花の慶次の最終回・最後の結末はどうなった？ラストと感想をネタバレ

原哲夫先生の漫画「花の慶次」は、戦国時代に実在した武将・前田慶次を主人公に据えた歴史漫画で、かぶき者＝前田慶次のイメージを生み出しました。以下では、豪快な作画表現や男気あふれるセリフが支持される漫画「花の慶次」の最終回の結末ラストのネタバレやかぶき者・前田慶次の最後、花の慶次の登場人物や名言、アニメ化、「花の慶次」に関する感想や評価などをネタバレ紹介します。

漫画「花の慶次」は、北斗の拳で知られる原哲夫先生の歴史漫画で、隆慶一郎先生の歴史小説「一夢庵風流記」を原作に描かれました。「花の慶次」の漫画は、1990年～1993年にかけて、週刊少年ジャンプで連載され、連載終了後も文庫版やコンビニコミック版、完全版等に再編されて販売されており、累計発行部数は2020年2月時点で、1800万部を突破しています。

漫画「花の慶次」は、原先生の多忙を理由に、作業の効率性を重視して作画の簡略化が余儀なくされました。しかし、前作の「北斗の拳」より線の書き込みが少ないことで絵が見やすくなったと、人物たちの重厚な書き込みが評価され、以降のスタイルに取り入れられました。また、千利休や豊臣秀吉などの人物像や衣装は、1989年公開の映画「利休」を参考に描かれ、史実とフィクションを織り交ぜたキャラクター性が特徴です。

そして、漫画「花の慶次」は、それまで認知度の低かった前田慶次が注目されるきっかけを作り、前田慶次＝派手というイメージが定着し、戦国時代を舞台した作品に影響を与えました。一方、「花の慶次」と言えば、近年は大人の娯楽の題材にも起用され、CGによる立体的なビジュアルや、花の慶次のテーマ曲などが人気を集めています。

自らの信念を貫き、自由と風流を愛する前田慶次は、その出で立ちから傾奇者と称され、愛馬・松風と共に放浪の旅に出ます。叔父・前田利家による工作や、終生の友・直江兼続との出会い、豊臣秀吉との謁見や、徳川家康への決死の和平まで、天下一の傾奇者と称された前田慶次の生き様を、壮大なスケールで描いた歴史漫画です。

相手が天下人だろうと決して屈せず、自らの義を貫き通した前田慶次の信念は、豊臣秀吉を認めさせ、天下一のかぶき者に相応しい姿を見せつけました。以下では、天下一のかぶき者・前田慶次の豪快な生き様を描いた漫画「花の慶次」の最終回の最後の結末・ラストをネタバレ紹介します。

豊臣秀吉の死後、日本は大きな転換期を迎え、政治の実権を狙う徳川家康と、豊臣側の筆頭・石田三成の対立が表面化し、天下を二分する関ケ原の戦いが勃発します。三成率いる西軍についた上杉家は、東軍の東北侵攻を食い止めるべく会津に陣を構え、前田慶次も上杉景勝に付き従い、最上家との戦いに挑みます。しかし、決戦開始から1日足らずで勝敗が決まってしまいます。

長期戦を睨んでいた上杉家の読みは大誤算となり、戦いの舞台となった最上領からの撤退を余儀なくされました。関ケ原の戦い後、敗北した西軍の大名たちが次々と徳川家康に恭順を示す中、上杉家だけは家康と対立し、窮地に陥ってしまいます。その時、徳川家への和平の使者として、かぶき者・前田慶次に白羽の矢が立ちます。

武士・前田慶次として徳川家に赴くと、家康の謁見を目前に控える中、自慢の長髪を落としはじめます。そして、坊主頭にした慶次は、自身の隠居と引き換えに、上杉家の助命を願い出ます。慶次の決死の覚悟は、家康の心を動かし、上杉家には米沢藩30万石が与えられました。しかし、減封された上杉家は、大勢の家臣を養う余裕が無く、慶次は家康への誓いを守るべく、上杉家から身を引きます。

その後、最上との戦いの功績から数多くの大名家から仕官の話が持ち込まれるも、慶次は全てを断わり、ある人物からの誘いを待ち続けていました。そして、終生の友・直江兼次から上杉家への再仕官を持ち込まれた慶次は、兼次の誘いを快諾します。

直江兼次と共に米沢に旅立つことになった前田慶次は、京を出立する前に最後のかぶきぶりを見せつけます。小判を街中にばらまき、人々共に唄い・踊る姿は、前田慶次のかぶきおさめとなり、その後、妻・利沙と捨松らと共に、米沢へ向かいました。

漫画「花の慶次」の最終回ラスト結末は、ナレーション形式で締めくくられ、米沢に旅立った前田慶次のその後が説明されました。上杉家二千石の捨扶持を与えられた前田慶次は、文化人として穏やかな晩年を送ったとされています。そして、上杉忠勝の代となった慶長17年（1612年）6月4日、前田慶次は息を引き取り、米沢では二度とかぶくことがなかったと言われています。

「花の慶次」の登場人物の多くは、実在の人物をモデルとする一方、そのキャラ設定は、作者・原先生による脚色が加えられ、より人間味あるキャラクター性が好感を呼んでいます。以下では、漫画「花の慶次」の主な登場人物一覧をネタバレ紹介します。

前田慶次こと前田慶次郎利益は、前田利家の兄・利久の養子で、出自は滝川一益の従弟・益氏の次男です。身長197㎝以上の大柄な体型と、後頭部でまとめた長髪、虎などをあしらった派手な衣装や、煙管が特徴です。持ち前の体格と腕力を武器に、人間離れした刀法を用いて敵を一掃する一方、負け戦こといくさ人のあるべき場所を信条とし、相棒・松風と共に戦では劣勢に味方することが多いです。

自由を愛する豪快な人柄が強調されるが、道中での出来事を旅日記として記録したり、茶人・千利休との交流など、風流を好む文化人でもあります。その無頼な振舞いは、叔父・利家に警戒される一方、豊臣秀吉からは、己の信念を貫く姿勢を認められ、後に「傾奇御免状」を与えられました。上杉家とは、小姓との果し合いを経て上杉景勝に仕えることとなり、直江兼次とは終生の友として、尊敬の念を持っています。

漫画「花の慶次」のモデルとなった前田慶次こと前田利益は、戦国時代末期～江戸時代初期にかけて実在した武将です。漫画やゲーム作品で見られるかぶき者のイメージは、漫画「花の慶次」や原作小説「一夢庵風流記」の影響が強いと言われています。一方、前田慶次に関する史料はほとんど残されておらず、江戸時代に書かれた逸話群から、前田慶次＝かぶき者の原型が生み出されました。

捨丸は、四井主馬に仕える忍びでしたが、慶次の人柄に惚れ込み、彼の一の家来として付き従います。加賀忍軍トップクラスの実力者であるものの、敵に裏を取られるなど未熟な一面を目立ちます。武器は、手裏剣や炸裂弾・小刀を使用し、火縄銃を扱うこともできます。また、慶次に代わって交渉したり、物資調達に奔走するなどの処世術にも長け、陰ながら慶次を支え続けています。

岩兵衛は、「花の慶次」オリジナルキャラクターで、七霧の里の住民・おふうの育ての親です。慶次顔負けの巨体と怪力の持ち主で、甲冑を身に着けた兵士を体術で倒したり、手裏剣を素手で払い落すなど、人間離れした身体能力で慶次を驚愕させました。鬼を彷彿させる外見であるものの、非常に心優しい性格の持ち主であり、最愛の女性の娘・おふうのことを大切に思っています。

そのため、序盤はおふうと行動を共にする慶次の命を狙っていたものの、後に慶次の人柄に惚れ込み、家来に加わりました。七霧の里の一族のため、人の心を読める能力を有するも、その力が通用しなかったり、並みならぬ殺意を読み取った際には、その相手に恐怖を覚えるなど、異能の力は万全ではありません。

おふうは、「花の慶次」オリジナルキャラクターで、耳そぎ願鬼坊にさらわれた少女です。外見は、7,8歳くらいであるが、実年齢は14,5歳と判明しており、願鬼坊が慶次に倒されてからは、彼と行動を共にしています。序盤こそ感情に乏しかったものの、願鬼坊から解放された後は、明るい表情を取り戻し、良識のあるしっかりしたキャラとして、慶次や捨松のツッコミ役を担っています。

前田慶次に対しては、ほのかな憧れを抱いており、遊女と戯れる慶次をだらしないと言いつつも、内心ではやきもちを焼いていました。後に、出生の秘密が明らかとなったことを機に、七霧の里へ戻ることを決意し、慶次一行とも別れました。

まつは、前田利家の正室で、少女のように可憐な出で立ちや母性にあふれた慶次の憧れの女性です。末森城の戦いでは、自ら城内の女性を率いて救援に赴こうとして、利家の出陣を促すなどの女丈夫である一方、天真爛漫かつ奔放な性格は、時には利家や家臣たちの心配の種となっています。関ケ原の戦い直前には、自ら徳川家康の人質として出向くことで、前田家へのあらぬ疑いを晴らし、窮地を救いました。

「花の慶次」のまつは、後の加賀藩主となる戦国大名・前田利家の正室・まつ（芳春院）がモデルです。数え11歳で母方の従兄・利家に嫁ぎ、2男9女に恵まれました。豊臣秀吉と正室・おねとは、清州城時代から親交があり、おねとは懇意の間柄だったことや、秀頼の乳母として重んじられました。

前田利家は、利久の弟で慶次の叔父にあたる人物です。「槍の又三」の異名を持つ猛将で知られるも、「花の慶次」では、甥と対照的に描かれており、プライドが高く、周囲の目を気にする器の小さい人物とされています。慶次のことは、自分にはない物を持っていることに対する嫉妬や、自分の地位を脅かす危険のある身内として敵対視し恐れており、何かにつけて彼に工作を繰り出し、陥れようと画策します。

「花の慶次」では、そろばんや望遠鏡を愛用し、臆病かつ神経質さが目立つ利家ですが、自らの力で前田家を大名家に築き上げたことを誇りに思っており、慶次からも一定の理解を示されています。「花の慶次」では、慶次と仲違いしたまま亡くなりましたが、原作小説では、死の床にありながら慶次と酒を酌み交わし、和解する結末ラストが描かれました。

前田利家は、戦国時代～安土桃山時代にかけて実在した戦国大名で、加賀藩主前田氏の祖です。織田信長の小姓を経て豊臣秀吉に仕え、後に五大老として豊臣政権を支えると共に、加賀藩百万石の礎を築き上げます。秀吉の死後は、武断派と文治派の仲裁役として働きかけ、政権を狙う徳川家康を牽制するも、秀吉の死を追うように亡くなりました。

「花の慶次」は、原先生のセンスが光る作画だけでなく、日常生活でも真似したいかっこいい名言や名セリフも支持されています。以下では、前田慶次の名言や名セリフ集をネタバレ紹介します。

並みの馬以上の巨体・馬力を持つその馬は、人の手も負えないことから悪魔の馬と呼ばれ、前田慶次はその馬を殺すように命じられます。しかし、並みの馬では不足だった慶次にとって、悪魔の馬は理想の馬であり、その美しさや力強さに惚れ込み、自分の乗馬にしてしまいます。悪魔の馬は松風と命名され、前田慶次とは戦友として数々の戦に挑みます。

豊臣秀吉から拝領した甲冑の警備を慶次と村井若水に命じた背景には、慶次を秀吉に合わせたくない叔父・利家の策略がありました。しかし、利家の妨害工作は慶次によって撃退され、若水が甲冑を破損する失態を犯します。本来ならば、若水に切腹が言い渡されるはずですが、機転を利かせた慶次は、秀吉拝領の甲冑を一刀両断します。

そして、戦の傷跡の残る村井若水に対して、命をかけて主君を守り抜いた忠義の甲冑と称し、彼の功績を称賛します。その後、甲冑破損の件は放免となり、慶次の粋な一面が見える名言でしょう。

末森城の城主・奥村助右衛門は、敵将・佐々成政の侵攻に苦戦し、前田利家に救援を求めます。そして、唯一無二の友の窮地を聞きつけた前田慶次は、すぐさま末森城の救援に向かい、奇想天外な戦法を駆使しながら、敵を城から退いていきます。一時は、自分たちの死も頭をよぎった助右衛門陣営でしたが、何とか窮地を脱することが出来ました。

戦の決着は明日の朝と見た助右衛門は、兵士たちの士気を上げるべく、以下の名言で鼓舞します。人は死んでも名は残り続ける、武士・奥村助右衛門のかっこいい名言です。

一度は名前を聞いたことのある「花の慶次」は、娯楽作品での人気の影響もあり、漫画作品としての認知度は低く、アニメ化もされていません。以下では、「花の慶次」がアニメ化されていない理由や、アニメ化されたスピンオフ作品「義風堂々!!」を紹介します。

漫画「花の慶次」は、「北斗の拳」と並ぶ原哲夫先生の人気作品である一方、2020年12月時点までアニメ化されていない作品として知られています。「花の慶次」がアニメ化されていない理由について、連載中は人気こそあったものの、若い世代を中心に漫画版を知る人が少ないことが挙げられ、一部では「花の慶次」が、漫画であったことを知らない方もいます。

近年は、戦国ものを題材にしたゲーム作品の人気により、前田慶次の知名度も上昇傾向にありますが、戦国武将全体でみると、史実の記録の少なさから前田慶次の人気は低いです。また、「花の慶次」の関連作品の影響から、前田慶次は架空の人物と思っている方もいます。そして、アニメ制作の面でも、必ずしも歴史愛好家がアニメ版「花の慶次」に興味を持つとは限らない点も、アニメ化に踏み切れない理由と言われています。

原先生の作品で2006年にアニメ化された「蒼天の拳」は、人気こそ「花の慶次」に劣るものの、「北斗の拳」の関連作品であることから、視聴者の注目も集めやすく、アニメ制作に踏み切れたと考えられます。一方、「花の慶次」は、人気作との関連がなく、前田慶次ファンの中には、ゲームシリーズのキャラが好きという方もおり、視聴者の獲得は見込めないでしょう。

連載終了から27年が経過した現在も、アニメ化の兆しが見えない「花の慶次」ですが、そのスピンオフ作品「義風堂々!!」は、2013年7月～12月にかけてアニメ放送がなされました。アニメ化された「義風堂々!!」は、若き日の直江兼続を主人公に据えた作品で、兼続役は浪川大輔さん、慶次役は佐藤拓也さんが演じました。物語は直江兼続の回想という形で進行され、隠棲した前田慶次が、語り手を担っています。

原作漫画「義風堂々!!」は、原哲夫・堀江信彦の原作・原案、武村勇治作画で、「週刊コミックバンチ」にて、2008年～2010年にかけて連載され、シリーズ化されています。「義風堂々!!」では、直江兼続の知られざる出生の秘密や、人間離れした活躍など、「花の慶次」と共に読みたい作品でしょう。

最終回結末ラストで見せた慶次のかぶきおさめは、ファンの間で賛否両論が飛び交いましたが、天下一のかぶき者の見納めに相応しい最後・結末ラストだったとも評されています。以下では、最後までかぶき者を貫き通した前田慶次の結末ラストがかっこいい、「花の慶次」の最終回に関する感想や評価をネタバレ紹介します。

漫画「花の慶次」は、連載終了から27年が経過しましたが、現代漫画にはない新鮮さや、最終回での慶次の最後のかぶきぶり、感動の結末ラストが根強い人気に拍車をかけています。また、白熱したストーリー展開だけでなく、人間味あふれるキャラの怒涛の最後や、慶次たちの男気ある名言・名セリフも、「花の慶次」を読み返したくなる動機につながっているでしょう。

漫画「花の慶次」のファンの中には、前田慶次と上杉家との良好な関係を称賛する感想も見られ、作品の人気に拍車をかけています。最終回ラスト・結末ネタバレにて、直江兼続の訪れを待つ慶次の姿は、2人の友情の深さをみせつけ、「花の慶次」の名シーンとなりました。ファンからは、両者の関係は、読むたびに清々しさを感じさせるとの感想も挙げられ、花の慶次の最後に相応しい最終回だったでしょう。

「花の慶次」と言えば、派手な着物と一つに束ねた長髪、キセルを思い浮かべるでしょう。慶次のキセルは、漫画版オリジナルの演出ですが、立腹した際に、キセルを叩いて火皿の煙草を落とし、殴りつける癖が度々描かれ、慶次のトレードマークとなっています。また、慶次が常に携帯しているキセルは、金の特製かつ非常に重いという設定がなされ、前田慶次の強さをさらに引き立てているでしょう。

「花の慶次」は、「義風堂々!!」シリーズの他に、2019年からは「前田慶次 かぶき旅」が連載されています。物語は、本編の最終回で描かれなかった関ケ原以後の慶次の動向を描いた作品です。「かぶき旅」の慶次の動向はフィクションですが、名だたる大名との交流を描いたストーリーは、「花の慶次」にはない面白さが良いとの感想や評価が寄せられています。

最終回ネタバレで紹介したように「花の慶次」と言えば、結末ラストまでかぶき者であり続けた前田慶次のかっこいい生き様が支持されており、一部のファンからは「花の慶次」のゲーム化を望む感想も挙げられています。戦国時代や中国・三国時代を題材にした「無双シリーズ」は、ビジュアルの美しさや作り込まれたシナリオが人気を集めており、「花の慶次」を題材にした無双シリーズの発表が期待されています。

「花の慶次」最終回結末ラストと前田慶次の最後のネタバレ、花の慶次の登場人物一覧・名言、アニメ化されていない理由、「花の慶次」に関する感想や評価を紹介しました。慶次の決死の覚悟が描かれた「花の慶次」最終回は、感動の結末ラストとなり、天下一のかぶき者に相応しい最後に称賛の声が挙げられています。