【ワンピース】エースの母親ルージュとは？出産秘話やジュエリー・ボニーとの関係は？

ルージュは南の海（サウスブルー）出身の女性で海賊王ゴール・Ｄ・ロジャーの妻だった人物でエースの母親でもあります。艷やかな金髪を持ち、エースと同様顔にそばかすがあるのが特徴的な女性でした。フルネームはポートガス・D・ルージュでエースはその大恩から海に飛びだした後、母親の姓であるポートガスを名乗っていました。エースを妊娠、出産しますが、その出産が元で亡くなっている為、本編中では登場していません。

その為、登場は回想の中のみで本編では名前だけが登場する形になっています。名前と姿が描かれたのはマリンフォード頂上戦争でのセンゴクの発言からでエースが海賊王ロジャーの息子である事を示すべくその存在が公表されました。

ポートガス・D・ルージュとゴール・Ｄ・ロジャーの間に生まれた男子、それが白ひげ海賊団2番隊隊長であり、ルフィの義兄でもあるポートガス・D・エースです。自身の出自についても把握しており、幼少期にはその出自と周囲のロジャーの悪名などから存在意義に悩み、やがて自身で海賊になってロジャーに負けず劣らずの名声を手に入れる事を目標とするようになります。

実際にルフィより3年早く海に飛び出すとスペード海賊団を結成し、メラメラの実を食べた事もあって世界政府から七武海入りの打診を受ける程に名を上げるなど活躍。紆余曲折を経て白ひげ海賊団に加入しやがて2番隊の隊長に就任する程の実力を示します。仲間殺しの罪を犯した黒ひげを追って単独で追撃し、その戦いに敗れると海軍に引き渡されてしまい、これがマリンフォード頂上戦争のきっかけとなりました。

上記のようにエースは生まれた時点で父親であるロジャーも母親であるルージュも亡くなっています。正確にはルージュは出産直後は生きており、ロジャーの遺言ともいうべき思いを受けルージュのエース出産にも立ち会ったガープに生まれたばかりのエースを託しました。ガープはそのエースを自身の故郷であるゴア王国のフーシャ村裏のコルボ山に住む山賊、ダダン一家のカーリー・ダダンに預けています。

その為、実際にエースを育て世話をやいたのはダダン一家です。ダダンはそれまでに星の数ほど犯した犯罪を見逃す事を条件とされているのでエースを引き取りますが、赤ん坊時代から手に負えないエースに振り回されやがて放任するようになっていきます。しかし棟梁のダダンは後に引き取る事になるルフィ、サボも含めて3人に情を抱く程になっており、特にエースの死後にはルフィの味方で居続ける事を決意する程になっています。

東の海のローグタウン出身であるロジャーと南の海のバテリラ出身のルージュの出会いについての詳細は不明ですが、ルージュがロジャーの妻であったのは間違いなく、その証とも言えるのがエースの妊娠です。エースを妊娠したのはロジャーの処刑から遡る事7ヶ月前なので偉大なる航路を制覇した後、ロジャー海賊団を解散した晩年のロジャーと最後の時を過ごしたのがルージュである可能性が高いです。

ロジャーは元々重い病にかかっていた事もあり子供の名前だけを残し、顔を見る事なく海軍に自首します。その為、ロジャー自身は自身の子供の性別も顔も知らないまま死亡してしまいました。

ロジャーの処刑後、海軍はロジャーの血族を絶やす事に躍起になっていました。ロジャーの存在が大海賊時代の幕開けになってしまった為です。そんな世間の流れを受けてルージュは格好の的になるロジャーの子供を本来生まれる10ヶ月よりも遥かに長く世間のほとぼりが覚めるまでの20ヶ月もの間子供を体内に宿し続けました。

そしてロジャー処刑のほとぼりが覚めた1年3ヶ月後、エース妊娠からおよそ20ヶ月後にエースを出産します。そしてエースを宿し続けるという無理が祟って体調を崩しルージュは亡くなってしまったのです。エースはこの事を知っており、母親に大恩があると感じています。

ちなみにエースという名前を名付けたのはルージュではなくロジャーです。ロジャーはルージュの妊娠については知っていても生まれてくる子の性別が分からないまま離れる事になってしまった為、生まれてくる子が男の子ならエースという名前、女の子ならアンという名前をつける事を言い残していました。ルージュはその言い残しに従い男の子だったその子にエースと名前を付けた事になります。

そしてこの時に登場した「女の子ならアン」という名前からルージュはとある海賊との関係性が疑われる事になりました。それが同じ南の海出身で麦わらの一味と同じタイミングでシャボンディ諸島にやってきた「最悪の世代」「11人の超新星」の1人、ジュエリー・ボニーです。

ジュエリー・ボニーの名前のモデルと言われるアン・ボニーは18世紀にカリブ海、現実世界で海賊の黄金時代と言われた時代に名を馳せた女海賊の名前です。モデルになっているのは名前だけではなくエピソードもあり政府に拘束されても様々な方法を用いて脱走し、生き長らえたというエピソードが残っている海賊でそのエピソードはそのままジュエリー・ボニーにも当てはめられています。

ジュエリー・ボニーもかつて海軍に捉えられ監視下に置かれていた過去を持っており、マリンフォード頂上戦争後、新世界に進出して「きっかけとなったある人物」を許さないとして戦いを挑みます。挑んだ相手は黒ひげでしたが、返り討ちに合い海軍との取引の材料にされてしまいます。海軍が黒ひげとの取引に応じなかった為拘束されたまま放置され赤犬のより捕縛される事になりますが再び逃げ出す事に成功しました。

このアン・ボニーとジュエリー・ボニーとの関係性からさらに発展してモデル説が生まれているのがルージュです。ルージュのモデルはアン・ボニーの親友である女海賊、メアリー・リードだったのではないかと言われています。アン・ボニーとメアリー・リードは妊娠を理由に刑の執行を免れたという逸話が残っているのです。

加えてメアリー・リードの最後は妊娠・出産に起因する病気にかかった結果亡くなってしまっています。ルージュの場合は病気とは違いますが共に妊娠に起因する理由で亡くなっている事からルージュとの共通点が見えルージュのモデル＝メアリー・リードという説が唱えられる事になりました。

ワンピース作中では2020年4月現在繋がりがないルージュとジュエリー・ボニーですが、上記のような事柄から2人は親友だったのではないかとする説もあります。モデルが親友同士という事に加えて、さらに両者の関係性が疑われるきっかけとなっているのがルージュがエースを妊娠から20ヶ月もの間、お腹に宿していられた理由です。

人間の場合、通常であれば妊娠から出産までの期間はおよそ10ヶ月です。個人差こそあれ生まれてくるタイミングを母親の意志だけで制御出来るものではないのです。この流れはワンピースの世界でも変わっていません。仮に生まれない事が出来たとしてもルージュ自身にもお腹の中にいるエースにも大きな負担がかかります。実際ルージュはエースの出産で力尽きている事からも相当な負担を負っていたのは間違いありません。

そんな荒業を実現可能にする事が出来る存在として名前が上がっているのが他ならぬジュエリー・ボニーです。ジュエリー・ボニーは能力名は不明ながらも「自分や他人の肉体年齢を操る」悪魔の実の能力者でこの能力を使用し、ルージュがエースを20ヶ月もの間妊娠し続ける事を可能にしたのではないかと考察されているのです。またジュエリー・ボニーの出産がルージュのいた南の海である事も両者を紐付ける要因になっています。

ジュエリー・ボニーは一応SBSで発表された年齢は22歳、新世界編でも24歳です。ただジュエリー・ボニーの能力は自身にも作用するのは確定しているので実際の年齢については分かりません。新世界編でマリージョアに侵入した際には南の海出身である事以外繋がりのないはずのくまの現状を見て涙を流すなどもしており、見た目の年齢以上に生きている可能性が高くなっています。

ルージュとジュエリー・ボニーとの関係性は上記の通りですが、エースとジュエリー・ボニーにもいくつかの共通点が見られます。

ジュエリー・ボニーはワンピース作中それほど多く登場するわけではありませんが、その登場シーンはどこかエースを連想させるシーンが多くなっています。その中でも印象的なのが初登場のシーンです。エースは初登場ではレストランで文字通り皿を積み上げながら大飯を食らい、彼の癖でもある食べながら寝ている状態でした。

対するジュエリー・ボニーもエース程ではないにしろ皿を積み上げ、周囲に驚かれている姿が初登場の姿となっています。どちらも大食いであまり食事のマナーが良いとは言えない点も共通していると言えます。そもそも初登場時点でのエースの大食い設定はルフィとの共通点のように見える描き方になっていましたが、後に登場し異名「大喰らい」を持つジュエリー・ボニーとの共通点だった可能性が高いです。

その他にもエースは食い逃げが得意という設定が合ったりするのも逃亡を得意とするジュエリー・ボニーとの共通点であるかのようにも見えます。全く関係がないとは思えない程登場シーンや設定に共通点が多いのがエースとジュエリー・ボニーなのです。

新世界編までの間にジュエリー・ボニーが黒ひげに挑んだ事は上記でも紹介した通りですが、そもそものきっかけである「何もかもあいつのせいだ」と黒ひげを指した言葉を発する理由がジュエリー・ボニーにはありません。このシーンはマリンフォード頂上戦争直後に描かれていますがジュエリー・ボニーは直接マリンフォード頂上戦争に関わっておらず、怒りを現す理由は不明のままなのです。

仮に上記のようにルージュやエースと接点があるのであればこの怒りの理由も説明がつきます。マリンフォード頂上戦争での最大の出来事と言えばエースと白ひげの死なので、親友ルージュの子供であり、自身が能力を使って助けたエースが黒ひげの行いによって捕縛され処刑される事になったとなれば怒りを露わにするのにも十分な理由になるのではないでしょうか？

ルージュやエースとの共通点が多いジュエリー・ボニーですが、これらのエピソードは現状ワンピースの、麦わらの一味の冒険という部分には直接関与していません。上記のような考察もある事からただのモブキャラとは考えづらく今後何らかの形でワンピース本編の物語に関わってくるのではないかとする考察も見られます。

ジュエリー・ボニーの行動で上記への黒ひげへの怒りと共に不可思議だと言われるのがくまとの関係性です。世界会議編でソルベ王国の王太后コニーに変装してマリージョアに潜入した際、天竜人の奴隷となったくまの様子にも激しい怒りを覚えていました。元々ソルベ王国はくまが国王をしていた国でもあり両者は南の海出身という共通点こそありますが両者の関係性は2020年4月現在不明のままです。

この世界会議編ではサボを始めとして革命軍も潜入していました。くまも元は革命軍の同志であった事やエースとの関係性もあり、この時にサボと知り合い革命軍に加わるのではないか？とする考察が見られます。エースやルージュとの繋がりはくまの存在以上にサボとの関係性をより強くする為の伏線だったのではないかとする説です。

ただ上記の説の場合、ジュエリー・ボニーから見るとサボとエースの関係性を結びつける物が見えづらい関係もあり、代わりの考察として考えられているのが麦わら大船団に加わるのではないかとする説です。ルフィとエースの関係性についてはマリンフォード頂上戦争の報道を見ているので知っているはずであり、実際ルフィがドフラミンゴを倒した報道に感心しているシーンも描かれています。

さらに麦わら大船団に加わる理由となるのが黒ひげへの思いです。麦わらの一味は黒ひげ海賊団と浅からぬ因縁があり、ジュエリー・ボニーもまた黒ひげに対して怒りを露わにしている事から麦わら大船団の一因としてジュエリー・ボニーが黒ひげと対峙する道を選ぶ可能性があるのです。元々麦わら大船団はルフィの承諾なく結成されている事もあり、他の大船団の者が承諾すれば加わる可能性は十分にあります。

アニメワンピースでは決して登場シーンの多くないルージュですが、そんなルージュのアニメ声優を務めたのが皆口裕子さんです。1980年代から女優として、1985年から声優として活躍する皆口裕子さんは優しく柔らかな声質が特徴で、主要キャラから脇役まで幅広い役どころを演じるベテラン声優さんです。元々は劇団女優の出身で声優として活動するようになってからも平行して活動を行っています。

皆口裕子さんがこれまで声優として声を当てたキャラクターとしては「ドラゴンボール」シリーズのビーデル役及びパン役、「美少女戦士セーラームーン」シリーズの土萠ほたる / セーラーサターン役、「YAWARA」の猪熊柔役、「ご近所物語」の及川歩役、「ドクタースランプ」の山吹みどり役、「怪物王女」の日和見紗和々役などがあります。

近年ではアニメの声優を務める機会は減っていますが、「ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」の化野菱理役や「北斗の拳イチゴ味」のユリア役など主要なキャラクターを演じている他、脇役ながらも鬼滅の刃やソードアート・オンラインなどにも出演、さらに「ONE PIECE エピソードオブ空島」ではムース役を演じるなどワンピースとの繋がりも持ち続けています。

ここからは既にワンピースを視聴している人のエースの母親ルージュにまつわる感想や考察を紹介していきます。ルージュ自身の登場は極わずかながらもワンピース作中でそれなりに情報量がある事、ワンピースが多数の伏線を張り巡らせる事を特徴とした作品である事も相まって、今後の展開につながる可能性を考察するファンは非常に多くなっています。中でも繋がりが特に示唆されるのがジュエリー・ボニーです。

ジュエリー・ボニーはシャボンディ諸島編では天竜人に対したゾロを止めようとするなど最悪の世代として既に麦わらの一味とは接点がありますが、逆にいえばそれ以外に目立った活躍がありません。ジュエリー・ボニーの本編への関わり方としてルージュやエースとの繋がりからルフィやサボと共闘するようになるのではないかとする声も見られますがそもそもの関係性が確定していない事から今後の情報を期待する声も多いです。

またエースの父親であるロジャーについても様々な考察を生んでいます。おでんはロジャーの船の中でモモの助と日和を育てていますがその際にロジャーは「赤ん坊は久しぶり」という発言をしています。ルージュがエースを妊娠したのはロジャー海賊団解散後なのでこの言葉が誰を指すのか気になるという声も多いです。また同時に、ロジャーの妻とされるルージュがロジャー海賊団に同行していたのかを気にする声も多くなっています。

またこの時の発言から、実はジュエリー・ボニーがエースの姉、つまりロジャーとルージュの長女なのではないかとする声も生まれています。ロジャーであれば悪魔の実を手に入れる可能性は高く、ルフィのように偶然食べてしまうような可能性も否定できない為です。

またルージュからエースを引き取りながらダダンに預けたガープの思いを考察するファンも多いです。ロジャーとガープは宿敵でありながら通じ合う部分もあり、そんなガープにだからこそロジャーはルージュ、そしてエースの存在を明かしています。海軍の中でもガープを含めた上層部しかエースがロジャーの息子である事を知らなかった事からもガープはエースの存在を隠し続けていた可能性が高いです。

エースの母親ルージュはワンピース本編の時間軸では既に故人ながらもエースの母親、そしてロジャーの妻という形で名前が登場したキャラクターです。登場は回想内のみですが情報量はそれなりにあり、その特徴や名前付けのエピソードからジュエリー・ボニーとの関係性が疑われる事になっています。

ワンピースは伏線の多い作品であり、まだエースの母親であるルージュのこのエピソードについて触れる話しがない事、またジュエリー・ボニーが登場から長らく本筋に直接関わってこない事もあり、ジュエリー・ボニーがルージュやエースとの関係性から本筋に関わってくるのではないかとする考察も多くなっています。伏線になる可能性は十分に高いのでルージュのエピソードを頭にいれながらワンピースを視聴してみてはいかがでしょうか？