七つの大罪の動物の由来とは？獣マークの種類や位置・意味も紹介

『七つの大罪』と言えばキリスト教が提唱している定義を想像する人はきっと多いのではないでしょうか？そして、作中には騎士団「七つの大罪」のメンバーが登場しています。そこで、七つの大罪の意味と起源を交えつつ、刻まれたマークが示す動物とその位置、シンボルとして使われる理由などを紹介していきます。

漫画『七つの大罪』は鈴木央による冒険ファンタジーです。2012年から「週刊少年マガジン」にて連載が開始され、それから累計発行部数が3000万部を突破し、第39回講談社漫画賞で少年部門を受賞するなど大人気を博した作品となりました。2014年4月16日にはテレビアニメ化が発表され、鈴木央の連載作品において初の映像化を果たしたようです。

『七つの大罪』は人間と人間ならざる種族で境界線が張られていなかった時代が舞台となっています。ブルタニアの大地では、七人の大罪をきせられた伝説の騎士団が戦いを繰り広げていました。

ある日、十年前に聖騎士長殺しの濡れ衣をきせられたメリオダスは、自国を救おうとする第三王女・エリザベスが彼の前に現れました。そこで知った騎士団の真実。散り散りになった騎士団を探すため、そして方や母国を救うためメリオダスはエリザベスと旅をすることに…。

七つの大罪とは、キリスト教において罪の根源とされている「憤怒」、「傲慢」、「強欲」、「怠惰」、「色欲」、「暴食」を示しています。そして七つの大罪を英語表記にすると「seven deadly sins」となり、直訳すると「七つの死に至る罪」という意味になります。

ただ、文字通りに解釈するのではなく、罪というよりは人間が罪を犯す際の根本原因が欲望と感情によるという意味であるため、キリスト教が表記するのは七つの大罪の方が表記として適切だと考えられます。

七つの大罪の起源となったのが、4世紀に実在したエジプトの修道士であるエヴァグリオス・ポンティコスが説いた「枢要罪」です。それは七つの大罪が示す意味に似ており、「憤怒」、「傲慢」、「強欲」、「怠惰」、「色欲」、「暴食」、「虚飾」となっています。

それから時を経た6世紀後半、グレゴリウス一世が「虚飾」を「傲慢」へと、そして「憂鬱」が「怠惰」へと統一し、新たに「嫉妬」が追加されました。このような経緯により七つの大罪が誕生したとされています。

「七つの大罪」のメンバーの体には動物の刻印が刻まれているのですが、これは七つの罪と欲望や感情の印象に基づいた動物に由来しています。歴史上における七つの大罪は、罪をイメージするシンボルとしてルシファーやサタンなどの悪魔が描かれていました。16世紀に版画家のハンス・ブルクマイアーが初めて七つの大罪と悪魔とを関連付けたシンボルなのですが、中世ヨーロッパでは七つの大罪を動物に例えて表現する人も増えています。

次に『七つの大罪』に存在する「十戒」についてですが、十戒は魔人王直属軍の10人を示しています。彼らの特徴には魔神王から与えられた力「戒禁」が使えるということが挙げられます。十戒も「七つの大罪」のメンバーに刻まれた動物の由来のように、歴史上に存在したモーセの十戒が由来となっているようです。

『七つの大罪』のメリオダスに刻まれている動物のモチーフは「ドラゴン」です。メリオダスの左肩に刻まれていました。憤怒の罪にはドラゴン・シンがシンボルとなっていることから、ドラゴンである可能性が高いといえるでしょう。16年前、エリザベスが殺される瞬間を目の当たりにしたメリオダスは、怒りに身を任せたことにより魔力を暴走させています。そしてダナフォール住人の命を奪ったため「憤怒の罪」を背負うことになりました。

『七つの大罪』のディアンヌに刻まれている動物のモチーフは「蛇」です。ディアンヌの左足に刻まれていました。共闘した人間族に裏切られたディアンヌは、聖騎士320人を殺害。そこで生き残った聖騎士たちがディアンヌに罪を擦り付けるため、王国に虚偽の報告をしました。

その後、虚偽の報告を受けた王国はディアンヌを力への嫉妬ゆえに同胞を殺した罪で処刑しようとしますが、この時にメリオダスが処刑に待ったをかけたためディアンヌは助かり、そのまま「嫉妬の罪」をきせられています。

『七つの大罪』のキング/ハーレクインに刻まれている動物のモチーフは「熊」です。キングの左足のすねに刻まれていました。同胞を殺された復讐心によって人間族を殺したヘルブラムを止められなかったため、その責任によって「怠惰の罪」をきせられることになりました。また、人間族と妖精族の和平を怠った妖精王ということも相まって、禁固千年の刑を受けることになっています。

『七つの大罪』のバンに刻まれている動物のモチーフは「狐(キツネ)」です。バンの左わき腹に刻まれていました。バンの場合は厳密にいうと実際に罪を犯したのではなく、精霊の森にある命の泉で不老不死の体を手に入れようとし、さらにそれを聖女エイレンを殺害して独り占めしようとしたため「強欲の罪」をきせられることとなりました。また、バンのキャラ設定も動物との関係が深く、ツリ目の狐顔とキツネを意識した性格をしています。

『七つの大罪』のゴウゼルに刻まれている動物のモチーフは「羊」です。ゴウゼルの左胸に刻まれていました。リオネス王国の女王・ナージャは誘惑され殺害されていますが、実際にはナージャが病弱だったため、ゴウゼルの目の前で息を引き取っています。

そこでゴウゼルは自分の心臓をナージャに移植することによって蘇生を試みていますが、そこに兵士たちが駆け付け、丁度その場面を目撃されたため、誤解されたまま「色欲の罪」をきせられています。

『七つの大罪』のマーリンに刻まれている動物のモチーフは「豚」です。マーリンの首筋に刻まれていました。そして彼女の罪状はモチーフとされている動物のように、「暴食の罪」となっているのですが、彼女もエスカノールと同じく罪状について触れられていません。

『七つの大罪』のエスカノールに刻まれている動物のモチーフは「ライオン」です。エスカノールの背中に刻まれていました。この動物がシンボルとなっている理由には、おそらく正午になるにつれて体格が大きくなるからだと考えられます。

昼間のライオンは凛々しい表情で威厳を保っていますが、夜は間延びした優しい表情になります。そして彼の罪「傲慢の罪」については作中で触れられていません。ただ、態度と口調はまさに「傲慢」、特に正午は俺様口調になり無敵状態に入ります。

• 傲慢：ルシファー
• 憤怒：サタン
• 怠惰：ベルフェゴール
• 嫉妬：レヴィアタン
• 強欲：マモン
• 色欲：アスモデウス
• 暴食：ベルゼブブ

『七つの大罪』では罪のモチーフ・シンボルが動物なのですが、そもそもなぜ動物なのでしょうか？通常はモチーフ・シンボルとして上記の悪魔になるはずです。動物が描かれる理由には、あくまでも推測でしかありませんが、上記の悪魔にはルシファーがベリアル、ベルフェゴールがアスタロスなど一部別の悪魔がシンボルとなっているため、このような曖昧な部分を残した状態で描くわけにはいかなかったからだと考えられます。

そしてもう一つ、『七つの大罪』のメンバーは悪役としてではなく、正義系の役として設定されているため、正義を悪魔のシンボルとして描くわけにはいかなかったというのもあります。そこで、動物・獣に例えるとヒーローを象徴するのにふさわしいと考えられるでしょう。

こちらはメリオダスの腕にあるマークを見て喜んでいるのがうかがえます。ドラゴンを象徴しているのですが、「∞」となっており、蛇のマークにも見えるかもしれません。

こちらはキングとディアンヌのマークを探しているようです。推しキャラなのでしょうか？やはり推しキャラの特徴はチェックされているのが感想からうかがえます。

こちらはエスカノールに刻まれているライオンのマークがないことを残念に思っているのがうかがえます。彼は珍しく背中に大きく刻まれているので、マークの印象を抱いている人は多いのかもしれません。

『七つの大罪』の意味や起源、メンバーに刻まれた動物の由来までを紹介してきましたが、いかがでしたか？動物のシンボルが刻まれている位置は意外とバラバラで、どのような意味を示しているのか分からないという印象を受けるかもしれません。また、本来は七つの大罪を示すシンボルは悪魔であるため、それが動物という理由も想像がつきにくいです。

しかし、当記事で紹介した刻まれたマークの由来や動物の意味などによって、深い意味が隠されていたのがきっとお分かりいただけたはずです。このように意味や動物の由来など、細かい設定を紐解いていき、作品を見るというのも面白さだといえます。ぜひ皆さんも注意してご覧になってみてください。