【鬼滅の刃】猗窩座の名前の意味は？技の由来や破壊殺・術式展開も考察

今回は人気作品『鬼滅の刃』に登場する猗窩座について紹介します。猗窩座は上弦の参の鬼。主人公である炭治郎とも因縁のある敵キャラクターです。しかし猗窩座の過去が明らかになると、敵キャラクターであるにもかかわらずファンからの人気が上昇。

猗窩座は人間だった頃は「狛治」という名前の人物でした。しかし鬼となってからは「猗窩座」と名乗っています。一体「猗窩座」という名前にはどのような意味が込められているのでしょうか？今回は猗窩座について、「猗窩座」という名前の意味や技の由来、破壊殺・術式展開について紹介していきます。

猗窩座について紹介する前に、猗窩座が登場する『鬼滅の刃』について紹介します。『鬼滅の刃』は2016年から『週刊少年ジャンプ』で連載されいてる少年漫画作品で、著者は吾峠呼世晴。2020年4月現在も連載中の人気作品です。その人気から2019年にはアニメが放送されました。アニメが放送されてから知名度が上がると人気が急増。また、芸能人にも「『鬼滅の刃』のファン」と公言する方も現れました。

その他にも、ニュース番組で取り上げられたり、アクセサリーやアパレル等でもコラボ商品が発表され、その多くが短時間で売り切れてしまう等、社会現象と呼ばれるほどの人気となりました。2019年にアニメがいったん終わってからでもその人気は続いており、2020年には劇場版が公開予定となっています。

『鬼滅の刃』の主人公は大正時代の日本で炭売りをしている少年「竈門炭治郎」です。炭治郎は既に父を病気で亡くしており、家は決して裕福とは言えない状態でした。しかし優しい母や兄弟達に囲まれ炭治郎は幸せをかみしめながら毎日を過ごします。ある日、炭治郎は隣町へ炭を売りに行きますが、仕事が長引き知り合いの家に泊まる事に。次の日家に戻ると、家族は何者かに殺されてしまっていました。唯一息があったのは妹の禰豆子のみ。

炭治郎の家族は人を喰らう鬼に襲われてしまったのです。おまけに唯一生き残った禰豆子も、体に鬼の血が混入してしまった事により鬼へと変貌。炭治郎へ襲い掛かりました。しかしそこへ「鬼殺隊」の隊員である青年冨岡義勇が登場。鬼と化した禰豆子を斬ろうとします。しかし辛うじて理性を保っていた禰豆子が炭治郎を守ろうとしたのを見てそれを中断。炭治郎に「鬼殺隊」となる人材を育てている鱗滝左近寺という人物を紹介します。

炭治郎はその後鱗滝左近寺の下で2年間の修業を行い、無事鬼殺隊員に。鬼殺隊員となった炭治郎は禰豆子を人間へと戻す方法を探りながら、鬼達を相手に命懸けの闘いへと身を投じますが…というのが『鬼滅の刃』のあらすじとなっています。

ここからは猗窩座について見ていきましょう。猗窩座は『鬼滅の刃』では十二鬼月の1人、上弦の参として登場します。十二鬼月というのは鬼舞辻無惨の配下である鬼たちの中の最高幹部。下弦6人と上弦6人に分かれており、中でも上弦の6人は他の鬼たちとは比べ物にならない力を持っています。数字が小さいほどその実力も高く、上弦の参である猗窩座は鬼の中でも3番目の実力者。

強者との闘いを好んでおり、強者に対しては敬意を払う一方、弱者に対しては「雑草」と言い捨てる一面を持つ鬼として登場しました。また、強者の中でも気に入った相手に対しては「鬼にならないか？」と勧誘する癖も。それと関係しているのか血鬼術は他の鬼とは異なり身体能力を高めるもので、飛び道具や毒となるものではありませんでした。鬼殺隊員にも正面から勝負を挑んでいます。

また、十二鬼月の中では無惨に対し真面目で忠実であったようで、ファンブックの中では無惨のお気に入りの部下であったことも明らかにされています。その為なのか、無惨から「青い彼岸花」を探すという他の鬼とは異なる特別な任務を課せられていました。その為テリトリーのようなものは持たず、活動範囲は非常に広域であったようです。

他の鬼とは異なる部分の多い猗窩座。記憶に関しても他の鬼とは異なっており、猗窩座は鬼となって以降人間だった頃の記憶を失っていたようで、自身が人間だった頃の名前すら憶えていませんでした。これと同時に強さに対して非常に強い執着心を持ち、弱者を嫌うという性格をしていた為、ファンからは「強さに執着するのは人間だった頃になにかあったのでは？」という考察もなされていました。

上弦の参の鬼として登場した猗窩座。それだけでも鬼殺隊にとっては脅威ですが、猗窩座は主人公である炭治郎にとっては因縁のある敵キャラクターとして描かれています。それというのも、猗窩座は無限列車編の最終局面で炭治郎達の前に現れ、その後炎柱である煉獄杏寿郎と対決し、炭治郎の目の前で煉獄杏寿郎を殺害したからです。

一方猗窩座も炭治郎に対して嫌悪感を抱いていました。無限列車編では炭治郎を弱者とみなしており、それ故嫌っていたようですが、無限城で再会し、炭治郎を強者とみなしてからもそれは変わっていません。炭治郎には猗窩座が人間だった頃の記憶を呼び起こす要素があったため、猗窩座は記憶がないながらも炭治郎を毛嫌いしていたのです。

人間だった頃は「狛治」という名前だった猗窩座。鬼となった際には無惨から鬼としての名前が与えられることがファンブックで明らかとなりましたが、「猗窩座」という名前についてファンからは「無惨酷い」「意味を知って泣きそうになった」という声が上がっています。それはどうしてでしょうか？ここからは「猗窩座」という名前の意味について触れていきます。

まず猗窩座の「猗」の文字ですが、この文字には「素直」という意味や「去勢された犬」という意味があります。これに対し猗窩座が人間だった頃の名前は「狛治」。「狛犬」の「狛」という文字が使用されていることが作中でも触れられています。漢字の意味に注目してみると「狛犬(狛治)は去勢され従順な犬になった」と解釈することができます。

続いて猗窩座の「窩」という感じの意味についてですが、こちらは「暗闇」「あなぐら」といった意味があります。あなぐらとは住処のこと。暗闇とは狛治が失ったものを暗示しているのかもしれません。そうするとこの漢字については、猗窩座が狛治と名乗っていた人間の頃に自分の居場所としていた所を失った、ととらえることができます。

また「座」という文字は「いる」「座っている」という意味。猗窩座という名前はポジティブに捉えるなら「狛犬(狛治)は従順になり住まいに座す」と考えられますが、ネガティブにとらえれば「去勢された犬は住処に座して動かず」＝「役立たずの狛犬」という意味にもとらえる事ができます。前者と後者の意味のどちらかは作中では明らかにされていません。

しかし猗窩座が狛治であった頃を描いた回想シーンの登場した『鬼滅の刃』第155話の副題は「役立たずの狛犬」となっています。また、鬼の名前は無惨が名付けていることを考えると、後者の意味合いで名付けられた可能性の方が高いのではないでしょうか？

猗窩座という名前の意味を知ったファンからは「意味が悲しすぎる」「切ない」という声が挙げられています。しかし猗窩座の過去、つまり狛治について作中で明らかになると、前の意味だけではなく技の由来や破壊殺・術式展開についてもファンの間で話題となりました。ここからは技の由来や破壊殺・術式展開について紹介していきます。

まず猗窩座の技の名前についてですが、これは花火の種類が由来となっています。猗窩座はかつて狛治という人間だった頃、恋雪という女性と一緒に花火を見ながらプロポーズしたという過去があります。鬼となり狛治だった頃の記憶を失った猗窩座ですが、恋雪と約束を交わしたことは完全に忘れ去ることができなかったのかもしれません。

続いて破壊殺の由来ですが、これは風水に基づいています。風水には年盤というものが存在し、それぞれの方角に干支を充てています。破壊殺というのは年盤においてその年の干支と反対の方角。2020年は子年ですが、この場合丑の方角、つまり南が破壊殺となります。破壊殺は「命以外の物全てを失う」方角とされている場所。狛治だった頃、自分の目の届かないところで大切な人を二度も失ってしまった事に基づいてるのかもしれません。

続いて猗窩座の術式展開についてですが、猗窩座が術式を展開した際には必ず猗窩座の足元に雪の結晶のような紋様が浮かび上がります。猗窩座はこの陣によって相手の闘気を感知し、動きを読み取ることができます。普通の血鬼術のように見えますが、この雪の結晶のような陣について、恋雪の簪とそっくりだとファンの間で話題になりました。

また、術式展開する際の猗窩座の構えは、狛治に素流という素手による格闘技を教えた慶蔵の構えそのもの。鬼となった猗窩座は、自分が狛治という人間だった頃の記憶を失っていたようですが、素流の構えは身に沁みついていたのでしょう。また、恋雪や慶蔵たちと過ごした日々は完全に忘れられるようなものではなかったのかもしれません。

自分が狛治という人間だった頃の記憶を失っていた猗窩座。しかし猗窩座の技や術式展開には狛治だった頃の記憶に由来するものばかりでした。猗窩座にとって、自身の過去は忘れたくても忘れられないものだったのでしょう。ここからはそんな猗窩座の過去について触れていきます。

猗窩座もとい狛治は病気の父親と2人で暮らしていました。しかし暮らしは貧しく、薬など買うお金は持っていなかったようです。その為狛治はスリをして生計を立てていました。しかし複数回にわたって逮捕されており、腕に罪人の証である刺青を施されることに。そんな時、息子にスリをさせてしまったという自責の念から狛治の父が自殺してしまいます。

「貧乏人は生きる事すら許されないのか」という恨みを抱いたまま狛治はその後を過ごすことに。その後もスリを繰り返したらしく、狛治は江戸から所払いの刑にあいました。江戸から離れた狛治は大人数人相手に大暴れ。そこで出会ったのが慶蔵という男性でした。直前、大人相手に暴れていた狛治は慶蔵にも殴り掛かりましたが、返り討ちにあい、慶蔵の道場へと運ばれることに。

気絶から目を覚ました狛治はそこで、慶蔵から「生活費を稼ぐために家を空けがちな自分の代わりにその娘を看病してくれ」と頼まれます。病弱だった父を看ていた狛治はそれを承諾。そこから狛治は恋雪の看病をしながら、慶蔵から素流の稽古を受けて日々を過ごすようになります。

狛治が慶蔵や恋雪と共に過ごすようになってから3年後、恋雪の体はすっかり良くなっていました。そんなある日、狛治は慶蔵から「道場を継いでくれないか」「恋雪もお前が好きだと言っているし」と打ち明けられます。その後の夜恋雪と狛治は花火を見に出かけ、そこで夫婦となること、そして「一生守る」という約束を交わします。しかし狛治が祝言を上げると父の墓に報告へ行ったその日、恋雪と慶蔵は毒で殺害されてしまいます。

元々慶蔵の道場は、慶蔵がとある老人を山賊から助けたことがきっかけで手に入れたもの。跡継ぎがいないからと道場を譲り受けた慶蔵でしたが、それを快く思っていなかった隣の剣術道場からは嫌がらせを受けていました。しかし正々堂々と勝負しても慶蔵や狛治に勝てないと悟った剣道場の跡取りは井戸に毒を放り込み、慶蔵と恋雪を殺害したのです。

悲しみと憎しみに駆られた狛治はその後剣道場へ殴り込み、その道場に居た67人もの門下生を素手で殺害。その直後無惨と出会い、鬼にされ、恋雪達の事を忘れてしまいました。

ここからは猗窩座に関するファンからの感想や評価について紹介していきます。まず最初に紹介する感想は「猗窩座という名前をつけた無惨が憎い」という感想です。名前の意味の紹介部分で触れましたが、『猗窩座』という名前は「役立たずの狛犬」という意味合いが込められている可能性が高いとされています。

その為、十二鬼月に対して名前を付けたとされている無惨に対して怒りの感情を持っているファンも少なくありません。特に猗窩座の過去を知ったファンからは「皮肉にもほどがある」「こんな名前を付けた無惨が許せない」といった声があがっています。

次に紹介する感想は「最初は嫌いだったけど、過去を知って同情してしまった」という感想です。猗窩座は炎柱である煉獄杏寿郎を殺した鬼として、ファンの一部からは当初嫌われていました。しかしながら過去が明らかになると「悲惨すぎる」「可哀想」といった声が。「許せないけど死んでほしくなかった」というファンも少なくないようです。

最後に紹介する感想は「猗窩座の過去に心打たれた」というものです。『鬼滅の刃』には悲惨な過去を背負ったキャラクターが数多く登場します。しかしそんな中でも猗窩座の過去は特に悲惨だという声も。猗窩座は狛治だった頃スリを繰り返していましたが、それは父の為であり、慶蔵や恋雪と出会ってからは人生をやり直そうと懸命でした。そんな狛治の姿に心打たれたというファンもいらっしゃるようです。

今回の記事では猗窩座の名前名前の意味や技の由来や破壊殺・術式展開について紹介しました。元々は狛治という名前の人間だった猗窩座。「狛犬」の「狛」という文字を持っていたのに、鬼となってからは「去勢された犬」という意味を持つ「猗」という字を用いた名前を付けられてしまった事については「皮肉すぎる」と同情するファンも。

また、技や破壊殺の術式展開は狛治だった頃の記憶に基づいているところから、人間だった頃の記憶を持っていなかったにもかかわらず、過去に1番とらわれていたのだと考察するファンもいらっしゃいます。既に猗窩座は炭治郎の手によって退治されてしまいましたが、2020年には猗窩座が初登場した無限列車編が劇場公開予定となっています。是非猗窩座の活躍にも注目しながら、無限列車編をみてみましょう。