2020年07月26日公開
2022年11月10日更新
【暗殺教室】茅野カエデの正体には伏線があった?セリフ・発言やシーンを考察
暗殺教室にて初期から登場しながらもずっとその正体を隠し続け殺せんせーにすら気取らせなかったのが茅野カエデです。しかし暗殺教室作中を茅野カエデが正体を隠している前提で読むと本人のセリフやちょっとした行動にしっかりとした伏線が盛り込まれています。今回は暗殺教室で長らく誰にも悟られずに正体を隠し続けた茅野カエデの正体に繋がるセリフやシーンの伏線についてまとめて紹介していきます。
目次
茅野カエデとは?
暗殺教室の作品情報
茅野カエデについて紹介する前に茅野カエデが活躍する暗殺教室についても簡単に紹介していきます。
暗殺教室の概要
暗殺教室は2012年から2016年までの間、週刊少年ジャンプにて松井優征先生が連載されたサスペンス要素のある学園漫画です。生徒達が担任の教師殺せんせーを暗殺する事がテーマであり、暗殺を通して生徒達の成長や生徒と先生の絆を描く形で描かれており、新しい形の教師を中心とした学園漫画として高い人気を獲得しました。
連載当初からメディアミックス展開も盛んに行われ、VOMIC化やスピンオフ漫画「殺せんせーQ!」も展開、さらには実写映画化なども行われました。またアニメ化も行われており、原作漫画の全180話がほぼ全てアニメ化されています。幅広いメディアで評価も受けており、原作漫画は「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」や「このマンガがすごい2014オトコ編」などで1位を獲得しています。
暗殺教室のあらすじ
ある日椚ヶ丘中学校の3年E組の担任となった謎の超生物。防衛省によって連れてこられた彼は自ら3年E組の担任になる事を望み、さらには来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊すると宣言。防衛省の判断によって彼を留めるべく3年E組の生徒に超生物の暗殺を依頼します。こうして生徒から「殺せんせー」と名付けられた超生物は担任兼ターゲットとして、生徒達は暗殺者兼高校生としての生活を送っていく事になります。
茅野カエデのプロフィール
茅野カエデは3年E組出席番号7番の生徒で、暗殺のターゲットであり名前を持たない超生物に殺せんせーというニックネームを付けた張本人です。生徒側の主人公である潮田渚と仲が良く共に行動する事が多い事から出番も多くなっています。大の甘党であり暗殺にも甘党である事とその知識を利用したりしています。暗殺に関しては基本的にサポートに回る事が多いです。
また貧乳を気にしており、胸の話に非常に敏感であったりします。当初暗殺の報酬として用意されている百億円も「例え筋肉でも構わないから胸囲を買いたい」という程です。身長も低く、クラスでもたまにいじられており、3年E組の生徒が暗殺者らしくコードネームを付けあった時には「永遠(とわ)の0」というコードネームを付けられています。
茅野カエデの正体には伏線があった?
伏線のセリフ・発言やシーン①転校生だった
転校の経緯自体は正体を明かした後に判明しますが茅野カエデが転校生である事は最初期に既に描かれていました。2年生の終わりに停学になり3年E組に新学期から遅れて合流した赤羽カルマの事を知らないという形で描かれていたのです。茅野カエデの口から「E組に来て日が浅い」という発言も取り入れ、渚に何気ない形でカルマの事を聞いているのです。
また椚ヶ丘中学校の入学式の時に名前で話題になった木村正義(ジャスティス)のエピソードを知らない等何気ないエピソードで茅野カエデを転校生として描いていました。読者目線のキャラという見方も出来た為に正体が明かされるまでは読者目線の為の転校生くらいに軽く考えられていました。
伏線のセリフ・発言やシーン②水が苦手
茅野カエデは殺せんせーが作った特製プールでクラスメイト達と遊ぶ中、1人憂鬱でした。本人は泳ぐのが苦手かつ身体のラインがはっきり出る事を理由に語っており、浮き輪を使い極力身体に水がつかないようにしています。これも触手を隠している事を考えれば当然です。殺せんせーの弱点として「触手が水分でふやけてしまう」というものも登場しています。
伏線のセリフ・発言やシーン③最後に食べる
普段の何気ないセリフの中にも伏線と呼べるシーンはあります。茅野カエデのセリフの中に1つ、「美味しいものは最後に食べる派」だという発言があるのです。茅野カエデには殺せんせーが3年E組にやってきた時点で触手の力があり身体を蝕んでいたにも関わらず長い間正体を隠していたのはこの茅野カエデの性格も関係していると言えます。
伏線のセリフ・発言やシーン④シロの反応
3年E組を何度か訪れているシロですが、その中でいくつか意味深なセリフや行動を残しています。初めて教室にやってきた際には渚の方を見て何かを気づいたような反応が描かれています。しかしこれは正確には渚の隣の席の茅野カエデを見て気づいたのであり、茅野カエデが正体を明かした後、このシーンで茅野カエデは咄嗟に目線を逸したという事も明らかにされています。
加えてシロはイトナを連れて帰る際に「しかもあのクラス・・・。フフ面白い」と意味深なセリフを残していたのです。その後にも「あの教室にはイトナ以上の怪物がいる」などと発言するシーンもあるなどクラスの中に殺せんせーを殺すにたる人物がいるような発言を残していました。
ただこれらのシーンではいずれも渚を中心にした描き方がされています。その為渚の暗殺者としての素質を見抜いたように見せる事が出来たのです。これは作者の松井優征先生によるミスリードと言えるでしょう。これらのシーンの画角の中心にいるのは渚ですが、しっかり茅野カエデも描かれているという点もポイントと言えます。
伏線のセリフ・発言やシーン⑤ぷるんぷるんの刃
プリンを使った暗殺を考案して実行した茅野カエデ。これは正体を明かした際、「何もしないのは怪しまれるから」だった事が明らかになっていますが、プリンによる暗殺が失敗した際、茅野カエデは「ふふ。本当の刃は親しい友達にも見せないものよ」というセリフを残しています。これはプリンへの並々ならぬ熱量に驚いた周囲に向けてのセリフですが、正体を隠している事への伏線とも取る事が出来ます。
またこのセリフに続けて「ぷるんぷるんの刃だったら他にも色々持っているから」という意味深な発言をしています。エピソードを考えればプリンにまつわる形のセリフにしか見えませんが、このぷるんぷるんの刃の正体が触手だと正体が明かされた後なら言う事も出来ます。
伏線のセリフ・発言やシーン⑥理事長の私物を壊した人物
また茅野カエデが転校生であるエピソードにまつわる間接的なエピソードとして描かれている伏線とも言えるエピソードが浅野学秀のセリフにもあります。彼が理事長の私物を壊してE組送りになった人物がいると示唆していたのです。この人物も後に茅野カエデだった事が明らかになっています。
伏線のセリフ・発言やシーン⑦死神の攻撃
死神(弟子)と交戦になった際3年E組の生徒は攻撃をまともに食らってみなが失神していました。そんな中唯一意識があったのが茅野カエデです。打ちどころの問題と捉える事もできますが茅野カエデの正体が描かれた後に見返すと茅野カエデが普通じゃない事を示しているシーンとして見る事も出来ます。
茅野カエデの過去や正体・目的ネタバレ
茅野カエデの子役だった過去
茅野カエデは「磨瀬榛名(ませはるな)」という芸名で活躍する天才子役でした。茅野カエデ本来の髪型は黒髪でウェーブをかけた少女でした。しかし事務所の意向を受けて子役業を休業しているという状態でした。そんな中起こった事件が茅野カエデを生み出す事になります。ちなみに役者の休業とE組への潜入はリンクしておらず、事件が起こる前から役者業は休業していました。
茅野カエデの正体は雪村あかり
実は茅野カエデという名前すら偽名でその正体は元3年E組の担任であった雪村あぐりの実妹、雪村あかりです。茅野カエデという名前は3年E組に潜入する際に使った偽名で、元々は子役として活動していた際、出演したドラマで没になった役名から取っています。また雰囲気を変えるべく、髪をツーサイドアップの緑色に変え、さらには渚を際立せる事でクラスに溶け込むように仕向けています。
ちなみに余談ですが、暗殺教室作中テストや運動の面で決して目立って活躍する存在ではなかった茅野カエデですが、本来の学業は進学校で難しい椚ヶ丘中学校の転入試験に合格出来る程に高く、役者をやる過程で身体を鍛えていた事もあり、運動もある程度は出来ていました。
茅野カエデの目的は殺せんせーへの復讐?
偽名まで使って3年E組に潜入していたのは殺せんせーへの復讐が目的です。茅野カエデは雪村あぐりが手伝っており殺せんせーが囚われていた研究所を訪れ、雪村あぐりが倒れており飛び去る直前の殺せんせーを目撃していました。研究所の瓦礫の中にあった情報や触手を手に入れ、殺せんせーの置き手紙などを読んだ事で殺せんせーが姉を殺したと思い込み、椚ヶ丘中学校の3年E組に現れる事を推察、正体を隠して事前に潜入する事にしたのです。
しかし3年E組で過ごす1年の中で殺せんせーが本当に雪村あぐりを殺したとは思えなくなっていました。しかし既に植え付けていた触手の衝動によって暴走し彼女は行動を起こす事になるのです。余談ですが触手は宿主の負の感情を増幅する傾向にある為、茅野カエデの貧乳コンプレックスと巨乳に対しての恨みも増幅されていた事も明らかになっています。
全て演技だったわけではない?
茅野カエデという名前や雰囲気作り、学業面や運動面など多くの部分で演技をしていた茅野カエデですが、必ずしも全てが演技というわけではありません。暗殺教室作中では雪村あかりとして雪村あぐりと話している際に体型の事を気にしている描写があったり、演じている最中に打ち解けた神埼などとの人間関係はそのまま継続、これまで距離があったクラスメイトともより近づくような描写があります。
また本人も茅野カエデとしての生活を気に入っている事もあり、正体が発覚した冬休み以降もクラス内ではそのまま茅野カエデとして生活を送っており、最後までE組の生徒として卒業する事になりました。
茅野カエデと潮田渚の関係
潮田渚との関係①カモフラージュとして利用していた
茅野カエデは自身の正体を隠しておく為、偶然3年E組で席が隣になった潮田渚を利用します。潮田渚が髪をツーサイドアップにしているのも茅野カエデが自身を目立たせないようにする為だったのです。結果として茅野カエデは渚と仲が良いそばにいる子というポジションを獲得する事に成功します。強い恋愛感情こそ描かれないものの好意を持っているんだろうという形で描かれていましたがそれも全て演技によるものでした。
潮田渚との関係②ディープキスシーン
茅野カエデが正体を明かした際、潮田渚も自身が利用されていた事を知ります。しかし茅野カエデが触手の暴走に飲まれる中、その暴走を抑えるべく潮田渚が取った行動が茅野カエデにディープキスをするという行動でした。この行動により結果的に茅野カエデは自我を取り戻し触手を取り除く事にも成功します。この出来事茅野カエデは暴走状態ではありましたがしっかりと認識しておりこれがきっかけで潮田渚を異性として意識するようになります。
状況が状況だったとはいえキスをしてしまった事を謝れる潮田渚には持ち前の演技力で自然と振る舞って見せますが、その実完全に心を奪われていました。そしてその態度は潮田渚にこそ気づかれる事はないもののその手の話に敏感な周囲にはバレているような状態でした。
バレンタインでは茅野カエデは潮田渚にチョコを用意しますが、なかなか勇気を持って渡す事が出来ませんでした。最終的には渡す事に成功しますが、それもあくまでも友達として、そして助けてくれたお礼を言うだけにとどまりその気持ちを伝える事はありませんでした。将来の道を悩む潮田渚の邪魔をしたくないと考えた茅野カエデはそばで見守る道を選んだのです。
余談ですが、3年E組の生徒は卒業後、それぞれの道を歩んでおり、茅野カエデは高校卒業と同時に役者に復帰、潮田渚は教師となるべく教育実習に励んでいました。個人的な付き合いは続いているものの、正式に恋人になっているというわけではなく、親しき友人としての関係が続いている状態です。
茅野カエデのアニメ声優と実写版キャスト
茅野カエデのアニメ声優は洲崎綾
アニメ暗殺教室にて茅野カエデの声優を務めた洲崎綾さんは2010年にデビューした声優さんです。代表作の1つである「たまこまーけっと」の北白川たまこ役のような元気でアホの子を演じる事に定評がある他、しっとりとした艶のあるキャラも演じられるなど幅広い演技力を持ち合わせています。また演じるキャラが決まった際には原作までしっかり読み込んでからキャラ作りを行うなど理論派な一面も持ち合わせています。
またその演技力の幅広さも相まって演じているキャラには茅野カエデのような作品の中で性格や声質が大きく変わるキャラ、敵味方と立場が変わるようなキャラを演じる機会も多く、また早口でまくしたてるようなセリフまわしも得意としています。歌唱力も高い事からアニソンやテーマ曲を歌う事も多いです。
これまで洲崎綾さんが声優として出演した作品としては「シドニアの騎士」の星白閑役及び白羽衣つむぎ役、「極黒のブリュンヒルデ」の橘佳奈役、「ロウきゅーぶ!」の竹中柊役、「とある科学の超電磁砲S」の滝壺理后役、「トリニティーセブン」のセリナ=シャルロック役、「亜人」の永井慧理子役、「Classroom☆Crisis」の花岡ツバサ役、「魔法少女特殊戦あすか」の大鳥居あすか役などがあります。
茅野カエデの実写版キャストは山本舞香
実写版映画暗殺教室にて茅野カエデを演じたのは2010年にデビューした山本舞香さんです。鳥取県出身でモデルとしてデビューした後に2011年にドラマ「それでも、生きてゆく」にて女優としてデビューしました。モデル、女優、タレントなどマルチに活躍し「王様のブランチ」などにもレギュラーで出演しています。
女優としての山本舞香さんの出演作品としては「チア☆ダン」の柴田茉希役、「ひるなかの流星」の猫田ゆゆか役、「ブルーハーツが聴こえる」の彩乃役、「桜ノ雨」の遠野未来役、「恋は雨上がりのように」の倉田みずき役、「劇場版ファイナルファンタジーXIV光のお父さん」の岩本美樹役、「今日から俺は!!」劇場版の森川涼子役などがあります。
茅野カエデの名言やセリフ集
茅野カエデの名言①「大好きだよ…」
大好きだよ 殺せんせー 死んで
茅野カエデが暴走し、殺せんせーを罠にハメた際、正体を明かす時に発したセリフがこの名言です。それまで頑なに正体を隠しており、3年E組で過ごす中で殺せんせーが姉を本当に殺したのか疑問に持ちながらも触手から発せられる復讐の怨念にとらわれてしまうのです。
茅野カエデの名言②「私の自慢の演技の刃で…」
私の自慢の演技の刃で、最高の笑顔で応援するよ
暴走から自我を取り戻させてくれた事で潮田渚へ好意を持った茅野カエデはバレンタインにチョコを用意し無事に渡す事に成功しますが、その思いを伝える事はありませんでした。それは茅野カエデは前を見てまっすぐ進もうとする潮田渚の事を好きになったのであり自分が邪魔をしてはいけないと考えたからです。
上記の名言は潮田渚に思いを伝えなかった茅野カエデが心のなかで思った名言であり、実際に口にしたわけではありませんが、茅野カエデの心情を上手く現した名言として高い人気を獲得しています。
茅野カエデに関する感想や評価
ネウロの一件があったからなのかなんなのか暗殺教室の時キャラの視線の方向とか向きとか所々の何気ない描写で「カエデちゃん怪しくね?」って思われてたけど終盤で見事に全部伏線だったってことがあったね
— 九重和泉 (@kokonoe_tukiy) December 7, 2019
ここからは既に暗殺教室を視聴した人の茅野カエデに関しての感想を紹介していきます。茅野カエデの伏線に関しては露骨に怪しい物よりも、正体を知った後で見ると伏線だったと感じる物が多いとする声も多いです。今回紹介したのは代表的な伏線ですがそれ以外にもちょっとした視線の変化など細かな伏線は多いとされています。
中には実は茅野カエデが登場するコマの中に殺せんせーの物とはとは思えない不自然な形で触手が描かれていたとするような描写もあるとする声もあります。これらの細かい描写の積み重ねを終盤で一気に回収する形になっていた暗殺教室の茅野カエデのエピソードに関してのエピソードは凄いという声も非常に多くなっています。
暗殺教室は面白いものの特有の毒が薄れてネウロから読んでたファンの中には残念に思ってた人もいたんですが、カエデの正体が明かされた時に彼らは狂喜乱舞してました。これが松井先生だ!って!私です。
— はちみつ (@sukideha_nai) March 4, 2018
また茅野カエデのような物語の序盤から仕込まれ続けてきた伏線を一気に回収するやり方やエピソードの作り方、殺せんせーの過去にも関わる毒気のあるエピソードは松井優征先生の前作「魔人探偵脳噛ネウロ」を彷彿させるものがあるとして人気を集めた一方でネウロの時よりも一般受けしやすい形になっており魅せ方が上手くなったとする声も多くなっています。
暗殺教室読んでて茅野カエデちゃんのセリフは洲崎綾ちゃんの声で再生されるから声優さんって凄いよね。 #暗殺教室
— akihiko (@akihiko_aa) May 19, 2018
アニメ暗殺教室にて茅野カエデ役の声優を務めた洲崎綾さんに関しては持ち前の演技力の幅や二面性のあるキャラ作りの旨さを最大限発揮した代表的な作品の1つになったとする声も多くなっています。特に普段のキャラクター性と暴走した時の雰囲気の違いは圧巻であるという声が多くなっています。
茅野カエデの正体に関する伏線まとめ
茅野カエデは長い間その正体を隠して学生生活を1年弱にも及んで送ってきた3年E組の生徒です。暗殺教室作中には茅野カエデが触手を隠し持っている事、或いはその正体に繋がるような伏線が随所に張り巡らされており、正体を知った上で細かなものまで含めると膨大な数がある伏線に驚くという声も非常に多くなっています。
茅野カエデの正体はそのまま殺せんせーの正体や過去にも繋がる重要な要素であり、いわば暗殺教室という物語の中核をなす存在だっただけに伏線を探しながら再度読んでも楽しいと言われる程になっています。まだ暗殺教室を読んだ事がないという人ももちろん、1度読んだという人も茅野カエデの正体の伏線となる要素を探しながら視聴してみてはいかがでしょうか?