2020年01月21日公開
2020年01月21日更新
【火の鳥】ムーピーとはどんなキャラ?性別やムーピー・ゲームの能力も解説
巨匠・手塚治虫の代表作「火の鳥」に登場するムーピーについて、キャラクターや性格、性別や能力を詳しくまとめていきます。またタマミと呼ばれるムーピーや能力を使って行うムーピーゲームについても詳しく解説します。さらにムーピーの結末を未来編と望郷編ともに紹介します。本記事では「火の鳥」で重要な役どころを担い、読者からの注目度も高いムーピーについて、その実態を詳しくまとめていきます。
ムーピーが登場する火の鳥とは?
本記事では巨匠・手塚治が生み出した「火の鳥」に登場するムーピーについて、その能力や実態、ムーピーゲームの内容やタマミと呼ばれたムーピーについてまとめます。さらにムーピーの結末を未来編と望郷編ともに紹介します。「火の鳥」のムーピーついて詳しく知りたいといった方はぜひ本記事を最後までお楽しみください。
火の鳥の概要
まずはじめに、ムーピーが登場する「火の鳥」の作品概要を紹介します。ムーピーが登場する「火の鳥」は巨匠・手塚治が描いた壮大な世界観を持つ作品です。漫画を原作としてアニメ化・映画化・舞台化と様々な分野でメディアミックスされています。「火の鳥」は手塚治虫が漫画家として活動する初期から晩年にかけて手掛けた作品です。手塚治虫本人が自身のライフワークと位置付けた名作です。
「火の鳥」は複数の編で構成される漫画で、各編で時代も場所も違います。共通するのは火の鳥と呼ばれる生き血を飲めば不老不死になるという伝説の鳥が登場することです。人間の業や命の本質が壮大な世界観で描かれています。
火の鳥のあらすじ
「火の鳥」は「○○編」として複数の編で構成されています。各編がそれぞれで完結していますが、「火の鳥」全体を長編として捉えた場合の結末は未来編となっています。そして未来編は物語の始まりとなる黎明編に続くようになっており、「火の鳥」の物語は無限に繰り返す流れになっています。ここでは、ムーピーが登場する未来編と望郷編のあらすじを紹介します。
未来編のあらすじを紹介します。未来編の時代は西暦3404年。地上は荒廃した世界となり、人類は滅亡の淵にあり核戦争が勃発。生き残ったのは、マサト・恋人でムーピーのタマミ・生物創造の研究を行う猿田・マサトの天敵ロックのみでした。そして人類滅亡から新たな文明の始まりを見守る存在としてマサトは火の鳥に選ばれ…。未来編は「火の鳥」の結末ともいえるシリーズです。ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
次に望郷編のあらすじを紹介します。荒れ果てた星エデン17に移り住んだロミとカイン。二人は人類を繁栄させようと試みるものの、男子しか生まれません。ロミは女である自分を冷凍保存し、度々目覚めては子供を産む役割を担います。ロミの生き様を見た火の鳥は、多種族と交配できるムーピーを連れてきてエデン17を発展させます。
冷凍保存から目覚めたロミは、発展したエデン17で穏やかな日々を過ごしますが、故郷である地球が恋しくなり、人間とムーピーのハーフの子孫コムとともに地球を目指します…。望郷編は何度も描き直されているシリーズで掲載された雑誌によって話に違いがあります。ぜひ一度全ての望郷編をご覧になってみてはいかがでしょうか?
ムーピーとはどんなキャラ?
ムーピーは種族名
ムーピーとは一体どんなキャラクターなのでしょうか?実はムーピーと言うのは一個体名を指す言葉ではなく種族名を指す言葉です。ムーピーは「火の鳥」に登場する宇宙生命体の種族名で、特定のキャラクターの名前ではありません。ムーピーの寿命は長く、500年位は生きることができます。
ムーピーの性格
宇宙生命体のムーピーとは一体どんな性格なのでしょうか?個体差はあるものの、ムーピーと言う種族は比較的おとなしい性格をしており、どんな環境にもなじめるといった特徴を持っています。どんな姿にも擬態できますが、性格もどんな環境にもなじめるよう大人しく柔軟な性格をしているようです。
また、ムーピーは非常に献身的な性格をしています。大人しいために、未来の地球でペットとしてムーピーは飼育されていました。高い能力を持っているにも関わらず、ペットとしても飼育できるほどに大人しく、攻撃的な面を見せなかったようです。未来編に登場したタマミというムーピーは、恋人であるヤマトのため自分の命を捨てる覚悟を持っていました。
さらに、ムーピーの献身的な性格は他の種族とのハーフであっても引き継がれているようです。望郷編に登場したコムは人間とムーピーのハーフでしたが、ロミに食べるものがなくなったら自分を食べるよう伝えました。このように、個体差はあるもののムーピーは自分優先の考えではなく、どちらかというと自己犠牲の精神が強い種族です。
ムーピーにできないこと
相手の意思をくみとり、相手が思い描いた姿形に変形できる万能な能力をもつムーピーですが、実はムーピーにもできないことがあります。それは消化器官のコピーです。ムーピーは姿を人間そっくりに変形することはできても内蔵のコピーはできません。そのため、人間の姿でも食事は固形物をとらず、流動物で摂取し栄養をとります。
ムーピーが変身した姿はタマミ?
未来編にタマミというムーピーが登場します。タマミは人間の女性に擬態しており、未来編の主人公であるマサトの恋人です。タマミはムーピーゲームを行ってマサトが望む世界を作り出し、恋人として楽しい日々を過ごしていましたが、メガロポリス・ヤマトから殺処分の命例が下されてからは身を隠すようにして過ごすことになります。
ムーピーの性別やムーピー・ゲームの能力
ムーピーの性別
ムーピーの性別やムーピー・ゲームの能力について説明をします。まずはムーピーの性別から解説します。ムーピーは固定された姿を持たない不定形な種族ですが、実はそれぞれの個体に性別があります。さらに特異なのが、どんな姿にでも変形できるので別の種族・生き物と子供をつくることができます。
ムーピー・ゲームの能力
ムーピーゲームは未来編に登場したムーピーの能力のひとつです。人間が望む世界をリアルな夢または幻で見せる能力です。ムーピーゲームの仕組みとしては、まずムーピーが人間にテレパシーを行い幻影を見せます。そして時間や次元、宇宙空間を問わずどんな世界でも幻術として再現します。それがあまりにもリアルに再現されるため、人間をダメにしてしまうとメガロポリス・ヤマトから危険視されてしまいました。
ムーピーの結末
ムーピーの結末①未来編
どんな姿にも擬態できるムーピーは「火の鳥」の各編で一体どのような結末をむかえているのでしょうか?では、まず未来編に登場するムーピーの結末について紹介します。人類が核戦争によって滅亡し、シェルターで生き残ったタマミとマサト。そしてシェルターには猿田とロックがいました。
猿田は生物を作り出す研究をしていましたが、どうしても上手くいきません。人造生物は人工羊水が入っているガラス管の中では生きることはできても、外に出るとたちまち死んでしまいます。そして猿田は地球の未来のためと言いながら命を造り出す研究に、ムーピーであるタマミを使おうとします。マサトは断ったものの、タマミは後に研究に身をささげることに同意します。そしてタマミは人の体を維持出来なくなりました。
人間の姿を捨て培養槽の中で泡となっていたタマミでしたが、マサトとの絆は繋がったままでした。そして500年の寿命を全うし電池が切れるようにこの世を去りました。タマミは死ぬ間際までマサトにムーピーゲームで夢をみせており、人の姿を捨てても最後まで恋人としてマサトのことを想っていたのでした。この結末をみて、読者からは「切ない」といったツイートが多数出ているようです。
しかし、未来編を最後まで読むと、タマミとマサトはハッピーエンドを迎えたことが分かります。実はタマミは火の鳥の中で霊魂のような形で存在しており、また地球の最後を見届けたマサトも最後には火の鳥と同化します。火の鳥に同化することでマサトとタマミの二人の魂も一緒になり、永久に一緒になるという結末を迎えました。
ムーピーの結末②望郷編
続いて、望郷編に登場したムーピーの結末を紹介します。望郷編には多数のムーピーが登場します。中でもムーピーと人間のハーフである「コム」という少年がロミと一緒に宇宙に旅に出て、物語の重要な役割を担っています。ロミは惑星エデン17に移住し、自分を何度も冷凍保存をすることで荒廃した惑星を繁栄させます。火の鳥の働き掛けによって移住してきたムーピーとロミの息子たちを結婚させたことが繁栄のきっかけでした。
ロミが冷凍保存から目覚めたころ、ムーピーと人間のハーフである子孫が平和な世を築いていました。冷凍保存から目覚めたロミも平和なエデン17で穏やかな時間を過ごしますが、いつしか故郷である地球が恋しくなります。そんなロミの想いを叶えるため、地球を目指すことになったコム。宇宙でも様々な冒険を経て、ようやくロミとコムは地球にたどり着きます。
しかし、ロミとコムは地球に不法侵入したことで捕らえられてしまいます。しかもロミとコムを捕らえたのは宇宙を旅するなかで出会い、地球への旅路を共にした牧村でした。ロミは牧村の前で最後を覚悟し、そのまま倒れ生涯を終えました。そして残ったコムを牧村は銃を持って追いこみます。コムは湖の中に逃げ込みます。追い詰められたコムはそこでムーピーの力が開花し、湖に咲く花へと姿を変えました。
一方、エデン17で反映していた人間とムーピーのハーフの子孫たちの結末ですが、こちらも穏やかなものではありません。平和なエデン17に死の商人ズダーバンという宇宙人がやってきます。このズダーバンが酒、麻薬、博打、武器をエデン17に広めていきます。穏やかに暮らしていたエデン17の住人たちは麻薬におぼれ、異様な活気に満ち溢れ暴動が起き始めます。
穏やかで勤勉だった人間とムーピーのハーフの子孫エデン17の住人は、かつての姿が消えてしまったかのようにどす黒い影をもって異様な活気にみちていきます。こうしてエデン17は崩壊への道を進んでいきます。そしてエデン17を見守っていた火の鳥もついにエデン17を見限り始め、今まで火の鳥の不思議な力で抑えていた惑星の大地震も起こり、崩壊の道を辿ったのでした。
ムーピーに関する感想や評価
人間の女性に擬態したムーピーが、夫になる人間に「自分はあなたが望んでいる人ではない」と言うシーンが、切ないですよね(唐突に「火の鳥」の話)
— るんた@低浮上 (@iLungta) September 13, 2016
火の鳥に登場するキャラクターのなかでも異質な存在であるムーピーに関する感想や評価を紹介します。未来編に登場するムーピーを見て、切ない気持ちになったという人が多数いました。
火の鳥のムーピーが現実に居たらなぁ…としばしば思う(
— ソラ@ゲーム雑多 (@sora_aster) January 2, 2019
「ムーピーが現実に居たらいいのにな」といった感想も多数ありました。ムーピーは宇宙生命体で不思議な種族ですが、ムーピーゲームを行って人間を幸せな空間にいざなってくれます。ムーピーゲームは人間を無気力にしてしまうと危険視され火の鳥の世界では禁止されましたが、一度はストレス解消法として試してみたいといった読者の方が少なからずいるようです。
「火の鳥」に出てくる“ムーピー”ってかわいいよね。おれあいつら好きだ。
— 川口 忠彦 -HesoMoge- (@HESOMOGE) May 24, 2015
ムーピーが「かわいい」「好き」といったツイートが多数見受けられました。実体をもたないムーピーですが、どんな姿にでも変身する優秀な擬態能力を持っているにも関わらず、純粋に人間に尽くす姿に魅了される読者の方が多数いるようです。
ぼく火の鳥のムーピーめちゃめちゃすき
— 雑魚ちゃん (@tokozure2) February 2, 2019
続いて、ムーピーに関する感想や評価を紹介します。ムーピーに関するツイートで多かったのはやはり「ムーピーが好き」「好きなキャラクターはムーピー」といった、ムーピーに好印象を持っている人のツイートでした。ムーピーは「火の鳥」に複数回登場している種族であり、各編のストーリーで重要な役割を務めています。
メンダコ、初めて知った。
— ひろし@ (@hiroshi6210) January 13, 2020
火の鳥のムーピーにそっくりだが…。 pic.twitter.com/3ppMVgQCp3
「ムーピーと深海生物のメンダコがそっくり!」という面白いツイートがありました。ムーピーは擬態能力が高く実体がないに等しい種族ですが、まさかの擬態する前の姿とそっくりな生物が地球上に存在していたようです。メンダコとムーピー、両者を一度比較してみてはいかがでしょうか?
ムーピーについてまとめ
いかがでしたか?「火の鳥」に登場するムーピーについて、その実態を詳しくまとめてご紹介しました。ムーピーとは種族名であり未来編と望郷編ではタマミという名のムーピーと、人間とムーピーの混血の少年コムが登場しました。おとなしい性格で自己犠牲の精神を持つ彼らの生き様は、観る人の心を打つことでしょう。
「火の鳥」に登場する宇宙生命体の一種あるムーピーは不思議な能力を持っており、その不思議な力と自己の犠牲をいとわない純粋な言動が「火の鳥」のストーリーに深みをもたらせています。ぜひ一度「火の鳥」をご覧になってムーピーの言動について注目してみてはいかがでしょうか?