2021年02月07日公開
2021年02月08日更新
【ジョジョ】一巡後の世界はパラレルワールド?スティール・ボール・ランの世界観を考察
当記事ではジョジョ7部のスティール・ボール・ランに存在する言葉「一巡後の世界」の意味について考察していきます。ジョジョファンの中には、一巡後の世界のことを「パラレルワールド」と捉えている方もいるようですが、そもそも一巡後の世界とはどのような意味を持つのか、また本作の世界観はこれまでとどのような違いがあるのでしょうか?今回はその疑問について考察した上で、一巡後の世界の意味がパラレルワールドという認識で正しいのかを解説していきます。
目次
ジョジョ7部とは?
ジョジョ7部スティール・ボール・ランの概要
『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』は漫画家・荒木飛呂彦によるアドベンチャー漫画です。2004年から『週刊少年ジャンプ』と『ウルトラジャンプ』にて連載された作品で、アメリカが東部から西部にかけて開拓し切った西部劇の時代を舞台に物語が展開されています。なお、連載開始時のタイトルは『スティール・ボール・ラン』でしたが、ウルトラジャンプ移籍後は『ジョジョの奇妙な冒険』の正統なPart7となりました。
ジョジョ7部スティール・ボール・ランのあらすじ
ここからはジョジョ7部スティール・ボール・ランのあらすじを簡単に紹介していきます。舞台は19世紀のアメリカです。本作の物語はジョジョ6部とは世界が異なり、ジョジョ6部の舞台となるイギリスとは同時代のアメリカではあるものの、別のジョースター家と別のデュオが存在しています。そして主人公たちは、北アメリカ大陸の横断レース「スティール・ボール・ラン」に参加する冒険者でした。
ジョジョ7部の一巡後の世界はパラレルワールド?意味や世界観を考察
出典: https://note.com
ジョジョ7部スティール・ボール・ランのあらすじで簡単に触れていますが、本作の舞台は一巡後の世界となっています。一巡後の世界では、ジョジョ6部までに存在していたスタンドの由来が「傍に立つ(Stand by me)」となっていたのが、ジョジョ7部スティール・ボール・ランで「立ち向かう(Stand up to)」に変わっています。では、一巡後の世界の意味とは何なのでしょうか?ここからは、一巡後の世界の意味や世界観を考察していきます。
ネタバレ解説①一巡後の世界とは?
ここでは早速、ジョジョ7部の「一巡後の世界」についてネタバレ解説していきます。一巡後の世界について簡単に解説すると、ジョジョ6部で登場したプッチ神父のスタンド「メイド・イン・ヘブン」の影響で世界が一巡した世界のことを意味しています。そしてプッチ神父のスタント能力は「時を加速させる能力」。時を加速させ続けていった結果、最終的に辿り着くのは宇宙の終わりです。
宇宙が終わりを迎えた後に新しい世界ができることになるのですが、それと共に誕生したのが人類です。まとめると、新世界が誕生するまでの過程を「一巡」、新世界が誕生した後のことを「一巡後の世界」となります。
一巡後の世界の意味について一通り考察してきましたが、ここで気になるのが「世界観」です。先に解説した通り、一巡後の世界は新しい世界が舞台となっています。ただ、作者である荒木呂彦曰く「簡単にパラレルワールドでの物語だと考えて欲しい」とのことなので、深く考えずにパラレルワールドの世界観と捉えても良いようです。
ネタバレ解説②一巡後の世界で登場人物はどうなった?
では次に、一巡後の世界でこれまでに登場したキャラはどうなったのか?ということについて考察していきます。実は、ジョジョ7部にはジョジョ6部までに登場していたキャラと同じ名前のキャラが登場しています。例えば、主人公のジョニィ・ジョースターですが、この名前の「ジョニィ」というのは愛称で、本名はジョジョ1部の主人公と同じジョナサン・ジョースターです。
ジャイロ・ツェペリも本名がユリウス・カエサル・ツェペリとなっていました。また、似たような名前のキャラも登場しており、その名も「ウルムド・アブドゥル」。これはジョジョ3部に登場するモハメド・アヴドゥルと名前が似ています。
ちなみに彼の場合はスティール・ボール・ラン・レースの最初の方で登場していますが、スタンド使いというわけでもなく最初のレースで脱落してしまう出落ちキャラとなっていました。そして最後は、敵キャラであるDIO。彼の本名はディエゴ・ブランドーとなっており、今までのDIOとは若干変わっています。
ジョジョ7部の魅力
ジョジョ7部の一巡後の世界について、意味を考察しながら解説してきました。一巡後の世界の意味については作者曰く「パラレルワールド」と捉えても良いとのことですが、このことから今までのジョジョシリーズとはまた違った世界観を楽しむことができると言えるでしょう。そこで、ここではジョジョ7部の魅力を4つ紹介していきます。
魅力①ジョニィとジャイロのキャラ
ジョジョ7部の魅力の1つが「ジョニィとジャイロのキャラ」です。ジョジョ7部の物語はジョニィ・ジョースターの再生が主軸となっています。乗馬の天才だったジョニィが精神的にも肉体的にもどん底状態に陥るのですが、そこから再び立ち上がり這い上がっていく様子が描かれていました。再び乗馬人生を歩み始めた彼は、スティール・ボール・ラン・レースに人生の再起を賭けます。
持ち前の馬術と機転、ジャイロのスタンド「牙」で困難な壁を乗り越えていくのですが、当初の彼は何とも頼りないキャラでした。しかし、物語が進むにつれて見違えるほどの成長を遂げていきます。その過程で描かれた彼が苦悩するシーンには共感する人は多いかもしれません。
そして次にジャイロのキャラですが、彼はとにかくかっこいいです。普段は軽薄なキャラのように振舞っていますが、実際は自分の芯をしっかり持ち、重く深い使命を背負っています。特にリンゴォ・ロードアゲインとの戦闘で見せたジャイロが凛々しい姿が印象に残ります。ジョニィは瀕死状態で、ジャイロも絶対絶命のピンチに陥りますが、ジャイロはそれでも「『納得』は全てに優先するぜッ!!」と言いながら諦めずに立ち向かっていました。
魅力②スタンド能力の説明がある
ジョジョ7部の魅力の1つが「スタンド能力の説明」です。スタンドについて、簡単に言ってしまえば「超能力」のようなものです。そしてスタンドが初めて登場したのがジョジョ3部で、それ以降は当たり前のように登場しています。しかし、当たり前のように登場するためかスタンドについての解説がほとんどなくなりました。
ところがジョジョ7部においては、登場人物のほとんどがスタンド能力を身に付けていないため、しっかりとスタンド能力について解説されています。キャラクターがスタンド能力について知ったと同時に能力が解説される形となっており、読者もその能力解説で一緒に理解していくようになります。そのため、ジョジョ7部はジョジョシリーズを初めて読んだ人向けの漫画と言えるでしょう。
魅力③6部までを読んでいなくてもわかる
ジョジョ7部の魅力の1つが「6部までを読んでいなくてもわかる」という点です。ジョジョ7部の一巡後の世界について考察してきましたが、本作はいわゆる「パラレルワールド」の世界となっていました。ストーリーの繋がりがあまりないため、ジョジョ1部から6部までを読んでいなくても、話の流れを理解することができます。
魅力④熱い展開が多い
ジョジョ7部の魅力の1つが「熱い展開の多さ」です。ジョジョ7部の魅力の1つとしてジョニィとジャイロのキャラ設定を挙げていましたが、彼らが展開するバトルも見ごたえがあります。
スタンドとスタンドの激しい激突シーンが熱く、そんな中で窮地に追い込まれながらも成長していく姿も感動的です。さらに、ジャイロはあまりスタンドを使わず、鉄球の技術だけで戦ったりもします。そのため、ジョジョらしい戦いと、ジョジョらしくない戦いの両方を見ることができると言えるでしょう。
ジョジョ7部の名言や名セリフ集
名言①「真の『失敗』とはッ…」
下記の名言は過酷で壮大なレース「スティール・ボール・ラン」を企画したスティーブン・スティールが放ったセリフです。スティーブン・スティールは、騎兵隊の経験や多数のプロデュース業を手掛けるなど多くの成功を収めた人物ですが、プロデュース業者の巻き添えを受けたことで多額の借金を抱えるなど失敗した経験もあります。
「真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!」
そんな彼が、スティール・ボール・ランで「誰もゴールしなかったら大失敗に終わる」といった記者に対してこのセリフを放ちました。失敗しながらも立ち上がったスディーブンらしい名言であり、挑戦しないことが唯一の失敗であるということに気付かせてくれる名言となっています。
名言②「ずっとずっともっと気高く…」
下記の名言はスティール・ボール・ランのサードステージでジョニー・ジョースターが放ったセリフです。「次は絶対に勝つ」と闘志を燃やしているジャイロに向かって放ったセリフであり、ジョニィーの勝負哲学「必要なのは気高く、誇り高く勝ちに執着する飢え」が含まれています。
「飢えなきゃ」勝てない・・・ただしあんなディオなんかより、ずっとずっともっと気高く「飢え」なくては!
勝負においては、どんな手段を用いても勝利を勝ち取る厳しいレース「スティール・ボール・ラン」だからこそ出てくるセリフです。この名言からは、いかに勝負において勝利を貪欲に掴み取ることができるのか?という姿勢と心意気が勝つために重要だということを教えられます。
名言③「そそいでいただけますか?…」
下記の名言は幼少期のディエゴに対して母親が放ったセリフです。ディエゴは貧しい環境で幼少期を過ごしており、時には一緒に住んでいた人からディエゴと母親の食器に穴を開けられるなどの嫌がらせを受けることもありました。ディエゴはその嫌がらせ行為に対し、靴でシチューを受け取ることでその場をやり過ごそうとします。
「そそいでいただけますか?ディオの分を」
この名言はそんなディエゴを叱りつけた後に母親が放ったセリフです。母親は自分の手の中に熱々のシチューを注がれたことで火傷を負いますが、それでもなお息子にシチューを食べさせてあげようとします。深い愛情が伝わる場面でもあり、母親がこの行為による病気の悪化が原因で死亡してしまうなど悲しい結末も相まって印象深いシーンとなりました。
ジョジョの一巡後の世界(パラレルワールド)に関する感想や評価
というのは、荒木先生も5部の最後で「運命論」をぶちまけた上で、6部「ストーンオーシャン」ではジョースター家の抗えない決定的な運命をプッチ神父のメイド・イン・ヘヴン(雑誌ではステアウェイ・トゥ・へヴン)で時を加速させ「世界を一巡」させることでその「運命の鎖」を断ち切った。
— テリー・ライス (@terry_rice88) October 25, 2018
こちらではジョジョシリーズと一巡後の世界の意味を紐づけて考察されています。これまでのジョジョシリーズはジョースター家とDIOが繰り返す戦いが「運命」のように描かれてきました。どうやら、この方はその「運命論」を一巡後の世界で「断ち切った」と捉えているようです。
作者である荒木は一巡後の世界に何かしらの意味を持たせて、作風に変化をもたらそうとしているのでしょうか?一巡後の世界と作品との関連性について興味を持たれた方は、ぜひジョジョシリーズを読んで考察してみてください。
ジョジョ的には7部は1~6部の一巡後の世界なのはわかるんだけど、パラレルワールドって言葉が正しいのかがわからない。パラレルワールドって元々は「平行世界」って意味なことを踏まえると、7部は平行ではなくて一回終わってまた進んだ世界だから、何ていうのが正しいんだろう?
— 亜光 (@SakanaAkou) August 6, 2014
こちらではジョジョ7部の「一巡後の世界」の意味とパラレルワールドの意味について考察されています。作者である荒木自身が「パラレルワールド」と言っていたことが影響し、多くの方が一巡の世界をパラレルワールドと認識するようになりました。
しかし、この方の場合はパラレルワールドの意味が「平行世界」であることから、その言葉が当てはまるのか疑問視しているようです。確かに、一巡後の世界は1度世界が巡回した後の新世界なので、平行に存在する世界ではないと捉えることができます。
ジョジョ7部読み出したけど一巡後の世界でもアブドゥルいてちょっとテンション上がってたら即脱落しててふふってなった
— けいちゃん (@k__0w0__k) June 21, 2020
こちらではジョジョ7部が「一巡後の世界」ということで、これまでのジョジョシリーズで登場したアブドゥルに注目されています。どうやら、この方は感想で「脱落してふふってなった」と言っていることからアブドゥルへの高い期待が逆にギャグ要素に繋がったようです。アブドゥルは頼りがいのあるキャラだったので、ジョジョ7部ではなかなか見ることができない一面が見れるのも魅力の1つと言えるかもしれません。
ジョジョの一巡後の世界(パラレルワールド)まとめ
ジョジョ7部スティール・ボール・ランに存在する「一巡後の世界」という言葉について考察と共に解説してきましたがいかがでしたか?一巡後の世界について簡単に言ってしまえば、ジョジョ6部に登場するプッチ神父のスタンド能力によって迎えた新たな世界のことです。また、ジョジョ7部は今までのジョジョシリーズの「パラレルワールド」と捉えることもできます。
今回は一巡後の世界の意味を考察と共に解説してきましたが、それによってジョジョシリーズに登場した人物像が異なるキャラを見ることができることが分かりました。また、ジョニィとジャイロのキャラなどジョジョ7部の魅力も解説していますので、これを機に一巡後の世界の意味を意識しながら登場人物や戦闘シーン、名言に注目してみると良いかもしれません。