【ワンピース】サンジの騎士道精神はゼフの影響？二人の出会いと遭難した過去とは？

『ワンピース』の作品情報です。『ワンピース』は尾田栄一郎（おだえいいちろう）先生による冒険漫画です。1997年から「週刊少年ジャンプ」の誌面上で連載が開始され、2020年4月現在までに95巻まで単行本が発売されています。1999年にはテレビアニメ化され、「フジテレビ」系列で放送されており、現在に至るまで放送が継続されている長寿番組となっています。

アニメ化に伴い劇場版アニメの制作も行われ、2019年8月には劇場版第14作目である『ONE PIECE STAMPEDE』が公開され、興行収入55億円を突破する大ヒット作品となりました。『ワンピース』は海外でも多く翻訳され、発売されている事から世界中から愛されている日本を代表する漫画の1つと言われています。

『ワンピース』の概要です。『ワンピース』は海賊をテーマにした作品で、元来の「海賊＝悪党」という観点からの作品ではなく、大海原を駆け巡る海賊ロマンをメインストーリーとした作品として描かれています。大秘宝・ワンピースを手にした者に与えられる称号である「海賊王」を夢見る少年が、大海原を旅する事で徐々に大海賊へと成長していく物語を描いています。

『ワンピース』には武器だけでなく、「悪魔の実」という架空の果物を用いた異能力者同士の戦いも描かれています。体の構造を変化させたり、動物に変身したりと様々な能力を持つ「悪魔の実の能力者」が大秘宝・ワンピースを求めて戦いを繰り広げていきます。そして海賊達の強さは「懸賞金」という形で表され、主人公のルフィも冒険を重ねていく内に多額の懸賞金が賭けられた賞金首へと成長していきました。

『ワンピース』のあらすじです。「海賊王」ゴールド・ロジャーが広い海のどこかに隠したという大秘宝・ワンピースを求め、多くの海賊が海へ旅立っていました。そんな中で東の海のフーシャ村に住んでいたモンキー・D・ルフィは海賊のシャンクスと偶然出会います。シャンクスの影響を受け海賊を夢見るようになったルフィは、「悪魔の実」を食べてしまった事から、全身がゴムのように伸び縮みするゴム人間となってしまいました。

そんな中、村に現れた山賊とルフィが小競り合いとなり、危機一髪のところでルフィはシャンクスに命を助けられます。その際にシャンクスは片腕を失くしてしまいました。責任を感じるルフィにシャンクスは自身の大切な麦わら帽子を託し、「立派な海賊になって返しに来い」と約束しました。このシャンクスとの約束を胸に、ルフィは「海賊王」を目指し海へと旅立ちました。

『ワンピース』に登場するサンジのプロフィールです。サンジは麦わらの一味でコックをしています。金髪と渦巻型に巻いている眉毛がトレードマークで、常にスーツスタイルになっています。サンジは「黒足のサンジ」と呼ばれ、コックの命である手は使わずに足で戦っています。ヘビースモーカーで常にタバコを咥えており、ナミやロビンだけでなく、敵の海賊団などの女性に対してもフェミニストな一面を見せています。

サンジは全ての海の食材が揃うと言われている伝説の海「オールブルー」探しており、かつてはゼフがオーナーを務めている海上レストランで働いていましたが、コックを探していたルフィに誘われた事をきっかけに麦わら海賊団に入りました。同じく乗組員のロロノア・ゾロとは歳も近い事から衝突が絶えず、常に喧嘩をしているような関係ですが、戦闘時にはチームワークを見せるなど、良き戦友として関係を築いています。

サンジが過去に働いていた海上レストランのオーナー・ゼフのプロフィールです。ゼフは海上レストラン「バラティエ」のオーナーです。しかし、過去には「クック海賊団」という海賊で船長を務めていました。ゼフはサンジと同様に足技を得意とするキャラクターで、非常に好戦的な性格をしており、客にも関係なく暴力をふるう場面も描かれていますが、手当たり次第ではなく自身の信念にそぐわない場合のみ手を上げているようです。

ゼフは海賊時代に「赫足のゼフ」と呼ばれていましたが、これは敵の返り血によって足が赤く染まっていたからだと言われています。現在ゼフは右足を失っており、義足となっています。しかしかつての戦闘能力は衰えず、海上レストランのオーナーになってからも海賊時代の名残は大きく残っていました。海上レストランを始めたのは、自身が遭難した事をきっかけに「海にレストランがあればいい」と考えたからと明かされています。

サンジは偶然ゼフと出会い、この出会いから幼少期よりゼフの元で働いていました。その為、サンジはゼフの教えを叩き込まれて育っています。次はそんなサンジがゼフに教えられたことについてご紹介します。

サンジがゼフに教えられたこと1つ目は「騎士道精神」です。サンジは『ワンピース』のキャラクターの中で、特に騎士道を重じている人物です。このサンジの騎士道精神はゼフの教えによるものでした。ゼフが騎士道を重んじる精神を持っており、幼いサンジはゼフから徹底的に騎士道を叩き込まれています。

特にゼフが気を付けていたのは「女性を蹴ってはいけない」という騎士道精神でした。この考えのおかげで、教育を全て足技で済ましていたゼフは「バラティエ」の内部に女性を雇っていませんでした。これは、蹴って教えることができないからだと明かされています。このゼフの「女性を蹴らない」精神は、サンジにも強く引き継がれ、例え敵であろうともサンジは女性に対し攻撃をする事ができません。

サンジがゼフに教えられたこと2つ目は「食への敬意」です。ゼフは海賊時代に幾度となく食糧難に陥っており、広い海の上で食べ物がない事の恐怖を誰よりも理解していました。この事から、どんな悪人でも空腹の者には食べ物を分け与えるという信念を掲げるようになり、この想いはサンジにも受け継がれています。

この「食への敬意」についてはゼフの教えもあったものの、サンジ自身が遭難したという事実が大きく影響していました。極限状態で食べる物がない中でも、自分の取り分をサンジに分けていたゼフの姿を見て、自分以外の誰かを思いやる気持ちを強く学んだと言われています。

サンジがゼフに教えられたこと3つ目は「仲間の大切さ」です。サンジは麦わらの一味の中でも特に仲間を大切にしている人物です。そんなサンジの性格は、ゼフから受け継いだものと言われています。サンジはゼフが自身の足を食べながらも自分に食べ物を分けていた「自己犠牲」の精神を目の当たりにしています。この事から、自分を犠牲にして誰かを守る事を強く信念として掲げるようになったと言われています。

実際にサンジは麦わらの一味として旅をしていく上で、自分を犠牲にして幾度となく仲間を助けてきました。そしてそれは時に命を落としかねない程の怪我を負う事もありましたが、サンジはその信念を曲げることはありませんでした。このような姿から、サンジにはゼフから教えられた事が色濃く受け継がれていると言われています。

次はサンジの過去やゼフとの出会いについてご紹介します。サンジはヴィンスモーク家の三男として生まれました。サンジと兄弟達はこのヴィンスモーク家の主人であるジャッジの研究の末に生まれた存在だと明かされています。ジャッジは血統因子の研究をしており、この血統因子の操作によって母親から生まれたのがサンジ達兄弟でした。

人間の科学の操作によって生まれた存在であるサンジ達兄弟は、幼少期より厳しい訓練を行っていました。ジャッジの指導の元、様々な訓練をクリアしていく兄弟達を尻目に、サンジはジャッジの訓練をこなす事ができませんでした。そんな出来損ないのサンジの姿を見て、サンジの兄弟はサンジをいじめるようになります。

サンジはジャッジの期待に答えることはできず、ついに痺れを切らしたジャッジはサンジを牢獄へ幽閉する事にしました。そして兄弟達にはサンジは遭難したと説明し、サンジの存在は闇へ葬られようとしていました。そんな中、姉のレイジュがサンジを助けに現れます。ヴィンスモーク家から逃げるようにレイジュに言われ、サンジは生まれ育った故郷を離れる決意をしました。

悲惨な幼少期を送っていたサンジは、何とか故郷を離れる事に成功し、たまたま近くに停泊していた船に乗り込みました。この船が客船オービット号でした。そこで、サンジは母親に料理を振る舞って喜んでもらっていた経験から、見習いコックとしてオービット号で働く事になりました。しかしこのオービット号がとある海賊に襲撃されてしまいます。

このオービット号を襲撃した海賊がゼフの率いるクック海賊団でした。ここで初めてサンジとゼフは出会いました。この襲撃の最中に2つの船は嵐に飲み込まれました。海へと転落したサンジを助けるためにゼフが海へ飛び込んだ事で、2人は無人島へ流れ着き、遭難する事になりました。

ゼフとサンジが師弟関係となるきっかけとなった過去の出会いについてご紹介しましたが、この出会いの直後に2人は遭難をしています。次はその遭難について詳しくご紹介します。海へ落ちたゼフとサンジは無人島へ流れ着きます。そこは無人島というより岩山に近く、木々は愚かまともに水分も摂れないような場所でした。

この時はまだオーナーと見習いという師弟関係ではなかった2人は、お互いを敵と認識しているような関係でした。そんな中で、運よく岩山に打ちあがっていた食糧を2人で分け合う事にし、ゼフはサンジに5日分の食糧を渡す代わりに岩山の反対側を見張るように命じます。

ゼフから5日分の食糧を分けてもらっていたサンジですが、サンジはその食糧を20日分に分けて大切に食べる事にしました。一方で実は食糧はサンジに分け与えた分が全てだったゼフは、自身の足を食糧とすることを決めていました。

雨の降る中でサンジは沖に船を見つけました。何とか救難信号を送ろうと狼煙を炊こうとしますが、吹き晒しの岩山では雨風がまともに当たってしまい、火をつける事は叶いませんでした。サンジは声を枯らして叫ぶものの、この声は雨に掻き消され沖合の船に届く事はありませんでした。

20日分に分けていた食糧も底をつき、1つ残っていたカビの生えたパンをサンジは大切に食べていました。この時、海上において食糧が大切だと語っていた仲間の言葉と自身が残飯を捨てていた事を思い出して思わず涙が込み上げてきます。体力も無くなってきていたサンジはこの最後のパンを海へ落としてしまい、いよいよサンジの空腹との戦いが本格化していきました。

食糧も無くなってしまったサンジはただ海を眺めるだけの日々を送っていました。反対側の沖を見張っているゼフとは、出会いからすぐに遭難していた事もあり信頼関係もなく、遭難してからは最初に食糧を分けた時以外会話すらしていませんでした。

雨が降る中でサンジはひたすら沖合を見張る日々を送っています。食糧もなく、水分を雨水から摂ることしかできない日々が続き、サンジの精神状態は徐々にすり減らされていきました。サンジにとって限界が近付いていました。

サンジは最後の食糧を海へ落としてしまってから一ヶ月以上もの月日が経過しており、空腹から極限状態になっていました。そこで、反対側にいるゼフの存在を思い出します。ゼフも食糧を持っていると思い込んでいたサンジは歩く事もできず這いずりながらゼフの元へ向かいました。

ゼフの側に置いてある大きな袋を目にし、サンジは食糧を奪おうとしました。しかし、袋の中身を確認すると金銀財宝が山盛り詰め込まれているだけでした。ここで初めてサンジはゼフが食糧を全てサンジに渡し、自分は自身の足を食べて生き延びていた事を知ります。

ゼフが自分を犠牲にしてサンジを生かしていた事を知ったサンジは、ゼフに「なぜか」と尋ねます。ゼフは「同じ夢を持っていたから」だと答えた事で、サンジはゼフを心から信頼するようになりました。この出来事からサンジとゼフの信頼関係は築かれたと言われています。やがて、雨の中サンジの声を聞きつけていたという船が通りかかり、2人はギリギリのところで救助され、一命を取り留めました。

この時に、ゼフが「海上にレストランを作る」と命辛々に伝えた夢を、サンジが「共に叶える」と誓った事で海上レストラン「バラティエ」は完成しました。そして料理長のオーナー・ゼフと副料理長のサンジという師弟関係が生まれました。

こちらはサンジに食糧を与えて足を失くしたゼフと、自分の身を犠牲に仲間を救うサンジは似ているという方の投稿です。師弟関係としてゼフの教えを叩き込まれているサンジはゼフの「自己犠牲」の精神を強く引き継いでいると言われています

こちらは遭難したゼフとサンジが食糧難以外の災害に見舞われなかった事を不思議に思う方の投稿です。疫病などを発症する事もなく、空腹のみと戦っていたゼフとサンジは、かなり体が丈夫であると言われています。

こちらは師弟関係であるサンジとゼフについて、サンジはゼフの影響を色濃く受けていると感じる方の投稿です。騎士道精神から食への敬意、自己犠牲の精神に至るまでゼフの教えをサンジはそのまま身に付けていると言われています。

サンジとゼフの関係や過去に関するまとめいかがだったでしょうか？サンジは幼少期に凄惨な境遇から逃げ出し、海賊であるゼフに拾われました。コックとして同じ夢を掲げていたゼフに命を救われたサンジは、ルフィに出会うまではゼフの右腕としてゼフへの恩返しをしてきました。

まるで本当の親子のように思い合っていたゼフとサンジは、サンジの夢を尊重したゼフの想いもあって、現在は離れ離れになっています。しかし離れていてもゼフの教えはサンジに受け継がれており、2人の絆はかなり強いものであると言われています。そんなゼフとサンジが登場する『ワンピース』をご覧になった事がない方は、是非この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか？