2020年07月10日公開
2020年07月10日更新
【進撃の巨人】エルヴィンの父とはどんな人物?記憶と巨人に関する仮説とは?
進撃の巨人作中において、活躍するエルヴィンにとってその人生に大きく影響を与えたのが父親の存在です。エルヴィンの父親はまだ超大型巨人による侵攻が行われる前から壁内人類の記憶と巨人に関しての仮説を持つ程に優れた人物でしたが、過去にエルヴィンのとある質問とその後の行動により死亡してしまっています。今回はエルヴィンの父親について、判明している人物像や仮説などをまとめて紹介していきます。
エルヴィンとは?
進撃の巨人の作品情報
エルヴィンやエルヴィンの父に関して紹介する前に彼らが活躍する進撃の巨人についても簡単に紹介しておきます。
進撃の巨人の概要
進撃の巨人は2009年に創刊された講談社が発行する別冊少年マガジンにて創刊時から連載されている人類と巨人の戦いを描くダーク・ファンタジーです。数多く展開される謎やそれらの謎に振り回される事になるキャラクター達が話題を呼び、高い人気を集める作品になっています。またその世界観や魅せ方は評価も高く、漫画賞などを多く受賞する実績も上げています。
その話題性からメディアミックス展開も盛んに行われ、本編とは敢えて時間軸や視点をズラしてより作品の深みを増すのに貢献している小説、立体機動装置などのアクションによる動きがより鮮明に描かれ2020年7月現在3度行われ4度目も決定しているアニメ化、ゲームや実写映画などそれぞれのメディアでも関連賞を受賞する程に高い人気と評価を集めています。
進撃の巨人のあらすじ
突如現れた人類の天敵「巨人」、既存の兵器がほとんど利かない巨人相手に人類は追い込まれ巨人の身長を遥かに凌駕する程の巨大な壁を建設し、その壁内に引きこもる事で巨人の驚異をやり過ごし100年の平和を実現しました。壁内人類がやがて巨人の驚異を忘れ始め巨人の記憶が過去のものとなりつつある頃、突如壁をも超える大型巨人が出現し壁を壊してしまい人類は再び巨人の驚異に晒される事になるのでした。
エルヴィンのプロフィール
エルヴィンは壁内人類の軍事組織である兵団の中にあって、壁外に遠征し巨人の秘密などを探る事を目的とした調査兵団の13代団長として登場するキャラクターです。巨人化を見せた主人公エレンの処遇が協議される中で巨人の秘密を探る為にも生かすべきであると主張し、エレンの上司となりました。柔軟な思考が出来る反面、時に冷酷な判断を下す事もあり総じて部下からも高い信頼を集めています。
進撃の巨人作中でも様々な作戦を立案し実行に移すなど高い作戦立案能力や実行力を持ち、犠牲を出しながらも多くの作戦を成功させる指揮官として描かれています。その他判明しているプロフィールとしては身長が188cm、体重が92kgと比較的大柄である事、誕生日が10月14日である事が明らかになっています。
エルヴィンが結婚しない理由
作中では明確な年齢が明らかになっていないエルヴィンですが、事実背景からいって30代、それも後半に差し掛かっているのではないかと考察されるのが一般的です。そんな年齢に反してエルヴィンは過去から現在に至るまで作中で明確に結婚していない事が明らかになっているキャラクターでもあります。
過去には訓練兵団時代の同期で現在は憲兵団の師団長を務めているナイルの妻になっているマリーに恋心を覚えるなど決して色恋沙汰に興味がないわけではない事も明らかになっています。そんなエルヴィンが結婚していない理由は調査兵団といういつ死ぬかも分からない兵団を率いている事によって死んで妻に負担をかけたくないという思いからである事が明らかになっています。
エルヴィンの父とはどんな人物?仮説とは?
エルヴィンの父は教師をしていた?
出身も判明していないエルヴィンですが、エルヴィンの父親は過去に壁内にて初等教育に従事する教師を務めていました。エルヴィンも少年時代にはこの学校に通っており、その学校にはエルヴィンの地元の少年達も通っていた事が明らかになっています。エルヴィンを含む生徒達はこの学校において壁内人類の常識であり過去である、人類は壁に逃げ込み生き延びたという過去の歴史を学ぶ事になります。
エルヴィンの質問と父の巨人に関する仮説
ある時、授業中にエルヴィン少年はとある疑問を抱き教師である父に質問を投げかけます。その質問は「壁外の人類が滅亡したと分かるのは何故か?」という質問です。この頃はまだ超大型巨人によってウォール・マリアの壁が破られる前なので人類は仮初の平和を享受している状態です。人類は巨人についてや外の世界についての知識がほとんどない状態だったにも関わらず明確に滅亡したという過去にされていたのです。
エルヴィンの父はこの質問をはぐらかし、授業を終わらせます。明確な回答が得られなかったエルヴィン少年は家に帰宅後、もう1度質問を投げかけます。そこでエルヴィンの父は自らの仮説を話して聞かせます。エルヴィンの父は「巨人の正体は人間である」「壁内人類は王によって記憶を改竄されたのではないか」という仮説を立てていたのです。
この時エルヴィンの父はその仮説を打ち立てた理由もしっかり説明しています。説明された理由は大きく分けて2つあり、「王政の矛盾点」と「外の世界についての情報が不自然な程になさすぎる事」でした。
エルヴィンの父は殺されてしまう
質問に対しての一種の回答を得たエルヴィン少年ですが、その答えを父が何故学校ではせずに家で話したのかまでは理解出来ていませんでした。エルヴィンは同級生に父の仮説を話して聞かせます。問題になったのはその話を偶然にも中央憲兵に聞かれてしまった事です。これによって父親は王政に対する危険分子と判断され拘束され、拷問を受けた挙げ句に殺される事になってしまいます。
この出来事はエルヴィン少年に衝撃を与え、その後の人生に大きく左右される出来事となりました。
エルヴィンの死亡シーンや目的
エルヴィンの死亡シーン
エルヴィンはウォール・マリア最終奪還作戦において死亡してしまいます。作戦中、獣の巨人によって調査兵団のほとんどの兵士を失う事になり、絶体絶命の中、リヴァイに獣の巨人の討伐を託し、自ら囮になるべく生き残っていた新兵と共に突撃を敢行、この突撃により重傷を負ったエルヴィンは、巨人薬の投与を拒否する形で生き残ったリヴァイ達に看取られる事になります。
エルヴィンの目的は父の仮説を証明すること?
突撃の前、エルヴィンはリヴァイに初めて本音を話します。これまで人類の為の尖兵を演じ続けてきたエルヴィンでしたが、実は目的は幼き日に父から聞いた仮説を証明する事だったのです。ウォール・マリア、シガンシナ区にはエレンの父が残したとされる巨人についての秘密がある事が判明しており、結果的に調査兵団に尽くす事がエルヴィンの目的完遂に近づく為、いわば私情を持って調査兵団を率いていたのでした。
ウォール・マリア奪還作戦においてエルヴィンは窮地に追い込まれた調査兵団から抜け出し過去にエレンの父の残した情報を見に行くか迷う程に追い込まれていました。そんな状態でリヴァイと話し、リヴァイから明確に「兵団のために夢を諦めろ」と言われた事で決心をして突撃作戦を敢行する事になるのです。
エルヴィンの父の仮説は正しい?
エルヴィンの死後、ウォール・マリア、そしてシガンシナ区の奪還に成功した後、エレン、ミカサ、リヴァイ、ハンジらの生き残った調査兵団のメンバーはエレンの実家に赴き、エルヴィンが見たがっていたエレンの父が残した情報を確認しにいきます。
この情報の結果、エルヴィンの父の「巨人は人類なのではないか」「王政によって記憶が改竄されているのではないか」、そして幼き日のエルヴィンが過去に質問した「壁外に人がいないと言い切れるのは何故か」という疑問も含めて全てが真実であった事が証明される事になりました。
エルヴィンが「巨人化の薬」の投与を拒否した理由
上記のように突撃作戦を行った事で瀕死の重傷を負ったエルヴィンでしたが、実はこの時まだ生き残るチャンスが残っていました。調査兵団には1つだけ巨人化の薬が残っており、加えて巨人化能力者であるベルトルトの捕獲に成功していたのです。これによりエルヴィンに巨人化の薬を使用しベルトルトを捕食すればエルヴィンは生存できたのです。
その判断はもとよりリヴァイに託されており、リヴァイもエルヴィンに使用しようと試みますが、エルヴィンが無意識にこれを拒否するような動きを見せます。リヴァイはエルヴィンのこの行動から私情によって調査兵団を率い、多くの部下を殺させてしまった事によるエルヴィンの精神的疲労を感じ取りました。結果として巨人化の薬は同じく重傷を負ったアルミンに使用される事になりエルヴィンは死亡したのです。
エルヴィンの名言集
エルヴィンの名言①「君には何が見える?…」
君には何が見える、敵はなんだと思う?
トロスト区防衛戦によって捕獲された2体の巨人。この巨人が何者かによって殺されてしまいます。巨人への強い恨みがあった者の犯行ではないかと考察されましたが、エルヴィンが見えているものは別でした。エルヴィンはこの事件によって兵団の中に裏切り者がいるのを察知しており、裏切り者を捕獲する為の作戦を計画していたのです。
この質問は進撃の巨人作中の描写ではエレンに対して行われたものですが、実際には同じような質問を他の兵士もされています。そしてこの質問に対し正しく答えられた者だけが選抜され、裏切り者を捕まえる為の作戦が敢行される事になりました。エルヴィンの頭の良さを示した名言とされています。
エルヴィンの名言②「心臓を捧げよ…」
エルヴィンは死亡率の最も高い調査兵団の団長という立場も相まって部下を鼓舞するシーンも非常に多いです。その時に多用するセリフとなっているのがこの「心臓を捧げよ」という名言です。このセリフ自体は兵団全体で用いられる鼓舞の常套句ですが、調査兵団の団長であるエルヴィンが使用するこのセリフは重みが違うとしてエルヴィンの名言として扱われる事が多くなっています。
また後々にエルヴィンの目的が父の仮説の証明という私情であった事が明らかになった事で、このセリフを言って部下を奮い立たせる事自体がエルヴィンの精神的疲労に繋がっていたのだろうとも考察されています。
エルヴィンの父に関する感想や評価
『進撃の巨人』のエルヴィンの言葉がずしりと重く、(汎用性のある)リアリティがある。本作は難しい言い回しや漢字熟語がないところに言葉の冴えがある。
— アライ=ヒロユキ ARAI Hiroyuki (@arai_hiroyuki) August 8, 2018
子供の頃からずっと考えていました。なぜ父は真実に近づいただけで死ななければならなかったか。王政の役人にも彼らなりの正義があるはずだと。
ここからは既に進撃の巨人を視聴している人のエルヴィンの父親に関しての感想を紹介していきます。進撃の巨人において父親は多くのキャラクターに影響を与えていますが、物語に関わる重要度として特に名前が上がるのがエルヴィンの父親です。エルヴィンの父親の仮説がなければエルヴィンが調査兵団に入る事も或いはなかったのではないかとも考察されています。
エルヴィンのように柔軟な思考が出来る者がいなければ巨人化を見せてしまったエレンは当然生きてはいられず壁内人類が真実に辿り着く事も出来なかったのではないかとも考察され、それほどの事実に仮説で証明こそできなかったとはいえ辿り着く事ができたエルヴィンの父親も頭が良かったのだろうと考察されています。
エルヴィンが父に抱いてた気持ちと、団長としての人生を思うと……やり切れないんだよなあ
— aster (@aster_666) June 2, 2019
こんなところでこんなかたちで終わってしまったのを、理不尽と取るか必然と取るか……
なんにせよ、リヴァイが理解し心を寄せてくれたのが救いだ…… #進撃の巨人
エルヴィンの死亡に関してももう少しで父の仮説に辿り着けただけに残念とする声が多い一方で、リヴァイの言葉によってエルヴィンのそれまでのキャラクター性が壊れる事なく最期まで団長として真っ当に生きてくれた事が良かったとする声も非常に多いです。あのシーンでエルヴィンが父の仮説の証明に向かってしまってはエルヴィンの評価も大きく変わってしまっただろうとする声も多くなっています。
一方で一部にはエルヴィンがそのような行動を取ってしまうのも状況的にあり得たとしてむしろ見てみたかったとする声も見られます。エルヴィンが真相に辿り着いた際どのような判断を見せたのかが見たいという声も見られます。
エルヴィンが意識混濁しながら挙手するシーン
— ツクシつくし土筆tsukushiTSUKUSHI (@hikaru_tsukushi) June 2, 2019
実際のところは子供の頃、教室で父に質問する記憶を思い出して体が無意識に反応してるだけなんだけど、アニメとなって動きが付いた事で図らずもエルヴィンが自身の延命を拒んでいるかのように見える演出となっていたのはとても秀逸だと思った#進撃の巨人
エルヴィンの父親とのシーンや最期のシーンなどは原作はもちろんアニメでの表現も非常に評価の高いシーンの1つになっています。特に注射を拒否したシーンなどは動きのあるアニメで見て初めてその心情を理解する事が出来たとする声も見られる程でリヴァイが最終的にエルヴィンではなくアルミンを選んだのも納得できたという声も見られます。
エルヴィンの父まとめ
エルヴィンの父は進撃の巨人本編上では既に故人であり、エルヴィンの回想の中、過去編に登場する形で描かれています。教師であったが故に相応の知識を持ち、それが結果として真実である仮説に行き着いてしまった事、そしてそれを息子であるエルヴィンに話してしまった事で死亡してしまうという人生を歩む事になってしまいました。
エルヴィン少年はその父親の仮説を証明するべく調査兵団に入団し団長として多くの作戦を立案、実行に移しています。結果として進撃の巨人の物語に多く影響を与えた存在であり、しかも超大型巨人が襲来する前からその真実に辿り着いてしまった人物、それがエルヴィンの父親です。進撃の巨人はこういったキャラクターが見せる物語も1つの魅力なので注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか?