サンジの過去と正体をネタバレ！悲惨な生い立ちとヴィンスモーク家との確執まとめ

今や日本でその名を知らない人はいないほど大人気となっている漫画ワンピース!ワンピースは1997年から週刊少年ジャンプで連載を開始し、現在までで88巻まで発売されています。またワンピースは「最も多く発行された単一作家によるコミックスシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されています。その人気は国内だけに留まらず世界にまで広がっているようです。

ではそんな大人気漫画ワンピースとは、どんな物語なのでしょうか?ワンピースは、海賊王を夢見る主人公モンキー・D・ルフィが仲間たちとともに「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を探し冒険をする物語です。笑いあり涙ありの王道少年漫画です。ワンピースにはたくさんの魅力的なキャラクターが登場し多くの名言や名シーンが生み出されており、そういったことがワンピースの人気の秘訣だと考えられます。

この記事では、麦わらの一味のコックであるサンジの悲惨な過去や生い立ちを中心に紹介していきます。ですがその前に、まずはサンジがどんな人物なのかを紹介していきます。サンジは麦わらの一味のコックでその料理の腕は超一流であり、長い船旅での仲間の栄養管理や食糧配分を一手に担っています。金髪にカールした眉毛が特徴的で、常にタバコを加えているヘビースモーカーでもあります。

サンジは、コックの命ともいえる手を傷つけないように足技だけで戦います。またサンジは超がつくほどの女好きで、ナミやロビンなど美女に対しては常に目がハートで「女は絶対に殴らない」というポリシーを貫き通しています。そんなサンジの夢は伝説の海「オールブルー」を見つけることで、その夢を叶えるために麦わらの一味の一員となりました。

最初に紹介する名シーンは、ワンピース巻のシーンです。サンジがまだ麦わらの一味に入る前に海上レストランバラティエで副料理長を務めていた頃の話で、ルフィがサンジをコックにしたいと思ったきっかけの話です。サンジは、お金を持っていなかったため料理にありつけずにいた餓死寸前のギンにこっそり料理を振舞います。このサンジの優しさにルフィだけでなく、読者の心も鷲掴みにされました。

しかし、その後サンジが黙ってギンに飯を食わせたことがバレてしまいます。そのときのサンジのセリフがかっこいいと話題になっています。そのセリフはオーナーであるゼフがよく口にするセリフであり、サンジのコックとしての信念でもあります。このシーンは、サンジのコックとしてのかっこよさが如実に現れています。

次に紹介するシーンは、東の海編の第59話のシーンです。サンジがまだ麦わらの一味に入る前、海上レストランバラティエの副料理長を務めていた頃です。バラティエはドン・クリーク海賊団に襲われ、店を潰されそうになります。サンジは必死にクリーク海賊団に立ち向かい、ゼフに恩返しをするために自分の命を投げ出してでも店を守ろうとします。

しかし、それを阻止したのはルフィでした。「死ぬことは恩返しじゃない」というルフィの言葉にサンジは強く胸を打たれたのでした。このエピソードはサンジの自己犠牲的な精神がよく現れており、サンジの悲惨な過去を知ったあとだと納得ができます。サンジのこの自己犠牲的な部分はその後も仲間を身を挺して守るなどの場面で遺憾なく発揮されています。

次に紹介するのは、ワンピース30巻の空島編でのシーンです。エネルの攻撃から身を挺してナミとウソップを守るサンジの姿(上の画像参照)にかっこいい!と痺れた読者も多いのではないでしょうか?勝負よりも仲間のことを一番に考えて行動するサンジの姿に加えて、強がって「タバコの火欲しかったところだ」と言うサンジのセリフにもグッとくるという読者も多かったようです。

次に紹介するのは、ワンピース72巻のドレスローザ編でのシーンです。サンジは「殺したい男がいる」というヴァイオレットという女性に出会い、サンジはヴァイオレットの嘘に騙されていました。そしてサンジとヴァイオレットは戦うことになるのですが、サンジは絶対にヴァイオレットに攻撃を加えることはしませんでした。そのときのサンジが言った名言が下の画像です。

サンジのこの言葉にヴァイオレットは胸を打たれ、ドフラミンゴを裏切り全ての真相をサンジに話す決心をするのです。このシーンは、ボロボロになりながらも絶対に女を殴らないという自らの信念を貫き通したサンジがカッコいい!と読者の間で話題になりました。

かっこいい名シーンの多い麦わらの一味のコック!サンジですが、サンジの明かされていない過去や生い立ちについて色々な議論がなされていました。ビックマム編にてサンジの悲惨な生い立ちや過去は明かされますが、以前からサンジの生い立ちについての伏線が張り巡らされていたようです。次からはこのサンジの悲惨な過去や生い立ちを匂わせている伏線を紹介していきます。

麦わらの一味のコックで、女好きのサンジ。そんなサンジの明かされていない素性や過去を巡って様々な議論がなされています。まずは、そんなサンジの謎について紹介していきます。

サンジの出身は空島に突入する前に本人の口から「北の海」出身であることが明かされています。しかし、サンジはそれ以上自分の育ちについて語ることはなく「育ちはまぁどうでもいいさ」と言って話を切り替えています。このときのサンジは自分の育ちや過去について語りたくない雰囲気でした。このことから、サンジの過去には何かあるのでは?という噂が囁かれ始めたのです。

次に紹介する問題のシーンは、サンジと王下七武海であるクロコダイルの電話のシーンです。サンジは最初電話の相手がだれかわからなかったため「クソレストラン」と名乗ります。しかし、そのあと電話の相手がクロコダイルであると気づき、サンジは「おれはMr.プリンス」と名前を訂正します。このときサンジがとっさに出した「Mr.プリンス」という名前を巡って、サンジは実は王子なのではないかと囁かれるようになりました。

そして極め付けは、ドレスローザでドフラミンゴを倒した後のサンジの手配書です。ドレスローザではそこまで目立った活躍をしていなかったサンジですが、サンジだけ懸賞金が1億ベリーも上がっていたのです。さらに、サンジの手配書には「生け捕りのみ」の文字が。これは一体どういうことなのでしょうか?

麦わらの一味コック、サンジ。今までサンジの過去や素性は全く明かされてきませんでしたが、ついにその正体が明かされました。サンジの正体は、伏線通り本当にジェルマ王国の王子だったのです。サンジはジェルマ王国の王家ヴィンスモーク家の三男として産まれました。しかしそこからどうやって麦わらの一味に入ることになったのでしょうか?この記事では明かされたサンジの過去について徹底検証していきます。

サンジの過去を見る前に、まずはサンジの実家であるヴィンスモーク家について説明していきます。ヴィンスモーク家は、かつて北の海(ノースブルー)を武力で完全に支配したことがある武闘派の王族のことです。しかしそれは昔のことで、今のヴィンスモーク家は国土を持たず何十隻もの船によって「ジェルマ王国」を形成している海遊国家となっています。それでも昔の勢力は変わらず世界会議への参加資格なども有しています。

ヴィンスモーク家は今も昔も変わらず武闘派な王族であり、現在では「ジェルマ66」と呼ばれる科学戦闘部隊を有しています。ジェルマ66は科学力を駆使して圧倒的な戦闘力を誇る戦闘集団で、他国に金で雇われて戦争を終わらせてしまうほどの力を持つ戦闘集団を有しているジェルマ王国は世界の中でも恐れられている軍事国家なのです。

サンジの手配書に「生け捕りのみ」という文字があったのは、おそらくそれだけの権力を持っているヴィンスモーク家のサンジの父親が根回しをしたということなのでしょう。また、ジェルマ王国の国民の大半が男の兵士です。その理由はジャッジ(サンジの父)の作り出した人造兵士だからです。人造兵士たちは死を恐れずに闘い続ける思考プログラムにされています。

そしてそんな武闘派軍団の中でも、特に脅威となるのはヴィンスモーク家の子供たちです。ヴィンスモーク家の子供は、血統因子を操作されて産まれてくるため他の人造兵士たちよりもさらに卓越した戦闘力を有しているのです。

サンジはそんな軍事国家ジェルマ王国の王家ヴィンスモーク家の三男として生まれました。サンジは実は四つ子で同じ日に産まれた兄弟イチジ・ニジ・ヨンジと、姉のレイジュがいます。サンジの父親であるジャッジは、息子たちをジェルマ66を率いる戦士に育てるために幼少期から厳しい鍛錬をさせます。その鍛錬の内容は高い所から飛び降りさせたり、海を泳がせたり、炎のハードルを飛び越えさせたりと壮絶なものでした。

毎日の地獄のような鍛錬の成績は、サンジが四つ子の中でいつもビリでした。サンジはいわゆる「失敗作」で兄弟たちからバカにされひどい苛めを受けます。イチジ・ニジ・ヨンジにボコボコにされるサンジを姉のレイジュも笑って見ていましたが、他の兄弟のいないところではレイジュだけはサンジに対して優しく接してくれました。

地獄のような鍛錬と兄弟たちからのイジメを受けるサンジの唯一の心の支えは、母親ソラでした。体を壊し療養しているソラの元へ行くことはジャッジに禁じられていましたが、サンジはこっそり母に会いに行き自分で作ったお弁当を渡していました。この頃のサンジの料理はかなり下手でお弁当も見るからに不味そうでしたが、母ソラは笑顔で「おいしい」と言って食べてくれました。

サンジが料理を好きになったのは、自分の作った料理を食べて母が笑顔になったことがきっかけだったのです。しかし、サンジの唯一の心の支えであった母ソラは亡くなってしまいます。サンジは、そのことに対して大いにショックを受けます。

いつも鍛錬の成績がビリで兄弟たちにイジメられていたサンジは、父親ジャッジにも「失敗作」として見捨てられます。「どうせお前は将来戦士として役に立たない」この言葉から、父親ジャッジは自分の子供のことをただの駒だとしか思っていないということがわかります。さらにサンジに失望したジャッジは、サンジを死んだことにしてサンジを牢獄に閉じ込めてしまいます。

サンジはそこで監禁生活を強いられますが、あるとき兄弟たちに見つかってしまいます。そこからまた、兄弟たちにイジメられる地獄の日々が始まりました。外にいても牢獄の中にいても、ひどい仕打ちを受けるサンジは可哀想で見ていられないという読者の声が多くみられました。

牢獄に入れられ、兄弟たちにいじめられるサンジ。そんな姿を見かねた姉レイジュがサンジを牢獄から出して外へと逃がしてくれました。しかし、外へ逃げたサンジはジャッジに見つかってしまいます。そして再び捕まってしまうかと思いきや、ジャッジは「自分から消えてくれるか!助かるよ!」と言ってサンジが逃げ出すのを止めようとはしませんでした。

このようなジャッジの言動からみても、出来損ないのサンジに対する愛情はひとかけらもないことがわかります。こうしてサンジは地獄のような日々を過ごした実家を逃げ出したのです。生まれてから一度も父親から愛されることもなく、兄弟たちに怯えるだけの日々にサンジは別れを告げたのです。

ヴィンスモーク家から逃げ出し10歳になったサンジは、「オールブルー」を見つけることを夢見て客船オービット号のコック見習いになっていました。そこでサンジは残飯を食べるコック仲間に対して「やめろよ」と言って、客の残り物や腐った食べ物を捨てているシーンがあります。それは、食べ物には何も不自由せずに育った影響なのでしょうか?

しかし、ある日平和だったオービット号をゼフ率いるクック海賊団が襲います。サンジは「おれはいつかオールブルーを見つけるんだ」と言い果敢にゼフに立ち向かいますが、ゼフに蹴られてしまいます。そしてその時荒波が船を襲いサンジは海に投げ出されてしまいます。それを見たゼフはとっさに自分と同じ夢を持つ少年(オールブルーを見つける)を助けるために海に飛び込みます。そして二人は岩山に流れ着き、遭難生活が始まるのです。

ゼフは運よく流れついていた食糧の五日分をサンジに渡し、自分はそれよりも倍以上大きな袋を持って岩山の反対側にいきます。そしてそれから70日が過ぎ、サンジの食糧はかなり前に底をつきとうとうサンジはゼフを殺して食糧を奪うことを決意します。しかし、ゼフが持っていた袋の中身は金銀財宝だったのです。ゼフは全ての食糧をサンジに譲り、自分は自分の足を切り落として食べて凌いでいたのです。

そして遭難85日目、通りかかった船が倒れているサンジとゼフを見つけ二人は一命を取り留めました。サンジが生き長らえたのはゼフが自分の足を犠牲にしてまで食糧を与えたからでした。まさにゼフは命の恩人です。さらに、その後ゼフはサンジを自分の店にコック見習いとして置き、料理や騎士道精神などを叩き込んだのです。ゼフはサンジの命の恩人というだけでなく、サンジの父親代わりにもなったのです。

ヴィンスモーク・ジャッジは、サンジの父親でジェルマ王国の国王です。元々は科学者で、その科学の知識を活かしてたくさんの人造兵士や血統因子操作によってジェルマ66を作りだした張本人です。彼は「ジェルマ帝国の復活と北の海への復讐」を第一に考えており、自分の子供もひとつの駒にすぎないという考え方を持っています。そのことから出来損ないのサンジを見捨て、ひどい仕打ちをしてきました。

サンジへの情愛は一切ないように思えますが、実はほんの少しだけ情けはあったようです。というのも、ジャッジはサンジにひどい仕打ちをしてきましたが、殺すということはしなかったからです。ジャッジはサンジをわざわざ死んだことにして監禁したり、逃げようとしたサンジを見逃したりしています。このことから、ジャッジには息子に対するせめてもの情けはあったのだと考えられます。

ヴィンスモーク・ソラは、ジャッジの妻でサンジの母親にあたる人物です。サンジの金髪は母親譲りであったことがわかります。ソラはとても愛情深く慈悲深い人物で、サンジが持ってきた不味いお弁当を「美味しい」と言って食べてくれる優しい女性です。しかし、唯一のサンジの心の支えであったソラはなんらかの理由で死んでしまいます。

ソラに関しては未だ謎が多く、巷では様々な噂が流れています。というのも、ソラは世界経済新聞に掲載された絵物語「海の戦士ソラ」と名前が同じであり、その関連性を巡って様々な議論がなされています。たとえば、ソラは実は人魚でありまだ生きているのではないか?という説もでています。というのも、ソラが足で歩いている場面が一切存在しないからです。その真偽はともかく、今後ソラについて何かあるのかもしれません。

ヴィンスモーク・レイジュは、ヴィンスモーク家の長女でサンジの姉です。科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部の一人で、その能力は毒に関するものでその能力で猛毒に侵されているルフィを救ってみせました。レイジュは苛められているサンジを笑って見ていましたが、監禁されていたサンジを逃がすなど他の兄弟とは違って優しい一面のある良き姉でした。

ヴィンスモーク・イチジは科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部の一人で、ヴィンスモーク家の長男にあたる人物です。鍛錬の成績はいつも一番で兄弟のリーダー的存在であり、サンジを苛める主犯格でもありました。能力は火花で、「スパーキングレッド」という二つ名を持っています。

ヴィンスモーク・ニジは科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部の一人で、ヴィンスモーク家の二男にあたる人物です。「デンゲキブルー」という二つ名の通り、その能力は電撃です。兄弟の中でも特に短気でキレやすく、幼少期に試合で負けたサンジを気絶してからも殴り続けるなど粗暴な性格が目立ちます。

科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部の一人で、ヴィンスモーク家の四男にあたる人物です。外見はサンジにそっくりで、髪型を隠すと麦わらの一味でもサンジと間違える程です。しかし似ているのは外見だけで、性格はサンジとは似ても似つかず冷徹そのもので、人の痛みがわからずルフィを蹴り泣きじゃくるサンジを見て大笑いしていました。

二つ名は「ウィンチグリーン」で、その能力は全身が金属のように硬く怪我をしても金づちやプレス機で治すことができる体質を持っています。また、足につけた機械で宙に浮くこともできます。

四つ子の中で一人だけ「失敗作」といわれて父ジャッジに見捨てられたサンジ。しかし、実はサンジは失敗作なんかではなかったことが明らかになりました。ヴィンスモーク家の子供たちは血統因子操作をされて産まれてくるため、普通の人間とは段違いに強い戦士になることができるのです。しかし、サンジは一人だけ血統因子操作が上手くいかず普通の人間として生まれてきました。

それには、サンジの母であるソラが大きく関わっていたのです。父ジャッジは、血統因子操作により感情のない戦士を生み出そうとしていました。しかし、これに猛反対したのが母親のソラでした。自分の子供を心のない殺人マシーンにしたくなかったソラは、血統因子操作に影響を及ぼす劇薬を飲みそれを阻止しようとしたのです。その結果、ソラは子供たちを生んだ後劇薬が原因で死んでしまいます。

ソラのそんな願いも空しく、イチジ・ニジ・ヨンジは喜怒哀楽の「哀」の感情が欠落したマシーンとして生まれてきてしましました。しかし、そんな四つ子の中で唯一「哀」の感情も併せ持って生まれてきたのがサンジだったのです。サンジは身体能力も普通の人間と同じだったためジャッジからは「失敗作」だといわれてきましたが、サンジは母親の願い通りに感情を持った「成功作」だったのです。

ここからは、サンジの過去が明らかになりサンジが大活躍したビックマム編のあらすじを簡単に紹介していきます。ビックマム編の始まりは、サンジの元に四皇ビックマムの使いが現れたことでした。一緒にいた麦わらの一味は戸惑いますが、サンジは笑顔で「必ず戻る」と言い残し麦わらの一味から去ったのでした。

麦わらの一味を去ったサンジは、かつて自分の家族だったヴィンスモーク家の者たちと再会を果たしていました。そこでサンジはイチジを言い争いになり、喧嘩が始まりました。イチジもそれを見ていたジャッジもサンジに負けるなどとは思っていませんでしたが、サンジはかつて自分を苛めていたイチジに勝利するのです。その後サンジはジャッジとも決闘を行いますが、決着はつきませんでした。

ジャッジは剣で戦えとサンジに促しますが、サンジは「コックは手が命だから」と足で戦うことに拘ります。それを見たジャッジは、サンジの両手に爆弾を取り付けたのです。そしてサンジの恩人であるゼフの写真を取り出し、「ビックマムの娘であるプリンとの政略結婚」を拒むことができないように脅迫したのです。

いなくなったサンジをルフィたちは迎えにいきます。やっと会えたと思ったルフィたちでしたが、サンジの答えは「麦わらの一味には戻らない」というものでした。しかしサンジは、ゼフを人質にされているためビックマムの娘と結婚する以外に選択肢はないのです。サンジはわざとルフィたちに嫌われるようなことを言って、自分の帰る場所をなくし迷いを振り払おうとしているようです。

そしてルフィとサンジとの決闘になりますが、ルフィはそんなサンジに一切手を出しませんでした。サンジが本心からルフィたちのことを罵倒していないということをルフィはわかっていたのです。「おれの事蹴るだけ蹴っても!痛いのはお前だろ!」そう、この決闘で誰より深く傷ついていたのはサンジだったのです。ルフィはサンジが絶対に戻ってくることを信じて、待つことに決めました。

サンジはルフィたちと別れた後、姉レイジュと話をします。そこでサンジの母の話を聞きレイジュに後押しされて、サンジは麦わらの一味に戻ることを決意します。サンジはお腹を空かせているであろうルフィのためにお弁当を持って、決闘した場所に向かいます。そこにはお腹を空かせてボロボロになったルフィがいました。ルフィは言葉通り食べ物を一切口にせずに、サンジの帰りを待っていたのです。

サンジは、来る途中でぐちゃぐちゃになった弁当をルフィに渡します。ルフィは一瞬驚きますが、いつもと同じように「美味しい」と言ってお弁当を完食したのです。このシーンは、サンジの母ソラがサンジの不味いお弁当を美味しいと言って食べてくれたあのシーンに似ていると話題になりました。お弁当を食べ終わったルフィにサンジは全てを話し、だから船には戻れないと告げました。

そしてその言葉を聞いたルフィは、ここで初めてサンジを殴ります。殴られたサンジは強がっていた気持ちが一気に溶け、「サニー号に帰りたい」と泣きながらやっと本音が零れます。それを聞いたルフィは、一緒に式を潰そうと提案します。ビックマムたちに騙されている家族も助けたいというサンジの願いも受け入れ、ルフィたちは「サンジ救出作戦」を実行することになりました。

「式をぶっ壊す」というサンジたちの作戦が功を奏し、式はめちゃくちゃになり大混乱に陥りました。そんな中でジャッジはビックマムに騙されて命を狙われていたことに気がつき、涙をボロボロと流します。ジャッジは泣きながら「ジェルマ帝国の復活と北の海への復讐に人生をかけていた」と語ります。サンジにした仕打ちはひどいものですが、ジャッジにはジャッジの信念があったのです。

負傷したルフィを連れて逃げるサンジにビックマム海賊団の魔の手が迫ります。そこに現れたのは、サンジの兄弟たちジェルマ66でした。彼らは、サンジとルフィを守るようにビックマム海賊団に立ち向かいます。家族とサンジには消えない深い確執がありますが、この一件を通して少しだけ彼らの溝が浅くなったようにみえます。ちなみにこのときニジがこっそりサンジのポケットにレイドスーツを忍ばせていたようです。

こうしてサンジは無事に麦わらの一味の元に戻ることができたのでした。そのビックマム編の最後は、サンジとゼフのあのセリフでしめられています。「さァ食え!食いてエ奴にゃ食わせてやる!!」これには、サンジはやっぱりこうでなくっちゃ!という読者の声が多く聞かれました。「王子」のサンジもカッコいいですが、やっぱり一番サンジらしいのは「コック」のサンジのようです。

サンジの悲惨な生い立ちや過去が明かされたビックマム編は終わりを告げました。しかし、未だ謎は多く残されています。まず、別れ際にニジがサンジのポケットにこっそり忍ばせていたレイドスーツの行方です。サンジはニジが忍ばせていたレイドスーツに気が付きます。ですが「おれはこんなもんで強くなりてエとは思わねェ!」とレイドスーツの使用をサンジは頑なに拒みます。

サンジの悲惨な生い立ちや過去を思うと、たしかにサンジが父親の作ったレイドスーツを使う気持ちには到底なれないことはわかります。そしてこのときのサンジの強い拒否反応を見ると、少し兄弟たちとの溝が埋まったように見えてもサンジの心にはまだ消化しきれない深い確執があるのだと考えられます。

しかしながら、今後サンジがこのレイドスーツを使用することは絶対にないのでしょうか?それは、おそらくあるのだと考えられます。もし使用しないのならレイドスーツをわざわざ登場させる意味はないですし、本人は使いたくなくても使わないといけない状況が今後やってくるのだと考えられます。本当に今後そういう展開がやってきたら、サンジはどのような能力を使うことができるのでしょうか?展開から目が離せません。

さて、この記事ではサンジの悲惨な生い立ちや過去を中心にサンジの名シーンなどもネタバレしてきましたがいかがだったでしょうか?サンジについて深く知ることができ、ますますサンジが好きになったという人も多いのではないでしょうか?この記事ではビックマム編についてもネタバレしましたが、ビックマム編はヴィンスモーク家の人間以外にも様々な登場人物が登場する非常に長いシリーズです。

そのためこの記事ではサンジとヴィンスモーク家の人間を中心にまとめていますので、ビックマム編の全てをまとめて紹介することはできませんでした。そのためまだまだ紹介しきれてないビックマム編の見所やサンジの魅力(婚約者プリンとの恋の行方など)がありますので、ビックマム編ももう一度読んでみると面白いかもしれません。では、今後もサンジの活躍に期待しながらワンピースの展開に注目していきましょう。