2021年06月08日公開
2021年06月08日更新
【巨人の星】速水譲次は飛雄馬のライバル?入団テスト時の成績や花形満との関係は?
1960年代後半から70年代にかけて、日本中の子供から大人までをテレビに釘付けにしたスポ根漫画の傑作「巨人の星」。この作品初期に登場する速水という人物をご存じでしょうか?読んだことのある方でも俊足の代走選手くらいしか記憶に残っていないとも言われます。この記事では巨人の星の速水譲次とは?と題して、飛雄馬との出会いに始まり花形満との関係とその後について詳しく解説していきます。速水という名前も知らない方、子供の頃夢中になったものの記憶があいまいな方も是非ご覧ください!
巨人の星の速水とは?
巨人の星の作品情報
元祖スポコン漫画として有名な漫画作品「巨人の星」。本記事のメインテーマである速水の話題に入る前に、まずは巨人の星の作品情報から紹介します。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。
巨人の星の概要
梶原一騎・原作、川崎のぼる・作画による漫画作品「巨人の星」。1960年代後半から70年代にかけて日本中の子供から大人までを夢中にさせた、元祖スポ根漫画の傑作です。
漫画・巨人の星は1966年少年マガジンに掲載された後、講談社コミックスから単行本が刊行されました(全19巻)。さらに1976年には、週刊読売にて続編となる「新巨人の星」が連載されています。
その後巨人の星はテレビアニメ化され、1968年3月から1971年9月まで日本テレビ系列で放送されました。さらに、1977年10月から1978年9月にかけて続編の「新巨人の星」、1979年4月から9月にかけて第3作となる「新巨人の星Ⅱ」がそれぞれ放送されています。
巨人の星のあらすじ
野球少年の星飛雄馬は、父親・一徹から厳しい野球の英才教育を受けていました。その内容が、体に強い負荷がかかるように大リーグボール養成ギブスを装着しての猛特訓でした。それも強烈なノックが嵐のように飛んで来る毎日を送ります。
その後、野球の名門・星雲高校に進学した飛雄馬は、捕手で大親友となる伴宙太と出会います。また、終生のライバル・花形満や左門豊作との対戦を通じて、野球選手としても人としても成長していきました。
速水譲次のプロフィール
漫画巨人の星に登場する速水譲次とは、メキシコシティオリンピックの元陸上競技・候補生でした。ところが、オリンピックで金メダルを取っても陸上選手では食べていけないという理由から、巨人軍入団テストを受けます。
自慢の足を生かして最終選考まで残った速水ですが、飛雄馬との1対1での対戦で飛雄馬の魔送球によりアウトとなり敗退。しかし、最終的には俊足を買われて補欠とはいえ合格を果たします。
巨人の星の速水は飛雄馬のライバル?入団テスト時の成績・活躍を紹介
活躍①飛雄馬との出会い
甲子園(全国高校野球選手権大会)で敗退し、さらに先輩をかばって高校を中退することになった飛雄馬。プロ野球・読売巨人軍の入団テストを受けることになります。
同じ入団テストにオリンピック陸上競技候補生という鳴り物入りで応募していたのが速水譲次です。ここで速水は、飛雄馬とは初めて顔を合わせることになります。
活躍②入団テスト時の成績
そこに、オリンピック陸上競技候補生という鳴り物入りで応募していたのが速水譲次です。速水は飛雄馬と初めて顔を合わせることになります。
その後、飛雄馬と1対1での対戦が行われます。そこで速水は本領を発揮、巧みな心理戦を展開します。守備陣に軽口をたたいて集中力を削いだり、振りかぶった飛雄馬に「スパイクのひもが解けている」と言って暴投を誘おうとします。
しかし、結果は飛雄馬の勝利で、速水と伴は補欠合格となります。この時、飛雄馬に負けて補欠合格となったという屈辱が、速水の飛雄馬に対する過剰なライバル心や嫉妬心を招いたのです。
活躍③オープン戦での活躍
巨人軍に入団した速水は、飛雄馬らと共に合宿に臨みます。そこでも飛雄馬に対するライバル心をむき出しにする速水。先輩に気に入られるよう用具運びを買って出ますが、飛雄馬には一切やらせないなど抜かりありません。
あるとき、オープン戦で速水を代走として使いたいという話が出ます。そのテストとして紅白戦が組まれ、速水は代走で塁に出ると飛雄馬と対決します。飛雄馬の落球ミスに助けられ、速水は見事ホームスチールに成功。オープン戦で活躍することになりました。
活躍④開幕戦で左門に打たれる飛雄馬を見て喜ぶ
開幕戦でリリーフとして初めてマウンドに立つ飛雄馬。しかも対戦相手はライバル左門のいる大洋です。大洋ベンチはここで左門豊作をピンチヒッターに起用します。
巨人ベンチも動きを見せ、川上監督は飛雄馬に左門の敬遠を命じます。ところが、その命令を受け入れず真向勝負に出る飛雄馬。結局、飛雄馬は左門にホームランを許してしまいます。
この時の速水の喜びようは尋常ではありません。「星の惨めな姿こそ俺の最高のエネルギー源になる」とか「いなかっぺの左門くん、ありがとよ」と、悪意に満ちた言葉が速水の口から吐き出されました。
巨人の星の速水と花形満の関係
考察①お前じゃ星の代わりにはなれない
ここからは、速水譲次と花形満の関係を探っていきます。巨人対阪神戦で一塁に出塁した速水。守備に就いていた花形に、今後は飛雄馬ではなく自分をライバルにしたら?と軽口を叩きます。ところが、花形は「お前じゃ星の代わりにはなれない」と呟いて速水の言葉を軽く一蹴してしまいました。
考察②大リーグボール1号に負けた花形
特訓に次ぐ特訓を重ね、飛雄馬はようやく大リーグボール1号を完成させます。そして、ライバル花形満との対戦でこの魔球を披露、見事凡打に打ち取ります。
大リーグボール1号に負けた花形が守っている1塁に速水が出塁してきます。そこで、例によって花形にちょっかいを出す速水。ところが、花形は頭上に投げたボールをピッチャーに返したと見せかけて、速水をタッチアウトに。これが原因で速水はオールスター戦に出場できなくなり、花形への恨みを募らせていくことになります。
考察③コーラで乾杯
巨人対阪神戦の試合後に花形満の後をつける速水。行先はとある工場。速水は、大リーグボール1号を打ち込むため、鉄バットで鉄球を打ち返す特訓をする花形の姿を目撃します。
晴れのオールスター戦。バッターボックスの花形は、特訓で体を痛めて実力を発揮できません。それを観客席から見ていた速水は、何とコーラで祝杯を上げるのです。
考察④大リーグボール1号は花形がホームランを打つ
花形の特訓を目撃した速水は、その事実は伏せた上で川上監督に聞いてみました。花形の方法で大リーグボールが打てるかどうかを。監督の答えは、打てる、しかしその後怖ろしいことが起こるというものでした。
速水は小躍りして喜びます。監督の言う通り花形は飛雄馬の魔球をホームランします。ところが、ホームベースに辿り着く直前に、花形は地面に崩れ落ちてしまいます。
その光景を見た川上監督はすべてを見抜きます。速水に医師に全てを話すよう指示。医師に目撃した全てを話した後、速水はそれまでに見せたことのない苦悶の表情を浮かべると、地面に膝をついてしまいます。嗚咽の声を上げる速水。ここまで命がけで野球にかけている人間がいるのに、自分はなんて醜くちっぽけなんだと自分をなじりました。
考察⑤その後はどうなった?
川上監督の温情でクビは免れ2軍行きとなった速水。その後、巨人の星に登場することはありませんでした。果たして速水は、心を入れ替えて立派な社会人になれたのでしょうか?
巨人の星の速水のアニメ声優
羽佐間道夫のプロフィール
- 名前:羽佐間道夫(はざま・みちお)
- 出生地:東京府(現:東京都)
- 生年月日:1933年10月7日
- 年齢:87歳(2021年5月現在)
- 身長:170cm
- 職業:声優、俳優、ナレーター
- 事務所:ムーブマン
- 受賞:2001年第18回ATP賞(個人部門)、2008年第2回声優アワード功労賞
羽佐間道夫の主な出演作品
声優・羽佐間道夫は数多くの洋画吹き替えを行っており、シルベスター・スタローンをはじめディーン・マーティンやポール・ニューマン、ロバート・デ・ニーロなどの声で有名ですが、ここではアニメの主な出演作品を紹介します。
- 超時空要塞マクロス(ブルーノ・J・グローバル)
- GIBIATEジビエート(鬼倉雪之丞)
- KUBO/クボ 二本の弦の秘密(月の帝)
- 名探偵ピカチュウ(イーサン・グレアム)
- 鬼平(友五郎役)
- 義風堂々(伴太郎左衛門)
- まじっく快斗1412(寺井黄之助)
- 若おかみは小学生!(稲田義春)
- スターウォーズ~クローン大戦~(ドゥークー伯爵)
- 銀河英雄伝説(ワルター・フォン・シェーンコップ)
巨人の星の速水に関する感想や評価
ここまで巨人の星の速水特集をお届けしてきましたが、最後に速水に関する感想や評価をTwitterより紹介します。
速水譲次
— もっぴー (@moppy_0213) June 10, 2020
巨人の星の中で好きなキャラ。
人間くさい所が好き。やはりライバルはこれくらい性格悪くなくちゃ。
改悛した後はどうなったんだろう。 pic.twitter.com/Wklz89ZcLK
最初に紹介する巨人の星・速水に関する感想や評価は、速水譲次が好きなキャラだという方のツイートからです。
速水が好きな理由は人間臭いところだと言います。主人公をライバル視するキャラはこのくらい性格が悪くなくてはとも。そして、花形の一件で改悛した後はどうなったんだろう、と漫画では描かれなかったその後が気になる様子です。いい人になってしまっては面白くないということでしょうか?
巨人入団テストでの速水のお世辞を生かした心理戦は面白いよな。漫画であれだけ人の心理を描いたのは当時はなかった。そして最後はズックのスパイクと魔送球に行き着く。さぞ原作者と編集者でディスカッションしことだろう。やはり「巨人の星」は名作。
— イエデビ【黄色い悪魔】 (@yelldevi) April 5, 2021
続いてに紹介する巨人の星・速水に関する感想や評価は、巨人軍入団テストでの速水を面白いという方のツイートからです。人の心理をあれだけ巧みに描いた漫画作品はなかったと言います。制作をめぐっての原作者と編集者の苦労が目に浮かぶくらい、巨人の星は名作とのことでした。
飯島秀雄
— Hello George (feel free to chat in English) (@ryochikun22) October 14, 2019
元陸上100m日本記録保持者。メキシコ五輪後、プロ野球オリオンズに入団。コーチの積りが話題の代走選手に。通算盗塁22 (うち本盗2)。捕手が捕球後スタートでもセーフになったり、打者四球時に盗塁したり、逸話は多い。
メキシコ五輪前に速水譲次を「巨人の星」に登場させた原作者の慧眼。 pic.twitter.com/TwiRL2iIM6
最後に紹介する巨人の星・速水に関する感想や評価は、実在の「速水譲次」の情報を呟いた方のツイートからです。その実在の人物とは、メキシコ五輪・陸上100メートルに出場した後、プロ野球オリオンズに入団した飯島秀雄。それ以前に巨人の星に速水譲次を登場させた、原作者・梶原一騎の慧眼を称えていました。
巨人の星の速水まとめ
ここまで巨人の星に登場する速水譲次とは?と題して、飛雄馬との出会いに始まり入団テスト時の成績や花形満との関係について解説してきました。いかがでしたでしょうか?
巨人の星をご覧になった方でも、速水については俊足の代走選手というくらいしか記憶に残っていないことが多いと言います。この記事を読んで興味を持たれた方は、原作漫画「巨人の星」を読んでみてはいかがでしょうか?速水の人間性や考え方が飛雄馬や花形との関わりを通じて変化していく様子が、さらにリアルに体感できるかも知れません。