2021年05月08日公開
2021年05月08日更新
【銀河鉄道999】鉄郎の母が剥製にされた理由とは?メーテルとの関係もネタバレ
機械の体となり永遠の命を手入れることが可能となった未来を背景に、鉄郎と正体不明の美女メーテルの旅を描いた「銀河鉄道999」は、漫画での人気と並行してアニメ化となり80年代の国民的アニメへと成長します。「銀河鉄道999」の主人公である鉄郎の母は、物語冒頭で機械伯爵に殺され剥製にされてしまうという悲劇的な最後となってしまいます。鉄郎の母の死亡と剥製となった理由、鉄郎の母を彷彿させるメーテルが何者であるかについてネタバレをしていきます。
鉄郎の母とは?
銀河鉄道999の作品情報
「銀河鉄道999」の原作者である松本零士氏は、「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」「1000年女王」「宇宙海賊キャプテンハーロック」など、少年少女の想像力を無限に掻き立てるSFを主題にした漫画やアニメを数多く世に送り出している漫画界の巨匠として幅広い世代に知られています。
銀河鉄道999の概要
松本零士原作のSF漫画「銀河鉄道999(スリーナイン)」は、週刊少年キングに1977年から1981年まで連載され、第23回(1977年度)小学館漫画賞を受賞した大ヒット漫画です。週刊少年キングの看板漫画として人気を誇っていた「銀河鉄道999」は、連載中にテレビアニメ化、劇場アニメ化となり、70〜80年代におけるアニメブームの代表作のひとつとして後世に残る作品となったようです。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」とモーリス・メーテルリンクの「青い鳥」から着想を得た松本零士氏は、「銀河鉄道999」で描かれている「銀河鉄道」を「銀河鉄道の夜」に登場する銀河鉄道と旧国鉄をミックスさせたようです。そして、古き良き時代を彷彿させる蒸気機関車は、銀河系の各惑星間を往来する交通手段として宇宙空間を自由自在に走るテクノロジー満載の未来の列車に変化させたようです。
銀河鉄道999のあらすじ
未来の地球(アニメでは西暦2221年)。古来より不老不死を追及していた人間は、機械人間として不老不死になれるテクノロジーを実現させます。富裕層は機械人間となり、無限の命を謳歌しながら貧困層の人間を迫害します。機械人間の迫害が日常茶飯事の中、鉄郎は機械伯爵に母を殺されてしまいます。天涯孤独となった鉄郎は謎の美女メーテルと共に、銀河超特急999号に乗りタダで機械人間になれる星を目指し旅立ちます。
鉄郎の母はとても美しい女性
鉄郎の母である星野加奈江の夫は、原作漫画だけでなくアニメにおいても、物語冒頭で故人という設定になっており、夫を失った鉄郎の母はいつ終わるとも知れない貧しい暮らしの中、女手一つで幼い鉄郎を必死に育てていたようです。そんな鉄郎の母は、苦労が報われることなく機械伯爵に殺されてしまいます。
機械伯爵により無残に殺された鉄郎の母は美しかった故、亡骸は手厚く葬られることなく機械伯爵の手で剥製にされてしまいます。鉄郎の母の死亡や剥製となった理由は機械伯爵という設定は、原作漫画とアニメにおいて共通しています。多くを語らなかった鉄郎の母は、TVアニメ版で鉄郎の回想に登場することがあったようです。
鉄郎の母が剥製にされた理由をネタバレ考察
考察①鉄郎の母親は地球で人間狩りに遭い殺される
鉄郎と母は貧しい暮らしから抜け出すために、巷で囁かれていた「タダで機械の体になれる星がある」という噂を信じ、寒い雪の夜、その星に向かう列車(999号)に乗るため駅に急いでいました。しかし、機械伯爵の領地に迷い込んでしまった鉄郎と母は、機械伯爵の人間狩りの対象となってしまい鉄郎の母は殺されてしまいます。
考察②機械伯爵たち機械人間の趣味は人間狩り
「銀河鉄道999」の舞台となる未来社会では不老不死の機械人間になれるテクノロジーが実現した一方で、機械人間となった人間はいつしか人間性が歪み、機械人間なれない貧困層の人間を下等とみなして迫害していたようです。
鉄郎の母を殺した機械伯爵もそんな機械人間として、当たり前のように趣味の人間狩りに興じていたようです。不老不死の機械人間になれるテクノロジーは、機械伯爵の狩猟区に侵入した鉄郎と母を狩っても罪に問われない、とんでもない常識を生み出していたようです。
考察③鉄郎の母の剝製は時間城に飾られる
運良く生き残った鉄郎は、母の仇を討つため機械伯爵の時間城に単身で侵入します。そこで鉄郎は、機械伯爵の居間に飾られている亡き母の剥製を目にします。機械人間となり人間性が欠如してしまった機械伯爵は、美しい鉄郎の母の亡骸を剥製に自慢のコレクションに加えていたのです。
鉄郎の母とメーテルの関係
メーテルとは?
ミステリアスなオーラを放つ美女メーテルは、その風貌と同じく彼女の背景は謎に包まれたままです。旅の目的を隠したまま鉄郎を救ったメーテルは、鉄郎の旅の同乗者となります。一見近寄りがたい雰囲気を漂わせていますが、穏やかで温かみのある女性のようです。
一般的にジャケットやイラストなどでは主人公が数多く描かれるものですが、なぜが「銀河鉄道999」においては主人公の鉄郎よりメーテルが数多く描かれています。即ち永遠に解けない謎を持ち続けているメーテルは、ヒロインとして至高の存在と言えるかもしれません。
メーテルの体は鉄郎の母?
物語のラストで、鉄郎の母を彷彿させるメーテルの謎がネタバレされます。メーテルの体は鉄郎の母の体を使ったというネタバレになっていますが、鉄郎の母は機械伯爵により剥製になっているため、正確には若かりし頃の鉄郎の母の体を使っていたというネタバレになります。現代の解釈で置き換えるとメーテルは、若かりし頃の鉄郎の母のクローンと言えるかもしれません。
「銀河鉄道999」は劇場版2作目「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」で完結しておらず、劇場版3作目「銀河鉄道999 エターナルファンタジー」と続いていることからメーテルに関する謎が全てネタバレされたとは言えないようです。
鉄郎の父親を考察
考察①鉄郎の父親は死亡している?
物語冒頭で故人となっている鉄郎の父の死亡理由は、原作漫画とアニメでは異なっているようです。原作漫画での鉄郎の父の死亡理由は、機械人間反対派であることが理由となっており、鉄郎の母のように殺されたシーンは描かれておらず鉄郎の台詞のみで完結しているようです。
TVアニメ版での鉄郎の父の死亡理由は、機械の体を手に入れるための過労死となっているようです。TVアニメ版では原作漫画のように鉄郎の台詞のみで完結しておらず、鉄郎の父の死亡理由は過労死だったという経緯が鉄郎の回想で描かれているようです。
考察②黒騎士ファウスト?
原作漫画とアニメで死亡しているはずの鉄郎の父は、劇場版2作目でメーテルの母プロメシュームの有能な機械人間の側近・黒騎士ファウストとして登場していますが、鉄郎に正体を告げぬまま「息子よ」と呟き死んでいきます。黒騎士ファウストの背景は不明ですが、ハーロックやエメラルダスは黒騎士ファウストと戦友だったらしく黒騎士ファウストの過去を知っているようです。
劇場版2作目でいきなり登場した鉄郎の父は、原作漫画で語られている死亡理由「機械人間になることを反対していた」という設定から派生して、有能な側近が欲しかったプロメシュームにより反機械人間派であることを消去され、機械人間・黒騎士ファウストとなったのかもしれません。
鉄郎の母に関する感想や評価
【実はこんなのも作ってたよシリーズ】
— J CLAY ART (JAPAN) (@subsubawleh) April 26, 2021
作ってたんですよねぇ笑
『機械伯爵の人間狩りによって殺害される鉄郎の母。貧乏のどん底でも希望を失わず人としての誇りと道徳を鉄郎に教え続けた気高く美しい女性であった』
世の中に最も増えて欲しい女性像#銀河鉄道999 #母は偉大であるべき #近しい未来 pic.twitter.com/wS0uR7CzsN
わずかなシーンながらも鉄郎の母が無残に殺されてしまうシーンは、多くのファンの心に残っていることでしょう。この出来事は鉄郎にとって、無力な少年から否応なしに大人になるためのターニングポイントだったのかもしれません。
銀河鉄道999
— 夜乃夜華 Yoruno (@YorunoYovaana) December 3, 2020
St.01 地球
機械化人が支配する星・地球。
彼らに面白半分で母を殺された鉄郎は、復讐のために宇宙に旅立つ。
旅に連れ添うメーテルの目的はまだ分からない。
地球とは?「悲しい思い出しかない(鉄郎)」#ヨルノ停車駅 pic.twitter.com/2Yz7aSrJja
物語が始まった頃のメーテルに、母性が欠如したクールビューティーのイメージを抱いていた方もいたかもしれません。物語が進むにつれメーテルが時折見せる母性とクールビューティーさがミックスされていき、日本風に例えるなら菩薩様、西洋風に例えるなら聖母マリア様のようなキャラクターと変貌していったようです。
#銀河鉄道999 言うまでもないですが、メーテルの身体って若い頃の鉄郎の母のコピーなんですよね pic.twitter.com/aZP9kDie4X
— SARAKICHI (@ngtproMCRS) October 4, 2020
メーテルの女神さまのような神々しさは、美しい鉄郎の母の若かりし頃のクローンだけでなく、メーテル自身から放たれる凛とした美しさも関係しているのではないでしょうか?それに加え、メーテル役を演じた声優界のレジェンド池田昌子さんの女神さまのような声が神々しさを引き立たせているのかもしれません。
鉄郎の母の剥製まとめ
原作漫画は1981年に連載が終了し、劇場映画2作目となる「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」で「銀河鉄道999」は完結した見なされていましたが、昨今のアニメ業界のブームとも言える伝説のアニメの続編やスピンオフが制作される中、「銀河鉄道999」も劇場映画3作目「銀河鉄道999 エターナルファンタジー」が1998年に公開されています。
メーテルの体は鉄郎の母の若かりし頃のクローンというネタバレとなっていたようですが、続編やスピンオフで新たな事実が判明するかもしれません。ひょっとしたら、剥製となってしまった鉄郎の母や、鉄郎の父かもしれない黒騎士ファウストに関しても新たなエピソードが紡がれるかもしれません。