【鬼滅の刃】アニメの作画が神レベル！崩壊シーンはある？制作会社や監督を紹介

鬼滅の刃は若者を中心に2019年にヒットした大人気アニメです。声優陣も豪華キャストが勢揃いし、主題歌の紅蓮華（ぐれんげ）もその人気ぶりから2019年の第70回紅白歌合戦に出場するに至りました。アニメ第1期は2クール全26話まで放映されています。漫画の巻数でいうと7巻冒頭までの内容となっており、7巻から8巻で描かれている『無限列車編』は2020年秋に劇場版として公開される予定となっています。

アニメが大人気を博した『鬼滅の刃』は、集英社から発行されている少年漫画雑誌・週刊少年ジャンプで連載されていた和風剣戟奇譚（わふうけんぎきたん）です。時代は和と洋が混在する大正時代をモチーフとしており、登場人物の服装も和と洋が入り混ざったノスタルジックなデザインが多く登場します。一方、登場人物は個性豊かなキャラクターを持つ者が多く、味方のみならず敵キャラクターにもファンが多い作品です。

作者は吾峠呼世晴（ごとうげ こよはる）先生で、ジャンプの作者コメント欄にワニのイラストを自画像としていることから『ワニ先生』の愛称で親しまれています。鬼滅の刃は吾峠先生が作製した『過狩り狩り（かがりがり）』と『鬼殺の流』という漫画が元となっており、鬼を倒していく設定や大正時代を舞台としている点が引き継がれています。『鬼殺の流』は鬼滅の刃ファンブック『鬼殺隊見聞録』で読むことができます。

鬼によって1つ下の妹・禰󠄀豆子（ねずこ）以外の家族を失ってしまった少年・炭治郎。その禰󠄀豆子も鬼の始祖である鬼舞辻無惨（きぶつじ むざん）の血を浴びてしまったために鬼へと変化してしまいます。そして炭治郎は鬼を倒すことを目的とした集団『鬼殺隊（きさつたい）』に身を寄せながら、妹を人間に戻す方法を探すのでした。しかし鬼殺隊の隊士でありながら鬼を引き連れている炭治郎は仲間達の不信の目に晒されます。

しかしその正直な性格や思いやりの心、そして新人隊士でありながら多くの成果を残す炭治郎に、周りの目はいつしか信頼を宿すようになります。入隊同期である『我妻善逸（あがづま ぜんいつ）』『嘴平伊之助（はしびら いのすけ）』を始めとし、鬼殺隊の幹部である"柱"と呼ばれる者達と共に鬼舞辻無惨の形跡を追う炭治郎達。そして鬼との戦いの最中に自分の家に代々伝わる神楽が鬼を倒す切り札ということが明かされていきます。

アニメ作画が神レベルと評判の鬼滅の刃。その評判はアニメが放映される前から話題になっていました。その理由がアニプレックスがYouTubeに投稿したアニメのPV。放映されるアニメの内容の一部を切り取った動画が、アニメ放映前から神レベルで綺麗と評判になっていました。PV始まってすぐに第1話の禰󠄀豆子（ねずこ）を背負って雪の振る森を歩くシーンが映し出されますが、この時点で既に作画の綺麗さが分かります。

炭治郎と禰󠄀豆子に降りかかる雪の粒の大きさや陰影、吐く息のリアルさなど表現の細かさが一目瞭然。また背景の木の肌の質感までもが静止画で見てもとても丁寧に描かれていることが分かります。アニメに欠かせない登場人物の表情や目の動きも繊細に描かれ、身に着けている小物や涙の動きも所謂「ぬるぬる動く」程の神作画。またカメラワークも臨場感を演出する要素となって作画を引き立たせています。

アニメ鬼滅の刃が神作画と言われている理由はそのイラストの綺麗さと動きの繊細さ。動きが繊細な作画は「ぬるぬる動く」と表現されることがあります。通常のアニメ作画では1秒間に8～12枚のイラストを使用し徐々に登場人物などを動かしますが、ディズニー作品などのぬるぬる動くアニメは24枚もを使用して作製されています。神作画と言われることの多い鬼滅の刃もそれに近い枚数を使用していると予想されます。

また動画の動きもさながら、アニメ鬼滅の刃の1枚絵はイラストのレベルも高いのが特徴です。通常のアニメではイラストの線の太さは均一に描かれることが多いですが、アニメ鬼滅の刃では画面との距離や主張したいポイントなどによって線の太さに強弱をつける工夫が施されています。

また色彩も一般的なアニメでは登場人物の顔や服の影は1色で塗られることが多いですが、アニメ鬼滅の刃は広範囲の影と、さらに暗い部分に落ちる影を分けて書き込むことによって遠近感を表現しています。このように1秒間に多くの枚数を使用しつつも、その1枚1枚が丁寧に描かれている事がアニメ鬼滅の刃の作画が高評価を得ている要因です。ここから先は『鬼滅の刃の神作画ポイント』を更に4つピックアップしてご紹介します。

バトルアニメの醍醐味である戦闘シーン。鬼滅の刃では『呼吸』という技を使用して鬼達と戦いますが、この戦闘に使用する技のエフェクトの書き込みが細いのも神作画と言われる理由の一つです。炭治郎が使用する水の呼吸の水のしぶきも細かく描かれており、技を使用するシーンで迫力を持たせています。

アニメ鬼滅の刃の作画では、登場人物の周りの環境や背景に合わせてエフェクトを組み込んでいます。例えば上記の作画画像のように手から放たれている灯りの効果を反映させて、手に近い部分は明るく、離れていくにつれて暗くなるようなエフェクトを使用したり、感動的なシーンでは画像全体にぼかしを入れて柔らかい雰囲気を表現するなど細やかな工夫が取り入れられています。

作画のリアルさを引き立てるための重要な要素の『影』。通常、アニメでは1話を作製するには3500枚近くの画像が必要となるため、影などの詳細な部分を省略する作品が多くあります。しかしアニメ鬼滅の刃では顔の皺一本一本にまで影をつけてリアリティさを演出しています。また服の細かい皺までも書き込まれており、神作画と言われるほどの高いクオリティを完成させています。

アニメの視聴中に視聴者が注目するのは動きの多い登場人物であることが多く、背景や小物などは簡素に描かれがちなです。しかしアニメ鬼滅の刃の作画では上記画像のように岩のヒビや汚れまでを追求して描いています。また後ろの林は同系色の複数の色を混ぜてリアルさを表現し、登場人物だけではなく細部にまで徹底して技術が使用されています。

作画崩壊とは、アニメ作品の作画のレベルが著しく低く、視聴者に違和感を与えるクオリティの事を指して言います。ネットでは作画崩壊で有名なシーンを用いて『ヤシガニ』『キャベツ』と皮肉な表現をされることもしばしば。作画崩壊シーンがあると視聴者からの批評が多く上がるだけではなく、コメントが付けられるサイトやSNSでネタとして取り上げられることも多くなります。

作画崩壊で有名な『ヤシガ二』は、1998年4月24日に放映されたアニメ『ロスト・ユニバース』の第4話「ヤシガニ屠る」のタイトルからとられています。4話の内容殆どが作画崩壊を起こしており、登場人物の表情や体に違和感を感じる作画、そしてカクカクとした地上派放送アニメとは言いがたい動きはアニメファンの中で現在でも語り継がれているほど。この回は監督の渡辺氏が謝罪を行う程のクオリティとなりました。

こちらもヤシガニと同じく衝撃の作画クオリティのためにアニメファンの中で話題となったもの。『夜明け前より瑠璃色な』の3話で料理対決をすることになった登場人物達がキャベツを切るシーンで勃発した作画崩壊です。丸い緑色の物体がまな板の上に乗せられており、それを包丁で切り開くと、中には丸い線が描かれた何かが現れるといったシーンです。

現実に存在するキャベツは葉が何枚も重なり合っているので丸い跡ができるのは極めて不自然で、その物体が何だったのかネタ考察されるほどの作画崩壊でした。そのことが作製会社や監督にも伝わり、DVDが発売された際にはしっかりとキャベツらしく書き直されており、その作画のビフォー・アフター比較動画がまたしても話題となりました。

作画が神レベルだと話題のアニメ鬼滅の刃ですが、作画崩壊シーンはなかったのでしょうか？ここではアニメ鬼滅の刃の視聴者が発見した作画崩壊疑惑が上がっているシーンを、インターネットの書き込みから2つご紹介します。

こちらのシーンはアニメ鬼滅の刃26話『新たなる任務』でカナヲと会話した炭治郎がその場を立ち去る場面。本来であれば5本であるはずの指が6本あるように見えます。ヤシガニやキャベツのようにダイレクトな作画崩壊ではなくとも、アニメ鬼滅の刃の中で違和感を覚えるシーンの一つです。

アニメ鬼滅の刃で初めて善逸（ぜんいつ）が登場する回の第11話『鼓の屋敷』でも、視聴者に違和感を与えるシーンが発見されています。それがこちらのおにぎりを半分に分けるシーン。炭治郎からおにぎりを譲ってもらった善逸が手で半分にちぎるのですが、その様子が刃物で切ったようにパカッと開き、手でちぎったようには見えないというものです。

以上のように大きな作画崩壊ではなくとも、作画が綺麗と評判のアニメ鬼滅の刃での小さな表現ミスは、読者の違和感を大きくする要因となっています。他の作品ではそこまで気になるミスではないものが、アニメ鬼滅の刃のクオリティによって強調されてしまっている部分も大きいです。しかし、作品全体を通してみると作画崩壊で話題になる場面はアニメ鬼滅の刃では報告されていません。

神作画と評判を受けている鬼滅の刃を作製している会社は『ufotable（ユーフォーテーブル）』。『Fateシリーズ』や『活劇 刀剣乱舞』『劇場版 空の境界』など多くの人気アニメが代表作品にあります。またゲームアニメーションにも携わっており、『テイルズシリーズ』『サモンナイトシリーズ』『GOD EATERシリーズ』と多くの人気作を手がけています。

作風はハッキリとしつつも光を感じるような鮮やかな色使いが特徴的で、鬼滅の刃に限らずufotableの作画が綺麗だと評判になっており、人気・知名度共に急上昇しているアニメ作製会社。2000年に会社設立し、東京スタジオ（本社）と徳島スタジオの2つスタジオを持っています。会社スタッフは200名近くにのぼり、『演出・作画』『仕上げ』『美術』『デジタル映像』『制作』『企画管理』と複数の部署からなっています。

アニメ鬼滅の刃の監督は外崎春雄（そとざき はるお）氏。1994年に放映された『機動武闘伝Gガンダム』の動画作製からアニメーション作製会社での活動が確認されています。ufotableの作品に参加するようになったのは2002年に放映された『ヴァイスクロイツ グリーエン』からで、これまでに『仙界伝 封神演義』『NARUTO』『イナズマイレブン』など多くの人気作の作画監督も任されています。

福島県に所在するアニメーション制作会社『スタジオダブ』出身で、鬼滅の刃でも共同制作を行った松島晃氏とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』『YAT安心!宇宙旅行』など20年以上前から同じ作品を受け持つ間柄となっています。ufotableの会社代表・近藤光氏からの信頼も厚く、アニメ『テイルズ オブ シンフォニア シリーズ』は外崎氏のために企画された作品です。

アニメ鬼滅の刃のキャラクターデザインを担当するのは松島晃（まつしま あきら）氏です。東京アニメアワード2020ではアニメ鬼滅の刃で『個人賞 アニメーター部門』を受賞しました。鬼滅の刃の監督・外崎氏とはufotableを通して共同作製することが多く、外崎氏が監督を務めているufotable作製のテイルズシリーズのアニメーションでも、キャラクターデザインと総作画監督を任されています。

他のアニメ作品では『RAVE』『マリア様がみてるシリーズ』『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』で総作画監督として活躍。出身のアニメーション制作会社は『ジェック・イー』で、以前の制作会社では古橋一浩（ふるはし かずひろ）監督の作品で作画監督や原画を担当することも多くありました。

視聴者やネットのファンのみならず、その作画の美しさが評判となり2020年7月4日放送のフジテレビ系クイズ番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』の番組内でアニメ鬼滅の刃についての問題が放映されました。その細かい書き込みに番組の出演者も驚愕しています。また、普段は見られない絵コンテ（映像作品の設計図）の様子を見られる貴重な回となっています。

その作画の美しさが評判のufotable。アニメ鬼滅の刃をきっかけにufotableの魅力に引き込まれる視聴者も現れています。作画が綺麗で印象に残っていたアニメ作品やゲームのアニメーションシーンを作製した会社が、実はufotableだったという人も度々見かけられています。

神クオリティといわれる程の作画力が評価されているアニメ鬼滅の刃。しかし作画だけでなく、その素材を引き立てる演出も視聴者に絶賛されています。挿入歌・SEや戦闘シーンの見せ方などにおいても細部まで熟考されており、繊細な作画を更に盛り上げる要素として重要な役割を担っています。

今回はアニメ鬼滅の刃の作画についてご紹介してきました。アニメ鬼滅の刃が神作画と言われている理由はアニメ制作会社ufotableの技術力の賜物。ufotableでは『Fateシリーズ』や『テイルズシリーズ』も作製されており、どれも高い技術力が評価されています。アニメ1期が終わり2020年秋には無限列車編が劇場版で公開予定の鬼滅の刃。2期が公開される場合にはコミック9巻からと読者に予測されています。