【ワンピース】酒天丸の正体はアシュラ童子？赤鞘九人男との関係や強さを考察

日本をモチーフした世界観で多くのファンを魅了するワンピース・ワノ国にて、多くの注目を集める酒天丸。今は亡き光月おでんの配下・赤鞘九人男のアシュラ童子と同一人物と考察され、現在も酒天丸の正体に多くの関心が寄せられています。以下では、酒天丸の知られざる正体や赤鞘九人男との関係、カイドゥの部下・ジャックを斬りつけた強さ、酒天丸の元ネタやモデル等を考察を交えながら紹介します。

漫画家・尾田栄一郎先生の代表作「ワンピース」は、1997年から「少年ジャンプ」で連載されている看板作品です。連載期間は秋山治先生の「こち亀」に次ぐ長さを記録し続け、単行本は2019年12月に最新巻・95巻が刊行予定です。また、本作品は、岸本斉史先生の「ナルト」と共に国外でも高い人気を誇り、世界42以上の国・地域で翻訳版が発売されています。

一方、漫画「ワンピース」の国内累計発行部数は、単行本・第95巻刊行の時点で3億9000万部を突破しており、日本漫画の最高記録を更新し続けています。原作とと共にアニメも高い人気を誇る「ワンピース」は、少年漫画の王道を行く作風に、壮大な世界観と緻密に張られた伏線のように、先の読めない展開が人気に拍車をかけています。

時は、大海賊時代。海賊王・ゴールド・ロジャーが遺した秘宝を求めて、世界中の海賊がグランドラインの最果てを目指す中、東の海・フーシャ村に暮らす少年モンキー・D・ルフィも、海賊王になる夢を叶えるべく、グランドラインへと身を投じます。その後、麦わら一味となる仲間との出会いやバトルを通じて旅の目的地へと航路を進んでいきます。

ルフィ達、麦わら一味の旅は、グランドラインの最終目的地・ラフテルへと近づきつつあり、現在は、グランドライン・新世界にあるワノ国を舞台に、ストーリー展開がなされています。

酒天丸が登場するワノ国とは、グランドライン・新世界に存在する鎖国国家であり、そのため世界政府にも加盟しておらず、同時進行中の世界会議（レヴェリー）にも未参加とされています。ワノ国は、侍と呼ばれる士族によって支配され、海軍の元帥・サカヅキをはじめ、海軍すら迂闊に近づくことが出来ない高い戦闘力を秘めています。

ワノ国は、将軍が住まう「花の都」「九里」「希美」「兎井」「白舞」「鈴後」の6つの地域に区分され、現在はワノ国を支配下におく、四皇カイドウの幹部が各地域の行政を担っています。また、ワノ国の者が国外に赴くことは重罪とされるなど、徹底的した鎖国国家である一方で、主人公・ルフィの発言から、ワノ国の認知度は世界的に高いことが示唆されています。

ワノ国は、作中の街並みや侍・忍者の存在、鎖国国家である設定から、江戸時代の日本をがモデルとしています。また、ワノ国は、莫大な富を秘めた「黄金の国」と呼ばれ、それら財宝を狙う海賊や天竜人の侵入を受けていた過去が判明し、霜月リョーマ率いるワノ国の侍が、国外勢力を撃退させた戦歴を有しています。

ワノ国の身分制度は、将軍を筆頭とする士族社会であり、史実では江戸時代の「士工農商」がモデルとされています。ワノ国では、上位の身分から将軍・大名クラスの士族・侍や相撲取りなどが該当する士族・下人に区分されます。下人と呼ばれる人々は、町人・商人・職人・農民など、士族より下位の者を指します。

かつて、ワノ国には、それぞれの地域ごとに大名と呼ばれる有力士族が存在し、大名による独立した行政や政治が行なわれていました。しかし、カイドウの支配下に置かれた現在は、カイドウの部下である百獣海賊団・幹部による行政管理が行なわれ、事実上、百獣海賊団をトップとする身分制度が構築されています。

そのような経緯から、現在のワノ国の身分制度は、上位の身分ほど優遇されている非常に差別的なものへと変化し、身分を鼻にかけて横暴を振舞う士族の姿は、天竜人そのものと称されています。一方、ワノ国の差別的な身分制度は、下人の間でも生じており、職業や住んでいる地域によって、身分の差別化を図ろうとする、徹底的な差別社会が根付いています。

非常な差別社会が横行するワノ国では、カイドウによる自然破壊も、人々の生活を脅かしています。ワノ国は、将軍が居住を構える国土の大半は、荒れ地と化し、川の水も汚染され、飲むと人体に影響が及んでいます。ワノ国の自然破壊の原因は、カイドウの命令により作られた武器工場の設立に伴う森林伐採や、工場排水が生活用水にまで流れ込んでいることです。

作中では、町に繰り出しては強奪行為を働く盗人として悪名高い酒天丸ですが、ストーリーを追うごとに酒天丸の正体が、お菊たち赤鞘九人男・アシュラ童子と同一人物ではないかと推測されます。以下では、酒天丸の正体がアシュラ童子と言われる理由を、これまで明かされてきた情報を基に考察します。

アシュラ童子は、九里が無法地帯だった時代に名を馳せた最悪最強の大悪党で、九里に潜む悪党だけでなく、将軍すら匙を投げだすほどの強さを見せつけていました。その後、光月おでんに敗北したことを期に、彼の人柄に惚れ込み、赤鞘九人男の1人として、おでんに仕えました。

その後、主君のおでんを救出するべく、錦えもんと共に康イエの屋敷へ侵入したことをきっかけに、康イエの援助で文武に励みました。カイドウによるおでん城襲撃時には、竜と化したカイドウと一戦を交え、20年後にタイムスリップした錦えもん達の帰りを待ちました。しかし10年目に、アシュラ童子ら侍たちは、カイドウの討ち入りを決行し、玉砕しました。

アシュラ童子と酒天丸との共通点は、クセのある髪質に、頭頂部に生えた樹木が挙げられます。このような特徴的なスタイルは、他のキャラクターには見られず、アシュラ童子と酒天丸を同一人物だとする伏線だと捉えられます。そして、現在の酒天丸が「棟梁」と呼ばれていることも、アシュラ童子と名乗っていた頃に、おでんと共に国を支えていた重要人物であることを示しているでしょう。

頭に木が生えたような酒天丸の髷は、落語の演目「頭山」をモデルにしていると推測されます。落語の「頭山」とは、サクランボを種ごと食べたことで、頭上に桜の木が生えてしまったケチな男の話です。

ワンピースでは、お菊が酒天丸の正体を知っているかのような素振りを見せており、お菊と酒天丸は知り合い同士または、酒天丸の正体がお菊ではないかと考察されました。その根拠は、酒天丸の元ネタとなった酒呑童子の部下・茨木童子にあり、後に性別が男だと判明したお菊の正体として考えられました。

お菊の元ネタと推測される茨木童子は、酒呑童子の有能な部下の1人で、伝説では鬼退治の後に女に化けたことが伝わっています。しかし、ワンピースの物語が進むにつれて、酒天丸やお菊の正体が徐々に判明し、酒天丸＝お菊、酒天丸が女に化ける考察は否定されています。

20年前のおでん城焼き討ちの回想シーンにて、最後までおでんに付き従う笠の侍が登場しました。顔を覆い隠すように深く被られた姿から、その正体について様々な考察が飛び交う一方、赤鞘九人男の1人ではないかと推測され、アシュラ童子こと酒天丸とも認識があったことやタイムスリップせず、現世に留まり続けた可能性が高いでしょう。

ロジャー海賊団は、ワンピースで唯一偉大なる航路（グランドライン）を制覇し、終着点・ラフテルに辿り着いた伝説の海賊であり、そのメンバーにアシュラ童子が仕えた光月おでんも名を連ねていました。光月家は、800年前にポーネグリフを製作した石工の一族で、光月おでんもポーネグリフに刻まれた古代文字の解読が可能でした。

また、ワノ国の開国を訴えるおでんは、ネコマムシなどの赤鞘九人男を引き連れて世界中を渡り歩き、白ひげ海賊団を経由して、ロジャー海賊団に加わった経緯を持っています。そして、ポーネグリフを解読できるおでんを通じて、空白の100年に隠された真実の歴史を知る事となり、その中にはおでんの部下・赤鞘九人男のメンバーもいたと推測されます。

おでん城焼き討ちの際に登場した笠の男の正体は、有力な情報が見られないため様々な考察が飛び交う一方で、空白の100年について知る数少ない人物でしょう。

錦えもん達が20年後の世界へタイムスリップしている間、アシュラ童子は、九里の廃港に船を揃えたり、鬼ヶ島にあるカイドウの屋敷図を手に入れるなど、密かにカイドウを倒そうと準備していることが示唆されています。そして、アシュラ童子のこれら行動は、後のカイドウ攻略の大きな鍵となるでしょう。

現在のワノ国の在り方に絶望し、悪の限りを尽くす酒天丸の怒りの矛先は、将軍だと推測されます。そして、ワノ国の開国を求めるルフィ達麦わら一味も、将軍や百獣海賊団と敵対しているため、酒天丸がルフィ達の仲間に加わる可能性は高く、オロチの城を潜入する際のルートなどを麦わら一味に伝授するでしょう。

ワノ国を訪れた麦わら一味の目的は、光月モモの助の父・光月おでんの意志である、ワノ国の開国です。そして、ワノ国を開国に導くには、ワノ国を実権を握るカイドウ・オロチを倒すことが必須条件です。カイドウは、百獣海賊団の提督であり、本編の20年前に黒炭オロチと手を組み、光月おでんを処刑、ワノ国を植民地化した海賊です。

ワンピース・ワノ国の敵キャラ・百獣海賊団は、四皇・カイドウ率いる大海賊であり、メンバーは、人造悪魔の実・SMILE能力者であるギフターズと、SMILEの能力を持たないプレシャ―ズに区分されます。また、百獣海賊団は、災害と呼ばれる3幹部ジャック・クイーン・キングを筆頭に、真打ち、平戦闘員という序列があり、ワノ国は、幹部3人と真打ちと呼ばれる中堅による行政管理がなされています。

百獣海賊団にさらわれたお玉を救出するべく、ルフィ達は、真打ち・ホールデムへ向かいます。その時、自分に敵対する存在と認識したホールデムは、ルフィ達を頭山盗賊団の棟梁・酒天丸の部下だと勘違いを起こします。初めて聞く名前に違和感を覚えるルフィをよそに、お菊は酒天丸の正体を知っているかのような表情を見せています。

お玉奪還は、ホールデムがルフィに倒されたことで見事成功するも、酒天丸の登場はありませんでした。一方で、九里・博羅町を取り仕切るホールデムの発言から、酒天丸の存在は、百獣海賊団にとっても、厄介な存在であることが示唆されています。

20年前のワノ国を統治していた光月おでんに仕えていた赤鞘九人男は、並み外れた腕を持つ侍で構成されたおでんの配下です。作中では、アシュラ童子こと酒天丸と赤鞘九人男の関係を匂わせる発言や行動が描かれ、同時に、酒天丸も赤鞘九人男だったと推測される描写がなされています。

酒天丸は、自身のことを「侍」と名乗っており、この発言から光月おでんの最強家臣団・赤鞘九人男の1人であることが判明しています。現在のワノ国にて、光月おでんと赤鞘九人男の存在は、ワノ国の開国を企てた悪人として扱われています。一方、20年前の世界からタイムスリップしたお菊や錦えもん達とは異なり、酒天丸は、主君の死後もワノ国にとどまり続け、錦えもん達の帰りを待ち続けました。

赤鞘九人男のメンバーは、リーダー格の錦えもん、美青年剣士・菊の丞（お菊）・雷ぞう・カン十郎・デンジロー・ネコマムシ・イヌアラシの他、20年前に日和を救出するも、7年後に捕まった河松とアシュラ童子（アシュラ童子）の9人で構成されています。

錦えもん達がタイムスリップしていた20年間に、彼らの帰りにしびれを切らして、盗人稼業に手を染めたアシュラ童子こと酒天丸と赤鞘九人男の関係は、複雑なものとなっていました。それは、双方の行き違いだけでなく、酒天丸が忠誠を誓う人物は、光月おでんただ1人であり、その息子・モモの助を始めとする光月家ではない点が、仲間との隔たりを生み出しているでしょう。

また、酒天丸にとって光月おでんの存在は絶対的なものであり、おでん城の焼き討ちと主君の死を受けて、自身の弱さや主君・おでんを救えなかった後悔の念が、盗人稼業に手を染めるきっかけとなったでしょう。そして、タイムスリップしてきた錦えもんからの要請を断り続けてきたことも、かつての光月おでんのような人物に巡り合っていないと打ち明けています。

懸賞金10億ベリーのジャックを一瞬で斬りつけた酒天丸の強さは、四皇・カイドウも配下に欲しがる実力を秘めています。以下では、百獣海賊団の幹部・ジャックと互角と言われる酒天丸の強さを考察しました。

アシュラ童子が猛威を振るっていた当時の九里は、弱肉強食を絵に書いたような無法地帯でした。そして、トップに君臨するアシュラ童子こと酒天丸の強さは相当高く、光月おでんとの戦いも激しいものだったでしょう。2人の激戦は、光月おでんの勝利に終わり、アシュラ童子は、おでんに討ち取られたと世間に広まりました。

一方で、おでんの人柄に惚れ込んだアシュラ童子は、おでんに見込まれて赤鞘九人男となり、身なりや名前を変えて、九里の発展や主君・おでんのために尽力しました。

ワンピース・921話のおこぼれ町にて、酒天丸は百獣海賊団・ジャックを一瞬で斬りつける出来事が起こりました。ジャックの強さは、懸賞金10億ベリーの海賊に匹敵すると推測され、そのジャックを瞬時に倒した酒天丸の強さは、ジャックと互角または王下七武海レベルでしょう。

一方、酒天丸との戦いではあっけない姿を見せたジャックは、ゾオン系悪魔の実・古代種のマンモス能力者であり、決して弱いキャラではないことが推測されます。しかし、ワノ国編でのジャックの姿から、酒天丸の底知れぬ強さを感じるでしょう。

53歳となった現在も、カイドウの部下・ジャックを一撃で斬りつける強さを秘める酒天丸ことアシュラ童子は、20年前に竜に変貌したカイドウと一戦を交えた過去がありました。その時の出来事は、カイドウも鮮明に覚えており、20年たった現在も、酒天丸を部下に引き入れようと欲する発言から、計り知れない強さを秘めているでしょう。

日本をモチーフにしたワンピース・ワノ国には、実在の人物をモデルとするキャラクターが多数登場しており、酒天丸にも元ネタやモデルとなった人物がいます。以下では、酒天丸の元ネタやモデルとなった、妖怪・酒呑童子と江戸時代に実在した義賊・鼠小僧について紹介します。

酒天丸の元ネタは、日本の三大妖怪の1つ・酒呑童子と推測されます。京都府などで語り継がれる妖怪・酒呑童子は、丹波の国・大江山を本拠とする鬼の頭領です。一説には、盗賊の頭目とも言われ、圧倒的な強さで数多くの鬼を従え、大の酒好きだったことから「酒呑童子」と呼ばれるようになりました。

ワンピースでの酒天丸の活躍は、義賊の鼠小僧をモデルに描かれたと推測されます。現在も歌舞伎や落語の題材に起用される鼠小僧次郎吉は、江戸時代中期に実在した盗賊です。現在の日本橋人形町に生まれ、鳶職人として働くも、賭博で身を持ち崩したことをきっかけに、盗人稼業に手を出しました。その後、10年あまり盗みを繰り返すも、1832年に2度目の捕縛を受けて、同年9月13日に処刑されました。

記録によると、鼠小僧が10年間に渡って荒した屋敷は95ヵ所・839回、盗んだ金額は金3千両であり、大名屋敷を専門に盗みを働いていたことが語られています。そして、大名を恐怖に陥れた鼠小僧の働きは、武家社会に不満を持つ多くの江戸庶民からの絶大な支持を獲得し、後に、時代劇の題材として描かれる、義賊の鼠小僧が創作されました。

以下では、ワンピース・ワノ国編にて今後の活躍が注目される、酒天丸に関する感想や評価を紹介します。

ワンピース・ワノ国編の初期では、盗賊団の棟梁として悪の限りを尽くした酒天丸ですが、麦わら一味の敵となりうる存在でもなく、百獣海賊団からは盗人として目を付けられていることから、先の読めない行動に注目が集まりました。また、物語が進むごとに酒天丸の正体も徐々に明かされていき、いずれはルフィ達の味方として活躍することが期待されています。

ワンピース・ワノ国に登場する酒天丸の年齢は50歳前後と推測される一方で、ルフィ達の行方を尋ねてきたジャックを瞬時に斬りつけた早業は、多くの読者を圧倒させました。同時に、年齢を重ねても衰えを見せない酒天丸の底知れぬ強さや、ワノ国の侍であることを誇りに思う発言は、酒天丸が盗賊であることを忘れさせる、カッコよさがにじみ出ています。

百獣海賊団・ジャックを斬りつけたシーンから、赤鞘九人男時代は、今以上の強さを有していたと言われる酒天丸ことアシュラ童子は、ワノ国のラスボス・四皇カイドウやオロチを倒すための協力な助っ人と考えられています。光月おでんの死から20年がたった現在も、カイドウから勧誘を受ける酒天丸の活躍に、目が離せないでしょう。

ワンピース・ワノ国に登場した酒天丸ことアシュラ童子の正体をはじめ、光月おでんの配下・赤鞘九人男との関係、百獣海賊団・ジャックを斬りつけた知られざる強さ、酒天丸の元ネタやモデル等を考察を交えながら紹介しました。かつてカイドウと一戦を交えたことから、現在もカイドウが配下に欲しがっている酒天丸ですが、カイドウを倒す鍵を握る存在として、その動向や活躍が注目されています。