2021年05月14日公開
2021年05月14日更新
【風の谷のナウシカ】映画のエンディングは3種類用意されていた?原作漫画の結末は?
『風の谷のナウシカ』は宮崎駿監督の最高傑作のひとつです。今回は気になる『風の谷のナウシカ』に用意されていた3種類のエンディングや原作漫画の結末の意味についてネタバレしつつ紹介します!映画『風の谷のナウシカ』はもともとどのようなエンディングが考えられていたのでしょうか?本記事では『風の谷のナウシカ』の映画と原作漫画でのエンディングを比較しつつ、読者や視聴者からの感想も紹介していきます。
目次
風の谷のナウシカとは?
風の谷のナウシカの概要
『風の谷のナウシカ』は1984年に公開された映画です。原作漫画である『風の谷のナウシカ』は1982年からアニメ雑誌「アニメージュ」で連載されており、映画化された当時は、まだ完結していませんでした。映画『風の谷のナウシカ』は原作漫画の2巻の途中までが描かれた内容となっています。
風の谷のナウシカのあらすじ
人類は、科学技術で作り上げた巨神兵で「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を起こします。巨神兵は街を焼き尽くし巨大産業文明は崩壊します。わずかに生き残った人類は、巨大な蟲と腐海が放つ猛毒に怯えながら暮らしていました。辺境にある「風の谷」で暮らす人々は、酸の海から吹く風によって毒から守られ、のどかな生活を送っていました。風の谷には、ナウシカという族長の娘で王蟲とも心を通わせることができる少女がいました。
風の谷のナウシカの映画のエンディングは3種類?
映画『風の谷のナウシカ』のエンディングは本来、宮崎駿監督が考えていた結末から変更されています。映画『風の谷のナウシカ』のエンディングには3種類の候補があり、その中の1つが映画『風の谷のナウシカ』のラストシーンに採用されました。用意されていた3種類のエンディング候補について紹介します。
考察①ナウシカが王蟲の暴走を止める
映画『風の谷のナウシカ』の3種類あったエンディング候補の1つ目は、ナウシカが王蟲の暴走を止めるというラストシーンでした。このエンディングは、宮崎駿監督が当初思い描いていた結末であり、ナウシカが死ぬことはありません。
しかし、映画『風の谷のナウシカ』の製作を支えていた、鈴木敏夫さんと高畑勲さんから、突進してくる王蟲の前にナウシカが降り立ち、暴走を止めるというエンディングでは、物足りないという意見が出たことから、映画のラストシーンに採用されませんでした。
考察②ナウシカが死に永遠の伝説になる
映画『風の谷のナウシカ』の3種類あったエンディング候補の2つ目は、ナウシカが死ぬことで永遠の伝説になるというラストシーンでした。1つ目のエンディングの候補であった、突進してくる王蟲の群れの前に降り立てば、王蟲が急に止まるということは難しいため、ナウシカは跳ね飛ばされて死んでしまううだろうということから考えられました。
2つ目のエンディング候補は一番現実的でしたが、ナウシカが命を懸けて王蟲の前に降り立ち、死んでしまうという結末では、映画を見終わった観客が悲しくてやりきれない思いを抱えてしまう可能性があり、ラストシーンには採用されませんでした。
考察③ナウシカが死に甦る
映画『風の谷のナウシカ』の3種類あったエンディング候補の3つ目は、ナウシカが死に甦るというラストシーンです。いったん死んでしまったナウシカが奇跡の力で生き返るという3つ目の候補が実際に映画のラストシーンに採用されました。命を懸けて王蟲の前に降り立ち、死んでしまったナウシカですが、王蟲に持ち上げられて朝の光で金色に染まり生き返るという印象的なエンディングとなりました。
観客を感動させた映画『風の谷のナウシカ』のエンディングは、ハッピーエンドで終わったこともあり、高く評価され歴史的な作品となりましたが、宮崎駿監督にとっては奇跡が起きれば何でもありという結末に悔いが残ることとなってしまいました。
風の谷のナウシカの原作漫画のエンディング・結末の意味を考察
ここまで『風の谷のナウシカ』の映画のエンディングの3種類あった候補についてまとめていきました。ここからは『風の谷のナウシカ』の原作漫画のエンディング・結末の意味を考察していきます。
考察①原作のエンディング
映画『風の谷のナウシカ』の公開から10年後に原作漫画『風の谷のナウシカ』は完結しました。宮崎駿監督は、原作漫画『風の谷のナウシカ』では、映画『風の谷のナウシカ』のようにハッピーエンドにするために奇跡を取り入れることはしませんでした。ナウシカは、汚染のない浄化された大地とそこで人間たちが平和に暮らすという理想的な世界を作る技術を破壊することを選択します。
その選択は、汚染された世界でも生きていけるように改造されていた人類が生きられなくなることを意味していました。原作漫画『風の谷のナウシカ』の物語は、一時的には世界は落ち着くものの、全ての問題が解決しないままに世界は続いていくということを感じさせながら終わったのです。賛否両論がある原作漫画『風の谷のナウシカ』の結末は、自分たちが今生きるということを何よりも優先させるということを意味しているようでした。
考察②原作に対する宮崎駿監督の解釈
宮崎駿監督は、映画『風の谷のナウシカ』のエンディングに対して、他のエンディングはなかったのか後悔し、まだ終わっている感じがしないという思いを抱いていました。そして、映画『風の谷のナウシカ』の思いを原作漫画『風の谷のナウシカ』へ引き継ぐことにしたのです。
原作漫画『風の谷のナウシカ』のエンディングでは、ナウシカの決断によって、生きられなくなる人類がでてくるということを意味していました。宮崎駿監督は「人間は滅びたっていい」と発言していたことがあることから、人間が力があると思い違いをして、神の領域に踏み込んでしまうのであれば、人類は滅びても仕方がないという意味が込められているのではないかと考えられています。
風の谷のナウシカの主題歌
風の谷のナウシカの主題歌は「風の谷のナウシカ」
映画『風の谷のナウシカ』の主題歌は「風の谷のナウシカ」です。作詞を松本隆さんが担当し、作曲を細野晴臣さんが手がけた「風の谷のナウシカ」は1984年に発売されました。
風の谷のナウシカの主題歌を歌っている歌手は?
『風の谷のナウシカ』の主題歌を歌っているのは、女優やナレーター、歌手として活躍している安田成美さんです。安田成美さんは『風の谷のナウシカ』がアニメ映画化される際に募集されたイメージガールのオーディションでグランプリに輝きました。安田成美さんは「風の谷のナウシカ」で歌手デビューを果たしましたが、曲が『風の谷のナウシカ』の映画の雰囲気に合わなかったため、映画本編では一度も流れることがありませんでした。
映画本編では一度も流れることがなかった安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」ですが、映画『風の谷のナウシカ』のシンボル・テーマソングとして、映画のプロモーション用にテレビCMや劇場予告に使われました。そして安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」はオリコンシングルチャートで10位にランクインするヒット曲となりました。
風の谷のナウシカのエンディングに関する感想や評価
漫画版風の谷のナウシカを久々に読みあさる。映画版も好きだが、漫画版の結末を知れば、映画版の結末が如何に物足りないものかが分かる。
— もすぽん (@mosupon) April 29, 2010
『風の谷のナウシカ』の映画も好きだが、原作漫画の結末を知ると映画は物足りなく感じるというコメントが寄せられています。『風の谷のナウシカ』は映画が好きであるという声と原作漫画が好きであるという声、どちらも見られました。
いやー、風の谷のナウシカ良かったね(*´꒳`*)
— サイガ【公式】 (@szkiss_0217) April 6, 2020
原作漫画、読了した。(涙)
…映画と全然違うじゃんか!!!違うよね!?
結末も違うじゃんか!今一度、映画見てみようかな、、、#風の谷のナウシカ pic.twitter.com/yvoj1W9Ano
原作漫画『風の谷のナウシカ』のエンディングの結末が映画と全然違うという感想が寄せられています。原作漫画は、映画『風の谷のナウシカ』の公開から10年後に完結しています。
『風の谷のナウシカ』公開当時「ナウシカガール」に選ばれた安田成美さんが歌うイメージソングの「風の谷のナウシカ」
— ジョー・ヨースケ (@xiR6q2AqumjtTjm) December 25, 2020
当然、劇中かエンディングで使われると思っていたが…
使われなかった…
映画『風の谷のナウシカ』で安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」が劇中のエンディングで使われると思っていたら、使われていなかったというコメントが寄せられています。『風の谷のナウシカ』をアニメ映画化するときに募集された、ナウシカガールコンテストでグランプリを受賞し、歌手デビューを果たした安田成美さんですが、映画本編では安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」が使われることはありませんでした。
風の谷のナウシカのエンディングまとめ
いかがでしたか?映画『風の谷のナウシカ』には3種類のエンディングの候補があったことや原作漫画のエンディング・結末の意味について詳しく紹介しました。『風の谷のナウシカ』の映画と原作漫画ではエンディングの内容が異なっています。3種類の候補があったエンディングに注目して、映画『風の谷のナウシカ』を再度ご覧になってみてはいかがでしょうか?