【最遊記】玄奘三蔵は美しき最高僧！悟空との関係や悲しき過去を考察

「最遊記」は、月刊Gファンタジーで連載されたファンタジー・コメディ漫画です。作者は峰倉かずやで、連載期間は1997年から2002年でした。コミックは全9巻が発売されています。2002年からは「最遊記RELOAD」、「最遊記異聞」、「最遊記RELOAD BLAST」と続き、1999年から10年間連載されていた「最遊記外伝」を合わせて「最遊記シリーズ」と呼ばれています。

テレビアニメは「幻想魔伝 最遊記」というタイトルで、テレビ東京系列ほかで2000年から2001年まで全50話が放送。2003年から2004年まで「最遊記RELOAD」が全25話放送されました。また、「劇場版 幻想魔伝 最遊記 Requiem 選ばれざる者への鎮魂歌」が、2001年に公開されました。

「最遊記」は、孫悟空や三蔵法師などが登場する中国の「西遊記」がモチーフで、主人公の玄奘三蔵（げんじょうさんぞう）が、孫悟空・猪八戒・沙悟浄を連れて旅をします。作者の峰倉かずやによると「最遊記」という名の由来は「最も遊ぶ西遊記」で、舞台背景は昔の中国ですが、テレビ、缶ビール、クレジットカード、さらに現代の話題や流行などが登場します。

「最遊記」は、かっこいい美形キャラが多く登場し、ビジュアル系の西遊記とも言われています。「最遊記」は漫画、アニメ、映画以外にもOVA、小説、さらに「最遊記歌劇伝」という実写ミュージカルがあります。これらを総称して「最遊記」シリーズと呼ばれています。また、2000年に始まったアニメ放送でのメインキャラクターの声優が、2017年の「最遊記RELOAD BLAST」までの間、声優が変わらなかった作品だということです。

「最遊記」の舞台は中国・桃源郷。そこでは、かつて人間と妖怪が共に平和に暮らしていました。桃源郷では、500年前に強大な妖怪「牛魔王（ぎゅうまおう）」が、闘神と呼ばれた哪吒（なたく）太子に倒され、封印されました。ところが、タブーとされている「化学と妖術の合成」によって「牛魔王」を復活させようとする者が出現。桃源郷はその実験の影響を受け「負の波動」が起こりました。その波動は桃源郷の隅々まで拡大します。

妖怪たちは突然狂気に囚われ、人間たちに襲い掛かりました。平和だった桃源郷は混乱を極め、観世音菩薩はこの状況を打破するため三仏神と通して玄奘三蔵に「牛魔王」復活の実験を阻む任務を与えました。玄奘三蔵は、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の3人と共に西にある天竺国へ赴くことになりました。

ここまで、「最遊記」のあらすじを紹介しました。今回は「最遊記」の主人公・玄奘三蔵に注目していきます。美形でかっこいいと言われる玄奘三蔵のプロフィールや技、かっこいい魅力を紹介し、また、玄奘三蔵の過去についても見ていきます。玄奘三蔵は、孫悟空を手下として連れて行きますが、玄奘三蔵と孫悟空との間には主従関係だけではない何かがあります。

それは、玄奘三蔵の過去の出来事が関係しているということで、玄奘三蔵の過去と共に、悟空とのエピソードを紹介します。それでは、まず「最遊記」の玄奘三蔵のプロフィールから見ていきます。

玄奘三蔵（げんじょうさんぞう）は「最遊記」の主人公で24歳、誕生日は11月の29日です。身長は176㎝、血液型はA型です。金髪、紫色の瞳で小さい頃は女の子と思われることが多々あり、そのことでよく不機嫌になりました。大人になってからも美貌は変わらず「女顔」などと言われます。法名は「第31代唐亜玄奘三蔵法師」と言います。幼かった頃は江流（こうりゅう）と呼ばれ、光明（こうみょう）三蔵法師の下で育てられました。

13歳という最年少で、最高僧だけが名乗ることが許される「三蔵」と「聖天経文」、「摩天経文」を賜りました。こうして玄奘三蔵となったのですが、高僧のはずがかなりの愛煙家で、加えて酒・博打が好きな所謂「破戒僧」、「生臭坊主」と言われるような人物です。高僧らしいところはたった一つ、女性に無関心なところです。容姿は美形ですが、言葉遣いは乱暴で「殺すぞてめえら」が口癖となっています。

実際に銃を発射しながら言うときもあります。自分勝手で短気、いつも不機嫌そうなオーラを醸し出し、優しさの欠片もないような性格に見られますが、孫悟空には穏やかな表情になることがあります。そんな玄奘三蔵ですが、リーダーシップもあり、確固たる信念を持って敵に向かっていきます。的確な判断力と物事を解決に導く手腕などリーダーとしての自覚を持つ玄奘三蔵は、仲間たちの信頼を集めています。

玄奘三蔵の武器は「昇霊銃」と呼ぶ拳銃で、玄奘三蔵の愛用の武器です。必殺技として「魔界天浄」がありますが、僧の最高位である三蔵としての修行を積んでいないので、「魔界天浄」という技以外の法力を使った技を使うことができません。この技は、肩に掛けた「摩天経文」で敵を攻撃する技です。ただし、必殺技は一つでも玄奘三蔵は、妖怪の悟空たちと変わらない体力や強さがあります。

「最遊記」の主人公で、かっこいいと言われている玄奘三蔵のプロフィールを紹介しました。ここからは、玄奘三蔵が天竺国へ共に向かうことになった孫悟空との関係を見ていきます。

玄奘三蔵と悟空は、普通に考えれば高僧とお付きの者という主従関係ですが、玄奘三蔵と悟空にはただの主従関係ではない絆があります。悟空の過去を見てみると、悟空は500年前、天界である罪を犯しました。その罪の償いのため地上に堕とされた悟空は、五行山に封印されました。悟空はたった一人、山の上で500年という年月を生きてきました。長年、孤独に過ごしてきた悟空の封印を解いてくれたのが玄奘三蔵だったのでした。

孤独な悟空を救った玄奘三蔵は、悟空にとって恩人とも言うべき存在です。それまで孤独だったのは悟空だけではなく、玄奘三蔵もまた孤独に生きてきたのでした。「バカ猿」とか、「うるさい」などと悟空に対して憎まれ口を叩きながらも、孤独な日々を過ごしていた玄奘三蔵にとっても悟空は唯一無二の存在なのでした。

玄奘三蔵と悟空は、日頃から気遣い会うことが多く、戦闘でも悟空は最優先で玄奘三蔵を守り、玄奘三蔵も体を張って悟空を守るなど、二人はお互いに依存する、という関係だと言われています。

悟空は、彼が持っている本当の力を抑えるために、額に金鈷（きんこ）が付けられています。この金鈷が外れてしまうと「斉天大聖」という悟空本来の姿となり、抑えられていた力が解放され、誰かれ構わず殺害してしまいます。一度、この金鈷が外れたことがありますが、その時は玄奘三蔵が自身の法力を使って金鈷をはめ直したことがあります。

その後も金鈷が外れ、悟空が暴走したことが何度かありましたが、その度に玄奘三蔵が暴走を鎮めました。悟空の暴走状態を鎮めることができるのは、玄奘三蔵だけなのでした。玄奘三蔵は人間で、しかも三蔵法師としての修行を受けていないにも関わらず、このように悟空の暴走を止める力を持っています。

烏哭（うこく）三蔵に襲われた悟空が死にそうになった時、玄奘三蔵はこれまでに見た事がないほど狼狽えました。瀕死の悟空を抱える玄奘三蔵の様子は、日頃の冷静さは失われ、呆然自失の状態で、猪八戒に引っぱたかれなければ、今起こっていることを理解することができないほどでした。玄奘三蔵は悟空を猪八戒ら仲間に預け、自身は烏哭三蔵を捜すため街をさまようのでした。

まず悟空の看病をすることを優先するべきだと思われるのに、その判断をすることができないほど玄奘三蔵は気が動転していたのでした。この時の玄奘三蔵の感情は、悟空をこんな酷い目に遭わせた烏哭三蔵への殺意に満ちていたのでした。

烏哭三蔵が持つ「無天経文」によって玄奘三蔵がその存在を消されそうになった時、猪八戒や沙悟浄の存在が記憶から消去されていく中で、玄奘三蔵の記憶の最後に浮かんできたのは、悟空でした。出会った当時の笑顔を見せる悟空ですが、それも次第に消えていきます。玄奘三蔵は記憶が消えていく恐怖の中で必死に悟空に手を差し伸べます。

玄奘三蔵にとって烏哭三蔵は難敵ですが、彼が味わった恐怖は悟空の記憶から自分が消え去っていくことでした。玄奘三蔵が恐怖を味わうことは他になく、悟空の存在が玄奘三蔵の中でどれほど大事な存在なのかがよく分かります。

ここまで、「最遊記」の玄奘三蔵と悟空の関係について見てきました。玄奘三蔵にとって悟空の存在が如何に大切かが分かるエピソードでした。玄奘三蔵は、何故これほどまでに悟空を大切にするのでしょうか？それには玄奘三蔵の過去が関係しているということです。それでは、玄奘三蔵の過去を見ていきます。

玄奘三蔵は、揚子江に捨てられていた捨て子でした。出生地も親も分からない赤ん坊だった彼を見つけてくれたのが金山寺の光明三蔵（こうみょうさんぞう）でした。光明は「江流（こうりゅう）」という名前を与え、育てました。江流は小さい頃からすでに天才と呼ぶにふさわしい能力を発揮しますが、先輩たちからは妬まれました。江流は川で拾われたことから、「川流れの江流」というあだ名で呼ばれました。

江流が13歳になった時、「聖天経文」と「摩天経文」を受け継ぎました。ところが、光明が江流の前で妖怪たちに殺され、「聖天経文」を盗まれてしまいました。光明は死に際して江流に「玄奘（げんじょう）三蔵」という法名を与えました。「三蔵」とは僧の最高位を表す呼び名です。光明が自分を庇って殺されてしまったことで、玄奘三蔵は自身の弱さを嫌という程実感させられました。

そんな想いを胸に玄奘三蔵は、光明の死の原因を毅然とした態度で報告しました。光明の死の哀しみに浸る余裕もなく、「摩天経文」を懐に金山寺を下りました。13歳の玄奘三蔵は武器として拳銃一つを携えて旅をするのですが、その道中は厳しく辛いものでした。妖怪や人間たちが容赦なく玄奘三蔵に襲い掛かります。玄奘三蔵は拳銃一つで戦い、何人も倒しました。何とか長安に辿り着いた時には、悪夢で夜も眠れない状態でした。

長安には慶雲院という寺があり、そこの徒覚大僧正の導きによって玄奘三蔵は、徳の高い僧だけが称される「三蔵」としての自覚を持つようになりました。そんな時、玄奘三蔵の耳に五行山で幽閉されている悟空の声が聴こえてきたのでした。たった一人で孤独な旅をしてきた玄奘三蔵にとって悟空との出会いは、玄奘三蔵に希望の光をもたらしました。

玄奘三蔵は、師であり親代わりでもあった光明を守ることができなかったことで、自身の弱さを痛感しました。そして「守らなくてもいいものが欲しい」という考えを持つようになりました。そんな時出会った悟空は、玄奘三蔵が守る必要のない「強い」少年でした。玄奘三蔵はようやく「守らなくてもいい」存在に出会えたのでした。

ここまで、「最遊記」の主人公・玄奘三蔵と悟空の関係や、玄奘三蔵の過去を見てきました。玄奘三蔵には悲しい過去がありました。しかし、悟空と出会ったことで玄奘三蔵は唯一無二の存在を得たのでした。ここからは、玄奘三蔵のかっこいい魅力を紹介します。

かっこいい魅力の一つ目は外見です。金色の髪に紫色をした瞳、鍛えられた身体に愛用のマルボロを吸う姿がかっこいいと言われています。少したれ目ということでいじられますが、愁いを湛えた瞳は玄奘三蔵の大きな魅力だと言われています。玄奘三蔵の美しさは、女性を惹きつけるだけでなく、男性も魅了してしまうほどで、沙悟浄からは「性格破綻の金髪美人」と称されますが、玄奘三蔵本人はまったく関心を示しません。

かっこいい魅力の二つ目は必殺技です。玄奘三蔵は観世音菩薩から重要な任務を与えられています。それは牛魔王の蘇生実験を阻むことです。そのために西へと向かう玄奘三蔵一行は、道中様々な妖怪の襲撃を受けます。玄奘三蔵は人間で、本来妖怪よりも戦闘能力は低いはずですが、玄奘三蔵は妖怪と戦える能力を持っています。玄奘三蔵の武器は銃ですが、強敵の場合は必殺技である「魔界天浄」を使います。

「魔界天浄」という技は、玄奘三蔵が師である光明から受け継いだ「摩天経文」を使う技です。この技は、玄奘三蔵が肩に掛けてある「摩天経文」で、周囲の敵を攻撃、浄化するという技です。

かっこいい魅力の三つ目は、ハリセンです。悟空と沙悟浄はどうでもいい理由で何かと喧嘩をします。そのため玄奘三蔵はそんな二人を、まだまだ子どものように扱っています。悟空と沙悟浄の喧嘩が始まると玄奘三蔵は、いくら二人を子ども扱いしていても喧嘩をしているのを静観しているほど気長な性格ではありません。

玄奘三蔵は、どちらの言い分も聞かず喧嘩両成敗に則って「うるせぇ！」と一言怒鳴り、どこから出てくるのかハリセンで二人を叩きます。時々、その怒りが大きくなるとハリセンどころか拳銃を持ち出すことがあります。

ここまで「最遊記」の玄奘三蔵について、プロフィール、悟空との関係、玄奘三蔵の過去や技、かっこいい魅力を見てきました。玄奘三蔵は最高僧ですが、言葉遣いが乱暴、酒や煙草、博打好きの破戒僧でした。しかし、悟空に対してはただの主従関係ではない絆がありました。ここからは、アニメで玄奘三蔵の声を担当している声優を紹介していきます。玄奘三蔵の声は、声優の関俊彦です。それでは、声優・関俊彦について見ていきます。

「最遊記」の主人公・玄奘三蔵の声優・関俊彦は1962年の6月11日生まれ、栃木県出身です。声優の野沢那智と声優の白石冬美がパーソナリティのラジオ番組を聴き、芝居に興味を持ちました。女優の川路夏子主催の「グループ・カオス」に入所し、演技を学びました。大学時代にラジオドラマに出演。アニメでは1983年のテレビアニメ「太陽の子エステバン」の兵士役で声優としてデビューしました。

1987年にはOVAの「学園特捜ヒカルオン」で初主役。テレビアニメでの初主役は「赤い光弾ジリオン」（1987年）で、この作品で声優として知名度が上がり、ここから多くの主人公役やメインのキャラクターを演じることになりました。「仮面ライダー電王」でメインのモモタロス役で出演し、主題歌も歌唱するなどの活躍を見せたことで、声優アワードのシナジー賞を獲得しました。

「最遊記」の主人公・玄奘三蔵の声優・関俊彦の主な出演作を紹介します。1989年「天空戦記シュラト」修羅王シュラト ・ 日高秋亜人、「YAWARA!」松田耕作、1991年「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」ブリード加賀、1993年「忍たま乱太郎」土井先生、1995年「新機動戦記ガンダムW」デュオ・マックスウェル、2000年「闇の末裔」亘理温、2002年「機動戦士ガンダムSEED」ラウ・ル・クルーゼ。

2002年「NARUTO -ナルト-」うみのイルカ・ナレーション、「炎の蜃気楼」仰木高耶（上杉景虎）、2003年「京極夏彦 巷説百物語」山岡百介。2004年「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」レイ・ザ・バレル、「舞-HiME」神崎黎人、「妄想代理人」馬庭光弘、2006年「ひぐらしのなく頃に」入江京介、2010年「心霊探偵 八雲」斉藤一心、2014年「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」エンブリヲ。

2017年「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」樋口栄助、「妖怪アパートの幽雅な日常」千晶直巳、「血界戦線 & BEYOND」Dr.ガミモヅ、2018年「聖闘士星矢 セインティア翔」蠍座のミロ、「ゴールデンカムイ」辺見和雄、2019年「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」氷室聖、「鬼滅の刃」鬼舞辻無惨、などです。ここまで、「最遊記」の玄奘三蔵の声優・関俊彦のプロフィールと主な出演作を紹介しました。

「最遊記」の主人公・玄奘三蔵は最高僧という位にある僧ですが、乱暴な言葉遣い、酒・煙草・博打が好きだという人物です。しかし、悟空との関係を見てみると、口は悪いけれど悟空のことを大切に想い、悟空もまた玄奘三蔵を想っていることがわかりました。そんな玄奘三蔵の生き様は、人を惹きつけるカリスマ性があり、そんな玄奘三蔵が大好きだという感想です。

「最遊記」の玄奘三蔵は、「聖と魔を併せ持つ者」と言われています。玄奘三蔵は一行のリーダーとしての自覚を持っているところ、強い信念を持っているところがかっこいい、憧れるという感想です。

「最遊記」は、主人公の玄奘三蔵をはじめ、孫悟空、猪八戒、沙悟浄など美形でかっこいい男性キャラクターが多数登場します。中でも主人公の玄奘三蔵は、かっこいいビジュアルとセリフが最高だという感想です。

いかがでしたか？「最遊記」の玄奘三蔵のプロフィール、技、過去、悟空との関係について紹介しました。桃源郷でたった5人しかなれないという最高僧の玄奘三蔵は、金髪にくわえ煙草に加えて乱暴な言葉遣いなど、破戒僧とも言われていました。共に旅する悟空と玄奘三蔵の関係を見てきましたが、二人はお互い唯一無二の存在だということでした。また、玄奘三蔵には辛い過去がありました。

さらに、玄奘三蔵は美形でかっこいいと言われており、彼のかっこいい魅力をまとめてみました。そして、「最遊記」のアニメで玄奘三蔵の声優、関俊彦についてプロフィールや主な出演作を紹介しました。「最遊記」は主人公の玄奘三蔵をはじめ、美形揃いと言われる「最遊記」を、どうぞお楽しみください。