2021年03月20日公開
2021年03月20日更新
鬼殺の流は鬼滅の刃の原点となった作品?共通のキャラやあらすじをネタバレ紹介
「鬼殺の流」は、大ヒット漫画「鬼滅の刃」のストーリーの原点となっている2013年発売の吾峠呼世晴の読み切り短編漫画、「過狩り狩り」に修正を入れたネーム(漫画)です。「鬼殺の流」には、珠世や愈史郎など、「鬼滅の刃」と共通するキャラクターが登場していることが大きな話題となりました。今回は、「鬼殺の流」の作品情報や主要なキャラクター、あらすじを「過狩り狩り」情報とまとめてネタバレ紹介していきます。
目次
鬼殺の流は鬼滅の刃の原点となった作品?
鬼殺の流とは?
「鬼殺の流(きさつのながれ)」は、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)原作のネーム(漫画)で、大ヒットとなっている「鬼滅の刃」の前身となる「過狩り狩り(かがりがり)」という短編漫画に手を加えて作られました。「鬼殺の流」は、吾峠呼世晴がJUMPトレジャー新人漫画賞に応募するために描かれました。
「鬼殺の流」は、2019年7月4日に発売された鬼滅の刃公式ファンブック「鬼殺隊見聞録」で披露されています。
鬼殺の流の作者は吾峠呼世晴
「鬼殺の流」の作者は、1989年5月5日生まれの福岡県出身の女性漫画家の吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)です。吾峠呼世晴は、24歳の時に少年ジャンプに「過狩り狩り」を持ち込んだことがきっかけで漫画家となりました。「過狩り狩り」をベースとしたネームの「鬼殺の流」に手を加えて進化させた「鬼滅の刃」が連載会議を通過し、2016年11号から2020年24号まで週刊少年ジャンプで連載していました。
「鬼滅の刃」は、2019年のテレビアニメ化をきっかけに大ヒットとなり、社会現象を巻き起こしています。吾峠呼世晴は、出版界全体への貢献が評価されて、2020年度野間出版文化賞と芸術選奨新人賞(メディア芸術部門)を受賞しています。
鬼殺の流 初代担当四方山話
「鬼殺の流」は、吾峠呼世晴と「呪術廻戦」や「ブラッククローバー」などの人気漫画を担当したことでも知られている初代担当編集の片山達彦が二人三脚で作り上げた作品です。片山達彦は、最初に「過狩り狩り」を読んだ時にはそこまであらすじの面白さを感じませんでしたが、圧倒的なセリフ力のあるキャラクターに吾峠呼世晴氏の実力を感じました。
そこで片山は、「鬼殺の流」には、「何よりもキャラクターを大事にすること」や「主人公が魅力的に見えるように描くこと」、「主人公が暗すぎる」といったアドバイスを授けます。それをふまえて吾峠呼世晴が考えた漫画の主人公のキャラクターが、竈門炭治郎でした。主人公が流(ながれ)から竈門炭治郎に変更されたことであらすじやタイトルが変更され、現在の「鬼滅の刃」が生まれました。
鬼殺の流の登場人物一覧!共通のキャラはいる?
キャラ一覧①流
ここからは、「鬼殺の流」の漫画の登場人物をネタバレ紹介していきます。「鬼殺の流」の主人公は、流(ながれ)という冨岡義勇に似た少年です。流は、鬼殺隊になる前の最終選抜の時に顔には大きな火傷を負ってしまいました。右腕を失い、両手両足が義足となってしまった流は、その体でも誰よりも早く動くことができたため、諦めずに鬼殺隊のメンバーとして民を守り続けることを誓います。
流は、「過狩り狩り」に登場していた名前のない主人公に人間味を加えて進化させたキャラクターだと言われています。口下手で人付き合いが苦手な流には、冨岡義勇のように冷静沈着な一面と、情に厚い竈門炭治郎のような優しい一面の両方の性質が入っています。
キャラ一覧②男の鬼
男の鬼は、町で起きている連続惨殺事件の元凶です。6人兄弟の家を襲った時には、「砂時計の砂がすべて落ちるまで逃げ切ったら見逃してやる」と言い出すなど、人間を弄びながら殺すという残忍な一面を見せていました。男の鬼の最後は、駆け付けた流に頸を落とされて消滅しています。
キャラ一覧③髪を操る鬼
髪を操る鬼は、自分の髪を自在に操る能力を持つ女性の鬼です。管のようになっている髪の毛を使って、人間の血を吸い上げます。髪を操る鬼の髪の毛はかなりの強度でしたが、特殊な「呼吸」を使って身体能力を上げている流にはかなわず、最後は頸を斬られて消滅しました。
長い髪を自由自在に操る女の鬼は、風貌が「鬼滅の刃」に登場する上弦の陸・堕姫(だき)によく似ています。更に、攻撃の仕方も、帯を使った血鬼術の「八重帯斬り(やえおびぎり)」にそっくりです。
キャラ一覧④沼の鬼
沼の鬼は、「鬼滅の刃」の第3話に登場した、16歳の少女ばかりを喰らう沼鬼(ぬまおに)の原型であると言われています。「鬼殺の流」に登場する沼の鬼は、坊主頭で1人だけ登場するという点が「鬼滅の刃」の設定とは異なりますが、壁や床から出てくるというところには共通点が見られます。
キャラ一覧⑤伴田左近次
伴田左近次は、親に置き去りにされてしまったた流を見つけて、厳しく鬼殺隊に育てあげた師匠です。ある程度年を取っていて、育手の役目を担っていることから、恐らく「鬼滅の刃」の鱗滝左近次の前身のキャラクターであると予想されます。流は、左近次のことを深く尊敬しており、自身の名前を「伴田流」と名乗るほど深い絆で結ばれています。
キャラ一覧⑥鴉を連れた謎の男
鴉を連れた謎の男は、鬼殺隊士となってた初めての戦闘で勝利した流の戦いを見届けていた人物です。鴉を連れているため、鬼殺隊の一員ではないかと予想されていますが、どのような人物なのかの詳細は明らかになっていません。
キャラ一覧⑦山中の兄弟
山中の兄弟は、危篤の母親の死に目に合うために山道を急いでいた少年たちです。山道で髪の毛を操る鬼に襲われましたが、すんでのところで流に救出されたため、無事でした。
キャラ一覧⑧いく
いくは、沼の鬼に狙われた16歳の少女です。自分のことよりも、襲われた他の女性たちの安否を気遣う優しい性格の少女でした。最後は沼の鬼にさらわれてしまいまいましたが、その後どうなったのかは作中では明らかにされていません。
キャラ一覧⑨隆
隆は、鬼殺隊を無料でもてなし補助する役目を持つ「藤の花の家紋」を掲げている家の人間です。「鬼殺の流」のあらすじの中では、流に少女が姿を消してしまった事件の詳細を事細かに伝える役割を担っていました。
キャラ一覧⑩鴉
出典: https://note.com
鴉は、人間の言葉を話すことができる鬼滅隊に飼われているキャラクターです。鬼滅隊に連絡事項を伝える任務があります。この鴉は、「鬼滅の刃」に登場している鎹鴉と同じキャラクターであるとされています。
キャラ一覧⑪稀血の隊士候補
稀血の隊士候補は、鬼が好む珍しい血であると言われている稀血(まれち)を持つ鬼殺隊士候補の少年です。流がこの隊士候補に会った時、この隊士候補はすでに重傷を負っていました。稀血の匂いで凶暴化した鬼に追い詰められていた稀血の隊士候補は、家族を殺した鬼に食べられるくらいなら、自分を山の外に捨ててくれと流に懇願しました。
流は、隊士候補を守るために稀血に群がってきた多くの鬼を相手に戦い、勝利しましたが、この戦いで両足と片腕・両目の視力を失ってしまいました。しかし、その状態で隊士候補を背負い、山を下りました。生き残ることができた稀血の隊士候補は、流に深い傷を負わせてしまったことに心を痛め、謝罪し続けるのでした。
キャラ一覧⑫女の隊士候補
女の隊士候補は、最終選別のときに流と稀血の隊士候補の前に現れた女性の隊士候補です。稀血を持つ隊士候補がいることによって鬼が狂暴化することを懸念し、流が助けるのを辞めるように言い放つなど、冷徹な一面を持っています。女の隊士候補も、無事に最終選抜を生き残りました。
鬼殺の流のあらすじネタバレ
1話のあらすじ
ここからは、「鬼殺の流」の1話のあらすじを紹介していきます。「鬼殺の流」の舞台となった明治時代は、異形の存在「鬼」と政府の非公認組織の鬼を狩る「鬼殺隊」が存在する世界でした。「鬼殺の流」の1話には、鬼殺隊になった流の現在と、鬼殺隊になるまでの経緯が描かれています。
流は、山寺に捨てられていたところを孤児を引取って鬼殺隊として鍛えていた伴田左近次に救われます。強くなりたいと願う流は、辛い修行を積み重ねて日輪刀を受け取り、鬼殺隊の最終選抜のために、藤襲山に行きました。そこで、流は、そこで出会った稀血の剣士を助けたことで、両足・右腕・顔に大きな傷を負ってしまったのでした。
2話のあらすじ
次に、「鬼殺の流」の2話のあらすじを紹介していきます。2話は、鬼殺隊になった流が、長い髪を操る女の鬼と闘うというストーリーです。流が初めて戦ったのは、「鬼滅の刃」の上弦の陸・堕姫を連想させるような長い髪を操る女の鬼でした。苦戦した流は、「呼吸」を使って、身体能力を最高までに向上させながら髪の毛を操る女の鬼に挑み続けますが…。
3話のあらすじ
続いて、「鬼殺の流」3話のあらすじを紹介していきます。3話は、16歳の少女ばかりを喰らう沼鬼の原型のような男の鬼が出現するストーリーです。襲われた少女「里子」を助け出すために、流は、たった1人で地面に潜る能力がある沼の鬼に立ち向かいますが…。「鬼滅の刃」と同様に、鬼滅隊を匿ってくれる「藤の花の家紋の家」も登場しています。
鬼殺の流の前身となった「過狩り狩り」とは?
過狩り狩りとは?
ここからは、「過狩り狩り」の作品情報をネタバレ紹介していきます。「鬼殺の流」の前身となった「過狩り狩り」は、2013年に第70回JUMPトレジャー新人漫画賞で佳作を受賞した作品です。「過狩り狩り」は、作者の吾峠呼世晴に担当編集がつく前に描かれた作品なため、「鬼滅の刃」よりも少々わかりにくい内容となっています。
「過狩り狩り」の主人公のナガレは、水柱の冨岡義勇に近い雰囲気の少年です。「過狩り狩り」には、「鬼滅の刃」とほぼ同じ設定の珠世と愈史郎や、鬼舞辻無惨の原型に見える鬼のキャラクターが登場しています。「過狩り狩り」のタイトルには、「人を狩りすぎて目立ってしまった鬼は鬼狩りに狩られる」という意味が込められています。
過狩り狩りのあらすじ
ここからは、「過狩り狩り」のあらすじをネタバレ紹介していきます。孤児となり、薄汚れた姿で神社の境内の下に座っていたナガレは、後の師匠となる老人と出会い、鬼狩りとなる道を選びます。この頃街では、最近人が吸血鬼に惨殺される事件が多発していました。自分の縄張りを荒らされた鬼の時川は、珠世に連続殺人の犯人を捜す手伝いをしてほしいと要請します。
時川と珠世・愈史郎の3人は、西洋風の吸血鬼と戦いますが、鬼狩りのナガレから気配を消すために力を押さえていたため、やられて傷を負ってしまいました。仕方なく全力を出した瞬間に、ナガレが現れて…。
鬼殺の流の前身となった「過狩り狩り」の登場人物・キャラ一覧
キャラ一覧①ナガレ
ここからは、「過狩り狩り」の登場人物やキャラを一覧でネタバレ紹介していきます。顔に大きな傷がある「過狩り狩り」主人公のナガレは、片腕・盲目の剣士です。左腕には「ウ-拾壱号」、刀には「悪鬼滅殺」の文字が刻まれています。鬼殺隊のような組織に入っているかは不明ですが、一部の警察には一目置かれており、帯刀が許されています。
ナガレは、時川や珠世・愈史郎などの鬼が逃げるほどの強さを持っています。元々孤児だったナガレは、師匠のもとで修業を積み、最終選別で6体の鬼を同時に倒しましたが、その時に右腕と視力を失ってしまいました。炭治郎のように匂いで相手を見極めることはできませんが、気配を感じ取って戦うことができます。
ナガレは、口数の少ない寡黙なキャラクターで、見た目は、「鬼滅の刃」の水柱・冨岡義勇によく似た風貌をしています。
キャラ一覧②時川
時川は、白いスーツにハットとネクタイを合わせた西洋風の装いをしている切れ長な目の鬼の男のキャラクターです。「鬼滅の刃」に登場する鬼舞辻無惨のプロトタイプのようなキャラクターだと言われています。
自分の縄張りが誰かに荒らされていることに腹を立てた時川は、自身と同じ鬼の珠世と愈史郎に犯人捜しの手伝いを頼みました。時川の最後は、ナガレの圧倒的な強さに押されてなすすべもなく頸を斬られて死亡しています。
キャラ一覧③珠世
珠世は、花の柄の着物と花の髪飾りが印象的な女性の鬼のキャラクターです。「鬼滅の刃」に登場している珠世と、名前も自分の血の香りで相手の嗅覚と視覚を惑わす惑血(わくち)の能力も一緒です。「過狩り狩り」では、時川の強力要請を承諾し、愈史郎と一緒に吸血鬼と戦いました。
珠世は、吸血鬼が人を沢山殺したことでナガレに目をつけられてしまったことに関し、「狩り過ぎれば狩られる」という「過狩り狩り」のタイトルに繋がる重要な言葉を残しています。
キャラ一覧④愈史郎
愈史郎は、珠世に心酔している青年の鬼のキャラクターです。「鬼滅の刃」に登場する愈史郎と同じ見た目をしています。自身の力を込めた札を通して遠くの様子を見ることができる能力を持つ愈史郎は、吸血鬼との戦いでは周りを警戒する役割を果たしました。珠世に執着しているため、協力を要請してきた時川のことを良く思っていません。
キャラ一覧⑤西洋風の吸血鬼
西洋風の吸血鬼は、明るい髪色で黒いコートのような服を着ている吸血鬼のキャラクターです。耳がとがっているという特徴があります。西洋風の吸血鬼は、時川の縄張りの中で13人の人間を殺して食べてしまったことがきっかけで、時川・珠世・愈史郎の3人と争うことになりました。
西洋風の吸血鬼は、時川が「外から来た者」と評したことや、横書き文字で表現されていることから、異国からやってきた鬼であると考えられています。
キャラ一覧⑥ナガレの師匠
ナガレの師匠は、孤児だったナガレを拾って鬼狩りに育てた師匠です。最終選抜で片腕と視力を失う重傷を負ったことで試験管に見捨てられてしまったナガレを唯一褒め称えた優しい育ての親です。ナガレの師匠は、「過狩り狩り」の中では死亡していませんが、咳に血が混じるなど、病を患っている様子が見て取れます。
キャラ一覧⑦鴉
鴉は、人語を話すことができる特別な能力を持ったカラスのキャラクターです。「鬼滅の刃」や「鬼殺の流」に登場している鎹鴉と同じ設定になっています。「過狩り狩り」では、ナガレに鬼が出現している場所や指令を知らせる時に登場しました。
キャラ一覧⑧警察官
警察官は、鬼による殺しが多発する町の見回りを担当する警察官のキャラクターです。ナガレに職務質問した時にナガレの腕の文字を見て取り締まりを辞めたため、鬼狩りについてなんらかの知識を持っているものと思われています。警察官は、吸血鬼を倒したナガレに対して、労いの言葉をかけていました。
キャラ一覧⑨伊勢尾
伊勢尾は、愈史郎の話の中に名前だけ出て来たキャラクターです。珠世や愈史郎と同じく鬼の仲間であると思われています。町の西側に縄張りを持つ伊勢尾は、時川が珠世に協力を要請して来た時に名前が出てきたため、かなりの強さと実力を持っている鬼であると思われています。
鬼殺の流に関する感想や評価
『過狩り狩り』→「吾峠呼世晴短編集」→『鬼滅の刃』公式ファンブック「鬼殺隊見聞録」内に収録の『鬼殺の流』を読むと、どうやって『鬼滅の刃』が出来上がったかがよくわかって激アツですhttps://t.co/bcDw4F2O0L
— SYO(映画ライター) (@SyoCinema) October 24, 2020
ここからは、「鬼殺の流」に関するTwitterでの評価や感想をネタバレ紹介していきます。「鬼殺の流」には、「鬼滅の刃」がどのようにして出来上がったかわかって感動したという声が多数寄せられていました。
『吾峠呼世晴短編集』コミックス一覧|少年ジャンプ公式サイト 鬼滅の刃の作者吾峠先生の短編です おれはこれがめちゃすき 鬼滅よりなんか暗いしねっとりしてるかもしれない https://t.co/BFyo0Ecz2b
— はじめ (@hajimegakusen) May 24, 2020
「鬼殺の流」は、「鬼滅の刃」と比較すると世界観が暗いしねっとりしているという声もありました。「吾峠呼世晴短編集」を読んだ人の中には、「鬼殺の流」が1番好きだったという人が多いです。
『吾峠呼世晴短編集』
— もちこ@本の旅 (@honnotabi_sea) February 22, 2021
『鬼滅の刃』の前身となる作品や、どことなくあの世界観に通じるお話たち。
鬼滅ロスだったので、珠世さんと愈史郎くんにまた会えたのが嬉しい〜。
鬼滅の世界観が好きな人にオススメしたい。#ブクログ #読了 https://t.co/xNFcg08PDc
「鬼殺の流」には、「鬼滅の刃」に通じる世界感が良かったという声がありました。「鬼殺の流」は、「鬼滅の刃」で珠世や愈史郎が好きだった人に好評です。
鬼殺の流まとめ
今回は、「鬼殺の流」の作品情報やあらすじ、「鬼滅の刃」との共通キャラクターについてネタバレ紹介してきました。「鬼殺の流」は、「過狩り狩り」同様に主人公は異なりますが、大まかなストーリーは「鬼滅の刃」の原作となった作品です。
まだ「鬼殺の流」を読んだことがないという方は、この機会に「鬼殺の流」を読んで「鬼滅の刃」がどのような経緯で出来上がったのかを確かめてみてはいかがでしょうか?