2019年11月30日公開
2019年11月30日更新
ワンピースはフランス革命がモデル?ローの忌み名やイム様・Dの一族から考察
「ワンピース」の世界観は歴史上の有名な出来事「フランス革命」と深い関連があると言われています。今回は、ローやイム様、Dの一族など元ネタがフランス革命だと言われる人物や事柄を紹介し、「ワンピース」のモデルがフランス革命と言われる理由を考察していきます。そして、天竜人やゴア国王ステリーなど、フランス革命当時の貴族に相当すると言われるキャラたちについてもみていきます。
目次
ワンピースとは?
ワンピースの概要
「ワンピース(正式名称:ONE PIECE)」は尾田栄一郎先生の海賊を題材にした冒険ファンタジーバトル漫画です。集英社出版の週刊少年ジャンプで1997年から2019年現在に至るまで20年以上連載されている国民的漫画作品であり、日本では2019年10月の時点で94巻まで刊行されています。そして、2015年には世界で最多の発行数を誇るコミックシリーズとして、ギネス世界記録に認められました。
また、漫画「ワンピース」は日本のみならず欧米やアジア、南米など世界中で出版されており、世界的に4億6000万部以上(2019年現在)を売り上げています。アニメ化も1999年からフジテレビ系列で始まり、20年以上経った2019年現在でも放送中です。そして、アニメ「ワンピース」は東映アニメーションが制作したものとして、最も長い放送期間となっているそうです。
ワンピースのあらすじ
かつて海賊王と呼ばれ、財宝・力・名誉といった世界のすべてを手にするも処刑された男がいました。彼の名前はゴールド・D・ロジャー。彼の死後、海賊たちが彼が遺したとされる財宝「ワンピース」こと「ひとつなぎの大財宝」を自分のものにするために、そして海賊王になるために争い合う時代「大海賊時代」に突入していきました。
そんな時代の中で、東の海(イーストブルー)にある小さな海沿いの村にモンキー・D・ルフィという少年がいました。彼は村にしばらくの間滞在していた赤髪のシャンクスと呼ばれる海賊と仲良くなり、自分も海に出て海賊になることに憧れていました。
ある日、ルフィはシャンクスの率いる海賊たちの目を盗み、彼らの持っていた悪魔の実「ゴムゴムの実」を食べてしまいます。そのことで、ルフィは一生カナヅチになる代わりに、身体を自在に伸び縮みさせることができるゴム人間の身体を手に入れました。その後、シャンクスが留守中、居酒屋でシャンクスの悪口を言う山賊たちにルフィは立ち向かっていき、逆に彼らを怒らせて海に投げ入れられてしまいました。
ルフィは悪魔の実のせいで泳げず、巨大な魚に襲われそうになります。しかし、間一髪のところでシャンクスが海に入り、彼は自分の左腕と引き換えにルフィを助けてくれました。そして、シャンクスが村を立つ日がやって来ました。ルフィはシャンクスから彼の大事な麦わら帽子を譲られ、将来シャンクスを超えるような海賊となって再会すると誓うのでした。
それから10年後、ルフィは17歳になっていました。ルフィは「海賊王になる」と宣言して船出します。そして、賞金稼ぎのゾロや海賊だけから盗みを働く泥棒のナミ、嘘つきのウソップ、料理人のサンジといった仲間と出会い、海賊王を目指して冒険を繰り広げていくのでした。
ワンピースはフランス革命がモデル?
フランス革命とは?
フランス革命とは18世紀のフランスで起きた世界的に有名な市民革命です。これをきっかけにフランスは前近代的な社会制度から近代的なブルジョア社会に大きく変わっていきました。フランス革命は1787年、絶対王権を主張するブルボン王朝に対する貴族の反発に端を発し、その動乱が2年後の1789年には全階層を巻き込んだことで、バスティーユ牢獄の襲撃などの大規模な市民革命に発展しました。
そして、時の国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットが処刑され、その後、権力を握り恐怖政治を敷いていたロベスピエールとサンジュストも処刑されるなど多くの王族、貴族、政治家らがギロチンで命を落としました。そんな動乱の中で、1799年にナポレオン・ボナパルトが登場。彼が主導したブリュメールのクーデターにより、フランス革命が終焉を迎え、後にナポレオンが皇帝となり帝政を敷くことになりました。
この1787年の貴族の絶対王権に対する反発から、ナポレオンが1799年にクーデターを起こすまでの期間がフランスの革命期とされており、この期間にフランスは絶対王政から立憲王政に移行し、共和制に変化していきました。
フランス革命の時の日本
「ワンピース」作中でワノ国編が連載されている(2019年11月現在)ことから、フランス革命時の日本の様子をみていくと、18世紀の日本は江戸時代でした。ちょうど1787年から11代目将軍・徳川家斉の時代となり、各地で一揆や打ちこわしが起きたり、京都大火が起きて二条城が焼け落ちるなど幕末に向けて不穏な空気が流れ始める時代でした。
ワンピースのモデルがフランス革命だといわれる理由考察
考察①ローの忌み名
ハート海賊団の船長にトラファルガー・ローという人物がいます。トラファルガー・ローの本名は「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」です。Dは彼の隠し名で「ワーテル」は彼の忌み名となっています。彼の名前もフランス革命に由来していると考えられています。
それは、エルバ島に流されていたナポレオン・ボナパルトが皇帝に復帰し、英国・オランダ・プロイセンなどの連合軍と戦い敗北したナポレオン最後の戦争「ワーテルローの戦い」です。ローの家は先祖代々、何かを継承している家柄だと言われており、謎多き人物となっています。
考察②イム様
「ワンピース」に登場するイム様もフランス革命に関係のある人物と言われています。イム様は、世界最高権力の地位にある五老星からでさえも「イム様」と呼ばれ、傅かせる存在で、平和の証「虚の王座」に座するキャラクターです。
そして、世界政府の重要な聖地マリージョアの中を深部まで好きに歩き回ることができる人物でもあります。「イム」という文字を漢字として見ると「仏」、フランスの和名と考えることができます。「イム」の由来については他に様々な説が出ていますが、「イム=仏」はかなり有力視されている説とされています。
考察③Dの一族
「ワンピース」でルフィやロー、黒ひげたちの名前に入っている「D」もフランス革命と関係があると考えられています。「D」の一族は天竜人が最も恐れている存在で「ワンピース」作中で最大の謎とされてきました。しかし、フランス革命と関連付けてみると「D」はフランスの貴族の姓の前に入る「ド」を表しているのではないかと考えることができるそうです。
フランスの貴族の「ド」はフランス語では「de」、革命以前のフランスでは貴族の名前には「de」を入れることが法律で決まっていました。しかし、革命以降のフランスでは貴族の特権の廃止に伴い、名前に「de」をつけることをやめたのだそうです。そのため、フランス革命が起きる前に貴族だった家系には姓に「de」が入っており、ワンピースの世界でもDの一族の「D」は同じようなものなのではないかと言われています。
考察④ルフィの誕生日
ルフィの誕生日は、作者の尾田先生により、読者からの質問に答えるコーナーで明らかにされました。ルフィ以外の誕生日はゾロが11月11日、ナミが7月3日、サンジが3月2日、ウソップが4月1日という風に語呂合わせや洒落で決定されているにも関わらず、ルフィの誕生日は5月5日、この日はフランス革命が起きた日だそうです。
ルフィの誕生日もフランス革命に関連付けて考えることができます。このように、ワンピースとフランス革命の間には偶然とは思えない関連が見えてきます。そのため、ワンピースの世界観のモデルはフランス革命だと言われるようになったのだそうです。
考察⑤黒ひげがナポレオン?
ワンピースの世界観がフランス革命をモデルにしているとすれば、気になるのはナポレオンの出現でしょう。ナポレオンは既にワンピースの作中に登場しているのでしょうか?もし、登場しているとすればどのキャラがナポレオンにあたるのでしょうか?そこで名前があがっているのが「黒ひげ」です。「ワンピース」の世界で「黒ひげ」はラスボス的な見方をされています。
そのため、黒ひげがナポレオンなのではないかという声もあがっています。しかし。ローも名前から「ワーテルローの戦い」を連想できるので、彼がナポレオンかもしれないとも言われています。はっきりしたことはまだ分かっていませんが、ナポレオンに当たる人物が明らかにされるのか、今後のストーリーに注目していきましょう!
ワンピースとフランス革命の貴族を考察
考察①天竜人
フランス革命は絶対王政を敷く旧体制への反発から起こった出来事です。そのため、ワンピースの世界で旧体制に当てはまるものは何かについて考えていくと、天竜人が旧体制に当たるのではないかと言われています。天竜人は見るからに特権階級・貴族のような存在として描かれており、おそらく破滅の道を辿ると考えられているため、可能性は高いとみられています。
考察②マリーアントワネット
「ワンピース」作中でゴア王国の王妃として登場したサリー・ナントカネットは、名前の感じからしてマリー・アントワネットがモデルであることが確実視されています。また「ワンピース」作中では「戦争を知らない子どもたち」に分類される「世界貴族」と、「平和を知らない子どもたち」に分類される下地民(一般人)の最底辺の間に価値観に大きな違いがみられます。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」
上のセリフは歴史上のマリー・アントワネットが言ったとされる有名な言葉で、民衆が食糧不足で飢えているということを理解できないことを表しています。実際に彼女が言ったかどうかは置いておくとして、このネタは上の画像のようにワンピースの世界の「戦争を知らない子どもたち」つまり「世界貴族」の悪気のない非常識な価値観の由来になっていると考えることができます。
考察③ゴア国王ステリー
「ワンピース」作中に登場するサリー・ナントカネットの夫・ゴア王国の国王ステリーも上記の「世界貴族」と同じで悪気のない非常識な価値観を持っていると言われています。ステリーはゴア王国の貴族であるサボの家に、サボにもしものことがあった時の保険として引き取られた養子の少年です。
サボの父によると引き取られた理由としては、貴族の血筋に加えて8歳ながら優秀で将来有望、そして親からネグレクトされたからだそうです。階層編で当時8歳だったステリーは、ゴア王国にある貧民街グレイ・ターミナルに住む人々のことを他の貴族同様、ゴミ呼ばわりし、笑いながらそこに火が付けられる予定であることをサボに話していました。
そんなステリーも後にゾウ編で登場した時にはゴア王国の国王になっており、サリー・ナントカネットの夫であることからモデルはルイ16世だと言われています。
ワンピースとフランス革命の関係に関する感想や評価
フランス革命勉強したけどワンピースの元ネタ感半端ない
— はてるま (@hateruuuuuuu) November 19, 2019
こちらは「ワンピース」とフランス革命の関係に関するツイートです。フランス革命を学んだばかりという方で、フランス革命がとてもワンピースのモデルとなった感じがするという感想です。
ワンピース、フランス革命との歴史と密接な関係ありすぎるな。
— ご (@Gonzalez04m) August 28, 2019
イム様も 仏 フランスだし
世界政府をひっくり返す戦争が楽しみだ
こちらも「ワンピース」とフランス革命の関係に関するツイートです。イム様の名前もフランスの和名「仏」であり、ワンピースとフランス革命の間には非常に密接な関係があるという感想です。そして、フランス革命をモデルにしているなら今後起こるであろう革命、世界政府を倒す戦いに期待しているそうです。
ワンピースがフランス革命と関係している
— だいき (@justaway_r2_) November 3, 2018
麦わら帽子の受継がれる意思が戴冠式になぞられている
ナポレオンの参加した戦いの名前にワンピースに登場する重要人物の名前がある
イム様=仏=フランスの和名
そう思ってた所もあるけど全部並べると鳥肌立つ考察!
こちらも「ワンピース」とフランス革命の関係に関するツイートです。ルフィがシャンクスから麦わら帽子を託されるシーンを、戴冠式に見立ており、トラファルガー・ローの本名にナポレオンの起こした最後の戦争「ワーテルロー」が含まれていること。そして、イム様の名前がフランスの和名になることなど、すべて並べて考察すると鳥肌が立つという感想です。
ワンピースはフランス革命がモデルだという理由まとめ
いかがでしたか?「ワンピース」の世界観がフランス革命をモデルにしていると言われる理由を考察し、ローの忌み名の元ネタがナポレオンが起こした最後の戦争「ワーテルローの戦い」であることや、イム様はフランスの和名「仏」と解釈できること、そして、Dの一族はフランス革命以前の貴族を表す「de(ド)」と同じような意味合いがあるのではないかということなどをみてきました。
そして、天竜人やゴア国王ステリーたちがフランス革命当時の貴族のような存在として描かれており、特にステリーとその妻サリー・ナントカネットのモデルはそれぞれルイ16世とマリー・アントワネットだと言われていることをみてきました。偶然とは思えない共通点が見つかったのではないでしょうか?フランス革命がモデルと話題の「ワンピース」の今後の展開に注目していきましょう!