【キングダム】斉とはどんな国?合従軍を離脱した理由や史実を解説

キングダムに登場する斉は、合従軍編にて合従軍から離脱し、秦防衛の命運を分けました。この記事では、圧倒的優勢に思えた合従軍から斉が離脱した理由、また史実での斉はどのような国なのかを紹介します。それに加え、キングダムに登場する斉王についてや、秦と斉の間で交わされた交渉についても考察して詳しく紹介します。秦が中華を統一する上で避けては通れない斉との関係を知りたい方は、ぜひご覧ください。

【キングダム】斉とはどんな国?合従軍を離脱した理由や史実を解説のイメージ

目次

  1. キングダムの斉とはどんな国?
  2. キングダムの斉が合従軍から離脱?抜けた理由は?
  3. キングダムの斉国や斉王の史実
  4. キングダムの斉の国王である王健
  5. キングダムの斉と秦の交渉を考察
  6. キングダムの斉に関する感想や評価
  7. キングダムの斉まとめ

キングダムの斉とはどんな国?

群雄割拠する古代中国の春秋戦国時代を舞台に、命を賭して信念を貫くキャラクター達が魅力的な漫画キングダム。そこで描かれる中華は7つの大国に分割されており、そのうちの一つが斉という国です。この記事では斉がどういう国なのか、キングダムの合従軍編で離脱した理由を紹介します。

それに加え、史実における斉がどのような国だったのか、そしてキングダムにおいて秦は斉とどのように交渉したのかも紹介します。今後秦国が中華を統一していく中で避けては通れない斉について、知りたい方はぜひご覧ください。

キングダムの作品情報

キングダムの斉について解説する前に、まずはキングダムの作品について紹介します。キングダムは2020年4月からアニメ第三シリーズが放送され、著名俳優をキャスティングした実写映画の続編の製作が発表されるなど、ますます話題を集めている大人気作品です。芸能人にも熱狂的なファンが多い漫画キングダムについて、今一度紹介していきます。

キングダムの概要

キングダムは日本の漫画家である原泰久先生が「週刊ヤングジャンプ」にて連載する、中国時代劇漫画作品です。群雄割拠する古代中国の春秋戦国時代を舞台に、奴隷出身の少年・信が天下の大将軍の夢を戦場で追う姿を描いています。2020年10月時点で集英社より59巻の単行本が発行され、累計6800万部の売り上げを記録しました。

キングダムはテレビアニメ化も三度され、NHK総合より2020年4月から第三シリーズが放送されています。2019年には漫画キングダムの50巻刊行を記念した実写映画が公開され、大人気俳優を数多くキャスティングしたその映画の興行収入は57億円を記録しました。また、2020年5月に続編の製作が発表されています。

キングダムのあらすじ

100以上の国が長きに渡る動乱で7つの大国に吸収された、春秋戦国時代の中国。そのうちの一つの国、秦のある村に、奴隷の身分ながら天下の大将軍を夢見る少年、信と漂がいました。二人は奴隷としてこき使われる生活の合間を縫い、いつか訪れる機会に向け、切磋琢磨して剣の腕を磨いていました。そんなある時、偶然にその修練の様子を見かけた大臣・昌文君によって、漂が王宮へ士官することになります。

村に一人残された信でしたが、二人は離れても大将軍となる夢を互いに追い続けることを誓います。しかし漂が去ってしばらく経ったある夜、信は手傷を負って死にかけの漂が戻ってきたのを見つけます。漂はある場所に自分の代わりに行くように信に頼んだ後、息を引き取ります。失意に沈む信でしたが、漂の最後の頼みを叶えるため、指示された場所へ向かいます。

漂を追ってきた刺客や様々な障害を乗り越え、たどり着いた先に待っていたのは、漂に瓜二つの少年でした。少年の正体は秦王・嬴政(政)であり、漂は替え玉として政の命を狙う王弟派に殺されたのでした。真実を知って信は激昂するも、漂との夢である天下の大将軍になるという夢を叶えるべく、敵を切り裂く剣として王宮を王弟の手から取り戻す手伝いをすることになります。

斉の概要

万里の長城

キングダムに登場する斉という国について紹介します。斉は現在の中国の山東省北部辺りに存在した国です。キングダムの物語の時系列以前には、一度貴族たちの力が強くなりすぎたことで滅び、その後最も力を持つ貴族の一つが新しい斉を作りました。それがキングダムに登場する斉です。

海に面する国である斉は、漁業や塩の生産、製鉄業を盛んに行っていて経済的に豊かであり、それが大きな国力に繋がっていました。豊かな国力は多くの偉大な武将や文化を生みました。また、「万里の長城」と言われるユネスコの世界遺産も、斉、もしくは楚が最初に建造したと言われています。

TVアニメ「キングダム」公式サイト

キングダムの斉が合従軍から離脱?抜けた理由は?

キングダム25巻から33巻までの合従軍編にて、秦以外の大国六国から組織された合従軍が組織されます。絶体絶命のピンチでしたが、秦はあらゆる手を使ってその危機を乗り越えます。その手段の一つとして、斉を合従軍から離脱させる、というものがありました。その策によって秦は首の皮一枚命を繋ぎ止め、なんとか合従軍を跳ね返す突破口とします。

斉が合従軍から抜けていなければ、合従軍に侵攻された秦はどうなっていたか分かりません。秦の命運を分けたとも言える、合従軍編における斉の行動、そしてその理由を紹介します。

合従軍に参加していた斉

そもそも合従軍というのは、趙の宰相・李牧が先導して組織した、趙・燕・魏・斉・楚・韓の六国による同盟軍のことです。秦が中華統一への足掛かりとなる魏の山陽を奪取したことを憂いた李牧が、他の国に呼びかけたことで成立しました。六国による国境の同時侵攻を受け、秦は混乱の極地に陥れられます。

合従軍の総大将は楚の宰相である春申君が務めます。また、趙からは李牧が、楚からは汗明が、魏は呉鳳明、燕はオルド、韓は成恢が総大将を務めます。ここに斉が入り、六国の合従軍は完成するはずでした。

合従軍から離脱した斉

しかし、結果から言うと斉は合従軍から離脱します。他の五国が同時に秦に侵攻開始した頃、斉は一国だけ遅れていました。そこで秦が外交を使い、交渉して斉を合従軍から離脱させる策に出ます。そしてその交渉は成立し、斉は合従軍から離脱しました。

斉が合従軍から離脱したことにより、不可能かと思われた秦防衛に一筋の希望の光が射します。斉が合従軍を離脱したことによる意義は二つあり、一つ目は単純に跳ね返すべき合従軍の軍事力が減ったことです。もう一つは、合従軍に参加している国の背後に、味方ではない国が一つ現れるということです。秦侵攻に手間取れば、合従軍に参加している国はそこに生まれた隙を背後から襲われる憂いができました。

こうして合従軍の秦侵攻にリミットを突きつけた秦は、その後切り開いたその細い道をなんとか潜り抜けて秦の防衛に成功します。秦防衛の命運を分けたとも言える斉の離脱でしたが、次からはなぜ斉が合従軍を離脱したのか、その理由を紹介します。

斉が合従軍から斉が抜けた理由

必勝かと思われた合従軍に参加していた斉が、なぜ離脱したのか、理由は三つあります。詳しくは下で説明しますが、一つには秦の外交担当である蔡沢が、巨額の金を用意したこと、もう一つは斉王である王建が蔡沢とは長い付き合いであったこと、そして三つ目は斉王建が合従軍で秦を滅ぼした後の世を憂いていたからでした。

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キングダムの斉国や斉王の史実

斉が合従軍から離脱するという大きな決断を下した斉王建がどのような人物か、また秦とはどのような取引をしたのかを紹介する前に、まずは史実における斉を、その建国から紹介します。キングダムは史実をモデルにしたストーリーで構築されているので、斉の史実について知ることは今後のキングダムの展開を予想したり解釈するのに役立つと推測されます。興味のある方はぜひご覧ください。

史実①周の武王は太公望に斉の土地を与える

斉の史実を紹介します。まずは斉の成り立ちからです。史実によると、斉の建国はキングダムで描かれている春秋戦国時代から300年ほど前まで遡ります。斉を建国したのは、呂尚(太公望)です。太公望は、武王が殷王朝を滅ぼしたときの忠臣の一人でした。周王朝を開いた武王は功臣である太公望に領地を与え、太公望はその国を斉と名付けました。この時の斉を、太公望の姓である「姜」を取って「姜斉(きょうせい)」とも呼びます。

史実②斉は中華世界の警察官のような役割に

太公望に土地を与え、斉の建国を導いた周王・武王でしたが、彼は周の建国後すぐに亡くなってしまいます。後を継いだのは年若く幼い成王でした。そのため、武王の弟である周公旦が摂政の座に就き、政治を代行して行うこととなります。

しかしこれをよく思わなかったのが、武王の他の兄弟達です。彼らはかつて武王が打ち倒した殷王の息子、武庚と協力し、反乱を起こします。周公旦はこれを三年かけて鎮圧するのですが、斉がこの鎮圧に一役買い、周の成王の信頼を得ることになります。この時に成王から斉に伝えられた言葉が以下のものです。

東の海、西の黄河、南の穆陵関、北の無棣に至る地域の五侯九伯の諸侯が反乱を起こした時、反乱者を討つ権限を与える

つまり、中華全域で反乱が起きた時、それを討伐する権利を斉に与える、という意味です。以降斉は、中華世界の警察官のような役割を与えられることとなりました。

史実③桓公が最初の覇者になる

塩の生産や製鉄業でますます国が豊かになるなか、第14代目斉王の襄公が暗殺され、従兄弟の公孫無知が15代斉王に立ちます。しかし公孫無知もすぐに殺され、王の座が空に浮きます。そこで、襄公の弟である公子小白と公子糾の間で王位継承争いが勃発します。結論から言うと、この争いに勝利するのは公子小白です。公子糾の腹心の部下であった管仲が公子小白を暗殺しようとしましたが、失敗し、公子小白が斉王の座に就きます。

斉王となった公子小白(以降、桓王)は、政敵であり自らを暗殺しようとしていた管仲を処刑しようと考えます。しかし腹心の部下である鮑叔(ほうしゅく)に取りなされ、自らが天下の覇者となるには管仲の手腕が必要だと考え直します。こうして桓王は、敵であった管仲を許し、宰相に任命します。

管仲を宰相に据え、桓王は国力の増強や内政改革を行なっていきます。さらに周囲の国を次々と滅ぼし、盟約を結んで、紀元前667年には周王朝から中華の覇者として認められます。この時が太公望の興した姜斉の最盛期となりました。

史実④没落期に入る

争う兵士のフィギュア

わずかなあいだ栄華を誇った姜斉も、有能だった管仲・鮑叔が亡くなると転落していきます。腐敗政治が横行し、桓王が病に倒れると五人の後継者の間で王位継承争いが勃発します。次期王が決まらない中では葬儀も行えず、桓王の遺体は二ヶ月以上放置されて腐乱しました。殺し殺され、入れ替わり立ち替わりで王位につくような後継者争いの動乱の後、桓王の時代に大きくなった斉の国力は衰退していました。

史実⑤晏嬰の登場

中国の瓦と龍

斉が衰退していく傍ら、晋と楚の二国が覇権を争うようになります。斉王は力をどんどん弱めていき、貴族が権力を強めていきます。六つの貴族、国氏、高氏、鮑氏、崔氏、慶氏、陳氏が政治に強い影響力を持つ貴族政治が行われます。ついには第24代の斉王・荘公を、当時の宰相・崔杼(さいちょ)が自身の妻と姦通した疑いで殺すに至ります。

しかしその後擁立された斉王も別の貴族に殺されました。このことからも分かるように、この時期、斉王の力は地に落ちていました。

史実⑥晋と燕が斉の領土を奪う

このような斉国内での混乱の隙を突き、晋と燕が侵攻してきます。窮地を救ったのが、宰相の晏嬰(あんえい)でした。晏嬰は自分より身分の高いものにも恐れず発言し、常に国を第一に考えていました。普段の生活も宰相の身分には釣り合わないほど質素なもので、そのような姿勢が国民からも高く支持されていた人物です。

晏嬰は晋と燕の侵攻に対し将軍の司馬穰苴(しばじょうしょ)を向かわせます。斉の兵士は非常に弱かったのですが、司馬穰苴が文徳高く、軍律を非常に厳しく遵守したことで変化します。司馬穰苴率いる斉兵は非常に士気が高く、晋と燕の軍は撤退することになります。こうして斉の領土は無事守られました。

史実⑦太公望の興した斉は滅亡

中国の提灯

しかし有能だった晏嬰が死んでしまうと、再び六大貴族の力が強まり、貴族たちは互いを滅ぼしあいました。紀元前391年には田和(でんわ)が第32代の斉王・康公を譲位させ、自らを君主として新たに同じ名前の「斉」を建国します。太公望の興した斉(姜斉)はここで滅び、それからは田氏の斉(田斉)と呼びます。

史実⑧斉の威王の時代に覇者に

木にぶら下がるナマケモノ

田和が興した田斉、その4代目の君主・威王が即位して間も無く、斉は侵攻を受けます。軍を率いて襲ってきたのは、魏・韓・趙の3国でした。この危機に対し、威王は何もせず酒宴に興じるばかりで、多くの領土を奪われました。諫言すれば殺すという命がくだされ、政治は腐敗し続けました。

史実⑨淳于髠が威王の思惑を見抜く

空飛ぶ鳥

しかしある時、一人の臣下である淳于髠(じゅんうこん)が、威王の好きな謎かけで王にこう問いかけます。

わが国には大鳥がいて、王庭にとどまっておりますが、この3年間鳴くことも飛ぶこともしません。この大鳥はなんでしょうか

これに対し、威王は以下のように返しました。そしてそれからは、人が変わったように政治に取り組むようになりました。政治が腐敗していた間、それに加担した者は処刑し、逆に堅実に働いていた者には褒美を与えました。

この大鳥は、飛ばねばそれきりだがひとたび飛べば天上まで飛び上がるだろう。また、鳴かなければそれきりだが、ひとたび鳴けば人々を驚かすだろう

つまり、威王がだらけていたように見えたのは人を見極めるためであり、国のためにならない者を一掃するためでした。政治から腐敗を取り除き国をあるべき形に正した威王は、次にかつて斉に侵攻してきた国に侵攻し返します。攻め込まれた国々は奪った土地を返し、その後20年斉を侵略しようとはしませんでした。

史実⑩没落する斉

争う人々

威王が強くした斉は、宣王、湣王に受け継がれて大いにその国力を豊かにします。斉は韓・魏と共に楚に攻め込んだり、秦に攻め込んだりし始めます。宋を滅ぼし、韓・魏・趙にも攻め込んだりして、斉は周辺諸国と対立を深めていきます。特に宋が滅ぼされたことに危機感を抱いた秦は、趙・楚と停戦するほどでした。

驕り高ぶった斉は、しかしそのしっぺ返しを喰らいます。燕の楽毅(がくき)率いる燕・秦・韓・趙・魏の五国が合従軍を組み、斉に侵攻してきたのでした。50万の大軍に攻め込まれた斉は大敗し、70以上の城が落とされました。湣王は殺され、斉に残った領土は、莒と即墨のみでした。

史実⑪田単の活躍で復活した後に滅亡

わずかに残った莒と即墨は燕の侵攻に抵抗し続け、五年持ちこたえました。そのうちに燕王が昭王から恵王へと代替わりします。ここで活躍するのが、斉の武将・田単(でんたん)です。新しく燕王となった恵王は、楽毅との間に確執がありました。田単はそれを利用して手強い敵である楽毅を将軍の座から落とし、燕軍を打ち破ります。

こうして斉は奪われた70以上の城を奪い返しますが、再びかつての力を取り戻すには至りませんでした。斉が弱体化している間に、秦が力を強めていました。第8代斉王の王建は、斉以外の五国が秦と戦っている時これを傍観します。そして五国が滅ぼされたのち、王建は秦の将軍・王賁に捕らえられ、降伏します。こうして田氏の興した田斉も滅亡しました。

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キングダムの斉の国王である王健

史実における斉を紹介したところで、次にキングダムに登場する斉王・王建を紹介します。王建は一度見たら忘れられないような特徴的な外見、性格をしています。それでは、キングダムに登場する斉王・王建の見た目と性格を紹介します。

王健の見た目がすごい?

王建がキングダムに初めて登場したのは、合従軍編で蔡沢が合従軍からの斉の離脱を要請しに行った時でした。王建は毒蛇の丸焼きを口に咥え、むしゃむしゃと食んでいました。その光景と王建自身の常人ならざる雰囲気で、読者に強烈な印象を残しました。

王健の性格

王建の性格は、奥歯に物が挟まったような言い方はせず、質実剛健でサバサバとしています。しかし単純な訳ではなく、ビジネスライクな考え方をしているかと思えば信念も大事にしている、奥深い人物です。

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キングダムの斉と秦の交渉を考察

次からは、合従軍編で秦にとって非常に重大な役割を果たした斉の合従軍離脱、それを可能にした斉と秦の交渉について考察していきます。キングダム25巻のネタバレを含みますのでご注意ください。

考察①秦が交渉へ

合従軍に同時侵攻され窮地に陥った秦では、軍師の昌平君がある提案をしました。それは他の国から足並みが遅れ、まだ秦に攻め入ってきていない斉と外交で交渉し、合従軍から抜けさせるというものでした。ちょうど外交に長けた蔡沢が斉周辺に留まっていたことも幸いします。蔡沢が斉王に謁見を求めると、快諾の答えが来ます。これに対し蔡沢は、王建の察しの良さを褒め称えます。

考察②王健が交渉を承諾した理由

謁見が叶うと、蔡沢は早速本題に入ります。それは趙の宰相・李牧にいくらで買われたか、というものでした。これに対し王建は以下のように答えます。

結局"戦争"など所詮大金を手にするための"仕事"だろうがよ

李牧は、秦攻略に成功した暁には、それぞれの国が出した軍の規模に応じて秦から得た土地や財を分けると持ち掛けたのでした。そこで蔡沢は、合従軍から離脱すれば李牧が約束した倍の値段を出そうと提案します。王建はあっさりこれに乗ります。倍額出さなくても乗った、とまで言いました。秦に侵攻すればある程度の犠牲は避けられなかったのが、何もしなくても貰えるならばそれで良いということでした。

考察③蔡沢の人物だったら交渉には応じなかった?

王建が交渉を承諾した理由はもう一つあります。それは、李牧よりも蔡沢との付き合いの方が長いというものでした。もしかすると、外交に赴いたのが蔡沢でなければこの交渉は失敗に終わる可能性もあったと推測されます。蔡沢の外交担当としての優秀さが分かるエピソードです。

考察④現在の斉と秦の関係

合従軍編から四年が経ち、斉と秦は再び相対します。蔡沢の綱渡しで、王建が秦を訪れ会合を開くという驚きの出来事が実現します。王建は、秦王・政に中華を統一した先のビジョンを聞きます。政の答えは王建の満足のいくものであり、王建は、政の姿勢がそのまま変わらなければ斉は秦の動向を静観する、という答えを出しました。

これはすなわち、戦わずして斉が秦に降伏したようなものであり、ここに口約束ではあるものの斉秦同盟が結ばれました。ただ、政の信念が変われば斉も黙っていない、とも王建は告げました。つまり、現在の秦と斉の同盟は、秦王が姿勢を変えない限り保たれる、ということです。

考察⑤王健は中華統一に関心がない?

会談の中で、王建は合従軍を抜けた本当の理由を明かしました。それは、合従軍が秦を滅ぼした後の世界が見るに耐えない汚濁になると思ったから、というものでした。しかし合従軍編の後に秦は周辺諸国への侵攻を繰り返しており、あまつさえ秦王は中華統一を目指していました。王建は、中華統一は汚濁であると秦王に告げます。

それに対する政の答えが、「法による法治国家を作る」というものでした。王すら法のもとに下るというそのビジョンを聞いた王建は納得し、政の語る中華統一が汚濁でないことを認めます。

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キングダムの斉に関する感想や評価

斉はなんども興隆と衰退を繰り返しており、このツイートが指摘するように、特に合従軍に攻め込まれて領地のほとんどを奪われた状態から息を吹き返したのは驚くべき偉業であることが分かります。史実では事なかれ主義で秦との戦いを傍観していた斉ですが、キングダムの物語では信念のもとに密約を交わしていたことになり、斉の偉大さが強調されています。

斉王建は蛇を食み続けるという印象的な登場をして読者の度肝を抜きましたが、その癖の強さがかっこいいと感じた人も多いようです。外見だけでなく、信念も持っている王建が好きだという声が多く見られました。

秦王の中華統一という夢に対し、それは汚濁だと告げる斉王、二人の国を背負った舌戦に緊迫感と凄みを感じたという声が多く見られました。

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キングダムの斉まとめ

キングダムに登場する斉という国について、合従軍から抜けた理由や史実、斉と秦の交渉などについて紹介しました。秦が中華統一をする上で必ずぶつかる斉、彼らとの関係が今後どうなっていくのか、ご注目ください。

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