【ハイキュー】鷲匠鍛治はどんな監督？過去や日向との関係を考察

ハイキューにて白鳥沢学園高校の監督として登場するのが鷲匠鍛治です。今回は鷲匠鍛治についてまとめて紹介していきます。

ハイキューは2012年から2020年にかけて週刊少年ジャンプで古館春一先生が連載したバレーボールを題材とした漫画です。丁寧なストーリー構成とキャラクター性、ルールを知らなくとも読みやすい構成が高い人気を集めた作品で、日本はもちろん海外でも高い人気を獲得している漫画になっています。

メディアミックス展開も積極的に行われ、VOMIC化、小説化、アニメ化やゲーム化の他、あまり見られない展開としてオリジナルのカードゲーム「バボカ」なども展開しました。

小さな巨人と言われた選手に憧れてバレーボールを始めた日向翔陽。しかし中学時代は境遇に恵まれずなんとか出場した最後の大会でも1回戦で影山飛雄要する北川第一に敗れてしまいます。影山飛雄と因縁が生まれた日向は高校でのリベンジを誓い、烏野高校に進学しますが、なんとその烏野高校で影山飛雄と再会する事になります。ライバルだった2人は今度はチームメイトとして高校バレーに挑む事になるのです。

鷲匠鍛治は白鳥沢学園高校で監督をしている御年71歳のキャラクターです。3年に満たない高校バレーの競技生活の中で出来る事は限られているという考え方からバレーボールの中でも大きな武器と言われる「身長の高さ」を使い、「個人の力を高めて勝つ」というシンプルイズベストを持論としているキャラクターです。

ちなみに最近の悩みとしては自主性のある生徒が減った気がするとされており、監督になって40年の長い間で白鳥沢学園を圏内でも屈指の強豪校に押し上げその地位を維持し続けている名将です。監督としてはかなり厳しい監督であり、選手のプレーに対して大声で喝を入れるシーンも多くなっています。白鳥沢の中では次期エースとして期待している故に特に五色に対して怒鳴る事が多く、五色本人からはかなりビビられています。

鷲匠鍛治の特徴は独特な表現による名言の多さにあります。ここからは鷲匠鍛治の名言を紹介しておきます。

試合中、選手たちのプレーに対し喝を入れるのが鷲匠鍛治の特徴ですが、その喝入れの際の名言がこの名言です。選手がお互いにボールを譲り合ってしまう「お見合い」という状態になってしまった時の名言になっています。

鷲匠鍛治は監督なので監督らしい名言が多いですがその中でもチームに対しての思いが現れているとされるのがこの名言です。チームをコートに送り出す際の言葉になっています。ちなみに奇しくも同じ思いを対戦相手である烏野高校を率いる烏養も思っていました。

ハイキューはバレーボール作品という事もあって高身長のキャラクターが多いですが、鷲匠鍛治は日向と同じく低身長なのが特徴的なキャラです。高齢により縮んだというわけではなく、元から小さかったようで、過去、自身が学生時代にはその身長の低さから試合での活躍以前にそもそもチャンスを与えられる事がなかったと語られています。

実際の姿が書かれているわけではありませんが当時の鷲匠鍛治もジャンプ力の高さやレシーブ力を売り込んでいた事が明らかになっていますが当時の指導者から「もう少し身長があれば」と評価されていました。

上記のような過去の経験がそのまま鷲匠鍛治の高さ至上主義的な信念を生み出しています。白鳥沢学園でも高さを優先しており、新しい戦術を好まず純粋に高さを求めたスタイルを構築している他、疑似ユース合宿への招集者も乱入した日向を除いては全員180cmを超える長身の1年生でした。

また白鳥沢の牛島がそうであるように高さの中でもエースを最大限活かさせる事を信条にしているというのも鷲匠鍛治の特徴です。この特徴から白鳥沢では個性を主張しないセッターが求められており、中学時代、白鳥沢のセレクションを受けに行った影山を「白鳥沢にいない方が幸せになれる」と考えて落としたという過去を持っています。

ハイキューでは試合をする前に既に知り合っているという場合も少なくないですが、日向と鷲匠鍛治が初めて出会ったのは試合の時です。それは日向と影山が牛島についていく形で行った白鳥沢学園の敵情視察の時です。作中ではあくまでも牛島との絡みしか描かれていませんが、場所は完全に白鳥沢学園の中なのでその時点で鷲匠鍛治は日向と出会っていた可能性があります。

烏野高校と白鳥沢の試合の中で、鷲匠鍛治は日向を度々否定するような発言をしています。「大きいものが強い。それが自然の摂理だ」「俺は、俺の40年を懸けて、烏野10番（日向）、お前を否定したい」というセリフは嫌でも日向に目が奪われていた事を示しています。日向の諦めない姿勢は自身の学生時代チャンスを与えられず高さを信条としてきた鷲匠鍛治にとっては直視出来ないものだったと考えられています。

烏野高校との試合に破れた白鳥沢ですが、その後一部の選手や鷲匠鍛治が再登場する事になったのが合宿編です。今回の合宿は本来は全日本ユース合宿に影山が呼ばれた話なのですが、宮城県ではこの期間を利用して、将来それぞれのチームのエース級になるであろう1年生を対象とした疑似ユース合宿を開催する事になります。

疑似ユース合宿を取り仕切る事になった鷲匠鍛治、招集されたメンバーは上記でも紹介したように彼の信念に合わせて高身長の1年生ばかりです。そこに乱入した日向に対し「影山なしでは価値がない」として本格的な参加を拒否しながらも、ボール拾いとしての参加を黙認する姿を見せています。この合宿は日向のレシーブ力向上のきっかけになっており、同時に鷲匠鍛治の信条の変化を感じさせる場面になっています。

少なくともこの時には日向の事を個人的には認めているものの、大々的に日向の参加を認める事はそれまでの方針を崩壊させ、白鳥沢で低身長故に活躍の機会が与えられなかった選手の反発を招く事になってしまう為、大々的には出来なかったのだと考えられます。鷲匠鍛治の悩みに「自主性のある選手が減った」とあるので或いは白鳥沢でも日向のような熱量があれば鷲匠鍛治の事を変える事は出来たのかを考えさせられる結果にもなっています。

ちなみにあくまでも鷲匠鍛治は日向のボール拾いとして参加を黙認しているだけで認めているわけではない為、合宿所を使う事は出来ず毎日合宿場所に通う形で参加していました。その辺りの線引はしっかりしているのが鷲匠鍛治の特徴にもなっています。

ハイキュー作中では「否定したい」という名言とも言えるセリフを残している鷲匠鍛治ですが、最終的には認めている存在となっています。

鷲匠鍛治が日向を認める大きな要因になったといえるのが春高予選で負けた事ではないかと考えられています。同じ活躍をしても白鳥沢が勝っていれば或いは認める事は出来なかったかも知れませんが、自身の信念を体現したチームである白鳥沢を破った事が認めるきっかけになったのは間違いありません。

白鳥沢戦、日向はエースだったわけではありませんが紛れもなくチームの中核として活躍していました。過去の自身には出来なかった活躍をしている日向には鷲匠鍛治も認めざるを得なかったといえるでしょう。

鷲匠鍛治は40年という長きに渡って監督を務めてきたキャラです。日向の存在は自身のチームでは活かせなかった存在であると同時に、ライバルとしてチームをレベルアップさせる材料になると考える事が出来るのではないかと言われています。強豪校とはいえ過去に負けた事がないわけではない為、こういう好敵手の存在は大きな意味を持つのではないかと考えられています。

日向は高校卒業後、プレイ技術の向上やプレーの幅を増やす事を目的にブラジルに修行の旅に出ています。この時資金面でサポートしたのが研磨ですが、実際に修行先での事を手配したのがなんと鷲匠鍛治なのです。他校の選手であった日向の為にそこまでした理由を問われた際には「俺以上に日向翔陽に期待する人間がいてたまるか」と名言と言われる答えをするなど日向の今後に熱い期待感を持っているのは間違いありません。

鷲匠鍛治と日向の関係性の深さは鷲匠鍛治の名言にも現れています。ここからは鷲匠鍛治の日向関連の名言を紹介します。

疑似ユース合宿にて鷲匠鍛治が日向に向けて内心で思った名言がこの名言です。この名言でも「俺達」と日向と自分が同じであるとしている事からも低身長である事、日向を認めている事が分かる名言になっています。

春高の鴎台戦、日向は体調を崩し試合の途中でコートを去る事になります。もちろんそれでも試合は継続するわけですが、日向不在で戦い続ける烏野に対し、その様子をテレビ中継で見ていた鷲匠鍛治が発した名言です。この名言は上記で紹介した合宿後の出来事であり、わざわざ会場にいない鷲匠鍛治の事を描いている事からも作者の古館春一先生も鷲匠鍛治が日向を認めている事を示したかったのだと言われる名言になっています。

アニメハイキューで鷲匠鍛治の声優を担当したのはマルチに活躍する中尾隆聖さんです。元々は俳優で俳優としては1954年、3歳の時にデビューしています。その後、1965年に声優としてデビューし声優の草分け的存在になります。その後も1970年代までは俳優としてドラマなどでも活躍していました。現在までに舞台への出演や演出、ラジオパーソナリティなど幅広い活躍をしている声優さんです。

声優としてはシャープで甲高い独特な声色が特徴で、コメディリリーフなキャラクターを演じる機会が多いですが、悪党役やクセの強いキャラクターを演じる事も多くなっています。また近年では老人役を演じる機会も増えてきました。

中尾隆聖さんがこれまでに出演した作品としては「それいけ！アンパンマン」のばいきんまん役、「ドラゴンボールZ」のフリーザ役、「BLEACH」の涅マユリ役、「ワンピース」のシーザー・クラウン役、「ザ・ドラえもんズ」のエル・マタドーラ役、「エルシャダイ」のサリエル役、「フィリックス」のフィリックス役などがあります。

ここからは既にハイキューを視聴している人の鷲匠鍛治ついての感想を紹介していきます。高校バレーを舞台にしたハイキューですが、古館春一先生の書く老人キャラは良いと言われる事が多く、その中でも名前が上がる事が多いのが鷲匠鍛治になっています。やはり日向との関係性からストーリーのテーマに深く関わっている事が印象的だったという声が多いです。

他にも烏養一繋などのキャラクターも名前が上がりますが、指導者としての側面だけではなく、1人の人間として書いているのが良いという声も多くなっています。ちゃんとそのキャラクターにも過去があって現在の考えに至っている様子が分かるのが良いという声も多いです。

また鷲匠鍛治が40年の監督人生を経ても尚、自身の青春時代と比較してしまっているのが良いという声も多いです。バレーボールにおいて高さが武器であるというのは紛れもない事実であり、鷲匠鍛治の信念はなんら不思議ではありませんが、それを自身の過去の経験に基づいている形になっている事でストーリーに深みが出た、白鳥沢が何故強いのかを描く分かりやすいエピソードになったという声も多くなっています。

ハイキューにおいては現役、OBの中でも代表的な低身長キャラの1人である鷲匠鍛治はその事にまつわるエピソードも多く、主人公の日向との関係性がクローズアップされる事も多いです。特に日向のブラジル行きを助けたというのが自身の過去を重ねているような感じがしてよかったという声も多くなっています。

鷲匠鍛治は白鳥沢学園高校の監督であり、日向の活躍に一番影響された人物といっても過言ではないキャラクターです。自身が低身長故に活躍出来なかったという過去を持つ事もあり、そしてそのような共感性の高さから隠れた人気キャラクターになっています。まだハイキューを視聴していない人は鷲匠鍛治にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？