【銀魂】寺田辰五郎は坂田銀時に似てる？モデルになった人物や声優情報まとめ

「かぶき町四天王篇」は、幼馴染のお登勢の夫で親友であった亡き寺田辰五郎との約束を頑なに守り続ける次郎長と、父・次郎長に捨てられ自暴自棄になった娘・平子との和解までの道のりを描いています。

お登勢と次郎長にとって大切な人だった寺田辰五郎は、「かぶき町四天王篇」「銀ノ魂篇」でお登勢の回想シーンのみの登場であったにも関わらず強烈な印象を残しています。飄々とした寺田辰五郎は、女だけでなく男から見ても惚れ惚れするような男の中の男だったのです。

SFと時代劇をミックスさせた空知英秋原作の漫画「銀魂」は、単行本全77巻、74巻までの国内累計発行部数は5500万部を超える大ヒットとなっています。「銀魂」は「週刊少年ジャンプ」2004年2号からスタートし、完結を迎えることなく2018年42号まで連載されています。完結編は「ジャンプGIGA」での短期間連載から「銀魂公式アプリ」に移行し、2019年6月20日の配信で15年半に亘る連載が完結しています。

テレビアニメ「銀魂」も2006年4月からスタートし、2018年10月まで休止期間をはさみながら第4期まで放映されています。テレビアニメのヒットに伴いアニメと実写劇場版がそれぞれ2作品制作され、こちらもヒットとなっています。原作のラストまで放映されないまま終了した模様のテレビアニメ「銀魂」は、完全新作のアニメ劇場版の制作が発表されています。内容や公開時期などの詳細は不明のようです。

侍と呼ばれる者たちがいた江戸時代末期の地球が、「天人（あまんと）」と呼ばれる宇宙人に襲来されます。天人との十数年に亘る攘夷戦争で、攘夷志士として戦った数多くの侍たちが命を落とした現状を前に、江戸幕府は強大な天人の力の前に屈服し開国してしまいます。天人たちが江戸で幅をきかせる中、侍は過去の産物となっていきます。天人襲来から20年後、ここから「銀魂」の物語がスタートします。

廃刀令となった世で剣術道場の再建を目指す志村新八は、坂田銀時という風変わりな侍の侍魂に触発され、彼が経営するトラブルを解決する何でも屋「万事屋」で働くこととなります。そこに夜兎族の神楽や巨大犬の定春が加わった「万事屋」は、江戸や天人たちの笑いあり涙ありのトラブルに関わっていきます。そして物語は、銀時の恩師・吉田松陽との地球の存亡をかけた戦いに突き進んでいくこととなります。

かぶき町の岡っ引き・寺田辰五郎と極道・泥水次郎長は、反発しながらもかぶき町を護る者同士として友情を築いていきます。寺田辰五郎と次郎長はお登勢を巡り不器用な三角関係となりますが、お登勢の気持ちが寺田辰五郎に傾いているのを察した次郎長が潔く身を引きます。お登勢と結婚した寺田辰五郎は次郎長と攘夷戦争に参戦しますが、次郎長を庇い亡くなる間際にお登勢とかぶき町を託します。

寺田辰五郎が初登場した「かぶき町四天王篇」では、銀時とお登勢が出会いの場面が描かれています。傷つき空腹に耐えかねた銀時は、寺田辰五郎の墓の供物である団子を食べたのをきっかけにお登勢を護ることを誓います。お登勢が団子を食べることを許したのは、銀時の顔立ちや雰囲気が亡き夫・寺田辰五郎を彷彿させるものがあったからではないでしょうか？

「かぶき町四天王篇」のクライマックスで、次郎長は銀時が寺田辰五郎の形見となる十手を持って戦っている姿に亡き親友・寺田辰五郎を重ねてしまいます。お登勢と次郎長は、寺田辰五郎の意思を継ぐにふさわしい銀時を見て心の平安を得たのではないでしょうか？

銀時以外にも寺田辰五郎は、「鬼の副長」として恐れられる真選組副長・土方十四郎に髪型や髪の色が似てるといわれているようです。それ以外の共通点として、キセルを持って登場している寺田辰五郎は土方のようにヘビースモーカーかは不明ですが愛煙家なのかもしれません。岡っ引き・寺田辰五郎と真選組副長・土方は、所属が違うものの庶民の平和を守り続けています。

岡っ引き・寺田辰五郎のモデルとなった火消の新門辰五郎（1800年頃〜 1875年）は、江戸時代後期に実在した人物であり、現在の東京都台東区下谷にあたる武蔵国江戸下谷山崎町で生まれています。セレブな新門辰五郎は火消のリーダーだけでなく、幕末から明治初期に活躍した勝海舟や江戸幕府最後の将軍となった一橋慶喜（徳川慶喜）など私たちが歴史の授業で習う日本史の偉人との交流があったようです。

勝海舟著書「氷川清話」には新門辰五郎との交流に記されている点や、新門辰五郎の娘が一橋慶喜と妾となっている点などから、新門辰五郎の人脈の凄さが伺えます。新門辰五郎の名字は、徳川慶喜の命で浅草伝法院新門の警護をしたことが由来となり、以降、新門辰五郎と名乗るようになったようです。

幼少期に自宅の火災で父を亡くした新門辰五郎は、この火災が近隣にも被害が及んだことを機に町火消になったといわれています。典型的な江戸っ子・新門辰五郎は、浅草十番組「を組」の頭・町田仁右衛門の元で漫画のヒーローのように火消や喧嘩の仲裁を見事にこなしていきます。仁右衛門は跡取りに相応しいと見込んだ新門辰五郎を娘に引き会わせ、娘婿として1824年に「を組」を継がせています。

江戸っ子のヒーローと呼ばれるまでになった新門辰五郎ですが、ひょんなことから命令違反が発覚してしまい、佃島の人足寄場（更正施設）送りとなってしまいます。しかし、そこで起きた火災を防いだ功績が認められ、「遠山の金さん」のモデルとなった北町奉行・遠山景元より特赦となった新門辰五郎は、火消として名声をさらに高めていったそうです。

舞台役者として活動していた平田広明さんは、マネージャーの勧めで声優業を始めることになります。1990年代から声優活動をスタートさせた平田広明さんは、数多くの洋画の吹替えやアニメなどでの活躍が実り、第11回東京アニメアワード個人部門声優賞・第6回声優アワード主演男優賞を受賞しています。平田広明さんは昴演劇学校卒業後、27年間在籍していた劇団昴を退団し、自身の所属事務所「ひらたプロダクションジャパン」を設立しています。

平田広明さんの代表作といえば、国民的アニメ「ワンピース」のサンジ役と「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロウ役が挙げられます。アニメでは、「攻殻機動隊」「宇宙兄弟」など人気作品の主演や主要なサブキャラクターとしてキャスティングされています。洋画では，「ファンタスティック・ビースト」シリーズのグリンデルバルド役などジョニー・デップ出演作品の吹替えを数多く担当しています。

2015年に映画のPRで来日したジョニー・デップと会った平田広明さんは、長年ジョニー・デップの吹替えをしていた功績により本人公認の声優となっています。ジョニー・デップ以外では、マット・デイモンやジュード・ロウなどハリウッドのイケメン俳優が出演している作品の吹替えを担当しています。

実写版「銀魂」のキャストは銀時役を演じた小栗旬はじめ、二次元キャラと役者とのギャップはなかったようです。となると、人気急上昇の寺田辰五郎を実写で演じるとしたら誰になるだろうと妄想したくなります。

ビジュアルだけもイケメンな寺田辰五郎は、ハイスペックなイケメンからダメなイケメンまで幅広く演じられる声優・平田広明さんにより、寺田辰五郎はモデルとなった新門辰五郎と同じくらい男気溢れるイケメンとなっています。

寺田辰五郎のモデルとなった漫画を地でいくようなヒーローだった新門辰五郎は、「翔ぶが如く」「徳川慶喜」「日曜劇場 JINー仁ー」などのテレビドラマ等で取り上げられています。

銀時と土方を上手くミックスさせた寺田辰五郎は、外見だけでなく中身もイケメンです。「銀魂」の後半で登場した寺田辰五郎は、回想シーンだけの登場ではもったいないキャラクターだといえます。寺田辰五郎をメインにした物語や、寺田辰五郎とお登勢と次郎長の三角関係の詳細を描いた胸キュンな物語などを見てみたいファンも多いことでしょう。