2020年04月08日公開
2020年04月08日更新
【このすば】アクシズ教の教義全文まとめ!教徒たちの布教活動も紹介
暁なつめ作、三嶋くろねイラストによるライトノベル「この素晴らしい世界に祝福を!(公式略称:このすば)」。その後、漫画化やテレビアニメ化、劇場版アニメ化などメディア展開も積極的に行われています。この作品の人気の一翼を担っているのが、一風変わった教義が特徴的な宗教、アクシズ教です。これから、このアクシズ教にスポットを当て、教えとなる教義全文や教徒たちの布教活動などについて紹介していきます。この機会にぜひご覧ください。
アクシズ教が登場するこのすばとは?
このすばの概要
「このすば」とは「この素晴らしい世界に祝福を!」の略称で、暁なつめ作、三嶋くろねイラストによるライトノベルです。ウエブサイト「小説家になろう」にて発表された作品で、当時の作品タイトルは「自宅警備兵」。その後、2013年10月角川スニーカー文庫より単行本が刊行され、2019年11月現在累計発行部数は900万部に上っています。
また、メディア展開も積極的に行われ、2014年9月には漫画版「このすば」が月刊ドラゴンエイジにて連載開始。その後、2016年には原作小説1巻と2巻に基づきテレビアニメ化され放送されました。2017年には原作3巻と4巻を元に第2期テレビアニメが制作・放送されています。さらに2019年には劇場アニメが公開されました。
このすばのあらすじ
突然の事故であの世へ旅立った高校生・佐藤和真(カズマ)。天上界で出会った女神アクアと共に異世界・アクセルの街に転移することに。カズマは運勢だけは良い冒険者に、アクアは運勢と知性以外は高い上級司祭アークプリーストとなります。
その後、紅魔族の少女で攻撃魔法の使い手めぐみんや大貴族ダスティネス家の令嬢ダクネスを仲間に加えてパーティーを結成、魔王軍とのトラブルなど様々な厄介ごとに巻き込まれていくのでした。
アクシズ教とは?教義や教え全文を紹介
アクシズ教とは?
アクシズ教とは、水を司る女神アクアをご神体として崇める宗教です。風光明媚な水と温泉の都アルカンレティアに総本山を置いています。そんな桃源郷には似合わず悪質極まりない勧誘を繰り返し行っていることから、教徒は「悪質狂徒」と呼ばれています。「欲望のままに生きろ」という教えやカルト集団的な雰囲気から人気が低く信者も少ない極めてマイナーな存在に甘んじていました。
信者には奇人変人や自己中で暴力的な者が多く、アクシズ教という名前を聞いただけで魔王軍の幹部ウィズが恐怖におののいたとも言われています。また、国教であるエリス教を異常に敵視し、相手がエリス教徒だとわかると唾を吐きかけたり、飲食店では犬用のエサ入れに骨を載せて出したりと嫌がらせの限りを尽くします。
アクシズ教の教義や教え全文
アクシズ教の教えは、一言でいえば前述の通り「欲望のままに生きろ」です。どんな事であっても、そこに愛があり犯罪でなければ全てが許されるとされています。以下に、アニメや小説から抜粋したアクシズ教の教え全文を紹介します。教義全文と言っても一つにまとまっているわけではなく、アニメや小説の本文、挿絵からの抜粋となります。
アクシズ教徒はやればできる。できる子たちなのだから上手くいかなくてもそれはあなたのせいじゃない。上手くいかないのは世間が悪い
自分を抑えて真面目に生きても頑張らないまま生きても明日は何が起こるか分らない。分らない明日の事より確かな今を楽に行きなさい
汝何かの事で悩むなら今を楽しくいきなさい。楽な方へと流されなさい。自分を抑えず本能のおもむくままに進みなさい
汝、我慢することなかれ。飲みたい気分の時に飲み食べたい気分の時に食べるがよい。明日もそれが食べられるとは限らないのだがら
犯罪でなければ何をやったって良い
悪魔殺すべし、魔王しばくべし
嫌なことからは逃げればいい。逃げるのは負けじゃない。逃げるが勝ちという言葉があるのだから
迷った末に出した答えはどちらを選んでも後悔するもの。どうせ後悔するのなら今が楽ちんな方を選びなさい
汝、老後を恐れるなかれ。未来のあなたが笑っているかそれは神ですらも分からない。なら今だけでも笑いなさい
アクシズ教の教徒たちの布教活動
布教活動①グイグイ呼び込む
ここからは、悪名高きアクシズ教の教徒たちの布教活動について解説していきます。「この素晴らしい世界に祝福を!2」の第8話でのやりとりからです。見知らぬ人がやって来ると、さっそくアクシズ教教徒による勧誘がスタートします。「ようこそ、アルカンレティアへいらっしゃいました」と熱烈歓迎の言葉でお出迎えです。そしてすかさず「観光ですか?入信ですか?冒険ですか?」と旅の目的を聞き出そうとします。
目的が宗教がらみでなくても決して諦めません。「仕事をお探しならぜひアクシズ教団へ!他の街でアクシズ教の素晴らしさを流布するだけでお金がもらえますよ」。しかも、その仕事をするとアクシズ教とを名乗れるという特典が付いてくると懸命にアピールします。このように、アクシズ教たちの布教活動の特徴は、第一にグイグイ呼び込むところにあります。
布教活動②助けたお礼に
アクシズ教の教徒たちの布教活動、続いて紹介するのは、他人の親切心につけ入り入信させようとする事例です。道で困っている女性を助けてあげたカズマ。女性はお礼を言い、アクシズ教団が経営するカフェに誘いこもうとします。カズマが結構ですと断ると、女は慌てます。
「わたし実は占いが得意なんです、お礼に占わせてはいただけませんか」とあの手この手で引き止めようと必死です。この時は、お供のダクネスがエリス教のお守りをかざして何とか追い払いました。女はエリス教のお守りを目にすると、「ぺっ」と唾を吐くとすたすたと去っていきました。
布教活動③強くてかっこいい?
次に紹介するのは、信徒獲得のためならクサい芝居も厭わないアクシズ教徒の布教活動です。エリス教徒を演じる男とその男に襲われるか弱き女の二人組が登場します。「きゃあ!」と悲鳴を上げる女。「助けてぇ!」と通りかかったカズマとダクネスに助けを求めます。「あの凶悪そうなエリス教徒の男が私を無理やり暗闇に引きずり込もうと…」。
すると、女の声を遮るように男がカズマに話しかけます。「おい兄ちゃん、お前はアクシズ教徒じゃねえな。強くてかっこいいアクシズ教徒でないなら遠慮はいらねえ。俺様の邪魔をするなら容赦しねえ!」。それを聞いた女が、カズマたちに書類を差し出します。
「私の手元にあるのはアクシズ教団への入信書。これに名前を書いてくれさえすれば、この邪悪なエリス教徒は逃げていく…」。カズマとダクネスはそれを聞いてバカバカしくなったのか、すたすたと逃げ出します。
そんな彼らに「見捨てないで!」と必死になって叫ぶ女。「この紙に名前を書くだけでアクア様から超パワーを授けられ、強くかっこよくなれるのよ」と布教活動は忘れません。それに呼応するように男も続けます。「その通り!(中略)入信すると芸達者になったり、様々な特典もあるんだぜ」と、エリス教徒なのになぜかアクシズ教の宣伝をしています。
しつこい二人組にダクネスはこう切り返しました。「私の前でエリスさまを暗黒神呼ばわりすると…」。それを聞いた二人組は「ぺっ」と唾を吐くと、すたすたと逃げ出しました。アクシズ教徒のレベルの低さに呆れるカズマでした。
布教活動④大通りを通られた100万人目の方
アクシズ教の布教活動にとって重要なことは、とにかく入信書に名前を書かせること。詐欺まがいの使い古された定番ネタが恥ずかしげもなく飛び出します。
目の前を行く通行人を呼び止める教徒。「おめでとうございます!あなたは大通りを通られた100万人目の方となります」とクサいセリフで相手を驚かせます。その上で、記念品の贈呈のためと偽って、受け取りの署名を書かせようとします。「書類上の事だけなので、お名前をいただけますでしょうか?」。
年配の女性教徒が、若いカップルに話しかけます。「あら、もしかして新婚さん?初々しいわね。この洗剤持って行って。」と言うと遠慮する若い女性に無理やり洗剤を手渡します。「お代なんていいのよ。これはおばさんからのご祝儀」。そして、洗剤のありがたい説明が始まります。
「この洗剤は、アクア様のご加護を受けているからそんな汚れでもすぐに落ちるし、体にも全く害がないのよ」とアクシズ教の宣伝を忘れません。また、レストランではウェイトレスがエリス教徒のお客に「こちら当店からのサービスです。ごゆっくりどうぞ」と飲み物を勧めています。
ダクネスがカズマに向かって提案します。「カズマ、みんなでこの街に住まないか?」。それを聞いていた少女がカズマたちにお礼を言います。少女を見たカズマが一言。「こんな頭のおかしい集団がはびこる街にも一輪の花のような少女が…」。カズマのちょっとした気の緩みを少女は見逃しませんでした。「ねえ、親切なお兄ちゃん、お名前を教えて」。
幼気(いたいけ)な少女にカズマは何の不信感も抱きません。丁寧な言葉で自分の名前を教えると、「こちらの恐そうに見えるお姉ちゃんはダグネスというんだよ」とダグネスの名前も伝えてしまいます。少女が名前の漢字を尋ねた時、ようやくカズマは少女の正体に気付きます。「くそったれえええっ!」
お風呂に出かけると、スタッフが背中を洗ってくれます。「どうですか?」と聞かれたカズマは「そこそこ。ああ…」と至福の表情。スタッフはすかさず石鹸の宣伝を始めます。「この石鹸泡立ちがいいでしょう?肌荒れも治るし天然素材だから食べても大丈夫なの。アクシズ教に入信すればタダでもらえるのよ!」。要らない!とカズマは叫びます。それでも諦めない教徒は「今ならさらにポイント2倍だから」と食い下がります。
再びおばあさんの登場です。天気がいいのもアクア様の思し召しと、無理やりアクシズ教を担ぎあげます。そして、おもむろに商品である鍋の宣伝口上に移ります。「この鍋、焦げないの。今アクシズ教に入信すればもれなくもらえるから、遠慮しないでね」。
アクシズ教徒にアクアは偽物扱いされる?
アクシズ教徒の女神であるはずのアクア
このすばのヒロインでアクシズ教徒の女神であるはずのアクア。ところが、後輩の女神エリスが率いるエリス教に信徒の数で大きく引き離され、いまや落ち目となっていました。
アクアは偽物扱いされてしまう
そんなアクアは、アクシズ教徒たちからも偽物扱いされてしまいます。「女神の名を騙る魔女め」とおばあさんの罵る声が聞こえてきます。「す巻きにしてやれ」と教徒が煽ります。「誰に許可をとって髪を青くしてるのよ」と女が叫びますが、もはや坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの世界です。「ニーセ者!ニーセ者!」と周囲に集まった群衆がシュプレヒコールを挙げました。
一人の教徒が叫びます、「偽アクアが逃げたぞぉ!」。それを受けて別のところから声が上がりました。「いたぞぉ!パチモンが」。護衛に囲まれて、命からがら何とか脱出する女神アクア。まるで強盗の逃走劇のようでした。
アクシズ教に関する感想や評価
ここまで「この素晴らしい世界に祝福を!」のアクシズ教特集をお届けしてきましたが、最後にアクシズ教 に関する感想や評価をツイッターより紹介します。
私ね、アクシズ教のこの教えのような考え方が好きだ😊✨
— イグサン・アルスキュンスキー🎅 (@Aruskyunsky_) March 24, 2020
気持ちが軽くなるから✨ pic.twitter.com/Ih2F90N54t
最初に紹介するアクシズ教に関する感想や評価は、アクシズ教のこの教えのような考え方が好きだという方のツイートからです。「今を楽しく生きなさい」とか「分からない明日のことより、確かな今を全力で生きなさい」などアクシズ教の教えには前向きなものが多いです。
それに加えて「うまく行かなくてもそれはあなたのせいじゃない」とか「嫌なことからは逃げればいい。逃げるのは負けじゃない。」など自己責任論が横行する現実社会に対して自分のせいだと考えなくてもいいですよと諭してくれるからでしょうか?気持ちが楽になるという事でした。
なんか行っても行かなくても(色々あって)怒られてるの目に見えてるからアクシズ教教義に従って今楽な方を選びたい。
— 陽上_影。固定見て下さい。 (@Utau_Hitokage) March 24, 2020
アクシズ教に関する感想や評価、続いて紹介するのは、アクシズ教の教義に従って行動を決めたいという方のツイートからです。アクシズ教の教義全文でも紹介した「迷った末に出した答えはどちらを選んでも後悔するもの。どうせ後悔するのなら、今が楽ちんな方を選びなさい。」を念頭に置いているのでしょうか?やってもやらなくても悪い結果が予想されるなら楽な方を選びたいとツイートしていました。
アクシズ教 教義読んで元気出た。
— ハイリ (@hairi_k86) March 23, 2020
楽しく生きていきたい。
次に紹介するアクシズ教に関する感想や評価は、アクシズ教の教義全文を読んで元気が出たという方のツイートからです。こうした教義全文に関するツイートはとても多かったです。うまくいかなくてもあなたのせいじゃないとか、嫌なことからは逃げればよいなど悩んでいる人を元気づけてくれるようなメッセージに満ちたアクシズ教の教え。楽しく生きていきたいという気持ちにさせてくれるのでしょう。
アクシズ教教義みたいな生活を変えたい
— Mr.Parallel (@heikousan1892) March 21, 2020
最後に紹介するアクシズ教に関する感想や評価は、いままで紹介してきたものとは性質の異なるツイートです。人の振り見て我が振り直せということわざがありますが、アクシズ教の教義全文を読んでいて自身の生活を見つめ直してみたのでしょうか?
例えば「うまく行かなくてもそれはあなたのせいじゃない。うまくいかないのは世間が悪い。」という教義を読んで、うまくいかないことがあるとすぐに他人のせいにしてしまう自堕落な生活を反省したのかも知れません。
アクシズ教まとめ
ここまで、「このすば」に登場するアクシズ教に焦点を当て、教義の全文まとめや教えに従った教徒たちの布教活動などを紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
水と温泉の都アルカンレティアに総本山を置き、女神アクアをご神体として崇める宗教、アクシズ教。その教徒たちは、悪質狂徒と呼ばれるほど悪質極まりない布教活動を繰り返していました。そして、アクシズ教の教義全文は、愛があり犯罪でなければ全て許される、欲望のままに生きて良いというものでした。
この記事で「このすば」に興味を持った方は、アクシズ教の教義に注目して作品を鑑賞してはいかがでしょうか?その心地よい教えに背中を押されるか、あるいは反面教師として心に刻みつけるかはあなた次第と言えるでしょう。