアルと共に体を取り戻すべく旅をする事になります。彼らの目的は錬金術の法則を無視できる「賢者の石」でその旅の中で出会う事になるのが今回紹介するティム・マルコーです。

ティム・マルコーは元国家錬金術師にして医療にも造詣が深いとして軍の研究機関で「賢者の石」を研究していたキャラクターです。エド達が旅をする作中の時間軸の時点から数年前、自身の研究をすべて破棄した上で消息を断っていました。偶然にもエド達と出会った事で鋼の錬金術師の物語に深く関わっていく事になります。

元々研究員タイプなので錬金術師ではありながらも戦闘タイプというわけではありませんが、錬金術及び医療への知識は豊富でその知識でエド達の旅、そしてホムンクルスとの戦いをサポートしていく事になります。元々正体を隠していた事もあって年齢などの詳細なプロフィールは不明ですが、既に白髪交じりになっているのが特徴になっています。ちなみに原作では登場していませんが2003年版アニメでは「結晶」の二つ名を持っていました。

元々ティム・マルコーは医療研究者で生態系の研究で国家錬金術師の資格を取得したキャラクターでした。人体への理解度の高さから国の機関で賢者の石の研究を任される事になります。しかしその賢者の石が投入されたイシュヴァール殲滅戦にて同じく軍医として同行していたノックスとの会話などから良心の呵責を起こしイシュヴァール殲滅戦後、軍を離れる事を決意します。

ホムンクルスにとって賢者の石の製造は必須事項である為、追われる身となったティム・マルコーですが、田舎で町医者マウロとして生活していました。そんなティム・マルコーの運命が変わったのは数年後の事、偶然ティム・マルコーが隠れ住む田舎にエドとアル、そして彼らの護衛としてアームストロング少佐が降り立つ事になります。ちなみにこの時のエド達はティム・マルコーを探していたわけではありませんでした。

エド達は国家錬金術師を襲撃する事件を起こしていたスカーとの戦いで負傷し、機械鎧を修理するべく故郷のリゼンブールに向かっていた最中だったのです。偶然の出会いながらもエド達の思いを受け賢者の石の情報として国立中央図書館第一分館への道標を示しています。しかしこの出会いがティム・マルコーにとって悲劇でした。

実はこの時ホムンクルスはエド達に注目しており、ホムンクルスの1人ラストがエドを尾行していたのです。その結果ティム・マルコーはホムンクルス側に見つかる事になってしまい、隠れ住んでいた町の人達を人質に監視下に置かれる事になってしまいます。加えてラストはエドが賢者の石に辿り着かないように国立中央図書館の分館を燃やすという手もうっています。

その後しばらく監視下には置かれながらの軟禁状態だったティム・マルコーですが、事態が動きます。ホムンクルスの1人であるラストがマスタングによって倒されてしまったのです。これにより計画が狂わされたホムンクルス側はエンヴィーがティム・マルコーを拉致、ホムンクルス達の本部に連行される事になります。そこで出会う事になるのがスカーです。

ティム・マルコーはイシュヴァール殲滅戦の復讐を誓うスカーに自身が関わった事や内情を吐露した上で、自らを殺すように求めます。しかしティム・マルコーからの話で錬金術を研究していた兄の研究を読み解く手段として見出され、殺害を偽造されて連れ出される事になります。ティム・マルコーはこれを「償い」と捉えてスカーに同行する事になります。

ティム・マルコーの名言の中でも隠れた名言とされているのがこの名言です。この名言は上記で紹介したスカーとの出会いの中で殺すように求めた時のセリフになっています。ティム・マルコーは長らく賢者の石の研究、ひいてはホムンクルスに動かされてきた存在であり、自身の存在がそのまま賢者の石の研究に繋がるとすら考えていました。そんなティム・マルコーの思いが吐露された名言であるとされています。

スカーはティム・マルコーの正体を隠すべく顔面の皮膚だけを破壊するなど当初はティム・マルコーをあくまでも兄の研究を読み解く為の道具として捉えていました。しかしスカーの兄の研究の読み解きを進めながら少しずつ信頼を得ていきます。そしてホムンクルス側の追撃をなんとか躱しながらスカーの兄の研究とティム・マルコーの知識を持って逆転の一手となる「逆転の錬成陣」を発見する事に成功しています。

その後、協力関係となったエド達を含めてスカー達と協力してエンヴィーを罠にハメる事に成功します。対エンヴィーとの戦いではティム・マルコーが賢者の石を破壊する方法を見出した事でエンヴィーを追い詰め一矢報いる事に成功、最後にはエンヴィーを破る事に成功しています。

この名言はティム・マルコーがエンヴィーを罠にハメた際に放った名言で、エンヴィーを倒す決め手となった「賢者の石壊し」を行った際の名言になっています。この戦いの中でもエンヴィーに散々煽られたティム・マルコーですが、これによりホムンクルス側の戦力を割く事に成功しています。

エンヴィーを倒した後もスカー達と共に約束の日に備えたティム・マルコー、各地に散ったイシュヴァール人を探し協力してくれるように求める旅をしていきます。そして約束の日終了後、ティム・マルコーは強制的に真理の扉を開かされ視力を失っていたマスタング大佐の元に姿を見せます。

ティム・マルコーは残っていた賢者の石をマスタングの視力の回復に使う事と引き換えにイシュヴァールの解放と自身がそこで医者として働く事を認めるように訴えます。賢者の石を研究する過程で何人もの人を殺してきたティム・マルコーにとって医者として生きていく事が贖罪となる事を示した隠れた名言とされています。

ティム・マルコーは比較的序盤で登場している事もあり2003年版のアニメにも登場していましたが2009年のアニメでは声優が変わったキャラクターになっています。

2003年版ハガレンにてティム・マルコー役の声優を担当したのが戸谷公次さんです。1974年にデビューした声優さんで、主に東映アニメーション、サンライズ制作のアニメを中心に活躍、渋い男性キャラを演じる事が多い声優さんでシリアスなキャラからコミカルなキャラ、善人から悪人まで幅広く演じる事があった声優さんです。2006年に急性心不全で亡くなってしまった事で声優が変わる事になりました。

戸谷公次さんがこれまでに出演した作品としては「北斗の拳」のジャギ役、「ドラゴンボールZ」のキュイ役、「機動戦士ガンダム」のウラガン役、「銀河英雄伝説わが征くは星の大海」のエルネスト・メックリンガー役、「機動戦士ガンダム0083ジオンの残光」のアルファ・A・ベイト役などがあります。

戸谷公次さんから引き継ぎ2009年版アニメハガレンでティム・マルコーの声優を担当したのが小室正幸さんです。1970年代から俳優として活躍、その後1982年に声優としても出演するようになった声優さんです。これまでには「ポケットモンスターアドバンスジェネレーション」のジンダイ役、「ウルトラマン物語」のウルトラマン80役、「イナズマイレブンGO」の金山郷造役などを担当しています。

ティム・マルコーは賢者の石の研究者という重要な立ち位置という事もあって劇場版実写映画にも登場しています。実写ハガレンでティム・マルコー役を担当したのが國村隼さんです。1976年にデビューした俳優さんで主に映画を中心に活躍している俳優さんです。バイプレーヤーとして活躍している俳優さんであり、第37回青龍映画賞などでは助演男優賞を受賞するような実績も持っています。

國村隼さんがこれまでに出演した映画作品としては「アウトレイジ」「ちはやふる」「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」「忍びの国」「アルキメデスの大戦」「海賊とよばれた男」「寄生獣」などがあります。ドラマシリーズでは連続テレビ小説の複数の作品に出演している他「相棒」や大河ドラマ「平清盛」、「アリスの棘」「スターマン・この星の恋」「探偵物語」などに出演しています。

ここからは既に鋼の錬金術師（ハガレン）を視聴した人のティム・マルコーについての感想を紹介していきます。ティム・マルコーは作中に数多く登場する国家錬金術師の中では研究者肌が強く、戦いに自らツッコんでいくタイプではありません。しかしそんなティム・マルコーだからこその「賢者の石破壊」は最強という声が多くなっています。

天才と言われる国家錬金術師のエドや、賢者の石が尽きるまで倒し続けるという方法を取ったマスタングなど他にもこの方法が出来てもおかしくない国家錬金術師がいる中で、ティム・マルコーだけがそれを出来たのがハガレンの良さだという声も多いです。

そんなティム・マルコーだからこそスカーらの助けを借りながらもエンヴィーを罠にハメるシーンは名言も含めてかっこいいという声が多くなっています。様々な形でティム・マルコーを煽るエンヴィー相手に啖呵を切るシーンや脅しをかけるようなシーンなど周囲との関係性があるとはいえ基本的に優しい性格であるティム・マルコーらしくない頑張りが良かったという声も多くなっています。

またハガレンの作品の面白さの1つがティム・マルコーを含む「医者」の活躍や過去にあるという声も多くなっています。軍属だったティム・マルコーやノックスはもちろん、同じく医者であったウィンリィの両親などそれぞれの医者の側面や思いが描かれているからこそ深い作品になっているとする声も多いです。

ティム・マルコーはハガレン作中では重要な立ち位置である「賢者の石」の研究者として登場したキャラクターです。人体を使った錬成である賢者の石の研究を行いながらも本人は至って善人であり、その呵責から1度は逃げ出しながらもエドと出会った事で再び物語に関わっていくという数奇な運命を辿る事になったキャラクターであるとも言えます。

どちらかといえばサブキャラクターながらもハガレンの物語性をより深くする意味で重要だったキャラクターであり、同時に医者としての様々な側面を考えさせられるキャラクターにもなっていると言われています。まだ鋼の錬金術師（ハガレン）を視聴していない人はティム・マルコーに注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？