【黒執事】フィニアンの過去と怪力の理由は？シエルとの出会いや声優も紹介

「黒執事」に登場するフィニアンは、ファントムハイヴ伯爵家で庭師として働く16歳の少年です。無邪気で明るく、常人離れした怪力の持ち主でした。不器用でおっちょこちょいなところがあり、誤って除草剤を散布して庭を荒野にしてしまったこともありました。

「黒執事」は、スクウェア・エニックスの漫画雑誌「月刊Gファンタジー」で2006年10月号から連載されているダーク・ファンタジーです。「黒執事」のコミックスは現段階で30巻あり、累計発行部数は3000万部を突破しています。作者は、「9th」でデビューした漫画家・枢やなです。テレビアニメは第3期まで放送されており、豪華客船編を描いた劇場アニメは、2017年1月21日に公開されました。

19世紀の英国、ファントムハイヴ伯爵家は、女王の命令を受け裏の仕事を請け負う貴族でした。若くして爵位を継いだ少年・シエル・ファントムハイヴは、数年前に何者かに両親を殺害され、誘拐されるという壮絶な過去がありました。魂と引き換えに悪魔のセバスチャンと契約し、敵の正体を調べ復讐の目的を果たすことにします。

「黒執事」セバスチャン・ミカエリスは、ファントムハイヴ伯爵家の執事です。正体はシエルと契約した悪魔であり、食事や睡眠の必要はなく、常軌を逸した高い身体能力を持ちます。シエルと復讐を遂げるまで守り抜くという契約を交わしており、厳守しています。アニメ「黒執事」の声優は小野大輔、アニメ化する前のドラマCDの声優は森川智之が務めていました。

「黒執事」のシエル・ファントムハイヴは、代々裏社会の仕事を請け負うファントムハイヴ伯爵家の当主です。頭脳明晰であり、おもちゃやお菓子の開発・販売をするファントム社を立ち上げ、大成功を収めています。年齢は12歳ですが達観しており、あまり表情の変化がなくわがままです。アニメ「黒執事」の声優は坂本真綾、ドラマCD版「黒執事」の声優は沢城みゆきが担当しています。

「黒執事」のフィニアンは、ファントムハイヴ家で庭師として働く16歳の少年です。周囲からは「フィニ」という愛称で呼ばれています。柱や大木をへし折って投げるなどの怪力を持ちます。金髪碧眼であり、前髪にはヘアピンをつけています。ファントムハイヴ家で雇われる前は、ドイツの研究機関で人体実験を受けていました。

首には管理番号だったS-012が刻まれており、麦わら帽子で見えないように隠しています。名前の由来は、金髪で足が早く力持ちという共通点が多いことから、ケルト神話のフィニアンサイクルの主人公からつけられました。

「黒執事」に登場するフィニアンは、非常に明るく純粋な性格です。初対面の人相手でも気さくに話しかけるなど、社交性の高さもうかがえます。使用人の中ではシエルと一番歳が近く、「暴れん坊伯爵Ⅷ」を一緒に見る約束をするなど仲が良い様子がうかがえます。精神的に不安定になったシエルに寄り添い、身を呈して守るなど、シエルのことを心の底から敬愛しています。

フィニアンは、シエルのステッキや庭の木をうっかりへし折ってしまうほどの怪力を持ちます。ファントムハイヴ家で庭師として働くことになった時は、力の制御が難しいことが最初は怖かったといいます。ノアの方舟サーカス編で戦闘要員であったことが発覚し、「黒執事」緑の魔女編にて怪力の理由がわかる過去が明かされました。

フィニアンの過去は、緑の魔女編で明らかになります。フィニアンは、ドイツにある研究機関の被検体でした。人体兵器を作る被人道的な研究をしていた機関のようで、地下に隠れるように研究室がありました。フィニアンの周りには同じ年頃の少年がおり、研究者のことを先生と呼んでいました。フィニアンの人間離れした怪力の理由は、この過去にありました。

フィニアンがいたドイツの研究施設では、人間兵器の開発をしていたようです。表に出せない研究のため、研究室は地下にありました。しかし、研究室の場所がバレ、職員たちは全てを破棄して逃げ出そうとします。さらに、被検体となった子供たちを銃殺していきます。フィニアンは研究者を返り討ちにして自力で逃げ出し、地上に出たところでシエルとセバスチャンに出会いました。

シエルとセバスチャンに救われたフィニアンは、ファントムハイヴ家で庭師として雇われることになります。ちゃんとした名前がなかった彼にシエルは、金髪、足がはやい、力持ちなどの共通点があることから、ケルト神話の登場人物の名前を与えます。フィニアンは、セバスチャンから文字の読み書きや庭師の仕事を教わります。

アニメ「黒執事」フィニアンの声優は、梶裕貴です。梶裕貴は、東京都出身1985年9月3日生まれ、ゆうたんなどの愛称で呼ばれています。日本ナレーション演技研究所卒業後にアーツビジョンに入り、2013年10月にヴィムスへと移籍しました。2004年から声優として活動しており、2007年4月3日から9月25日に放送されたアニメ「Over Drive」で主人公の篠崎ミコト役に抜擢され注目を集めます。

声優・梶裕貴の主な出演作品に、「進撃の巨人」エレン・イェーガー役、「アオハライド」馬渕洸役、「四月は君の嘘」相座武士役、「東京喰種トーキョーグール」霧嶋絢都役、「斉木楠雄のΨ難」明智透真役、「あひるの空」車谷空役、「バック・アロウ」バック・アロウ役、「体操ザムライ」南野鉄男役、「ヲタクに恋は難しい」二藤尚哉役、「甲鉄城のカバネリ」逞生役、「おとめ妖怪 ざくろ」花桐丸竜役などがあります。

庭師という役職のフィニアンですが、非常に不器用でうっかりしているところがあり、仕事ができません。除草剤の散布機の蓋が開いたままだったことに気がつかず、中身をばらまいて庭を更地にしていました。数日後、散布機が壊れていることを忘れて再び同じ失敗を重ねており、セバスチャンも心の中でバカ呼ばわりしています。その他にも、庭の木やシエルのステッキをうっかり折るなど、怪力がわかるシーンもありました。

「黒執事」赤執事編とは、切り裂きジャック事件を調べるエピソードです。こちらの事件はシエルとセバスチャンが外へ捜査に出ており、フィニアンは屋敷で留守番しているため目立った活躍はありませんでした。事件が解決し2人が帰宅した後、シエルの誕生日を祝いにフランシスとエリザベスが訪ねてきます。フィニアンは、会場を薔薇の花で飾り付けしていました。

「黒執事」黄執事編とは、別名で逆さ吊り事件編とも呼ばれています。インドから帰国した英国人が、見ぐるみを剥がされて縄で縛られ、街中に逆さ吊りにされるという不可解な事件が度々発生します。被害者の身体には、毎回同じ内容の紙が添えられていました。シエルたちは事件を調べる中で、ベンガル藩王国の王子・ソーマとその執事であるアグニと出会います。

2人は、ひょんなことからファントムハイヴ家に居候することになりました。執事としても優秀で人柄も良いアグニは、フィニアンの長所である怪力が生かせる仕事を任せていました。事件解決後は、アグニと共に木々に積もった雪を払っています。会話の中で、壊さずに何かに触れるのは最初は怖かったと胸の内を吐露していました。

「黒執事」ノアの方舟サーカス編は、仕事ができないと思われていたフィニアンたち使用人が戦闘要員として雇われていたことが発覚する回になります。近々、ロンドンにノアの方舟サーカスという移動サーカスが来ることになります。しかし、そのサーカス団が立ち寄った街では、子供が何人も行方不明になるという事件が起きていました。シエルとセバスチャンは、ノアの方舟サーカスに団員として潜入し、捜査することになります。

2人の留守中に、ファントムハイヴ家はサーカス団の襲撃を受けます。フィニアンは、一番体格の良いジャンボをあっさり倒しています。さらに、過去に非人道的な人体実験を受けていた過去がわかる発言をしています。過酷な場所から救い出してくれたシエルを心から尊敬しており、ファントムハイヴ家を守りたいという強い意志を持っていたことも発覚します。

ファントムハイヴ家で正餐会が開かれますが、主賓のジーメンスが殺害されるという事件が起きます。現場の状況から密室殺人事件であり、容疑者は屋敷内の誰かと考えられました。さらに、同じく招待客のフェルペスと、事件の捜査を行っていたセバスチャンも殺害されます。恩人であるセバスチャンが遺体で見つかり、フィニアンはひどく悲しみます。

その後も、事件解決に全力で取り組んだり、シエルの気持ちを思いやるなどの活躍を見せました。事件解決後、セバスチャンは埋葬した棺の中から生還します。フィニアンは、生還したセバスチャンに抱きつき涙ながらに喜んでいました。

名門寄宿学校ウェストン校で、女王のいとこのクレメンス公爵の息子であるデリック・アーデンを含む数名の生徒が自宅に戻らないという事件が起きていました。シエルは生徒に、セバスチャンは教師として学校に潜入し、事件の捜査をします。フィニアンたち使用人は、寮対抗のクリケット大会の応援にやってきていました。事件解決後、フィニアンは他の使用人たちと共に街へ買い物に行き、新しい麦わら帽子を買ってもらっています。

「黒執事」緑の魔女編は、フィニアンの過去が明らかになる回です。ドイツ南部で、異形の姿になって死亡するという不可解な事件が起きており、シエルは女王から調べるよう依頼を受けます。英国とは関係ない事件をなぜ任されるのかと不審に思いながらも、セバスチャンやフィニアンらその他の使用人たちを引き連れて現地へと赴きます。森に入り瘴気にあてられたシエルは、精神不安定となり、フィニアン以外を拒絶するようになります。

この期間、フィニアンはシエルの身の回りの世話をすることになります。フィニアンは、過去にドイツの研究機関で人体実験を受けていました。研究場所がバレたことで殺されそうになったところを返り討ちにして逃亡し、地上に出たところでシエルとセバスチャンに出会い、救われます。当時のことを思い出し、弱気になっているシエルを懸命に励まして絶対に守ると伝えていました。

「黒執事」青の教団編では、シエルに双子の兄がいたことが発覚します。3年前の事件で死亡した彼は、葬儀屋の手によって蘇り、ファントムハイヴ家へと戻ってきます。当初、その事実を知らされていなかったフィニアンでしたが、いつも接しているシエルとはどこか違うと違和感を感じていました。

兄からスフィア・ミュージックホールでの連続殺人事件の濡れ技を着せられたシエルとセバスチャンは、警察に連行されます。フィニアンは、スネーク、バルド、メイリンらと共に2人を乗せた馬車を襲撃し救い出しています。

「黒執事」は、アニメの他に舞台化もされています。初期の方で舞台版「黒執事」フィニアン役を演じた舞台俳優は、南翔太でした。南翔太は、愛知県出身1982年3月27日生まれ、芸能事務所・芸映に所属しています。2005年に開催された舞台「秘密の花園」で俳優デビューを果たしました。特撮テレビドラマ「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」では、主演のレイ役に抜擢されています。

フィニアンの舞台版俳優2人目は、河原田巧也です。河原田巧也は、東京都出身1991年5月6日生まれです。メインキャストプロダクションとセンスアップを経て、現在はフリーで俳優活動しています。2008年4月から6月に放送されたあさのあつこ原作のテレビドラマ「バッテリー」の野球部員役で俳優デビューを果たします。ミュージカル「テニスの王子様」、舞台「弱虫ペダル」などにも出演しています。

「黒執事」のフィニアンは、無邪気で純粋な性格です。シエルの気持ちを考え、時に声を荒げることもありました。かわいいという感想のほかに、優しいという感想もありました。

「黒執事」緑の魔女編では、フィニアンの過去が描かれています。森の瘴気で精神的に不安定になったシエルを勇気づけたり、窓から襲ってきた人狼から身を持ち前の怪力を生かして撃退しています。緑の魔女編でのシエルを敬愛するフィニアンが良かったという感想もありました。

「黒執事」は、アニメ化の他に舞台化もされています。舞台版「黒執事」でフィニアン役を演じた俳優は、芸映に所属する俳優の南翔太と、現在フリーで活躍する俳優の河原田巧也でした。舞台版「黒執事」フィニアン役の俳優の演技も好評でした。

「黒執事」の登場キャラクター・フィニアンのプロフィールやシエルと出会う前の過去、アニメ「黒執事」の声優、舞台版「黒執事」の俳優などを紹介してきました。無邪気で明るい作中のムードメーカー的存在のキャラクターです。